キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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プリメロデートでの事変 天城の異変

うたがメロロンにローリングメロロンアタックを喰らった後、二人は早速うたから出されたクリームソーダを食べる事になった。

 

「いただきますプリ!」

 

「いただきますメロ」

 

それから早速メロロンはスプーンでアイスをすくって一口食べてみる。すると甘いバニラアイスが口の中に広まった。

 

「メロ!?これは……口の中で解けたアイスがターボエンジンが全開になって……甘い味を拡散してて……美味しいのメロ」

 

「キラッキランラン〜でしょ?」

 

「メロ!?だからデートの邪魔メロ!近くで座っているのは良いと言ったメロ。でも邪魔するなら今度はツインテールのターボを起動して体当たりするメロ」

 

そんな風にメロロンがうたへと文句を口にする中、影人はそんなメロロンの言葉使いの変化に首を傾げた。

 

「……んん?メロロン、お前。ターボエンジンなんて機械的な意味の言葉使うような子だったか?」

 

「メロ!?これは違うのメロ!あんな馬鹿の子と一緒にしてもらったら困るのメロ!」

 

するとメロロンの背後に幻影として現れた青髪をツインテールにした○マ娘である○インターボが怒ったように反発する。

 

「誰が馬鹿だって!?ターボは頭悪く無いもん!」

 

「ターボさん。邪魔しちゃ悪いですよ」

 

「○クノ!?何するんだ!」

 

「ごめんね、ターボちゃんに悪気は無いんだ」

 

「悪いのは頭だけだから」

 

すると○インターボの後ろに何人かの○マ娘が来るとその中の一人が○インターボを○肉バスターの一歩手前状態で無理矢理連れ帰っていく。そんな中、メロロンは自分の邪魔をした○インターボの声が遠くなるとそれにはもう見向きもせずにクリームソーダへと集中していた。

 

「結局何だったんだよ……アイツらは」

 

影人が呆れたような顔を向ける中、その隣ではななが震えており、同時にうたへと視線を向けると彼女も震えていた。

 

「……蒼風さん?咲良さん?」

 

「むむむ……今のを見てると何だか英語で話しながらはっちゃけたくなってきたんだけど。ほら、“世界最強の○マ娘・○ルコンドルパサー!入場・デース!”とか!」

 

「蒼風さん!?何言ってるの!?」

 

「うう……私も近くの柵を壊したくなってきて……○ムレットに乾杯だよ!」

 

「咲良さんも何言ってんだよ!!てか、このプリメロのデートの雰囲気さえも壊すな!ヴェルサイユの破壊神!」

 

「カゲ先輩も落ち着いてください!一歩間違えたらアウトですそれ!」

 

影人がうたとなながやらかしたボケにツッコミを入れる中、こころは影人を落ち着かせるために彼を宥めていた。そんな中、レイは一人冷静に疑問を口にする。

 

「そういや、どうしてメロロンはプリルンにメロメロなんだ?」

 

レイがメロロンへとそう問いかけると影人も落ち着き、全員が真面目な視線をメロロンへと向けた。尚、プリルンだけは相変わらずクリームソーダの方を見ているが。

 

「……教えてあげないメロ。あ、でも影人にだけだったら教えても良いのメロ」

 

メロロンがそう素っ気なく返すといつも通りの彼女の対応に影人は一度溜め息を吐く。

 

「やっぱり影人君にだけは話せるみたいだね」

 

「はい。……カゲ先輩。メロロンにそんな好かれるような事やったんですか?」

 

「別に。普通に接しただけだよ」

 

影人としては一人でプリルンを探しにきたメロロンを助けるために色々と手を貸した結果、何故かメロロンに好かれている状況ができている。本人としても想定外の事だったのだ。

 

「プリルンも知りたいプリ〜」

 

するとプリルンと思われる声がメロロンへとかけられる。それを聞いてメロロンはプリルンからのお願いなら断る理由が無いと感じたのか、プリルンの方を向く。

 

「メロ?ねえたま……。それは……」

 

ん〜んんんんんん!(ん〜美味しいプリ!)

