キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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手強いクラヤミンダー ズキューンキッスソウル苦戦中!?

三人で同時に変身を果たしたズキューンキッスソウル。その前に立ち塞がるのはザックリーとそのクラヤミンダーだ。

 

「クラヤ……ミー!」

 

先制したのはクラヤミンダー。体の真ん中に空いている穴から大量の卵と思われる丸いボールを射出してきた。

 

「「「ッ!」」」

 

三人はバラバラに避けると卵弾の連射を上手く躱しつつクラヤミンダーの隙を伺う。

 

「これが本当の卵爆弾とでも言いたげな攻撃だなこれ!」

 

「今日はあなたに構ってる暇は無いのよ!」

 

「取り敢えず止めないと」

 

しかし、クラヤミンダーから射出される卵の数が凄まじい上に速射性も高い。加えてバラバラに避ける三人へとこまめにターゲットを変えて攻撃が届く時間を長くしつつ動きを補足していた。

 

「コイツ、狙うのが上手いな。動きを制限して機動力を奪った上でバラバラに動く三人を封じるとか!」

 

「感心してる場合じゃ無いでしょ!」

 

感心するソウルにキッスがツッコミを入れる中、ズキューンがソウルへと提案する。

 

「ソウル、あなたの力なら突っ込めるでしょ?」

 

「いや、流石にアレはソウルディフェンダー込みでも無理だって!」

 

ソウルディフェンダーは確かにかなりの硬度を誇る。ただ、全身を防御するのは不可能だ。電撃を放出しながらなら卵を撃墜しつつ進める可能性はある。ただし、卵弾のスピードはかなり速い上に数も多い。弾丸を全てを止めるのは事実上不可能だ。

 

「そうじゃなくて、色々呼び出せるやつ!キュアアイドルの力なら止められるでしょ?」

 

ズキューンが言っているのはキュアアイドルの力を引き出して使うための技。ソウルソリッドのようだった。

 

「そういや、ズキューンやキッスには言ってないから知らないのか……。今、俺はアイドル達三人の力が使えないんだよ」

 

ソウルは今ソウルソリッドが使えない事を悔やむ。それを使用すればあの卵弾をどうにかする手が打てたのだが、今はそれが無いので手持ちの技ではものの見事に打つ手無しだった。

 

「オラオラオラ!手も足も出てないじゃねーか!」

 

ザックリーがクラヤミンダーが押してる現状に喜びを上げる中、三人は一旦公園にあるドーム型の遊具を物理的な壁にして裏側に隠れる。

 

「数が多すぎる……」

 

「何か手を考えないとだけど……」

 

ソウルが打開策を考える中、ズキューンはそんなの待ってられないと言わんばかりにいきなり遊具の影から飛び出してしまう。

 

「ッ!?お姉様!」

 

「ズキューン、何を……」

 

ソウルとキッスがいきなり飛び出したズキューンに混乱。一方のクラヤミンダーは一度三人を見失った状態でズキューンという明確なターゲットが前に出てきたため、彼女の動きを追いかけるように卵弾を連射する。

 

「こっちだよ!」

 

そして、それがズキューンの狙いとばかりにクラヤミンダーへと攻撃を誘うように声を上げた。

 

「クラヤァアッ!」

 

クラヤミンダーがズキューンに夢中になるとそのままクラヤミンダーの視界はズキューンだけを捉えるようになる。

 

「そうか!キッス、今のうちに」

 

「そういう事ね!」

 

ソウルはズキューンの狙いに気がつくとキッスへと声をかけ、キッスもそれを受けてすかさず技を使う。

 

「キッスショック!」

 

ズキューンが囮になって攻撃を引きつけた間に完全にフリーとなっていたキッスがキッスショックを放つ。それを喰らったクラヤミンダーは電撃でのダメージを受ける事に。

 

「クラララッ!?」

 

「はぁあっ!」

 

間髪入れずにズキューンが空中に跳び上がってからのキックを繰り出すとクラヤミンダーへと命中。その体の一部にヒビを入れた。

 

「クラァッ!?」

 

「な、何だと!?」

 

「チャンスは逃さない!ズキューンの力、ソウルインパクト!」

 

