キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
影人ことキュアソウルの動画の撮影が終了し、次はこころことキュアキュンキュンの動画の撮影へと移行した。そのため、影人達は場所を移動。その先は以前のCDレコーディングでも使ったレコーディングスタジオである。
「やっほー!今日はコールアンドレスポンスの練習をしましょう!」
こころがキュンキュンに変身すると撮影用のプリルンのトイカメラは三脚を使う形で固定。キュンキュンはいつもはライブ技のみでしか使わないインカムを頭に装着するとカメラの向こうにいるであろう視聴者に呼びかけるように話を進める。
「コールアンドレスポンスって何プリ?」
そんなキュンキュンからの言葉にプリルンは疑問を抱くと近くにいたカッティンへと質問する。
「アイドルの歌を応援するファンの掛け声ッティン」
「プリ〜!楽しそうプリ」
「いや、今までずっと一緒にいて何で知らないんだよ……」
プリルンがコーレスの話を聞いてやる気を見せる中、影人は思わずプリルンへとツッコミを入れてしまう。
「じゃあ行くよ〜!私が“キミと〜!”と言ったら君は“YEAH!”って返してね!」
「オッケーッティン!」
カッティンが返事を返すと早速キュンキュンは今自分が言ったコーレスを開始する。
「キミと〜!」
「「「「「「YEAH!」」」」」」
「良いね!じゃあ次は“一緒に〜!”と言ったら“YEAH!”って返してね!」
キュンキュンがノリの良い現場の人達こと影人達のテンションに嬉しそうに話す。尚、この場にいる中で唯一メロロンのみは面倒くさいのか無反応だった。
「一緒に〜!」
「「「「「「YEAH!」」」」」」
「バッチリ!」
「楽しいプリ!」
「最高ッティン!」
コーレスができてはしゃぐプリルンとカッティン。そしてキュンキュンにとって今のはあくまで準備運動だ。真打ちのコーレスはこれからやる事になる。
「そして、本番はここから!このコールアンドレスポンスは歌の中でやるともっと楽しいんだよ!」
「おお!」
「プリ〜!」
ちなみに別室で収録関連の機材を扱うのは勿論前回同様に田中であり、そのサポートにレイも隣についていた。
「それでは、早速やってみましょう!」
「「「「「「「YEAH!」」」」」」」
そんなわけで早速視聴者向けの説明をキュンキュンの方から入れつつ田中が機材を使って音楽を流す事になる。
『キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!』
「ゼッタイ!」
『アイドル!』
「「「「アイドル!」」」」
『ドキドキが止まらない!急接近♪』
「キミも一緒にやってみてね!」
そこまで言ったところで影人は何かに気がつく。同時にななへと小声で話しかけた。
「あれ?蒼風さん。今のコーレス、プリルン達カメラ内に映らなかった?」
「あっ……」
「オッケープリ!」
そんな影人達の話も知らずにプリルンがノリノリで大丈夫と言い放つ中、田中は慌てた様子でレコーディングの部屋へと入ってくる。
「オッケーじゃ……無いです!」
田中がそう言ってななの撮影した映像を調べると先程コーレスをしたキュンキュンに加えて一緒にやっていたプリルン、カッティン、ザックリンの妖精トリオが思いっきり映った証拠がバッチリと録画されていた。
「やっぱりプリルン達映っちゃってるね……」
「はぁ……。ノリノリでコーレスするのは良いけど、控えめにな?世間に流出してたら咲良さんの時以上に騒ぎに騒ぎになってるよこれ」
影人も自分の心を律し切れなかった三人へと唖然とした顔つきを向ける。そして、それに責任を感じたのか……カッティンは頭を抱えた。
「ッティン……自分はなんて事を……カッティンのバカッティン!」
「ごめんプリ……」
『まぁ気にしなくて大丈夫だぞカッティン。やらかしの常習犯はすぐ隣にいるし、一回くらいは別に仕方ないからな』
「プリ!?」
レイはしれっとプリルンの事を指摘しつつ落ち込むカッティンを励ます。それに、生配信で無い分世間にはこの映像が流出していない。だからまだあくまで今は取り返しのつく範囲だ。
「大丈夫、ドンマイです!もう一回、張り切ってテイク2。行きましょう!」
キュンキュンもやらかしに関しては特に気にしていない様子だったのでひとまず撮影はそのまま再開。進めていく事になる。
それから少しして、はなみちタウンの街中の上空での事。今日も今日とて出撃してきたチョッキリーヌが姿を現す。
