キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
カッティンダーが姿を現した頃、当然ながら特訓中のアイドルプリキュア達の所にもプリルンの身震いによって異変が知らされる。
「ブルっと来たプリ!」
「えっ!?」
「こんな時にも来るのかよ」
「行こう!」
アイドルの言葉と共に戦闘に参加できない田中やレイを残してアイドルプリキュアの四人が走っていく。プリルンもアイドルプリキュアのメンバーという事で行くことになり、メロロンはそんなプリルンに着いていくという形で着いてきた。
「カッティンダー!」
そんな中で召喚されたカッティンダーは手を振るうと白いカッターのような斬撃波を飛ばしており、それが周囲に生えている木々を簡単に真っ二つに切断してしまう。
「カッティン!」
カッティンダーが更に木を根本からスパッと切断するとそのタイミングでソウル達アイドルプリキュアの四人が到着。ふとアイドルがカッティンダーを見ると何かの既視感を感じた。
「……あれ?なんか見たことある感じ?」
「まさか、あの姿は……」
ソウルが目の前にいるカッティンダーの正体を何となく察するとカッティンダーは頭部だけアイドルプリキュアが来た気配を察知して振り向く。そのまますぐに近くに落ちている先程切断した木を幹ごと掴むとハンマー投げの如く回転してから投げ飛ばす。
「カッティンダー!」
「「「うわっ!?」」」
「プリ!?」
不意打ちで投げられた木を四人は慌てて紙一重で回避。そんな中でソウルが声を上げる。
「いきなりの挨拶がこれか。いつもの礼儀正しい口調はどこに行った、カッティー!」
「え?カッティー!?」
ソウルの言葉に驚くキュンキュン。そんな彼女の元にカッティンダーが強靭な拳を振り下ろす。そのためキュンキュンはそれを咄嗟に回避した。
「ッ!」
その直後、カッティンダーが拳を叩きつけた場所がクレーター化すると彼の持つ凄まじいパワーを目の当たりにする。
「なんてパワーなの!?」
「もしかしなくてもいつものクラヤミンダーよりも強いな。油断したら一気に持ってかれるぞ」
カッティンダーの見せた凄まじい力にソウルが警戒するように呼びかける。そんな中でプリルンやメロロンは安全な場所からカッティンダーの中を見た。
「ソウルの言う通り、中にカッティーがいるプリ!」
「ッ、カッティーさんがクラヤミンダーにされてるなんて……」
「一筋縄じゃ行かなそうですね」
カッティンダーはアイドルやウインクをターゲットにして走ってくる。そのスピードは凄まじく、あっという間に距離を詰めると拳を振り上げる。
「カッティン……」
「ウインクバリア!」
「ダー!」
ウインクはバリアを使うとカッティンダーからの拳を防御する。そして、プリルンとメロロンはいつも通りにキラキライトを手にしてプリキュアを応援。特にプリルンは飛び跳ねて両手に持ったピンクと青のライトを振る。
「プリキュア!頑張れプリ〜!プリ〜!」
プリルンはその場で飛び跳ねながらいつも以上にキラキライトを振って応援。いつもよりも前のめりなプリルンを見たメロロンはそれぞれの手に薄紫とバイオレットのキラキライトを持っていたが、慌ててプリルンの腕を横から掴んで前への出すぎは危ないと指摘する。
「そんなに前に出たら危ないのメロ」
そんな中、カッティンダーのパワーを前にバリアは少しずつヘコむとヒビが入る。
「ッ!?」
そのままバリアは打ち砕かれてしまうとウインクは動揺してしまう。勿論、カッティンダーはウインクが動揺したからって待つなんて事はしない。
「バリアが!!」
「カッティンダー!」
するとカッティンダーの足裏からロケットの如くエンジンの炎が噴出。ウインクとの距離が至近距離だったものの、容赦無くその巨体によるタックルを命中させた。
「ああっ!?」
「ウインク!!」
ウインクはカッティンダーからの体当たりによって一撃でかなりのダメージを受けてしまう。そんなアイドルプリキュアの窮地を見てメロロンは不安に感じた。
「ねえたま、今回の相手が強そうメロ」
「大丈夫、アイドルプリキュアは負けないプリ!」
不安がるメロロンにそう言われてもプリルンはアイドルプリキュアを信じていた。そんな中でソウル達もただ黙ってやられるつもりは無い。反撃のために動き出す。