ソウルは白いエネルギーを纏うと一気に突撃。そのパワーを持ってして、体勢を崩しかけていたクラヤミンダーを吹き飛ばした。

 

「クラヤァアッ!?」

 

「流石お姉様!お兄様も素晴らしいです!」

 

ズキューンの機転からのクラヤミンダーへのキッスによる崩し。そこを逃さないズキューンとソウルの連携にキッスは思わず歓喜の声を上げる。

 

「いや、キッスの技もあってこその結果だ。このまま一気に決めるぞ」

 

三人は勢いをそのままに決めるべく構える。するとクラヤミンダーの様子に異変があった。

 

「……クラァアアッ!」

 

クラヤミンダーの体をよく見ると卵の殻と思われる全身にヒビが入っていた。恐らく、先程のズキューンのキックで入っていた物がソウルの攻撃で大きな亀裂になったのだろう。その全身にヒビが入りまくったクラヤミンダーから僅かに水蒸気が漏れ出しているのだ。

 

それはまるで自身の体に高めた熱で卵の内部に含まれた水分を急速で蒸発させて内部圧力を高めるかのようである。

 

「気をつけて、何かするつもりだよ」

 

「クラヤミンダー、お前の更なる力を見せてやれ!」

 

するとクラヤミンダーの内部圧が高まった影響か、体から噴出する湯気の量が増えると黒い電撃を纏うと共にヒビの入った卵の殻が浮き上がるようにクラヤミンダーの体が一回り大きくなる。

 

「体が一回り大きくなった?まさか……これって……」

 

ソウルはクラヤミンダーの様子を見て何かを察すると嫌な予感を感じる。そして、ザックリーもソウルは早速この手が何なのか気がついたと感じると笑みを浮かべた。

 

「流石、お前は勘が良いな。そのまさかだぜ!」

 

「待て待て、流石にそれを言うのは不味いってザックリー。関係各所から怒られるぞ!」

 

「は?そんな物知るかよ!クラヤミンダー、○ャストオフだ!」

 

「クラヤミン……ダー!」

 

クラヤミンダーがマッスルマッスルポーズを取ると同時に体を覆っていた装甲が粉々に弾け飛ぶと同時にそれが周囲へと超スピードで飛ぶ凶器と化す。

 

「やばっ!」

 

ソウルは咄嗟にソウルディフェンダーでズキューンとキッスを守ると盾に弾け飛んだ殻の一部が命中する。

 

それからクラヤミンダーの方に視線を戻すと何故か卵の殻が吹っ飛ぶのと同時に上にスライドして巻き込まれないようにしていた緑の鋏を模したサングラスが元の位置に戻ってきた。

 

「○ェンジ・ボイルドエッグってな!」

 

その様はまるで天の道を往き、全てを司る男が変身する戦士のフォームチェンジの方法その物である。

 

「お前やったな!?何が○ェンジ・ボイルドエッグだよ!ゆで卵形態になるだけなら変にセルフ効果音付けんな!」

 

ソウルはザックリーが幾ら同じ○チアサの番組だからと言って別作品のネタを持ち込んできたために文句を口にする。

 

ちなみに今のクラヤミンダーは殻に覆われていた部分を○ャストオフならぬパージしているので全身が黒いゆで卵のような状態となっていた。

 

「そんな物知るか!クラヤミンダー、第二ラウンド行くぞ!」

 

「クラヤミンダー!」

 

するとクラヤミンダーは早速跳び上がるとその重量のある胴体で三人を押し潰そうとしてくる。

 

「来る!」

 

ズキューンの言葉と共に三人がまたクラヤミンダーからの攻撃であるのしかかりを回避するとクラヤミンダーはのしかかった場所に多少の地面の陥没を残しつつ、バネのように飛び跳ねていく。

 

「クラ!クラ!クラ!」

 

「こいつ、重さで押し潰す気かよ!」

 

「あんなのにのしかかられるなんて嫌すぎるわ!」

 

クラヤミンダーの暴走は留まる所を知らない。周囲をのしかかりとバウンドの繰り返しで次々と破壊しながら制圧する。そのせいで公園の遊具はメチャクチャにされていった。

 