 

そこにはクリームソーダを食べて口の中がいっぱいなのか、美味しいと言っているものの上手く言葉にならない声を発していたプリルンがいた。尚、彼女はどこから出したのか爪楊枝を咥えた状態であり、クリームソーダを満喫している。

 

「メロ!?」

 

「大成功プリ!」

 

するとうたがいつの間にか顔を手にしていたお盆で覆っており、それを外すとものの見事にプリルンのような顔になっていた。

 

「咲良うた!?どういう事メロ!?」

 

「うたちゃん凄い……プリルンの真似上手だね」

 

「むしろ上手すぎて俺達も一瞬騙されたっつーの」

 

ななやレイがうたがやったプリルンのモノマネのクオリティの高さに驚く。ただ、影人としてはうたがまた余計な事をしたと頭に手を置いていた。

 

「咲良さん。一応聞くけど、何でそんなに上手いんだ?」

 

「ん〜?毎日隣で聞いてるからプリプリ伝染っちゃった!」

 

「毎日……隣メロ……?」

 

うたからの返しに影人は凍りつく。流石にここまでメロロンの前で無神経な返しが来ると思わなかったからだ。勿論うたに悪気は無い。ただ、このタイミングでのうたの今の台詞はメロロンの心にグサリと突き刺さってしまう。

 

「うた先輩!?ダメですそんな事言ったら!」

 

こころもうたの無神経発言に慌ててフォローしようとするが、もうメロロンの中に燃え上がった嫉妬の炎は収まらない。

 

「メラメラ……メローッ!咲良うた!許さないメロ!」

 

そのままメロロンはうたへと突撃。そこからメロロンが落ち着くまでには暫くの時間が必要になるのだった。

 

「うわぁああっ!」

 

「メロロン、ひとまず落ち着け!!」

 

そんな風に二階が騒がしくなった時。天城はその様子が気になったために田中へと聞いた。

 

「田中さん?何だか聞きなれない幼い子の声が……」

 

「気のせいですよ。きっと聞き間違いです」

 

田中はあくまで一般人である天城を相手に平然としながら回答する。ちなみに天城はその声の主がプリルン、メロロンだと知っていた。天城はプリルン、メロロンという妖精の正式名称に関してはここ最近の潜入生活で何度か影人達の発言をしている所を聞いて把握している。

 

すると何故か天城の脳内にビビッと電流が走ると天城は突如として田中の前で口調を超えてカッコよく言い放つ。

 

「最強の○マ娘は俺だ!……はっ!?」

 

勿論、周りから見たら今の天城の行動は本当に何がしたいのかわからないという話になるので無言になりながらジト目を天城へと向ける。

 

「……天城さん?」

 

「す、すみません!何でかな……。急に変な事を口走って……」

 

「ふむ。天城さんも無意識にそういう事を言うんですね」

 

「ご、誤解ですって!私は普段こんな事言いませんって……」

 

そんな風にオドオドとしながら天城は田中へと弁解。そんな彼女を見て田中の口角が少しだけ上がっていたのは余談だ。それはさておき、田中は気を取り直して天城へと問いかける。

 

「今のは冗談ですよ。そういえば、天城さんはどうしてこのお店をバイト先に?」

 

田中としてはバイト先としてここを選んだ理由が気になっていた。天城は見た感じ、年齢的にはまだ二十代前半だ。その若さに加えて彼女には周りを惹きつける美貌さえもある。それらを踏まえて、彼女の見た目及び年齢なら別の仕事への再就職も容易だっただろう。

 

だが、天城はここにバイトとして雇われる選択肢を選んだ。正社員からバイトになるという事は給料も下がる事になる。そうなると、自身の生活を苦しくしてでもここにバイトしに来た理由が田中は気になったのだ。

 

「……実は、半年ぐらい前にこのお店に一度足を運んでいて。うたさんには覚えてもらえてませんでしたが……。ただ、その時にこのお店の雰囲気を見て最初、凄い居心地の良さを感じたんです」

 

どうやら天城は半年程前に一度はなみちタウン及び喫茶グリッターへと足を運んだらしい。その時に仕事に疲れた体を癒してもらったようだ。

 

「私はその時はやるべき仕事に埋もれていて。それを頑張って終わらせようとする度にどんどん仕事は押し付けられるばかりで。体も限界になりつつあった所でここに来たら……看板娘の子。うたちゃんの歌を聴いて癒されたんです」

 

天城の顔つきは本当に地獄の中にいた自分が救い出されたような救われたような顔つきをする。勿論この発言の中の一部は嘘だ。彼女の正体はチョッキリ団のスラッシューであるために発言の中に嘘を入れないといけない。

 

ただ、仕事に埋もれていたというのは本当である。何しろ半年前にはキラキランドへの侵攻計画が進んでいたからだ。そして、グリッターに来てうたに歌ってもらったのも事実である。尚、うた本人は覚えてないが。

 

「大変だったんですね」

 

「ええ。……だから少しでも恩返しできる時にしたいなって」

 

天城の言葉を聞いた田中は天城がかなりの苦境に立たされていたのだと察すると彼女へと返す。

 

「そうですか。……良いバイトへのモチベーションですね」

 

「あはは……。それとすみません、こんな私の自分語りばかりで」

 

「いえ……」

 

それから天城は自分が今やるべきであるバイトに再度集中すると自分の任された仕事をやっていく事になる。天城達がこんな風に下でやり取りする間も上の喧騒ことメロロンの怒りはまだ収まっていなかった。

