キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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コラボ編4話 お出かけの約束 チョッキリ団幹部会議

蓮がふたばからの告白され、それを断った頃。影人達五人は喫茶グリッターに来ており、いつもの二階のスペースでのんびりとしていた。

 

「蓮君、ちゃんとふたばちゃんに答えを言えたかな……」

 

「大丈夫だろ。アイツはちゃんと言う時は言う奴だからな」

 

「俺も心配しなくて平気だと思う」

 

女子組は蓮を心配するが、影人、レイの男子組は問題無いと思っていた。そんな中、こころがふと何かを思い出すと声を上げた。

 

「あっ!そういえば皆さんって明日一日分時間を作れますか?」

 

「私は大丈夫」

 

「私も大丈夫だよ」

 

「俺もだな。一番忙しそうなのはレイだけど……」

 

「俺か?確か明日は……うん。急に予定が捩じ込まれさえしなければ大丈夫だ」

 

この場にいる四人から了承を取れたこころはホッとしたような顔になる。ただ、この場にいない蓮に関しては彼に直接聞かないといけない。そのため全員かどうかはわからないが、大体全員が空いているという答えになった。

 

「でも、いきなり俺達の予定なんて聞いてどうするんだ?こころ」

 

「ふっふっふ。実は私、ここに行ってみたいです!」

 

それからこころが少しだけスマホを弄るとそこにあったのは街の外にある遊園地であった。

 

「これって?」

 

「このはなみちタウンの外になりますけど、街に程近い遊園地です!明日は皆さんでここに行きたいなと思います!」

 

「おお!遊園地!楽しそうでキラッキランランだよ!」

 

「私も賛成。偶には街の外に遊びに行くっていうのも新鮮で良いと思う」

 

うたやななはこころの意見に真っ先に賛成。それからこころは男子組の二人へと問いかける。

 

「カゲ先輩とレイ先輩はどうですか?」

 

「遊園地か。俺も行きたいな」

 

「ま、せっかくの一日フリーな日だし。そういう時くらい羽を伸ばしておきたいしな」

 

影人やレイも賛成。早速こころは計画を進めようとする。後はこの場にいない蓮が来るのを待つわけだが……。

 

「お待たせ!」

 

「蓮!早かったね」

 

「告白の返事、ちゃんとできたか?」

 

「ああ。ふたばさんには申し訳無かったけど、ちゃんと断る事はできたよ」

 

一同はその話を聞いて取り敢えず告白の方に関してはどうにか決着を付けることができたという事実を確認。そのためにこころは改めて遊園地での遊びに誘う。

 

「俺達で遊園地に行くのか。わかった、じゃあ行こうか」

 

「やった!」

 

こころが蓮にも許可を取る事ができたと喜ぶ。これで安心してここから先の動きを考えられるようになった。

 

「それでは集合場所と集合時間を決めていった方が良いですね!」

 

「ああ、ただ……六人で行くってなると車を使った方が良いだろうが……」

 

そう、流石にこの人数で行くという話なら車を使うべき状況。しかし、そうなると送迎の車を運転する人も必要となってしまう。

 

「こころ、運転士候補の人って決まってる?」

 

「え、えっと……田中さんは?」

 

「田中さんは明日ここのバイトだったはず。あと、俺の方で車を準備するのはキツイな。父さんに頼んで了承してもらえる未来が見えない。あの人も多忙だし」

 

レイの家もダメという話だ。田中がバイトということでグリッターの経営がある咲良家、そして母親が海外で実質父子家庭状態の蒼風家も恐らく厳しいとの事。紫雨家も明日は母親が仕事なのに加えて祖父祖母に無理に付き合ってもらうのはできないため無理。

 

「……こころって意外とノープラン系?」

 

「ち、違います。その……昨日唐突に思いついた事なので事前準備ができなかっただけで」

 

こころは悲しそうな顔つきをする。このままでは行く話がおじゃんになりかねない。そんな彼女を見た影人は溜め息を吐くと電話する。

 

「……もしもし、父さん。頼みがあるんだけど」

 

「カゲ先輩?」

 

それから少し通話した後。影人が電話を切ると通話の結果をその場の全員に報告する。

 

「……夢乃を一緒に連れてく事を条件にオッケー貰えた」

 

