キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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コラボ編11話 閉ざされた遊園地 再生するクラヤミンダー

チョッキリ団が呼び出したクラヤミンダーにより、遊園地の敷地その物がドームに包まれて閉鎖。特殊な宇宙空間のような空模様に変わってしまう。

 

「何これ……」

 

「クラヤミンダー!」

 

影人達がプリルンからクラヤミンダーの出現を聞いた後、いきなり変化した空模様に困惑。同時にクラヤミンダーの声が遠くから聞こえてきた。

 

勿論人々は逃げ惑う。ただ、今回はクラヤミンダーの数その物が多い。何しろこの空間を作り出している個体を除いても計四体ものクラヤミンダーがいる上にお化け屋敷個体が出した人型の人形タイプもいる。

 

「ひとまず変身しないと……」

 

「待って、ここで変身したら……」

 

そう、この場にはプリキュアと無関係な陽葵や影人と夢乃の両親がいる。無闇に変身してしまえば三人の前で正体を晒すのと同じだった。

 

「ッ……」

 

「ここはひとまず避難しましょう」

 

「でも……」

 

「良いから避難する!」

 

「こっちだよ!」

 

うたが他の人を見捨てられないと言ったばかりの声を出す中、陽葵の声にわざと誘導される形で影人達は一旦逃げる形を取る。ただ、遊園地内はパニック状態なのか人で溢れかえっていた。

 

「うたちゃん、この混乱を使うよ」

 

「えっ!?」

 

「なるほど、何となくわかった」

 

そのまま影人、蓮、うた、なな、こころ、笑華の六人。そして妖精のプリルン、メロロン、ヨーヨイは人混みに紛れて逸れる事を装って離脱。レイ、希望、夢乃の三人は逸れるわけにはいかないので何が何でも陽葵達に着いていくとこの六人は先に遊園地の出口へと向かった。

 

そんな中、遊園地の出口に向かった人々はドームをすり抜けると外へと逃げていく。そんな様子を見たカッティーが通信で問いかけた。

 

「スラッシュー様、他の人間達は逃しても良いのですかな?」

 

「ええ。私達が確実に殲滅するのはアイドルプリキュアのみ。他の人間を狙う必要はありませんわ」

 

「スラッシューさんの意見を聞く際にこれを条件に出されましたからねぇ。ま、成功すれば後から幾らでも人間からキラキラを奪えますし。今回は許しましたよ」

 

どうやら人間を逃す件はスパットも了承済みらしい。そうで無ければスラッシューの独断行動になって後から何かしらペナルティを受けてしまうのでここは抜かりなかった。

 

「アイドルプリキュアの方は……っと、しっかり来てくれたわね」

 

スラッシュー達がそれぞれの場所で待っているとアイドルプリキュア達は手分けして到着する。

 

「カッティー!」

 

「む、やはり来たのですぞ!」

 

カッティーの所に到着したのは蓮一人。彼と相対するのはメリーゴーランドの馬を模した個体だった。

 

「クラヤミンダー!」

 

「お前らを止める!」

 

「止められる物なら止めてみるのですぞ!」

 

蓮がアイドルハートブローチを手にすると早速その姿が光に包まれていく。蓮は朱色の不思議な空間へと移行。そのタイミングで着ていた服が変身のための赤に発光した変身前の専用の物に変わる。

 

「プリキュア!ライトアップ!」

 

蓮は手にしたプリキュアリボンをアイドルハートブローチに装填。そのままブローチを三回タップする。

 

「キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」

 

蓮が胸の前でブローチの両側を押すと中心にある透明なミラーボールが朱色の輝きを纏って回転。それと同時に蓮の足元に発生した朱色に光る円を通過していくと体つきが男から女へと変化。髪も赤から直接アイドルプリキュアとしての髪色である朱色へと変わりつつセミロングへ。

 

また、蓮が体つきの変化に合わせて目を閉じていたためにそれを開けると瞳の色が黒から青に変化。

 

「キミと〜!YEAH♪」

 

蓮が再び両側を押すとまたミラーボールが回転。しかも今度は姿が女に変わった影響なのか声が女性特有の高いものに変化していた……と言うよりもう別人の声である。

 