「ソウル、アイドル、一緒に!」
「待て、アイツの強さはクラヤミンダーとは……」
「行こう、キュンキュン!」
ソウルは一旦止まって良い考えが浮かぶまでの時間を稼ごうとするが、アイドルやキュンキュンの二人は先に突っ込んでしまう。
「っておい!」
二人は飛び出すとキュンキュンがブローチをタッチ。頭からレーザーを放つ技を発動する。
「キュンキュンレーザー!」
キュンキュンからのレーザーが弾幕のようにカッティンダーに降り注ぐと爆発して煙を撒き散らす。カッティンダーは然程ダメージを負わなかったものの、キュンキュンの狙いはダメージでは無い。キュンキュンと入れ替わるようにアイドルが出るとブローチをタッチする。
「アイドルグータッチ!」
カッティンダーの死角を取ったアイドルからの突撃。カッティンダーは不意を突かれたはずだった。
「はぁああっ!」
「カッティン!」
「えっ!?」
しかし、カッティンダーはまるでアイドルが突撃してくる方向がわかっていたかのようにすぐに反応するとグータッチを掌で受け止めて完全に威力を殺してからアイドルの腕を掴まえるとそのまま振り回してしまう。
「うわああっ!?きゃああっ!」
アイドルはカッティンダーによって投げられると丁度ジャンプの最高到達点から降りていていたキュンキュンの元へと飛ばされる。
「うえっ!?がはっ!?」
そのままアイドルとキュンキュンは空中で激突。そのまま二人共バラバラに落下してしまった。
「アイドル、キュンキュン!」
これにより、アイドルとキュンキュンも体にダメージによる傷を負ってしまうとほぼ無傷なのはソウルだけになってしまう。
「ッ……そんな」
プリルンとメロロンはアイドルプリキュアが劣勢なのを不安になるが、それでも三人を信じる。するとアイドルが立ち上がる中、キュンキュンの方はアイドルと空中でぶつかった際の当たりどころが悪かったために未だに立てずにいた。
「負けない……」
「アイドル、落ち着けって。何も考えずに行ったらアイツの……」
「はあっ!」
「おい、聞けって!」
アイドルは完全に焦っていた。ウインクとキュンキュンはダメージで倒れ、カッティンダーには大したダメージ一つすら与えられてない。このままでは勝てないためにこの状況を打開したかった。
「だああっ!」
アイドルはまたカッティンダーの前に飛び出すとカッティンダー乱打を浴びせる。
「頑張れ……頑張れプリ〜!」
「メロ……」
プリルンとメロロンが応援の声を上げる中、アイドルは必死でカッティンダーを崩そうと拳を叩きつける。しかし、カッティンダーは強かった。アイドルからの攻撃をまるで寄せ付けないと言わんばかりにガードを固めて守る。
「このっ!このっ!」
アイドルはまるで応えてないカッティンダーへと拳をぶつけているが、カッティンダーにはまるで効いてない。
「ッ、アイツ。まるでダメージ無しか。だったら!」
ソウルが走るとアイドルのフォローをしようとする。しかし、そんなソウルに気が付かないアイドルはなかなか攻撃が通用しない事への焦りで力を込めた大振りの拳を放ってしまう。
「だあああっ!」
しかし、アイドルからの攻撃をカッティンダーはガードをしていた腕を上に上げる形で透かしてしまう。そのまま強烈なダブルスレッジハンマーをアイドルへと叩き込んでしまった。
「えっ……」
「カッティンダー!」
そのままアイドルはダメージによる痛みで声さえも上げられないままに呆気なく地面に叩きつけられると勢いで後ろに吹っ飛ぶ形で倒れ伏してしまう。
「「アイドル……」」
アイドルまでもが打ち倒されてウインクやキュンキュンは声をかける。カッティンダーはアイドル達へと追撃をしようとした瞬間。
「だあっ!」
「カッティン!?」
ソウルはカッティンダーの死角から膝辺りに蹴りをぶつけるとカッティンダーを一時的によろめかせる事に成功。そのままカッティンダーの前に出たソウルは飛び上がって両脚でストンプをするが如く上から顔面を踏みつけるとカッティンダーを転ばせる事に成功。すかさず距離を取った。
「皆焦り過ぎだ。アイツが強いのはわかるが落ち着いて対処すれば勝てない相手じゃない」