「おお!」

 

「ありがとう、影人君!」

 

「偶々俺の家が明日は全員が休みで揃う。夢乃だけを家に置いていくのは良くないから連れてくことになるけど……大丈夫?」

 

「勿論です!その……ありがとうございます、カゲ先輩」

 

「気にするなよ。それに俺達未成年者だけで出かけるのも危険だろ?保護者の同伴者は必要だ」

 

こころが影人へと頭を下げると影人は返事を返す。これで影人達黒霧家が全員参加となり人の人数は9人……ただそうなると。

 

「車一台じゃ足りなくなっちゃってるね」

 

「ああ……もう一人は車を出す人がいる」

 

そんな中で蓮の方も連絡を飛ばしており、その返事が貰えたので彼の方も声を上げた。

 

「だったら俺の方も連絡がついた。ひま姉、スケジュールが明日空くらしいからお願いしたら良いって言ってくれた。あ、あとひま姉曰くニカ姉も来るって」

 

これにより、参加人数は11人。そしてこの人数なら最悪六人乗りが可能なレンタカーを使えば二台でどうにか足りる。

 

「良かった……」

 

こころが安心したような顔つきになると影人はこころの頭を撫でつつ優しく話す。

 

「計画性に関しては今度から気をつけような、こころ」

 

「はい、すみません……」

 

こころはそう言って自分の発言の詰めの甘さに申し訳なさを感じた。何にせよこれで行くことは可能になる。チケットも当日券を使えばどうにかできるので問題は無い。ただ、移動に多少時間がかかるので早起きが必須になったが。

 

「うた、明日は寝坊NGだから気をつけてよ」

 

「大丈夫、大丈夫!」

 

「うたがそう言っても普段の事があるから説得力無いんだヨイ」

 

そう。うたは普段から朝に弱く、鼻提灯を破壊しないと起きれない子だ。そしてそのせいで遅刻ギリギリが常習的に発生する時がある。

 

「遊びに行く日とかは楽しみすぎて深く寝ないし、起きるのも早いから!」

 

「その妙なモチベーションを普段の学校でも出してくれよ……」

 

影人がうたの調子がいつも通り過ぎて頭を抑えて呆れる。ただ、この元気さがうたの魅力の一つだろう。

 

「仕方ないのメロ。もし咲良うたが起きれなかったらメロロンが無理矢理叩き起こすのメロ」

 

「メロロン、悪いな。任せるぞ」

 

「ごめんね、メロロン。うた先輩のために」

 

「ほぼ確実にそうなるだろうから任せた、メロロン」

 

「ヨーヨイからもお願いするんだヨイ」

 

「メロ、折角の機会だしこのねえたま泥棒に仕返し……ううん。ねえたま泥棒が参加できなかったらねえたまが悲しむメロ。だから任せるメロ」

 

「皆私を信用しなさすぎじゃない!?」

 

影人、こころ、レイ、ヨーヨイが次々とメロロンに頼むとうたはあまりの信用の無さに“ガーン”という効果音が鳴りそうなくらいに唖然とする。尚、メロロンは完全に普段プリルンを取っているうたへの仕返しのためにやる気になってる模様。

 

「プリ!皆で行く遊園地、楽しみプリ!ところで、遊園地って何プリ?」

 

プリルンの言葉に全員がズッコケる。ここに来ても本当にプリルンはマイペースと言うべきか。ヨーヨイとメロロンが遊園地についてプリルンへと説明するというフォローが入り、どうにか話が進むことになった。

 

「ひとまず、そろそろ戻らないとだな」

 

「蓮にはこの後配信が控えてるし、色々準備とかもあるしな」

 

そんなわけで一同はグリッターから出ることになり、うたは見送るために出口付近に行こうとする。するとそのタイミングではもりと一緒に夢乃が来た。

 

「って、はもり!?夢乃ちゃんも」

 

「こんにちは!うた先輩!」

 

「夢乃、お前はこの後アレあるだろ?何でゆっくりしてるんだよ」

 

「そのくらい別に良いじゃん!あ、それと蓮先輩。この後はよろしくお願いします」

 

「ああ、あっちの方でもよろしくね」

 

