キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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レジェンドアイドルとの接客作業

それから影人、うた、なな、カイトの四人は早速ほぼ満席になってしまっていたグリッターの接客を始める。まずは今いる客達の注文をウェイターとしての格好に着替えた四人で手分けして聞いていた。

 

「お待たせしました」

 

「アイスコーヒーと、クリームソーダを一つずつ!」

 

「かしこまりました。アイスコーヒーにミルクとガムシロップはお付けしますか?」

 

「お、お願いします」

 

カイトが接客していた相手の外国人の客はカイトの輝きに思わず押される程である。ただ、それはカイトから圧を感じたというよりは彼の接客の素晴らしさに押された形だ。

 

「凄い……ウェイターの姿も様になってる。……俺にはあの輝きはとてもじゃないけど無理。だったら……」

 

影人は自分ではカイトのような輝く接客はできないと判断。……彼に無理に対抗心を燃やして勝つよりもまずは自分がやるべき当たり前の丁寧な接客のみに特化させた泥臭いやり方にした。

 

「ご注文はお決まりですか?」

 

「あ、はい。アイスティーとホットココア。あとオレンジジュースで」

 

「かしこまりました。アイスティーにガムシロップはお付けしますか?」

 

「大丈夫です」

 

「かしこまりました」

 

そんな客に対する丁寧な対応をする影人を見たカイトは僅かに微笑みを向けたが影人は集中していたために気が付かない。そんな中、うたとななはカイトの方に釘付けだった。

 

「カイトさん、ちゃんと接客できてる」

 

「うたちゃん、これはチャンスかも。レジェンドアイドルの働きぶりを近くで見たらアイドルとして大切な事がわかるんじゃない?」

 

「……え?」

 

ななは先程の記事を見てカイトはアイドルとして大切な物を胸にいつも頑張っていると。ななとしてはそれを知る事ができれば、アイドルプリキュアとしてもっと頑張れると思っていた。

 

「だから、四人で一緒に頑張ろ」

 

「うん。ななちゃんがそう言うならきっとそうだね!」

 

それから四人はそれぞれの注文を受けて厨房に入るとひとまず顔合わせとカイトへの挨拶をする事に。

 

「私、咲良うたです。お父さんとお母さんが帰ってくるまで、よろしくお願いします!」

 

「蒼風ななです。私も手伝います」

 

「……黒霧影人です。よろしくお願いします」

 

影人は頭を下げる中、うたは二人も手伝ってくれる事に心強さを感じていた。

 

「俺は……」

 

「響カイトさん……ですよね?」

 

「あははっ……バレてたか」

 

「四人で頑張ろう!」

 

「サポートするよ」

 

ひとまず店の手伝いによってここの事をよく知っているうたが中心となって仕事を回す事に。

 

「プ〜リ〜!」

 

そんな中、うたの背中にくっついていたプリルンが勝手にペンライトを片手に振った上で一般人のカイトの前で声を上げてしまう。

 

「……」

 

影人はそんな空気を読まないプリルンを見て額に青筋が浮かぶ中、うたとななは慌ててプリルンを隠すように二人で近づいた。

 

「今何か聞こえたような」

 

「え、えっとぉ!?」

 

「すみません〜!」

 

「はい、今伺います〜!」

 

それから四人はひとまず簡易的な役割分担をするとそれぞれが自分の役割をこなす事に。ななが注文を受けてそれを中の三人に伝えたりレジでの会計、食べ終わった席の後片付けの係。影人がドリンクを作ったり、使ったコップやグラスの洗いや片付け等。厨房付近で完結するタイプの役割。

 

うた、カイトが影人一人では負担が重いドリンク作りやそのトッピング、そして席にまで運ぶ作業だ。

 

「影人君、表に出る側じゃなくて本当に良かったの?」

 

「……俺は外に出て接客するのには向いてません。それに、どちらかといえばこっちの方が自分は合ってる気がします」

 

