キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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宇釣木からのラブレター ソウルの撮影

宇釣木からのラブレターを受けて影人達は慌ててグリッターの二階スペースへと移動。そこで改めて彼からのラブレターを開封する事にした。

 

「やっぱりこれって……」

 

「ラブレターですよね!」

 

「間違い無いだろうな」

 

興奮気味のななとこころにレイは手慣れた様子でそう言う。彼も前々から度々貰う機会があったためにその点での経験値もあるという事だ。

 

「お、同じクラスの宇釣木君……」

 

「宇釣木、確かあの眼鏡の子だったよな。最初同じ眼鏡ってことで藤堂と間違えないように気をつけてたし」

 

影人も前に球技大会にてバスケチームを組む際、同じ眼鏡男子である藤堂と組んだ事があったためにそこの見分けもしっかりと付いている。

 

「取り敢えず、読むね……。えっと、“前略咲良うた様。キュアチューブの動画で咲良さんの動画を観て好きになってしまいました!良かったら今度、二人で話したいです!”」

 

「「ほうほう!」」

 

「二人で話したい……って、それより“好きだ”って!?

 

ななとこころが興味深そうな声を上げる中でうたは恥ずかしいのか少し頬を赤くしてから自分が告白されているというのを聞いて両腕をバタバタとしてしまう。

 

「どどど、どうしよ!?」

 

それどころか、動揺しまくると脳内が混乱してしまうと顔つきが緊張したような物になる。

 

「……うーん」

 

「影人、どうしたんだ?」

 

そんな中で影人は少し不安そうな様子であった。そのため、レイがそんな彼へと話しかける。

 

「確かに脈はありそうな感じだけど、宇釣木だからな……。心配と言えば心配なんだよな」

 

「それは性格の話?」

 

「……ああ」

 

影人はクラスメイトとして他の人達の性格とかを極力憶えるようにしていた。勿論その中には宇釣木の事もある。そのため、影人は彼の性格上少し問題があるのではと感じていた。

 

「それでも、付き合うか決めるのは咲良さんだし……そこは影人もわかってるんだろ?」

 

「まぁ、それはそう」

 

男子組の二人が二人だけで話を進めているとプリルンはこの状況が気になったのか声をかける。

 

「うたのファンプリ?」

 

「い、いや。これはファンとかじゃ無くてちょっと違う感じの!」

 

「……プリルン、俺とこころ。蒼風さんとレイみたいな関係に近いって思った方が良いよ。あとプリルンが咲良さんに向けてる感情とも似てるかな」

 

「プリ?うたが大好きって事プリ?」

 

「そうそうそんな感じ」

 

「ハッキリ言わないで!?」

 

プリルンもやっと状況を理解した様子で納得した顔つきになる中、当のうたは未だに動揺しっぱなしだった。

 

「それにしてもラブレターを貰っちゃうなんて……」

 

「先輩凄いです!」

 

「いやいやいやいやいや!」

 

「それで、咲良さん。返事はどうするんだ?」

 

そこでレイが真面目な様子で切り出す。ラブレターを貰った以上は遅かれ早かれ返事を返さないといけない。勿論、うたが嫌なら宇釣木をこの時点で振る事も可能だ。

 

「で、でも……何もしないで断っちゃうのは……ちょっと申し訳ないかな……。せめて、少しお話しをしてから……」

 

うたが恥ずかしさを押し殺すようにそう話すと彼女の意見はあくまでも話を聞きに行くという事であると一同は理解する。

 

「なるほど、わかった」

 

そのタイミングで田中が二階へと上がってくると一同へと声をかけてきた。

 

「失礼します。まず今回はすみません。うたさんが動画に映ってしまった事。編集の際に気付けていれば対応はできたと思います」

 

「田中さん。……いえ、動画編集は俺にもできた事なので俺が編集をしていれば少しは見落としが防げたのかなと」

 

影人はドリーム・アイの配信をサポートする中で動画編集の技術は一通り身につけていたのでその気になれば田中のサポートもできたのだと少し後悔したような声色を見せる。

 

「ひとまず、次からはウッカリ映らないように注意した方が良さそうだな」

 

「キュアチューブ自体、沢山の人に観られていますからね」

 

キュアチューブはネットに写真を投稿するのと同じで、一度投稿した物は多くの人が閲覧する可能性がある。そう考えると一度映ってしまうだけで色々と特定されてしまう危険もはらむ。だからこそ次が無いようにするために注意する事になるのだった。

 

「うぅ……すみません……」

 