夢乃がそう言って蓮へと今日の事についての挨拶をする。その話し方は今日の朝、あんなに蓮との共演で興奮していた子とは思えないくらいにしっかりしていた。

 

「それと、蓮先輩。あの……今日は遠慮とか無しで本気で来てもらって大丈夫なので、むしろ本気で来てください」

 

「……え?」

 

先程から機密保護のために割と主語が抜けた会話だったが、その場にいた殆どの面々が夢乃の意図に気がつく。夢乃が言っているのはゲームでの話である。夢乃としては今日の配信のゲームで蓮と本気で向き合いたいと考えていた。だから蓮に手を抜かれると困るのでこのお願いをしたのである。

 

ただ、やっぱりうたやプリルン、そして配信の存在を知らないはもりは意味がわからない様子で……。

 

「プリ?夢乃は何を言ってるプリ?」

 

「あ、後で説明するから静かにするヨイ!」

 

プリルンが問いかけるとヨーヨイが慌ててプリルンを引っ込ませる。ここでプリルンの存在がバレたら色々問題化するからだろう。

 

「夢乃ちゃん、本気でってどういう事?」

 

「あはは、ちょっとこの後蓮先輩と遊ぶ用事があって。はもりちゃんとこの時間までしか遊べないのもそういう理由なんだ」

 

「そうなんだ……」

 

夢乃は配信の事をはもりに明かすわけにはいかないのでまた主語が抜けた会話をする。そして、それはうたの誤解を更に加速させるわけで。

 

「ま、ま、まさか蓮ってば夢乃ちゃんと何をするの!?」

 

「お前は何を誤解してるんだよ」

 

「だだだって遊ぶ用事でしょ?この後の時間って夜なわけじゃん。しかも本気でってまさか布団の上でe……」

 

「だーっ、ストップ!はもりちゃんいるし、誤解だし、その発言そのものがアウトだし、取り敢えずブレーキ踏め!」

 

うたは誤解し過ぎて少し過激な方向に妄想してしまったため、どうにか影人が叫ぶような形で誤魔化すと発言を無理矢理修正した。

 

「うた、何でそんな話になるんだよ……」

 

そんな中、夢乃の方は満更でも無いと思ったのか顔が少し赤くなるものの、特に嫌がる様子は見えなかった。

 

「蓮先輩と布団の上でe……うん。嫌じゃないかも。むしろy……」

 

「夢乃、お前もブレーキ踏め!それとその煩悩状態から戻れ!あっちでそういう発言したら取り返しが付かなくなるから止まれ!」

 

影人は肩で息をするくらいに二人からの連続したアウト発言を止めて疲れたような状態となる。何にせよこれで色んな意味でのアウトコースは避ける事ができた。

 

「影人君大変そうだね……」

 

「カゲ先輩って前々からツッコミ気質がありますしね。……それと、私もいつかカゲ君と布……」

 

「だからこころ!そっちにまで飛び火すんなぁああっ!」

 

この後どうにか影人が場を沈めたものの、彼は疲れからか家に戻ると約30分程自室で何もせずにボーッとしたのだった。

 

その頃、チョッキリ団のアジトにて。そこにはいつも通り、カッティー、ザックリーがバーのカウンター席に座っていた。

 

『……時には辛く悲しいけど、幸せハッピーになれるはず、だから前を向いて行こう、Let's go!』

 

今日のカッティーが見ているのはキュアホープフルのライブ映像である。それを見てザックリーはお決まりの光景になったからか特にツッコミも無かった。

 

「おいカッティー」

 

「何ですかな?」

 

「……この後スパット様からの緊急招集かかってんだぞ?観てて大丈夫か?」

 

「えっ!?」

 

それを聞いて慌てた様子で再生を止めるとスマホをしまう。ザックリーが知らせて無かったらスパットが来るまで観ていたためにカッティーは優しい相棒に感謝した。

 

「そ、そうなのですぞ。そういえば今日でしたな」

 

「……やっぱりあんた達も呼ばれたんだね」

 

「「チョッキリーヌ様」」

 

そこにいつからいたのかわからないが、チョッキリーヌも姿を現す。どうやら彼女もスパットからの緊急招集を受けたらしい。

 

「……はぁ、ここに暫く戻ってくるつもりは無かったのですが……。スパット様からの命令には逆らえませんし仕方ないですわね」

 