ソウルそう言って倒れている三人を鼓舞する。流石にアイドルプリキュア三人分の力が集まってるソウルならカッティンダーが相手だとしても対抗は可能らしい。
アイドル、ウインク、キュンキュンの三人はどうにか立ち上がるとソウルの言葉に頷く。
「今度こそ四人で連携する。一番動ける俺が囮になるからその隙に別方向から同時攻撃。纏って動いたら多分さっきと同じ事になる」
「任せて」
「はい!」
「ソウルも気をつけて」
アイドルにそう言われたソウルは頷くと駆け出す。まずはソウルがカッティンダーの気を引く所から始めないといけない。アイドル達三人はカッティンダーからのダメージで既に動きは鈍りつつあるからだ。
「こっちだ!」
「カッティンダー!」
ソウルがカッティンダーの前に走るとカッティンダーが拳を振り下ろそうとする。しかし、それを右に跳ぶ形で回避するとすかさずメガホンの技を使う。
「キラキラの力、ソウルソリッド!」
ソウルがそれを使うとカッティンダーの両サイドにエネルギーの土壁が出てくるとそれが両側からカッティンダーを挟む。
「カッティン!?」
そのタイミングですかさずソウルがカッティンダーの死角である裏を取ると更にメガホンを発動した。
「キュンキュンの力、ソウルバレット!」
ソウルが放った紫のエネルギー弾がソウルに背を向けたカッティンダーに迫る中、カッティンダーは先程と同様に顔だけ反転。目からビームを放つとソウルバレットとぶつけ合う。
「カッティン!」
「目からビームとかマジのロボットかよお前!」
しかし、これでソウルの方にカッティンダーの目線含めて注意を集中させた。そのタイミングでアイドルが正面、ウインク、キュンキュンが両サイドから走ってくる。ソウルはそれを認識すると三人が跳び上がったタイミングに合わせて拘束の土壁を指を鳴らして解除した。
「「「はぁああっ!」」」
このタイミングなら幾らカッティンダーでも対処できない。そして、その予想通りアイドルからのパンチが胸に。ウインクからの踵落としが左肩に、キュンキュンからのドロップキックが右肩にそれぞれ命中する。
「やった……」
「ッ、待って!?」
しかし、三人からの同時攻撃を持ってしてもカッティンダーはまるで動じない。そして、その直後。ソウルバレットを迎撃して相殺したカッティンダーがまた正面を向くと目が発光。
「カッティンダー!」
そのまま三人を押し返すと纏めて吹き飛ばされてしまう。そこにすかさずの追撃としてカッティンダーは斬撃波を放った。
「「「ッ、きゃあああっ!!」」」
三人はカッティンダーからの斬撃波をまともに喰らうと撃墜されて地面に激突。三人のダメージは深く、痛みで体をまともに動かせなくなってしまった。
「ううっ……」
「そんな……」
「強い……」
「ッ、今アイドル達に追撃を撃たれたら……」
ソウルは最悪の展開を想定して駆け出すとカッティンダーは口に破壊光線のエネルギーを高める。
「させるかぁあっ!」
「カッティ……ンダ!?」
ソウルがどうにかカバーに間に合うとカッティンダーの口を塞ぐために無理矢理頭を上からダブルスレッジハンマーで殴り、破壊光線のエネルギーを暴発させるとその煙幕に乗じて三人の近くに降り立った。
「皆、大丈……ッ!?」
ソウルはアイドルの顔を見ると息を呑む。その顔つきは完全に心が折れそうな人のそれであり、アイドルの心は少しずつ絶望感で支配されつつあった。アイドルだけじゃない。ウインクやキュンキュンもカッティンダーの強さに呑まれつつある。
「(不味いな。いつもなら頑張れるアイドルもコイツの強さに呑まれてる。……俺がどうにかするしか)」
そんな中、ソウルは自身の力が多少弱まるのを感じ取る。恐らく、アイドル達三人の心が完全では無いものの折れつつあったからだ。
「だとしても……俺がここで退くわけにはいかないだろ!」
ソウルが構える中、カッティンダーも体勢を立て直したのか立ち上がる。そんな時だった。アイドル達の顔を見てプリルンはある覚悟を決める。
「プリルンも……アイドルプリキュアのメンバープリ……」
「ねえたま、何するつもりメロ?」
プリルンは絶望したアイドルプリキュアに希望を持たせられるのは同じアイドルプリキュアのメンバーの自分しかできないと考えると震える体を無理にでも動かそうとする。メロロンはそんなプリルンを見て慌てた。