それはさておき今度は蓮の体にコスチュームが装着されていく。まずは腰から赤色が強めのスカートが出てくるとスカートから上へと徐々に光が上に昇っていくようにノースリーブの服部分も出てきた。それから光の幕が下から上へと開くようにして場面が転換。それと同時に蓮がブローチを手にしている。

 

「一緒に〜!YEAH♪」

 

蓮が三度目の押し込みを行うと両脚に朱色のニーハイソックスが出てから二段階形式で赤いブーツも出現。両手にグローブや朱色を基調とした飾りも服の方に後付けで展開していく。最後は髪に黒のメッシュが入ってから小さな帽子も被る形となると蓮は心臓の辺りにブローチを置いた。その直後にブローチは装飾へと変化して装着される。

 

蓮が変身完了すると周囲の背景が明るく変わり、ポーズと共に決め台詞を言い放つ。

 

「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」

 

キュアブレイキンが変身完了するとカッティーがある事を言いつつクラヤミンダーへと指示を出す。

 

「……やっぱり男の姿から女の姿に変わっていくのは違和感があるのですぞ」

 

「うっさい!俺も好きでこうなってるわけじゃないんだけど!」

 

「ゴホン!とにかく、クラヤミンダー。やるのですぞ!」

 

「クラヤミンダー!」

 

クラヤミンダーが走り出すとそのスピードは木馬……つまり馬をモチーフにしているだけあって速い。

 

「ッ、やっぱりイメージ通り速いな。でも!」

 

「クラヤミンダー!」

 

するとクラヤミンダーがブレイキンの背後に回り込んだタイミングに合わせてブレイキンはブローチをタッチしつつブレイクダンスをする。

 

「ブレイキンタイフーン・BURNING!」

 

馬がブレイキンへと後ろ蹴りを放とうとするとブレイキンも炎を纏った回し蹴りを放ち叩き込む。その火力でクラヤミンダーは吹き飛ばされる……が、吹っ飛んだ威力の割にそこまで大したダメージじゃ無いのかクラヤミンダーは平然としていた。

 

「ッ、大したダメージ無しか」

 

「クラヤミンダー!」

 

そのまま突進してくるクラヤミンダー。ブレイキンはそれを両腕でしっかり受け止めるが、クラヤミンダーの文字通りの馬力に押し込まれていく。ただ、ブレイキンがどうにか止め切って踏み留まるとクラヤミンダーを真上に蹴り上げてから跳び上がりつつオーバーヘッドキックで地面へと激突させた。

 

「はあっ!」

 

「クラ……ヤミンダー!?」

 

その衝撃で煙が発生。ただ、やっぱりクラヤミンダーに効果が薄いのか耐えられてしまっていた。

 

「どういう事だ。俺の力が落ちてるわけじゃなさそうだし……クラヤミンダーの耐久力が上がってる?」

 

ブレイキンはこれだけクラヤミンダーを圧倒しているのにダメージが上手く通ってないと困惑する。かと言って自分の力が落とされたような感覚も無いので不気味だった。

 

「クラヤミンダー!」

 

クラヤミンダーが突進してくるのをまたブレイキンは横に跳んで回避。そのまま交戦する事になる。

 

同時刻。うた、なな、こころの三人がスパットの出したクラヤミンダー三体+αこと人形兵士と対峙する。

 

「「「クラヤミンダー!」」」

 

「クラヤミンダーがまた三体……って事は」

 

「来てくれましたねぇ。アイドルプリキュア」

 

「スパット!これはあなたの仕業ですか?」

 

「ええ、少なくともここにいるクラヤミンダーを出したのはね」

 

そんな中でお化け屋敷のクラヤミンダーを見てしまったうたとこころは恐怖心に駆られる。

 

「ひっ……」

 

「お化けのクラヤミンダーですか!?」

 

「二人共しっかりして。私があのクラヤミンダーを倒すからあとの二体をお願い」

 

やはりお化け屋敷がモチーフであるためにお化け嫌いのうたやこころは苦手意識が出てしまう。ただ、そこはなながカバーする事になると三人が同時に変身する。

 

「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

三人がアイドルプリキュアへと変身しつつ降り立つとスパットが早速クラヤミンダー達へと攻撃を指示する。

 