カイトからの質問に影人はそう簡単に答えるとさっさと自分の仕事である注文に合わせたドリンク作りや元々あった皿やコップの片付けから始めた。

 

「………」

 

「カイトさん。私達もやりましょう!わからない事があったら何でも聞いてください。こう見えて店の手伝い歴13年!何かあってもフォローするので!」

 

「オッケ!」

 

うたが自信満々に言う中、カイトが見せたアイドルとしてのウインクにうたは思わず圧倒される。そんな中、影人は一人自分の仕事である料理の準備から始めた。

 

「(……正直、このお店の味を全部再現っていうのはどう考えても無理。どうしても自己流のアレンジは入っちゃう。でも、今日来てくれた客をそのアレンジでの味変で離れさせる訳にはいかない。……何度も来たいと思えるドリンク。それを目指してやれる事をやるしか無い)」

 

影人は早速取り掛かる中、まずはこのお店のメニューの作り方が記されている手順書を簡単に読み込むと最初に注文された中である程度時間がかかりつつ、隙間時間ができやすい物から始めた。

 

ただ、時間的に今は朝食には遅く、昼食には早い時間なので一品でお腹いっぱいになるような複雑な料理とかは求められていない。むしろ、殆どの客はドリンクだけだ。

 

「……それでも、店の味には少しでも近づけてやる」

 

それから影人が一人ドリンク作りで奮闘する中、席の方ではお腹が空いている子供が待ちきれずに声を上げていた。

 

「ママお腹空いた!」

 

「よーし、じゃあナポリタンを私が……」

 

「パスタ、無いんだよね?」

 

「そうだったぁ……」

 

するとうたは影人からのツッコミも入ると思って身構えるが、影人からは何も飛んでこない。それからうたが疑問符を浮かべて厨房の中を見ると影人は片付けやその合間にドリンクを作るのに集中しており、話しかけられるような状態じゃなかった。

 

「……ッ」

 

「うたちゃん」

 

「は、はい!!」

 

「これ、付けてあげても良いかな?」

 

カイトが指差したのはこの家で飼っている犬、きゅーたろうをモチーフにしたクッキーだった。

 

「え?はい……良いですけど」

 

それからカイトは一度ドリンクの乗ったトレーを置くとクリームソーダの上にトッピングとしてクッキーとチョコスプレーを乗せた。

 

「(凄い、抜群の美的センス!)」

 

「(私より上手いかも!)」

 

それからカイトは改めてトレーを持って客の元へ。そこにいたクリームソーダを頼んだ男の子へと出す際にカイトは一言添えた。

 

「お待たせしました。クッキーのワンちゃんは君とお友達になりたいって」

 

「まぁ、可愛い〜!」

 

「ありがとう、お兄ちゃん!」

 

「(な、なんて対応力!?)」

 

「(なんか凄い仕事できるし!……いやいや、店の手伝い歴13年……負けられない……!)」

 

うたはウェイターの仕事を完璧にこなすカイトを見て手伝い歴13年という彼よりもウェイターとしては先輩だという気持ちが対抗心として燃え上がる。

 

「……何やってんだ。どんどん作ってるんだから二人もちゃんと動いてくれ」

 

「え!?あ、ごめん!」

 

二人が驚く中も影人は一人黙々と作っている。そのため、出来上がったドリンクを出していた。ひとまず、影人やカイトにばかりやらせるのもダメだと二人も動き始める事に。だが、そこからうたはカイトに驚かされっぱなしだった。

 

「ッ!?うわっ!!」

 

うたは沢山積み上がったコップを落としかけてカイトがそれを片手にドリンクの乗ったトレイを持ちながらキャッチ。

 

「く……ううっ」

 

クリームソーダの上に乗せるアイスをうたがアイスクリームディッシャーを使って取ろうとするものの、上手く取れずに苦戦していたがそれをカイトは軽々とやってのけてしまう。

 

「上手くいかない……」

 