「ねえたま!?まさか、待ってメロ……」
メロロンが止めようとするが、もうプリルンの決意は止まらない。手にしていたキラキライトを投げ捨てるとそのまま体一つでカッティンダーへと向かっていく。
「プリルンもアイドルプリキュアのメンバープリ!!」
「馬鹿!?来るな!」
ソウルがプリルンの声が大きくなるのを聞き、その方を向くとプリルンが無謀な突撃をするのを見て慌てて声を上げる。
プリルンにとって、うた達アイドルプリキュアと作った思い出が大切だった。その思い出の中にいる自分が大好きなうた達の顔は笑顔で溢れている。そんな彼女達の笑顔を思い出したプリルンは動く。自分がアイドルプリキュアの笑顔を守りたいと。
「カッティン」
しかし、どれだけ頑張った所でプリルンはただの妖精。それを痛感させられるかのようにカッティンダーは向かってくるプリルンを羽虫を払うが如く簡単に弾いてしまった。
「プリィ!?」
プリルンは呆気なく吹っ飛ばされると何度か地面に激突して傷だらけで押し戻されてしまう。そのために慌ててメロロンが駆け寄った。
「ねえたま!?ねえたま!ねえたま!」
メロロンがプリルンを心配する中、ソウルは一か八かまだアイドル達の心が折れてない内に……アイドル達によって支えられている自分のキラキラが保っている間に最大出力の浄化技でカッティンダーを倒そうと考える。
「ッ、仕方ない……。こうなったら俺のフルパワーで……」
そんな時だった。ソウルの体に抜けかけていた力が戻るとアイドルの目はプリルンを傷つけたカッティンダーへの怒りの気持ちが高まっていた。
「アイドル……」
「ソウル、ここは私達に任せて」
「でも……」
「お願い」
アイドルの目を見たソウルは息を呑む。こんなに怒りが籠った顔をするアイドルは初めてだったからだ。ただ、冷静さを失う最後の一線は超えてないためにソウルはその気持ちを買う事にする。
「……わかった」
「プリルンを傷つけるあなたを……許さない!」
「私も……同じ気持ちです!」
「三人で力を合わせよう!」
そこにウインク、キュンキュンも合流。三人による合体技によるライブステージを展開する。
♪決め歌 Trio Dreams♪
「「「ウー、レッツゴー!Try, try, trio dreams♪」」」
『Let's sing, let's swing, let's dance, let's bound,Let's smile, let's fly』
「「「ハート上げてくよ!」」」
三人の技が発動すると三人のプリキュアはインカムを装着。それとほぼ同時にカッティンダーを技の効果で強制着席させる。カッティンダーは抵抗こそしたものの、それは三人の技で抑え込める範囲だったのでそのまま問答無用でのライブが始まった。
「「「Sing!♪音符に夢乗せて〜♪キミ、あなたのもとへ〜for you!♪もっともっと輝き合えるね〜♪みんな、キラッキラン!♪瞳水晶にいつだって〜♪笑顔映し合おう〜promise!♪キミがいるからパワー、生まれるよ、今日も〜♪Try, try, trio dreams♪……プリキュア!ハイエモーション!」」」
今回はプリルンがダウンしているからか、いつもは出てくるプリルンの姿がおらず。そのまま三人が力を合わせる事で発生した虹のエネルギーがカッティンダーへと降り注ぐとその体を浄化させていく。
「やったか?」
ソウルがそう言う中、カッティーはアイドルプリキュアのキラキラとした光に包まれていた。
「ああ、間近で見るアイドルプリキュアのステージはこんなにも温かい。胸の奥がキラキラする。……なのに、なのに」
カッティーはカッティンダーとしてアイドルプリキュア達の後ろ姿を幸せ気分で見ていたものの、消え去ったはずの真っ暗闇の力が再度ぶり返してしまうと再び彼の心は暗闇に支配されてしまった。
「うっ、うわぁあああっ!?」
カッティーが再度闇に支配されたからか、浄化されかかっていたカッティンダーも盛り返すと三人の浄化技を粉砕。高らかに咆哮を上げた。
「うぉおおおおっ!」
「ええっ!?」
「私達の歌が……」
「届いてない」
カッティンダーが唖然とするアイドル達へと拳を放つ。だが、もう三人に回避するだけの体力は残っていなかった。
