キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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コラボ編15話 奇跡の力 六人のプリキュア達の歌

スパットが奥の手と称して召喚したクラヤミンダーが目を発光させる。その姿はまるで巨人のような人型であった。どうやら三体が混ざった影響でそれぞれのモチーフの道具等では無く、誰のものにも当てはまらない人型の巨人になったらしい。

 

「クラヤミンダー!」

 

クラヤミンダーが拳を振るうと六人は回避する。ただ、拳が命中した地面は抉れて衝撃波が駆け抜けてしまう。

 

「ッ、凄まじいパワーね」

 

「でも、負けるわけにはいかない!」

 

「ウインク、合わせて!」

 

「うん!はあっ!」

 

ソウルとウインクはクラヤミンダーを撹乱するために左右から走ると跳び上がって二人同時のキックを叩き込む。クラヤミンダーはそれを肥大化した強靭な腕で受け止めると簡単に弾いてしまう。

 

「きゃあっ!?」

 

「ッ!?」

 

それはまるで二人のキックがまるで通用していない事を示していた。それならとアイドルが代わりに飛び出す。

 

「だったら!」

 

アイドルが跳び上がる中、クラヤミンダーはアイドルに合わせて拳を構える。

 

「はぁああっ!」

 

「クラヤミン……ダー!」

 

二つの拳がぶつかるとアイドルは一瞬で押し切られて吹き飛んでしまう。それだけクラヤミンダーがパワーアップした証拠だった。

 

「ああっ!?」

 

「パワーアップし過ぎですよこれ!?どうやったら勝てるんですか!」

 

「弱音を吐かない!私達が力を合わせたら勝てるはずよ!」

 

「ああ、ここからどうにか……」

 

そんな時だった。クラヤミンダーは口にエネルギーを高めるとエネルギー砲として放つ。それを見たブレイキンは流石にヤバいと感じたのか、すぐさま技を放つ体勢となった。

 

「クラヤミンダー!」

 

「ブレイキンパリィ!」

 

咄嗟にブレイキンが発動したブレイクダンスによる軌道逸らしの技。そこにクラヤミンダーからのエネルギー砲がぶつかるとどうにか竜巻のエネルギーが砲撃を逸らしつつある……が、やはりパワー負けしてしまうとブレイキンは飲み込まれ、近くにいたキュンキュンとホープフルも巻き込まれてしまう。

 

「がああっ!?」

 

「「うわぁああっ!」」

 

これにより、六人共倒れると既にここまでの戦闘での疲労とダメージで倒れたまま動かなくなってしまう。

 

「そんなプリ……」

 

「立って、立ってくれヨイ!プリキュア!」

 

物陰から見ていたプリルンやヨーヨイの二人はアイドルプリキュアが倒れ伏したこの状況に絶望感を覚える。そんな中、傍観に徹していたスパットが降り立った。

 

「ふぅ。かなり手こずりましたが、やっと終わってくれましたか」

 

スパットはアイドルプリキュアにここまで渋とく粘られて多少の焦りがあったものの、それでも最終的に奥の手で沈んだ姿を見て安心したような顔となる。

 

「さてと。勝手に撤退してくれたスラッシューとカッティーのお二人への罰はどうしましょうか……」

 

スパットはそう言って二人へのペナルティを考える。ただ、カッティーはともかくスラッシューが撤退した原因を作ったのはスパット自身だが。

 

「プリキュア!頑張ってプリ!」

 

「ブレイキン、アイドル、ウインク、キュンキュン、ソウル、ホープフル!」

 

プリルンやヨーヨイはこうなってしまった後も必死にキラキライトを手に応援する。そんな妖精を見てまたスパットは面倒な妖精が残っていると舌打ちした。

 

「ふん。今更妖精達の応援でどうにかなるのですかねぇ……と、油断したせいでしてやられましたからね。今度は容赦なくやらせてもらいますよ!」

 

スパットはこれ以上応援による力で余計な真似をされるのは嫌と感じたのか、手に爆発するトランプを手にする。

 

「プリィ!?」

 

「ご安心を。……アイドルプリキュアの皆さんもすぐにあなた方の元に送ってあげますから」

 

「メロ、お願いなのメロ。今諦めたら全部終わっちゃうのメロ。だから負けちゃダメなのメロ……。頑張れメロ、アイドルプリキュア!!」

 

その時だった。メロロンの持っていたハートキラリロックから力が一部だけ飛び出すとアイドルプリキュアへとそれが降り注ぐ。その眩さがアイドルプリキュアを包み込むと彼女達六人の手に特殊なプリキュアリボンが出現する。

 

「なっ、またこんな時に……」

 

「何これ……」

 

「力が湧いてきます!」

 

「これならもう一度歌えるわ!」

 

「私達の力で絶対にキラッキランランにしよう!」

 

そんな風にアイドル、ウインク、キュンキュン、ホープフルが話していく。スパットは再び立ち上がったアイドルプリキュアへと思わず声を上げる。

 