カフェラテのラテアートもうたは綺麗なハートを作れなかったのに対してカイトは美しいハート型を描いていた。

 

「むむむ……」

 

そんな中、影人がカイトに同じく作ったラテやクリームソーダを出すようにお願いする。

 

「すみません、これもお願いします。お客様の席はそこの奥です」

 

「……!オッケー」

 

カイトは影人が出した二つのドリンクを見るとアイスの形はカイトの物と比べて不恰好でハートも上手くやれてるとは言えない。むしろ、うたよりもかなり下手であった。この辺りはまだ経験の差として仕方ない所があるだろう。だが、カイトは影人の姿を見て驚きの目を向けていた。

 

「これは……」

 

ひとまず影人がやった分もカイトは出しに行くと客は最初、上手くやれてない影人のドリンクを見て僅かに嫌そうな顔を見せてしまう。それから普段より汚く見えてしまうドリンクを飲むと先程までの嫌そうな顔が嘘のように口に手を置いて驚き、顔つきも幸せそうになっていた。

 

「やっぱり、影人君は……」

 

そして、カイトは少し考えるとひとまずは自分のやった分を女性のお客の前に渡しに行く事に。

 

「お待たせしました。どうぞごゆっくり」

 

カイトの見せた笑顔に女性は思わず心を撃ち抜かれると両目がハートになっており、それから飲んだカフェラテを飲むと彼女はほっこりとした笑顔を見せていた。そんな彼女を見たプリルンは目をパチパチさせると興奮したように声を上げる。

 

「ファンサプリ〜!」

 

「これが、レジェンドアイドル……」

 

「手伝い歴このかた13年……完全に負けた」

 

うたはカイトの実力を前に完全にプライドはボロボロにへし折れてしまうとその場に項垂れてしまう。また、ななも客が去った後のテーブル拭きをしながら思わずカイトの仕事っぷりに見惚れていた。それから項垂れたうたがカイトへと話しかける。

 

「カイトさん。手慣れてますね」

 

「実は昔ドラマでウェイター役をやった事があるんだ」

 

「あっ、知ってます!ウェイターは見た。ですよね?」

 

「当たり!」

 

カイトはかつてドラマでウェイター役を完璧にこなしただけあって熟練度はかなり高かった。うたも手伝いで13年やってこそいるが、やはり両親がまだそこまでドリンクを作る部分をお願いしているわけでは無い事もあってどうしてもウェイターの全てを知っててこなしてきたカイトとの差ができてしまう。

 

それはさておき、このタイミングでようやくうたの両親が戻ってくるとお店の繁盛っぷりに驚いた。

 

「ただいま……って、凄いお客さん!?」

 

「うた一人で頑張ってくれたのか?」

 

「ううん。ななちゃんとカイトさん、あと今は厨房にいるけど影人君にも手伝ってもらったんだ。……むしろ、私がカイトさんの手伝いと言うか……」

 

「俺は大したことはしてないですよ」

 

「四人共、ありがとう。もう休んでくださいね」

 

それから三人は中にいた影人も呼ぶと影人は集中状態だったため、直接彼に終わりだと伝える。それから四人はエプロンを外すと店の外に出た。

 

「「今日はありがとうございました」」

 

「……私ももっと出来たはずなのになぁ……」

 

影人となながカイトへとお礼を言う中、うたは不貞腐れたような顔つきで不満そうな感じであった。そのため、影人はうたを戒めるように声を上げる。

 

「咲良さん。お客として来ていたカイトさんが手伝ってくれたのに何だその態度は」

 

「別に……感謝はしてるし」

 

「そういう問題じゃねーだろ」

 

影人は女の子相手に手を上げるという行為をあまりやりたく無いと思いながらもうたの頭を無理矢理下げさせようとするが、カイトはそれを止めさせた。

 

「影人君、俺は気にしてないよ。だから許してあげて」

 

「……わかりました」

 

「それに、ここで働くのは楽しかったよ。それじゃ……」

 