「さぁ、やりなさいクラヤミンダー!」

 

「「「クラヤミンダー!」」」

 

「行くよ!」

 

最初に飛び出したのはやはりアイドルだ。アイドルがゴンドラのクラヤミンダーを殴るとクラヤミンダーはそれを防御しつつ少し下がる。

 

「だあっ!」

 

アイドルとゴンドラのクラヤミンダーがやり合う中、人形兵士達がアイドルへと群がろうとする。キュンキュンはそれを見てすかさずブローチをタッチした。

 

「キュンキュンレーザー!」

 

キュンキュンから放たれるレーザーが兵士達を貫いていくとあっという間に制圧していく。

 

「やあっ!」

 

更にウインクがお化け屋敷のクラヤミンダーへとキックを当てて注意を引いた。

 

「どんなに数がいたって先に攻撃してしまえば……えっ!?」

 

そんな中、キュンキュンが制圧したはずの人形兵士達はいきなりレーザーに貫かれて歪んでいた体が再生。元の姿に戻ってしまう。

 

「効いてない!?」

 

「キュンキュン危ない!」

 

キュンキュンが動揺する中、ジェットコースターの乗り物部分のクラヤミンダーが足元にコースターとしてのレールを生成しながら猛スピードで突進してくる。

 

「アイドルグータッチ!」

 

そのタイミングでアイドルが気がつくとすぐに方向転換。一気に横から不意打ちする形でコースターを殴り飛ばす。

 

「クラヤミンダー!?」

 

「大丈夫?」

 

「ありがとうございます」

 

アイドルとキュンキュンが無事を確認する中、ウインクも降り立って三人で円陣を組む。しかしアイドルが今殴って吹っ飛ばしたクラヤミンダーも少しだけ体がヘコんでいたものの、それがあっという間に元通りになると起き上がってしまう。

 

「ッ、やっぱり効いてない!」

 

三人の中で単純な瞬間火力が一番出せるアイドルのグータッチでもダメなのだ。これでは有効打が全く入れられないだろう。

 

「どうすれば……」

 

そのタイミングでクラヤミンダーが赤、青、黄のエネルギーを纏うと三方向から突撃してきた。

 

「「「クラァ……ヤミンダー!」」」

 

「「「きゃああっ!」」」

 

三人はこの攻撃に反応できずにまともに喰らってしまう。スパットはこの圧倒ぶりに笑みを浮かべた。

 

「おやおやぁ。そんな物ですか?アイドルプリキュアの力は!」

 

アイドル達三人はダメージを受けて倒れるものの、まだやれるのか立ち上がると構える。

 

「まだまだ……」

 

「私達はやれるよ」

 

「ここから反撃します」

 

それから三人がクラヤミンダーへと向かい、それぞれが兵士達も対応していく事になる。

 

そして、スラッシューが一人待っているとそこに影人と笑華が到着する。それを見てスラッシューは微笑む。

 

「やっと来てくれたみたいね。待ちくたびれたわ。……とは言っても私の所に影人君から来るなんてツイてる!ただ、余計な子も来ちゃったみたいだけど」

 

「それって私の事かしら?私の事を余計な子扱いするなら後悔するわよ」

 

笑華が挑発してきたスラッシューへと強気に返す中、スラッシューは笑みを浮かべると同時に着ていたローブを脱ぎ捨てると同時に彼女が手にしたベルを鳴らす。

 

「踊りなさい。私の闇の炎達!暗闇シャドーアップ!クラクラ!ドレスチェンジ!」

 

するとスラッシューの体は炎に包まれると同時に少しずつ体に戦闘用の衣装が展開していく。

 

「燃えろ、全てを焦がすまで!震えなさい、私の漆黒の炎に!光なんて要らない、全ては闇の炎の中へ!」

 

スラッシューは降り立つと同時に背後で漆黒の炎の爆発をエフェクトとしながら変身後の名乗りを挙げる。

 

「獄炎の歌姫・スラッシュー。地獄の業火で死ぬまで踊りなさい」

 

スラッシューが変身完了してやる気になる中、影人と笑華もそれぞれ変身するためのブローチを手にするのだった。

 