「……ったく。スラッシューに言われて出て来たのは良いものの、どこもかしこも熱いったらありゃしない」
チョッキリーヌはここ最近の気温の高さによる暑さには気が滅入っていた。だからこそスラッシューに発破をかけられたから出てくるまでに時間がかかったのだが。
今日までの間にプリキュアへの対策を考えたものの、どうにも良い考えが浮かばず。こうなったら召喚したクラヤミンダーの能力を見てプリキュアが来るまでの間にでも立てようと言わんばかりである。
「さて、誰に決めたものか……おや?」
そんな時、チョッキリーヌの目にとある人物が映る。そこにいたのはうたに告白の手紙を書いて嬉しそうにスキップをする男……宇釣木であった。
「好き好きスキップだ〜!たーん!手紙……読んでくれたかな〜。あ〜!ドキドキしてきた!咲良さ〜ん!これってやっぱり、恋!?な〜んて!」
宇釣木はうたへの手紙を送って、彼女への想いを募らせるともう幸せと言わんばかりの緩んだ顔つきを見せていた。そんな彼の姿を見てチョッキリーヌは怒りを露わにする。
「ムッキーッ!タダでさえ熱いのに、もーっと暑苦しいキラキラを見つけちゃったね!」
チョッキリーヌは自分の前に現れたもっと暑苦しいキラキラを放つ男、宇釣木へと怒りの声を上げると同時にスラッシューのせいで溜まりまくった鬱憤を晴らすべく彼をターゲットに定めた。
「お前のキラキラ……オーエス!」
「うわぁああっ!」
チョッキリーヌがキラキラを引き抜いたその瞬間、宇釣木が叫び声を上げると同時に彼のリボンが生成。それを当然のように真っ二つに切り裂く。
「チョキッとね!」
これにより、宇釣木は暗闇の中に閉じ込められてしまうとチョッキリーヌがすかさずクラヤミンダー召喚のための水晶を出す。
「さぁ、来な!クラヤミンダー!世界中をクラクラの真っ暗闇にするんだよ!」
チョッキリーヌが手にした水晶を地面に叩きつけるとクラヤミンダーが生成。今回のクラヤミンダーはラブレターをモチーフにした個体となる。
「クラヤミンダー!」
街中でクラヤミンダーが出現した頃。キュンキュンの動画撮影がひと段落終わるとキュンキュンは変身解除。こころの姿に戻っていた。
『オッケーです!』
「ふぅ……。ありがとうございました!」
「こころ、お疲れ様」
影人はこころへとお水を差し出すと彼女は影人からの水に嬉しそうな顔を見せる。
「はい、ありがとうございます!」
こうして無事に全員分の撮影が終了して一区切り……と言ったタイミングでプリルンがクラヤミンダーの登場により体を震わせる。
「ブルっと来たプリ!?」
「えっ!?」
「うわぁ……。もうこんな時に来るとか嘘だろ……。良い加減にしてくれよ」
影人がクラヤミンダーが出てくるタイミングが本当にゲリラ的過ぎて頭を抱える中、ここはどちらにせよ行くしかないという事で影人達六人は出張所を飛び出すと街中に見える暗い空の場所へと走っていく。
「クラヤミン……ダー!クヤラミー!」
クラヤミンダーは両手から大量の赤い手紙を射出。それが弾幕としめ街中へと降り注いでいく。
「クラヤ……ミン、ダー!」
クラヤミンダーが咆哮を上げると己の強さを誇示するかのように周囲に見せつける。そのタイミングで影人達が到着した。
「皆、行くよ!」
うたの掛け声と共に六人は早速その手に変身のアイテムを構えると変身する事になる。
「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」
「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」
「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」
「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ショータイム!YEAH♪」」」
「ハートをプリッとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」
「ハートをメロっとひとりじめ!キミと口づけ、キュアキッス!」
「ハートをメラッと熱くする!キミと高まれ、キュアソウル!」
「ズキュッと!」
「夢中で!」
「熱くなる!」
「「「We are!ズキューンキッスソウル!」」」
六人のプリキュアが降り立つと早速目の前にいるクラヤミンダーと対峙。早速六人はアイコンタクトを取ると人数の有利を活かしてクラヤミンダーを包囲する。