 

「(さて、いつまで揉めてるのかしら……影人君達は)」

 

天城はこれ以上気にしても仕方ないと仕事にまた集中しようとする。そんな中、彼女の中に美しい歌声が聴こえてきた。

 

「(ッ……煩いわ。そんな耳障りな歌……要らないのよ)」

 

天城は胸を抑えると胸に響く澄み切った歌を踏み潰すようにして掻き消す。

 

「(私の歌は自分のためにしか無い。誰かのために歌う歌は……もうとっくに捨てたんだから。だからそんな歌なんて要らない)」

 

するといつの間にか天城の胸を蝕んだ歌は消えると胸の痛みもスッと消える事になる。それから少し経った後。

 

「メロ……純情を弄んで。遊びじゃ無いのメロ……」

 

うたの部屋の上の階にあるプリルン、メロロン用のベッドとして用意されたクッションにて。メロロンはグリッターの二階のスペースで一通り暴れた後、落ち込んだようにクッションに突っ伏した。

 

「……大丈夫か?メロロン」

 

「メロ!?影人……」

 

そんな彼女に声をかけたのは影人である。メロロンが拗ねて部屋に戻ってしまった後に影人はうた達に断りを入れてから彼女を追いかけてきたのである。

 

「何でここに来たのメロ。彼女のこころの元にいないといけないんじゃないのメロ?」

 

メロロンがそう強めの口調で問いかける。その言い方は影人相手に寛容な様子を見せる彼女にしては珍しかった。

 

「……お前が心配だからに決まってるだろ」

 

「影人からしたらこころが一番なのメロ。メロロンの事なんて放っておくのメロ」

 

メロロンはすっかり弱ってしまったのか、そう言って拗ねたような声を出す。

 

「はぁ……。確かに俺にとっての一番はこころ。それは絶対に変わらない。でも、気持ちが弱ってるメロロンを見捨てる理由にはならないだろ」

 

「メロ……。だったら……こうしてても良いメロ?」

 

すると、メロロンはゆっくり立ち上がると影人の胸に飛び込む。そのまま彼女は少しの間、影人の胸に顔を埋める。影人はそれを見て少しだけ慌てるが、こころには許しをもらっているために一応許容する事にした。

 

「もう……そんな事したら勘違いしちゃうメロ……。影人にはもう相手がいるのに」

 

メロロンはそう小さく呟くと影人はその言葉を意識の隅でしっかりと聞く。そんな彼女を影人は優しく受け止める事になるのだった。

 

〜おまけ 黒霧家の○マ娘達〜

 

影人達……主にうた達が○マ娘のような謎の挙動をし出した頃。黒霧家でもちょっとした異変が起きていた。

 

「夢乃さん、次にドリーム・アイとしてやる企画は歌ってみたで良いでしょうか?」

 

「はい!アカペラ練習も兼ねて高音の歌をピックアップしてもらえるとありがたいです」

 

「ええ。こちらである程度準備しておきますね」

 

すると、夢乃の脳裏にビビッと電流が流れると彼女は無意識に変な挙動を始める。

 

「よーし。これからの歌ってみた企画のために……頑張れ○イス!頑張れ○イス!」

 

「……夢乃さん?何言ってるんですか?」

 

するとそこに家にやってきた姫野のためにお茶を持ってきた影人、夢乃の母である理沙はいきなりサイボーグと言わんばかりに抑揚が薄めの声色で夢乃へと声をかける。

 

「夢乃、いえ……○イス、四の五の言わずに全力で歌いなさい!」

 

「は、はい!○ルボンさん。頑張ります〜!」

 

「理沙さんも何を仰ってるんですか!?」

 

そして、勿論姫野はこのテンションについて行けない。するとそこに影人、夢乃の父親である魁斗が入ってくる。

 

「どうした。二人共」

 

「か、か、魁斗さん……二人をどうにかしてください。流石にこれじゃ話が通じません」

 

姫野は普段のクールキャラが崩壊すると二人の急な変化に恐怖に怯えるような目つきで慌てて魁斗の後ろに隠れる。すると魁斗は振り返ると姫野へと話しかけた。

 

「……でしたら俺が今ビビッと閃いたメジロ家の主治医としての直伝治療法をして差し上げましょう」

 

「……はぇ?」

 

まさかの助けを求めた魁斗にさえも変な物が取り憑いたと言わんばかりの挙動をされて最早姫野の脳内の容量はパンク。そのまま目を回して倒れてしまうのであった。

 

「か、影人君……早く帰ってきてください……」

 

「「「姫野さん!?」」」

 

尚、三人は姫野が倒れたのを見てようやく正気に戻ったようである。このように、黒霧家でもひと頓着あったのだった。




また次回もお楽しみに。
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