「普通に走ってくるよりも厄介だなアレ!」

 

クラヤミンダーは脚を全く使わずにバウンドする自らの体を使って移動してくる。しかも普通に走るよりもあの方が縦横無尽に動けるので機動力が高い。かなり厄介な事態だ。

 

「見たか!これこそこのクラヤミンダーの奥の手。名付けて、ギア4・バウンドマ……」

 

「だ〜か〜ら!お前他作品のネタをいちいち持ってくんなよ!?というか、コイツは○ムゴムの実の能力者でも何でも無いんだからその名前を使うんじゃねぇ!」

 

ソウルはザックリーがクラヤミンダーの能力に対してまさかの○ムゴムの実の能力者の形態を挙げたためにまた怒りの声を上げる。そして、ズキューンはソウルのツッコミに苦笑いを浮かべた。尚、キッスは完全に呆れ顔である。

 

「茶番はそろそろ終わりにして、倒させてもらうわ!」

 

キッスはこの後にズキューンことプリルンへと愛情たっぷりの料理を食べてもらうためにあまり長々とこんな戦闘に付き合いたく無かった。そのため、先程三人が隠れていたドーム型遊具の頂上部分にどかっと座り込んだクラヤミンダーへと蹴りを放つ。

 

「はぁあっ!」

 

キッスのキックは凄まじい音と共にクラヤミンダーへと命中してその体をヘコませる。

 

「クラヤミ!」

 

「うわっ!?」

 

しかし、打撃を受けてもゴムのような弾性の高い体がは衝撃を受け流してしまう。キッスは先程までとは違って打撃をまともに喰らってもダメージゼロになったクラヤミンダーに驚く。

 

「嘘、効いてない!?」

 

「私も!はあっ!」

 

そこにズキューンがどうにかダメージを与えるべくクラヤミンダーへと同じくキックを当てる……が、同じくらいのスペックの持ち主のキッスが弾かれたためにズキューンもやはり同じように弾かれた。

 

「やっぱりダメ……このままじゃ勝てない」

 

「俺の技でも有利取れるとは思えないしな」

 

ソウルも今自分が使える技では弾力性の高い敵に有効打を取れない。前の風船のマックランダーの時みたいな事ができれば良かったのだが、生憎あの時使っていた技は先程から言及されている通り今は使えないのだ。

 

つまり、このままでは三人共有効打を打てない事になる。ソウルはこのクラヤミンダーに対する対抗策を考え始めた。

 

「こんなのどうすれば……」

 

「大丈夫だ。ズキューン、キッス。まだ慌てる時じゃない。対抗策は必ず見つかる。それに、これだけ時間があったらそろそろ迎えが来てくれるからな!」

 

「迎え?」

 

「あっ!」

 

ソウルの言葉にズキューンが答えに思い至ると嬉しそうな顔つきになる。それと同時にこちらへと向かってくる三つの影が見えた。それと同時にそこから三色の光が飛び出す。

 

「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

飛び出した光によってやってきていた三人。うた、なな、こころは変身を完了。そのままかなり久しぶりとなる三人でのチームとしての名乗りを行う。

 

「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」

 

「お待たせ!」

 

「間に合って良かった」

 

「アイドルプリキュア……」

 

キッスがそんな風に呟く中、キュンキュンは少し寂しそうな顔つきをする。

 

「それにしても、やっぱり一人いないと寂しいですね……」

 

「あー……変身した時はずっと四人で名乗ってたからね」

 

今までは影人がアイドルプリキュアとして合流して以降、影人とこころが二人だけで変身した時を除くとその殆どが四人での名乗りに切り替わっていた。そのためにいざ三人で名乗るとやはり物足りない。

 

「今はそれよりも、目の前の相手をどうにかしよ」

 

ウインクに言われて二人も頷く。これにより、アイドルプリキュアとズキューンキッスソウルが揃う形となった。

 

「チッ……結局全員揃いやがって!クラヤミンダー、纏めて踏み潰せ!」

 

「クラヤミンダー!」

 

ザックリーからの指示にクラヤミンダーは自分が座り込んでいた遊具から跳び上がるとまたヒップドロップの形で六人へと攻撃を仕掛ける。それに対して六人は周囲に散る形で回避した。