それからカイトは去って行こうと背を向けたその時、ななは意を決するとカイトへと話しかけた。

 

「あの!」

 

「……ん?」

 

「今日のカイトさんを見て、流石レジェンドアイドルだなって思いました。でも、まだわからなくて。……カイトさんが、カイトさんがアイドルとして大切にしている事って何ですか?」

 

「えっ……うーん、そうだな。俺はまた会いたくなる人でいたいと思っている。次会う事を楽しみに思ってもらえる人に」

 

その言葉を聞いて三人は目を見開く。確かに言われてみればアイドルや歌手、芸能人とかテレビに出る人全般に言える事として一度客の前に出て何かをしたとしよう。その時に興味を持って見てくれた客に失望されるような事をしたり、もう一度見たいという物で無ければすぐに飽きられて終わりだ。

 

人の興味というのは新しい物が出るだけでも割と簡単に移る。だからこそもう一度見てみたい。もう一度会ってみたい。その気持ちを客に持たせる事ができれば自然にファンとして何度もリピートして自分を見てくれる人は増えていく。そういう“もう一度見たい”という気持ちを客に思わせられる人が長く人を惹きつける事ができるのだ。

 

「凄い真面目な質問だね」

 

「あっ、いえ。気になって……」

 

「そっか。……それと、影人君だっけ?」

 

「はい?」

 

「……君の出したドリンク。それを飲んでた人達。最後には皆、笑顔になってたよ」

 

「……え?」

 

そう言ってカイトは一人去って行く。影人はその言葉を聞いて心が温かくなった。別に自分は特別な事なんてしてない。ただ客が自分の出したドリンクで失望してこの店から離れてしまわないようにするために少しでもこのお店の美味しい味を再現しようとする努力を必死でしてただけ。別に自分のドリンクでもう一度来てもらおうという気持ちを持っていたわけでは無いのだ。

 

「俺は別にそんな大した気持ちなんて持ってないのに……何で……」

 

影人はそんな風に小声で返す中、うたの心はモヤモヤしていく。自分はカイトの優秀さに圧倒されて完敗した。それは仕方ないのかもしれない。何しろ相手はレジェンドでウェイターもやった事がある人だから。それだけでは無く、ウェイターとしての経験ゼロで自分よりも下手な仕事しかできていなかった影人の方がカイトから褒められた事が納得いかない気持ちさえも出てきていたのだ。

 

「カイトさんはどうして影人君を……私の方が、私の方が上手いはずなのに」

 

影人はそんなうたの小声の嫉妬を聞いて気持ち良かったはずの心が詰まってしまう。影人はうたへと何かを言いたかったが、今それを言っても彼女にとっては嫌味でしか無いと判断して言うのを止めたのである。

 

「カイト、カッコイイプリ〜」

 

「確かにカイトさんはカッコイイかもだけどさ〜」

 

プリルンがカイトの後ろ姿を見てライトを振るのを見てうたは完全に拗ねてしまったような声色で話す。

 

「うたちゃんどうしたの?」

 

「ドラマの役でやったからって……本物のウェイターさんみたいに何でも出来て……何か凄すぎるって言うか……。影人君だって、私よりも接客もドリンクを作るのも下手だったのに……何であんなに褒められてるのか不思議というか……」

 

影人はうたに下手だと言われて俯く。その様子を見たななはそんなうたへと注意する。

 

「うたちゃん、影人君も一生懸命にやってくれたんだからそんな言い方は……」

 

「それに比べて私は……カイトさんの足手纏いで。私よりも下手なはずの影人君の方がカイトさんからのイメージが良くて」

 

「……ッ」

 

「それで拗ねてるの?あと、うたちゃん。拗ねてるからって影人君に八つ当たりは……」

 

「八つ当たりなんてしてないよ!」

 

うたはななにそう言われてムキになってるのか声を僅かに荒げてるような感じだった。そして、影人はうたの言葉を真面目に受け止めると自分はカイトに褒められたとしても自分はまだまだだと。だから自慢してうたをこれ以上怒らせるなと言い聞かせる。