「ダー……」
「チッ。やっぱりクラヤミンダーを出してからだとすぐに出てくるね。邪魔くさいし作戦は纏まってないし。もう良い、やっておしまい!」
チョッキリーヌからの指示にクラヤミンダーが手を翳すと先程同様に赤く小さなラブレターを弾幕として射出。しかもガトリングのように速射性も早く弾速も速いために六人は一度回避に専念する形で距離を取る。
「このままじゃ近づけない」
「だったら突破口をこじ開ける!」
ソウルは前回の戦闘で復活したキュンキュンの力を使用するとその前にエネルギー弾を生成する。
「キュンキュンの力、ソウルバレット!」
ソウルバレットが放たれるとそれがクラヤミンダーに向かっていく。しかし、クラヤミンダーだから放たれた無数のラブレターの弾幕がそれに激突。最初こそソウルバレットの威力によって押していたものの、クラヤミンダーの弾幕の数は留まる所を知らず。真っ向からのぶつけ合いで相殺されてしまう。
「ッ、マジか」
「本当に凄まじい数ですね……」
するとズキューンとキッスはどうにかクラヤミンダーへと接近するために両サイドに分かれると飛び上がる。
「キッス!」
「ええ、お姉様!」
二人はクラヤミンダーを撹乱するように左右から挟む形でダブルキックを放つ。
「クラヤミ!」
すると今度はクラヤミンダーが手にしたラブレターを連ねるようにして連結。赤い鞭として生成するとそれを振るってきた。
「ッ!?きゃあっ!」
「うわぁああっ!」
ズキューンとキッスはまさかの攻撃に二人揃って弾かれてしまう。今回のクラヤミンダーはやはり一筋縄では行かないらしい。
「クラヤミンダー!」
すると再度手から弾幕を射出。遠距離からは大量の手紙による弾幕。近づけば変幻自在な鞭による攻撃。二重の対処法に苦戦するプリキュア。
「だったら!」
ソウルは再度ソウルメガホンを手にすると自身の技を発動。向かってくる弾幕に対応する。
「ソウルソニック!」
ソウルは衝撃波を使うと向かってくる弾幕のスピードを少しでも落とす。そして、それがアイドルが進む道を作った。
「アイドル、そこを進め!」
「ッ、うん!」
アイドルは弾幕が遅くなった事で出来たスペースを通り抜ける形でクラヤミンダーへと正面から接近。
「はぁああっ!」
「ふっ、甘いね!」
「クラヤミ!」
その瞬間、チョッキリーヌが指示を出すとクラヤミンダーは動揺する事無く胸にあるハートマークに重なる形で両腕でハートを作るとそこからエネルギービームを放つ。
「えっ!?きゃああっ!」
アイドルはそれをまともに受けてしまうと吹き飛ばされて地面に激突。ソウルは今のでもダメだという事実に悔しさを感じた。
「ッ、ダメか……」
「近づいても離れても隙が無い」
「このくらい当然だよ!」
更にチョッキリーヌからの意思を現すかのようにクラヤミンダーはまた弾幕を放つと倒れて隙を晒したアイドルを狙う。
「させないよ!ウインクバリア!」
そこにウインクが入り込むとバリアを展開。それがクラヤミンダーからの弾幕を止める。
「くうっ……」
だが、やはりその圧力は凄まじい。一発一発は大した事が無くても数で勝負してくる以上、いつかはやられてしまう。
「生意気だね。でもそれじゃ防ぎ切れないよ!」
そのタイミングでクラヤミンダーがもう片手を別方向に向けて射出。その弾幕はその弾道をカーブさせるとアイドルとウインクの無防備な右側から横撃する形を見せる。
「しまっ……」
「いいえ、まだです!キュンキュンレーザー!」
ウインクが自らの失敗を悔やむ中でキュンキュンが加勢。こちらも一撃よりも数で勝負するタイプの技であるキュンキュンレーザーを放つとクラヤミンダーの手紙を見事に迎撃した。
「……!」
そして、そんな時にソウルはクラヤミンダーの様子を観察。ある事実に気がついた。
「皆、クラヤミンダーの弱点がわかった!」
「本当!?」
「ああ。今度こそ行けるはずだ!」
「ソウル、やっぱり凄い」
それから六人は合流。ソウルがすかさず端的に考えを述べると全員で頷いた。
「オッケー。そういう事なら任せて」
「お兄様の作戦。絶対に成功させます」
「ふっ、何を考えても無駄だね。叩き潰してやろう。クラヤミンダー!」
チョッキリーヌはソウル達が何を考えようが構わないと言わんばかりに真正面から叩き潰す事を思考する。
「皆、反撃行くぞ」
こうして、ソウルの言葉を皮切りにプリキュア達はクラヤミンダー相手に反撃を開始するのだった。
また次回もお楽しみに。