そこにやってきたのはいつの間にか戻ってきたスラッシューである。それを見てチョッキリーヌは声をかけた。

 

「ふふっ、いくら好き放題動くスラッシューでもスパット様の命には逆らえない。そういう事かい?」

 

「……そういう事ですわ。まぁ、今まで自由に動いていたからそれを咎めるのも含めてるのかしらね」

 

スラッシューがそう言うと暗闇の奥から手を叩きながらスパットが歩いてくる。これで今回の招集の件の幹事も揃った。

 

「いいえ。今日はスラッシューさんを個人的に咎めるつもりはありません。あなたはこの中で考えたらアイドルプリキュアを相手によく戦って戦果も挙げてる方ですしね」

 

スパットのその言葉にチョッキリーヌは普段言われている分スラッシューが痛い目を見るのが望ましかったのか舌打ちする。

 

「チッ……それでスパット様、要件というのは?」

 

「……皆さん、今現在のアイドルプリキュアの戦力は?」

 

「えっと、キュアアイドルにキュアウインク、キュアキュンキュン」

 

「キュアブレイキン、キュアホープフルにキュアソウル……六人っすね」

 

「ええ。奴等は戦力を着々と増やしています。奴等が幾ら頑張った所でダークイーネ様に勝てるはずがありません……ですが」

 

スパットはアイドルプリキュアの名前が挙がる度にトランプのカードのごとく一枚ずつカードを出す。そして、言葉を言い終わったタイミングでスパットの手が止まる。

 

「流石にあなた方、迂闊すぎませんかね?六人分のアイドルプリキュアの覚醒を止められなかった。キュアソウルに関してはスラッシューさんの作戦の範疇なので良いとしても五人。五人もです」

 

「つまり、良い加減アイドルプリキュアを一人でも良いから仕留めろと。そういう事かしら?」

 

「簡単に言えばそうなりますね。ただ、ここまで強大化したアイドルプリキュアを今更あなた方が一人ずつ当番制で出張った所で勝てるなんて思ってません。勿論、スラッシューさんが自分で戦ってもです」

 

スラッシューはその言葉に渋い顔をする。進化した自分がその気になればアイドルプリキュアの六人はあっという間に壊滅できるという顔つきだ。

 

「そこで今回はこの私とあと二人。選抜メンバー三人で行こうと思います」

 

「三人?」

 

「ええ、今のアイドルプリキュアを倒すのはそれだけあれば可能と思ってます」

 

スパットがそう言うとスラッシューはため息を吐きつつ真っ先に手を上げる。

 

「だったら私がやりますわ。私の個人的な目的もあるとはいえここまで放置したのには責任を感じてますし」

 

「なるほど、あなたのそのやる気は買いましょう。さぁあと一人です」

 

そしてこうなるとチョッキリーヌは自分が手を挙げる必要は無くなったと腕を組む。あとの枠が一つなら部下二人が仕事を押し付け合えば済むと考えたからだ。

 

「……だったら自分が行くのですぞ!アイドルプリキュアとまた会いた……ゲフンゲフン!しっかりとケジメを付けるのですぞ!」

 

「お前今会いたいって言いかけ……」

 

「な、何でも無いですぞ!」

 

「わかりました。ではカッティーさん、スラッシューさん、私の三人で行きましょうか」

 

「……じゃあ、話も済んだし戻って良いかしら?」

 

「ええ。襲撃場所等は明日のアイドルプリキュアの動き次第なのでその都度連絡させていただきます」

 

「そう。なら、お疲れ様」

 

そう言ってスラッシューはその場から去っていく。彼女を見送ってからスパットは苛立ったようにチョッキリーヌを見るとボソッと呟く。

 

「本当に、上の立場のスラッシューは自分から名乗ったのにどの立場でふんぞりかえってるのやら」

 

スパットがそれを声を大にして言うつもりは無いのかそのまま去っていく。こうして、チョッキリ団の方でも作戦のための準備が進むのであった。




ちなみに今回のチョッキリ団での会話の中にこの小説の本編に通じる部分があります。その予想は読者の皆様に委ねますね。また、この件はわかっても感想欄で書くのはNGとします。あくまで個人の予想としてしまっておいてください。それではまた次回もお楽しみに。
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