 

「カイトはうたよりもプリプリ凄かったプリ!」

 

「グサッ!?」

 

プリルンが悪意こそ無いが、傷心のうたの気持ちを全く考えない言葉を投げてしまう。それを受けたうたは胸を矢印に貫かれたようにダメージを受ける。

 

「プリルン、そんな事を言ったらダメ。うたちゃんがもっと可哀想になっちゃうでしょ」

 

「もっとグサッ!!」

 

ななもななで悪意こそ無いが、うたを言葉による攻撃でオーバーキル。影人はうたをフォローしようとするもののやっぱり今は自分がうたからヘイトを向けられてるのに下手な事は言えないと黙り込んでしまう。

 

「……うぅ。良いよ、良いよ、どうせ私なんてさ……」

 

うたが二人からのオーバーキルを喰らった直後。店から赤ちゃんを抱いた眼鏡の母親が出てくると赤ちゃんは完全に泣いてしまっていた。

 

「よしよし、ごめんなさいね。急に泣き出しちゃって」

 

「……咲良さん。こういう時こそ咲良さんの出番でしょ」

 

「そうだね。……それじゃあ」

 

それから影人達三人と母親は一度場所を移動。グリッターの敷地内にあるベンチに母親を座らせるとうたが歌い始める。

 

「あぷ~ぷ♪可愛い〜赤ちゃん♪お顔を見せてね♪あっぷー〜ぷっぷー♪良い子〜良い子♪」

 

そんな風に満開の笑顔で歌を歌ううたに先程まで泣いていた赤ちゃんはうたに釣られて満開の笑顔を見せていた。

 

「あ、えへへっ」

 

そして、その様子を偶々お店に忘れていた変装用帽子を取りに戻ってきたカイトが見つける事に。そして、影人はうたが赤ちゃんをあやして彼女も自信ができたタイミングで声をかけた。

 

「やっぱり咲良さんは他の人を笑顔にして惹きつける事が上手いな。……俺はさ、カイトさんを相手に無理に勝たなくて良いと思う。変にカイトさんに勝つ事に拘ったから咲良さんは全く及ばなくてモヤモヤしたんだろ?俺はまずそもそも手伝い歴13年だからってカイトさんにウェイターとして勝とうという気持ちで仕事をした時点で違うと思う」

 

影人の言葉にうたは目を見開く。そういえば先程まではお店の手伝い歴13年の自分がカイトに負けるなんてダメという思考だったためにカイトに完膚なきまでに負けて不貞腐れてしまった。そして影人の次の言葉を聞こうと待つ。

 

「咲良さんには咲良さんなりのやり方があるし、咲良さんの歌を励みにしてくれる人は沢山いるんだからさ。咲良さんがオンリーワンで持ってるキラッキランランな歌で他の人を笑顔にしていけば、自然と咲良さんの自信になると思うよ」

 

「……そうだね。私、カイトさんに負けたと思ってちょっと自信が無かっただけなのかな」

 

そんな風に納得したうた。そんなやり取りをそっと聞いていたカイトはうたの歌を素敵だと思うのと同時に影人も影人で自分にヘイトが集まっていたはずのうたの気分を上手く直したと感じる事に。

 

「うたちゃん、気分も戻ったんだし……そろそろ……」

 

「蒼風さん。俺の事ならそんなに気にしなくて良いよ。むしろ、上手くこの場が収まって良かった」

 

そう言って影人はななへと自分は大丈夫という事を伝え、あまりこれ以上うたにはすぐにその事を思い出させないようにする方向にした。

 

「(……影人君も凄く頑張ってたのに……このままは、やっぱりダメだよ)」

 

ただ、やっぱりななはモヤモヤとした気持ちのままだった。せめて自分が影人のフォローをすれば良かったのではないかと心の底で思う事になる。




また次回もお楽しみに。
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