「まだ歌うだと?何を支えに立ち上がる?何を握って力に変える?妖精達の不快な応援如きの仕業で?そうだ、あなた方が纏っているその力は何なんだ?体力は既に無いはず、心だって折れかけてるんですよ?なのに、何を纏っているんです!?それは伝説として伝わる力なのか?あなた方の纏う力は何だ?何なのですか!?」

 

スパットが某戦姫達のアニメに出てくる輪廻転生するラスボスのような困惑っぷりを見せる中でアイドルプリキュアの六人の胸のブローチへと新たなキラルンリボンが上から装填。それと同時に六人は全員がインカムを装着すると凄まじい光のエネルギーを立ち昇らせる。

 

「何今更言ってんだスパット」

 

「俺達の纏うその力……お前だってよく知ってるだろ!」

 

ソウルとブレイキンがそう言うと六人は揃った状態でポーズを決めながら名乗る事になる。

 

「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

「キミと昂る、ハートの情熱。高鳴る魂、キュアソウル!」

 

「キミと舞う、ハートの希望!幸せいっぱい、キュアホープフル!」

 

六人が名乗ると全員で円陣を組むように手を重ねてから上に上げてポーズを取ってチームを名乗る。

 

「「「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」」」

 

そして、それと同時にクラヤミンダーは強制的に着席させられる。クラヤミンダーは訳のわからぬままに混乱するが、ステージに六人が降り立つとライブ技となる。

 

「なっ!?まさかのいきなりですか!?」

 

スパットのまさかの通常戦闘カットでのいきなり六人技が来るとは思っておらず。完全に不意を突かれてしまった。

 

♪決め歌 We are!You & IDOL PRECURE♪〜collaboration ver〜♪

 

「ブレイク!(ブレイキン!)ダンス!(ブレイキン!)“キミとブレイクダンス!”♪」

 

\キュアブレイキン!/

 

「キラッキー?(ランラン!)キラッキー?(ランラン!)“キラッキランラン〜”♪」

 

\キュアアイドル!/

 

「WINWIN(ウインク!)WINWIN(ウインク!)“win-winウインク!”♪」

 

\キュアウインク!/

 

「こころ(キュンキュン!)こころ〜?(キュンキュン!)“心キュンキュンしてます!”♪」

 

\キュアキュンキュン!/

 

「高鳴る!(ソウル!)燃え立つ!(ソウル!)“心メラメラするぜ!”♪」

 

\キュアソウル/

 

「皆んなの!(ホープフル!)希望よ!(ホープフル!)”幸せいっぱい!”♪」

 

\キュアホープフル/

 

六人が次々個別で自己紹介をするような歌詞を歌うと六人での重奏……セクステットを披露する。

 

「「「「「「ア・イ・ド・ル♪“キミがいるから輝ける!”キミの♪(Hi!!)今日に♪(Hi!)会いに来たよ(Yeah!!)きらめく瞳は専用のスポットライト〜♪こんな♪(Fu-fu!!)キラキラ♪(Fu-fu!!)出会えて嬉しい楽しい♪ずっと♪(Fu-fu!!)頑張る♪(Fu-fu!!)私達で〜♪」」」」」」

 

セクステットによって高められた六つの光を六人がエネルギーボールとして召喚すると六人がそれぞれ正面に手で押し出す形で六色の光のエネルギー波として放たれる。

 

「「「「「「プリキュア!アイドルエクストリーム!」」」」」」

 

六色のエネルギー波はクラヤミンダーへと向かう途中で絡み合うようにして一つの白い虹のエネルギー波へと変わるとクラヤミンダーへと真上から降り注ぎ浄化していく。それと同時に六人が降り立つと技の関係で少しだけ延長された締めのアウトロに合わせる形で全員で決めポーズを取る。

 

『プリキュア♪プリキュア♪』

 

「「「「キラッキラッタ〜」」」」

 

クラヤミンダーの浄化でキラキラリボンが生成されるとプリルンはいつも通り付けてポーズを取る。

 

「キミのハートに〜プリルンプリ〜!」

 

プリルンが決めポーズをすると空が夕焼けの空として戻り、クラヤミンダーにされていた三人も元の人間へと戻っていた。

 

「くううっ……。まさかこんな奇跡で全て台無しとは。今は退くしかありませんね。この借り……絶対に返しますよ!」

 

そう言ってスパットは悔しそうにしつつ撤退。それと同時に全員のブローチから新しく出てきたキラルンリボンが消えるとそのキラキラはメロロンの持つハートキラリロックに吸い込まれるようにして戻っていった。

 

恐らく、今回はハートキラリロックがアイドルプリキュアを応援する妖精達の強い願いに応える形で一時的に力を貸した事になるだろう。それはさておき、六人は変身解除すると体力は戦闘前くらいにまで戻っていた。

 

「何とか勝てた……」

 