うたは田中からの指摘を受けてしょんぼりしてしまう。これからキュアチューブでの動画撮影の際はそう言った映り込みによる身元の特定を最大限考慮するという話になる。

 

「その話はさておき。影人君、こころさん。先程キュアアイドルの動画をアップロードしました。残るはあなた方二人の動画となりますが……」

 

こころは影人の方を向く。この時点で何も決まってないのであれば、こころの動画を先に作った方が楽だろう。あまり時間を無駄にするのも勿体無いため、決断を迫られる。

 

「……やりたい事、思いついた」

 

「本当ですか!?」

 

このタイミングでようやく影人のやりたい事が思い浮かんだらしい。それから影人はその内容を伝えた。

 

「なるほど、それはまた面白そうな内容だな」

 

「わかりました。後は撮影をする順番ですね」

 

影人のやりたい事が決まったという事で次は撮影順の話である。するとこころは影人の方をチラッと見てから意見を言った。

 

「でしたら、カゲ先輩の方を先でお願いします!」

 

「えっ?こころ、先にやらなくても良いのか?」

 

「私、折角ならカゲ先輩の主役の動画が早く観たいんです。だから、お願いします」

 

こころは影人が動画を撮影してもらう様子を早く観たいらしい。そのため、影人へと順番を先に譲った形となる。

 

「それでは、影人君……キュアソウルの撮影から入ろうと思います。影人君はよろしいですね?」

 

「はい」

 

影人の動画撮影を先にやるという事が決まった翌日。もう早速準備をして動画を撮影する事になった。

 

「皆、おはこんばんにちは。キュアソウルだよ!」

 

「おはこんばんにちわって何プリ?」

 

「前に聞いたことがあるメロ。接する相手の時間帯がわからないから全ての時間帯で通用するようにした挨拶なのメロ」

 

影人はキュアソウルへと変身しており、撮影をしてもらっている。撮影係はいつものプリルン……では無く、こころが行っていた。これも彼女が自ら立候補したのである。

 

「今日やる企画は……“ソウル、これできるの?”だよ!」

 

ソウルこと影人が提案した企画。それは、ソウルが様々なジャンルの物事に挑戦してできるかできないかを見るという物だ。ソウルこと影人は割と色んな事を器用にこなす事ができる。それを活かしてソウルの魅力を引き出そうという物だ。

 

「はい、じゃあ最初にやるのは……これ!」

 

するとそこにやってきたのは頭にお面を付けて素顔を見えないようにしたカッティンとザックリンの人間態。つまり、カッティーとザックリーである。二人の手に握られているのは二本のロープ……つまり、二本の回転するロープの中を跳び続ける競技……ダブルダッチである。

 

「うえっ!?影人君攻めるね……」

 

「うん、ダブルダッチって普通に難しいし。多分カッティンさんとザックリンさんの二人といきなり息を合わせるのは……」

 

ダブルダッチで重要なのはロープを回す回し手と息を合わせる事。ただ、ソウルこと影人とカッティン、ザックリンの三人がチームとなって息を合わせるのは初めてだ。カッティン、ザックリンだけなら元同僚という事もあって上手く行くだろうが、果たしてどうなるのか。

 

「それじゃあ、いっきまーす!」

 

ソウルは二人の回す縄を見切るとまずはロープの中へ。最初はロープの回転の間隔を掴む所からなので普通に跳ぶだけだ。

 

「よっ、ほっ!」

 

それから少しして感覚を掴んだのか、回転するロープのタイミングを見極めるとそのままバク転。更にはまさかのロープの回転速度を早めた上でその中でダンスをするが如くステップまで踏む事になる。

 

「嘘……影人君、普通に上手い」

 

「というか、本当に初めてだよね!?」

 

「流石にいたま、素敵メロ……」

 

幾らプリキュアへの変身で身体能力が向上するバフを込みにしたとしてもダブルダッチ初心者とは思えない動きにうた達は唖然とする。その間にダブルダッチは終わり、次の挑戦に移った。

 

「次は書道パフォーマンス!」

 

「……んん?」

 

するとまたお面を付けたカッティン、ザックリンが習字用の紙や道具を準備するとソウルは書写の授業で使う筆よりも更に大きい筆を手にすると文字を描きつつパフォーマンスを始めた。

 

「だあっ!」

 

ソウルは掛け声を入れつつ巨大な筆を使って足元にある習字用の紙に文字を描いていく。尚、ソウルはステージ用の衣装を着ているのに躊躇なく筆先から墨汁を飛ばしつつ文字を書く。

 

「ソウルは何を書いてるプリ?」

 