 

「凄いパワー……」

 

「あれはまともに喰らったら不味いですね」

 

アイドルやキュンキュンが話しているとクラヤミンダーに異変が起きた。六人を潰すためにかなり強めにヒップドロップしたお尻が地面に刺さって抜けなくなったのである。

 

「クラ!?クラ!?」

 

「良し、今なら!」

 

ズキューンはクラヤミンダーが自由に動けないこの瞬間がチャンスと見るとすかさず化粧コンパクトを使ってアイカラーに塗り、エネルギー砲を放つ。

 

「ズキューンバズーカー!」

 

「クラヤミンダー!」

 

ズキューンバズーカーが迫ったためにクラヤミンダーは慌ててその場から脱出。逃げられてしまう。また、当たらなかった事への煽りのつもりなのか先程までいた所の周囲をバウンドしつつ動き回っていた。

 

「ク〜ラクラクラ!」

 

「アイツ、ハマった時は大慌てだったくせに……」

 

「ホント、厄介な相手ね」

 

「ひゃっはぁ!そんな程度でクラヤミンダーを倒すなんてザックリ甘いんだよ!」

 

ザックリーの方も六人がかりでクラヤミンダーに手も足も出てない現状が嬉しいのか、かなり上機嫌な様子。このままでは相手を更に調子付かせてしまう。

 

「クラヤミンダー!」

 

するとクラヤミンダーは自身の弾力に物を言わせて突進してくると六人は回避で手一杯になってしまう。

 

「うわあっ!?」

 

「これでどうですか!はあっ!」

 

キュンキュンはクラヤミンダーの死角である背後から蹴りを叩きつけるものの、やはり弾力の影響で衝撃が逃げてしまう。そのまま弾かれて逆にキュンキュンが空中へと飛ばされた。

 

「うわあっ!?」

 

「キュンキュン!」

 

そんなキュンキュンをソウルが受け止めるとそのまま着地。キュンキュンは頬を赤くしつつお礼を言った。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「気にすんな、切り替えるぞ」

 

「はい!」

 

その間にもウインクやズキューンも拳や蹴りをぶつけるが、やはり有効打にはなり得ない。この分だとアイドルグータッチも効かないだろう。先程クラヤミンダーが回避した所からズキューンバズーカーならどうにかなりそうだが、相手も全力で回避するためにまず当たらない。

 

「普通の攻撃では止められない……」

 

「うん……どうしようか」

 

するとクラヤミンダーが話をするアイドルやキッスの元に跳んでくると二人は揃って回避。アイドルが走って移動していると何かの穴を見つけた。

 

「……あれ?こんな穴、さっきまであったっけ?」

 

するとソウルも遠目に穴を視認。それと同時に穴を覗き込むアイドルも確認した。その穴は先程クラヤミンダーが六人相手にヒップドロップをかました際に体の一部が刺さったせいでできたクラヤミンダーの尻にシンデレラフィットする物である。

 

「……アイドル、あの穴を見てる……なるほど、確かにあれなら!」

 

ソウルはアイドルが覗く穴を見るとそれが逆転のヒントになってくれると判断。そして、それは彼女も同じ事を感じたらしい。

 

「良し、閃いた!おーい、こっちだよ!」

 

アイドルは何かを思いつくとクラヤミンダーへと声を上げる。それを聞いてクラヤミンダーは動きを止め、それを他の五人も振り返って見る。

 

「え?」

 

「アイドル?」

 

アイドルが突然クラヤミンダーを呼んで自分へと引きつけた事に四人は疑問を浮かべる。ただ、そんなアイドルの思考にソウルは追いついているために何一つ言う事無く動き出す。

 

そして、クラヤミンダーはアイドルが自分を呼ぶのを見てターゲットを彼女に定めた。

 

「クラァ!」

 

そのままアイドルはクラヤミンダーに追われる形となると走っていく。それに連動する形でソウルも動く。それから二人は同じ考えの元、行動を開始するのだった。




アニメの内容的にはちょっとキリが悪いかもですが、今回はここまでです。また次回もお楽しみに。
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