「でもまさか最後の最後であんな奇跡の力を纏うなんて」

 

「これも、プリルン達の応援のおかげだよ。ありがとう!」

 

丁度うた達の元にやってきたプリルン、メロロン、ヨーヨイは応援のお礼を言われる事に。

 

「プリ〜!」

 

「メロ。……メロロンはねえたまやにいたまがやってと言ったからやっただけなのメロ。勘違いして欲しくないのメロ」

 

そんな中、メロロンは影人に抱えられると頭を撫でられた。それにメロロンは驚くと影人を見上げる。

 

「メロ!?影人、何をするのメロ!」

 

「嫌々だったとしても応援する選択肢をしたのはメロロン自身の気持ちだ。だからありがと」

 

「メロ……」

 

「あーっ!メロロンってばまたカゲ先輩から撫で撫でされて!私にもしてくださいよ!」

 

「こころにはちゃんと後でするから落ち着け」

 

そんな風に一同が勝利の味を噛み締めているとそこに遠くからレイの声が聞こえてきた。

 

「おーい!大丈夫か?皆お前らが長々と離れてたから心配してるんだ。早く合流しろって!」

 

「あっ……。そういえばお姉ちゃん達は」

 

「うん。陽葵さん達はアイドルプリキュアを知らないから……」

 

レイに促されて六人と妖精達は避難していたレイ、夢乃、陽葵、希望、黒霧家夫妻の六人と合流。その際に主に希望を除く大人組には心配の声をかけられた。

 

「もう、蓮君も笑華ちゃんも避難誘導の手伝いが終わったら普通合流するでしょ?」

 

「それは……ごめんひま姉……」

 

「うん。ちょっと色々あって……その、合流しに行けなかったの」

 

「影人達も心配したんだぞ。俺達には親としての責任があるんだからな」

 

「ごめん、父さん」

 

陽葵は二人の家族が無事で安堵し、同様に影人の父親こと魁斗も引率者としてこういう非常時にうた、なな、こころが無事に生き残れるようにするのが自分の果たす事であると言う。

 

せめてスマホで一言連絡くらいは入れてから戦闘に入れば良かったと影人達はやらかしを後悔する事になるのだった。

 

「はいはい、もうそろそろ反省はそこまでにして。最後はお土産の方を見ましょう」

 

希望が時間的にそろそろお土産売り場を回って帰らないといけない時間と判断して一同に声をかける。

 

「そうね。それじゃあ希望さんの言う通り、お土産売り場の方を回りましょう」.

 

影人達の母親の理沙もそれに賛成すると一同は戦いのほとぼりが覚めて人々が遊園地内に戻ってきたのを確認。そのまま売り場を回る事になるのだった。

 

「ふぅ。色々買えて良かった」

 

売り場に行ってから暫く後。一同は帰りのための車へと歩いていく。そんな中、蓮が影人へと話しかけた。

 

「なぁ、影人」

 

「何?」

 

「……夢乃ちゃん。本気なんだよな」

 

「ああ。俺も困るくらい」

 

蓮が切り出したのは戦闘で多少印象が薄くなってしまったが、夢乃からされた宣戦布告の事だった。

 

「……俺、ちゃんと本気で向き合うよ」

 

蓮からの言葉に影人は蓮の肩を小突く。いきなりそれを受けて蓮は驚いてしまう。

 

「影人!?何で」

 

「……何当たり前な事言ってんだ。夢乃があそこまでマジなんだぞ?ちゃんと向き合ってくれないと困るっての」

 

影人にそう言われて蓮は苦笑い。それから蓮は影人へと改めて話す事になる。

 

「……影人」

 

「おう」

 

「これからもアイドルプリキュアとして頑張ろうな」

 

「当たり前だろ?俺達はそのために覚悟を決めたんだからな」

 

最後に二人は自分達の意思を確認。立ち塞がる困難へと立ち向かい、一緒に戦うことを改めて決意するのだった。

 

尚、帰り道の車に関しては車の運転手の魁斗と陽葵。更に魁斗の妻の理沙を除く全員がぐっちーでどちらの車に乗るかのチーム分けをするのだった。

 

「良かったぁ。カゲ先輩と一緒で」

 

「私も蓮先輩と一緒だ!」

 

どうやら今度は夢乃は運良く蓮と一緒の方に乗れたらしい。どんな風にチーム分けとなったかはこの作品を読まれる皆さんにお任せするとしよう。

 

そして、そのまま一同は分かれて車に乗ると“はなみちタウン”の家へと帰っていくのであった。これからこの世界線の話がどう動いていくのか。それは読者の皆様の想像に任せるとしよう。




と言うわけでこれにてコラボ編終了となります。色々と長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

加えて、改めて今回コラボしてくださった寿垣遥生さんにはキャラを使わせてもらったという感謝しかありません。ありがとうございました。

遠回りになりましたが、次回からはまたアニメ16話以降の本編に戻る形になります。それではまた次回もお楽しみに。
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