「本人がさっきも言ってたけどパフォーマンスの書道だな。俺達が学校でやっている書写はもっと小さい紙に書いてるんだけど、こっちはそれよりも大きめな紙でやる事が多い。それと、体全体を使って字を書くからその分迫力もあるな」

 

レイからのプリルンへと説明が終わる頃。ソウルの方もパフォーマンス書道を書き終えていた。ソウルはパフォーマンス書道の方も初めてだったため、こちらはプロ程上手いわけでは無いがそれなりの字として完成した。書いたのは“熱き魂”という言葉である。

 

文字自体もちゃんと掠れておらず。習字独特の繋げている感じやトメ、ハネ、ハライの部分も力強い雰囲気になっていた。そのためそれっぽい感じは出ている。

 

「それじゃあダブルダッチに続いてこれもできるの部類に入れて良い……かな?」

 

「良いメロ〜!」

 

「メロロン、ノリノリだね」

 

「完全に影人の虜になってる感じだな」

 

「次は三つ目!三つ目は……片手フリーズにしよっか」

 

ソウルが続けてやる事になったのは、ブレイクダンスの技の一つ。逆立ちをした状態で片手を地面から離し、一本の腕だけで全体重を支えるという物だ。

 

「では早速」

 

ソウルは流れるように逆立ちをするとそのまま片手をゆっくりと離しつつバランス感覚を移動。片手で逆立ちする事に成功させた。

 

この辺りになってくるとプリキュアの力も入っているため楽勝なのかもしれない。

 

ただ、視聴者側からはプリキュアの力は戦う力だと知らないのでそれを利用したと言った所だろう。

 

「そろそろ最後にしようかな。最後はジャグリング。サーカスとかでよくあるクラブでやろう」

 

そのサーカスで使うクラブというのはイメージとしてはボーリングのピンみたいな形状をしたあの道具である。

 

「数は……まずは三つにしようか」

 

ソウルは最初は簡単な数からという事でジャグリングを始める。三つは割と余裕なのか、簡単に手玉に取っていく。

 

「それにしても本当に何でも器用にこなすよね。ソウルって」

 

「うん、このジャグリングも多分ここから」

 

するとソウルは新しいジャグリングのクラブを二本追加してもらうと五つで継続。勿論やりながらの追加だ。

 

「ほっ、ほっ、ほっ……」

 

それから一分程投げ続けると最後に投げていたクラブをキャッチしてフィニッシュ。ジャグリングを終える事になる。

 

「はい!ジャグリングもオッケーと。こんな感じで今回は俺が比較的やれると思った物を選んだけど、次回からは見てくれてるキミ達が俺に挑戦して欲しい題材を出して貰えると嬉しいな。不定期になると思うけど、チャレンジしていくから応援、よろしくね!」

 

「えっ?もしかしてこれ、シリーズ化するの!?」

 

「な?面白いだろ?シリーズ化しているから今後もネタが無い時に定期的にやれる。アイツ、今後の事もちゃんと考えた選択をしたっぽい。勿論これを普通にやりたいというのは大前提だけどさ」

 

今後はシリーズ化して視聴者からソウルにチャレンジしてほしい事を提供してもらうという形でその話を最後に挟むとソウルは最後に付け加えた。

 

「それと、他の皆の動画は観てくれたかな?この動画が面白かったらチャンネル登録、高評価をよろしく!また次回の動画もお楽しみに!」

 

こうして、ソウルの動画は終わる事になる。撮影を終えるとソウルは変身解除。こころに詰め寄られた。

 

「カゲ先輩、今の話本当ですか!?シリーズ化するって」

 

「ん?ああ。勿論視聴者からの要望次第だけど……」

 

「カゲ先輩、楽しかったって事ですよね?」

 

「そんなの当たり前だろ?」

 

シリーズ化に関しても言い出しっぺは影人なので彼本人のやる気が溢れ出ている事がわかる。

 

「田中さん、大丈夫そうですか?」

 

「ええ。問題はありません」

 

「カッティンとザックリンも手伝いありがと。ダブルダッチの時のロープ捌き、息ピッタリだった」

 

「褒められて嬉しいッティン」

 

「ザックリ当然リン」

 

カッティンとザックリンは元同僚という事もあって先程のロープを回す時のタイミングは完璧であった。これでソウルの分の撮影が終了し、最後に残ったのはキュンキュンの分のみとなる。

 

「それでは、キュンキュンの分もこれから撮影しちゃいましょう」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

こうして、ソウルの撮影で使った動画を片付けるとそのままキュンキュンの動画撮影ができるように一同は準備を進める事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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