「ウインクの力、ソウルアブゾーブ!」
そこにソウルが滑り込むとカッティンダーの攻撃をバリアで受け止めてそのパワーの一部を吸収。どうにか三人が後ろに倒れ込む程度で被害を抑える。
「だあっ!」
そのままソウルがカッティンダーを押し返し、カッティンダーもソウルを潰すべく破壊光線の準備を始めた。
「カッティンダー!」
「おいおい、まだそれ出す余力あるのかよ……」
ソウルは流石にこの技をまともに受けたら自分のバリアでも防げるか際どいと感じていた。そして破られれば最後、アイドル達三人は間違いなくやられる。
「どうにか耐えるしか……」
そんな時、カッティンダーが頭を抱えると苦しみ始める。それを見てアイドルは呟いた。
「カッティー……苦しんでるの?」
「自分は……もう戦いたく無いのですぞ!」
カッティーはそう言うものの、やはり暴走は止められない。このままでは破壊光線を放ってしまう。そんな時だった。
「もう止めて!苦しいなら私達が……何度だって歌うから……」
アイドルが残り少ない体力を絞り出すようにしてカッティーへと呼びかけると、暗闇に染まったカッティーの心にアイドルプリキュアの色であるピンク、青、紫に光る小さな光が届く。
「ッ!!この攻撃をあの子達に当てる事などできぬ!!」
カッティーはどうにか理性でカッティンダーの暴走を強制中断させると破壊光線のエネルギーも消えた。
「攻撃を……止めた?」
「「!!」」
ソウルがそう言うとウインクやキュンキュンも驚く。それと同時にカッティンダーは立ち上がると両脚からロケットのようにジェットエンジンを噴射。そのまま空の彼方へと消え去ると同時に空は暗闇から夕焼け空へと戻った。
「どうにか……助かった。……けど」
「カッティー……」
結局カッティーの心を救う事は叶わなかった。ただ、カッティンダーによって壊されていた地面や木々は一度彼へと浄化技が決まった影響なのか元に戻る。
「ッ、そうだ!プリルン!」
ソウル達四人は変身解除するとまずは倒れたプリルンを心配する。うたがプリルンを膝の上に抱くと彼女に声をかけた。
「プリルン、プリルン」
「メロ……メロ……」
「プリ?」
「プリルン!」
それから程なくして、プリルンが目を覚ます。そんな彼女の視界には泣きじゃくっていたメロロンと同じく心配で目に涙が浮かんだうたが見える。
「良かった……」
「ねえたまぁあっ!メロ!メロ!」
うたはプリルンが無事で安堵する中、メロロンの方はもう耐えきれないとばかりにプリルンへと飛びつく。
「皆無事だったプリ?」
「うん。……でも、三人で力を合わせてもキラキラにできなかった」
「……やっぱりあの時カゲ先輩に任せてたら……。私達が我儘言ったせいで」
「……そう気にすんな。あの感じは多分俺でも無理だった。お前達三人の力を受け取ってるだけの俺じゃ……結局破られてただろうな」
影人は仮に自分がアイドル達の代わりに浄化技を撃ったとしても通用していなかっただろうと考える。それと同時にあの時アイドル達に任せたから自分は咄嗟の反応ができた。
もし逆だったら体力の減ったアイドル達では咄嗟の反応ができずに確実に全員やられていただろう。そのため、影人はあの判断は間違ってないと言い聞かせる事にしたのだ。
「だったら、私達がもっと強くなれたら何とかできるのでしょうか」
「……心配だけど、私達ならきっと大丈夫!」
うたはそう言ってまたいつものポジティブな思考に切り替える。そんな中、プリルンはふと何かを考えた様子であった。
「……ひとまず、レイに連絡する。多分もう時間的に練習は無理だろうな」
もう既に日は沈みかけており、夕焼けの空が見えていた。それから影人達は出張所に戻るとレイや田中に今回の話をし、今日はそのまま解散となる。
「……まずは気持ちを切り替えてはなみちタウンフェス……やるしか無いか」
影人は一人帰り道を歩く中、そう呟くと明日に向けて決意を露わにした。……だが、そんな影人の気持ちを他所に……運命の時は着々と近づいていく。
翌日、はなみちタウンフェス会場で起きる一つの出来事が影人達の運命を大きく動かす事になるのだが……この時の影人はまだその事を知らないのであった。
また次回もお楽しみに。