〜おまけ〜

 

時間を少し遡って観覧車に乗っている時の事。プリルン、メロロン、ヨーヨイと一緒に乗っているうたと希望。そんな中うたはある疑問をぶつけた。

 

「そういえば希望さんもキラキランドの妖精でしたよね?」

 

「うん。ここにいるプリルン達と一緒でキラキランドの妖精だね」

 

「ちょっと気になったのが、プリルン達三人が人間の姿になったらどうなるのかなって……」

 

「プリ?プリルン達は人間にはなれないプリ」

 

「え?そうなの?」

 

「ああ。俺達はホプやタナカーン、ヒメーノみたいに人間への変身はできないんだヨイ」

 

どうやらプリルン、メロロン、ヨーヨイは人間への変身は不可能らしい。となるとやっぱりうたは気になるわけで。

 

「じゃあ、三人が変身したらどうなるか余計に気になるね」

 

「少なくともねえたまはとっても綺麗な美女になるのは確定なのメロ!」

 

「えー?プリルンの話し方を見てるとあんまりそのイメージが湧かないんだけど」

 

「ねえたまの悪口は許さないのメロ!」

 

「メロロン、落ち着けって。うたは悪口のつもりで言ったんじゃ無いんだヨイ」

 

そんな風にメロロンが暴走気味になる中、希望は少し複雑そうな顔をしていた。

 

「あはは、多分だけどプリルンはメロロンの言ったイメージに近い気がするかな」

 

「え?でもプリルンって……」

 

「うん、多分うたちゃんはそう思うよね。でも……うん、あんまりこういう事を言うのは良くないからやめておく」

 

どうやら希望はうたに伝えづらいプリルンの秘密を知っているらしい。ただ、うたはどうしても気になるわけで。

 

「えー。希望さん、そんな風に隠さないでくださいよ。気になるじゃないですか」

 

うたが膨れっ面をする中、やっぱり希望は言いづらそうな顔をした。何故なら……。

 

「(プリルンがキラキランドに生まれたのってタナカーンの事を考えると少なくとも十五年くらいは前だから多分うたちゃん達より歳上なのよね……。もしかすると笑華よりも上になるかも)」

 

希望は内心そう考える。ただ、もしこれをうたの前で言うのは女の子の歳を暴露するような物なのであまり良くないというのとプリルンの年齢に対する言動の幼さを言ってるような物なので気が引けたのだ。

 

「むう。じゃあヨーヨイとメロロンは?」

 

「興味無いのメロ。別に人間になれてもなれなくてもメロロンはどうでも良いのメロ」

 

「俺はカッコいい男の子になりたいんだヨイ。変身してみないとわからないから何とも言えないが……」

 

メロロンの方は人間態に関してそこまで気にして無い様子だった。ヨーヨイの方はカッコ良いと付ける辺り彼の願望が出ているのだろう。

 

「逆にうたは妖精になるならどんな子が良いプリ?」

 

「私?私はね〜……ウサギが良いかな!」

 

「ウサギさんプリ?可愛いプリ!」

 

「でしょ〜!できれば動物の妖精達が沢山いる所に行ってみたいな!それこそ動物達に囲まれてニコニコできるガーデンとか!」

 

その言葉を聞いて希望は顔が凍りつく。それと同時に彼女の脳裏にとある既視感が浮かんだ。

 

「あれ?そのイメージどっかで聞いた事あるような……それに庭って言えば良いはずなのにガーデンなんてわざわざ英語表記にして……うたちゃんにしては珍しいし……」

 

その時希望が浮かべたのはこことは別の街と関連がある妖精や動物達の暮らす別世界。そしてそこに住む動物達の中でも特別な存在であるキラリンアニマルの中の一匹を浮かべた。

 

「まさかね……」

 

希望がそう思う中、当のキラリンアニマルことキラリンウサギがニコガーデン内部で盛大なクシャミをしてしまったそうだ。

 

「大丈夫ですか?キラリンウサギさん」

 

「おかしいキラ。誰かに噂されちゃったみたいキラ……」

 

羊の執事ことメエメエが心配する中、キラリンウサギは頬を掻きつつ気を取り直す事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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