キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
クラヤミンダーへの打開策を見つけたと言うソウル。彼は他の五人にそれを伝えると五人もそれを了承して飛び出した。
「クラヤミンダー、さっさと倒してしまいな!」
「クラヤミンダー!」
するとクラヤミンダーはプリキュアの六人へと手から放った大量のラブレターで攻撃していく。
「皆!」
ソウルの合図と共に六人はそれぞれ三人ずつで左右に分散。クラヤミンダーから見て右手側にアイドル、キュンキュン、ソウル。左手側にウインク、ズキューン、キッスである。
「二手に分かれてもチョキッと無駄だ!」
クラヤミンダーが両腕を左右に広げるとそのまま両サイドのプリキュア達へと攻撃を続けていく。
「もっと、もっとだ!」
「クラララッ!」
「行きます!キュンキュンレーザー!」
「ズキューンバズーカー!」
すると二組に分かれた三人一組のチームとクラヤミンダーが一直線上に並ぶ位置にまで来ると飛び道具技持ちであるキュンキュンとズキューンがキュンキュンレーザー及びズキューンバズーカーを放ってクラヤミンダーからの弾幕攻撃に対抗。
二人からの飛び道具攻撃はクラヤミンダーからの弾幕にぶつかり合うと弾幕攻撃を完全に防御し、抑え込む。
「「はぁああっ!」」
二人はある程度弾幕を抑えると二つのぶつかり合いは爆発。これによりプリキュアのいる場所の周囲に煙が発生する。
「む、プリキュア達の姿が隠れたか。でもこれなら一方的にやれるよ!」
するとクラヤミンダーは続けてラブレターを連結させると鞭として薙ぎ払いで攻撃。
「ウインクバリア!」
「キッスの力、ソウルディフェンダー!」
だがこれを予測していたプリキュア達はウインクとソウルが鞭による薙ぎ払い攻撃を正面から受け止めてからその鞭を盾とバリアで上から押さえ込むようにして地面に押し付けた。
「クラ!?」
同時にクラヤミンダーの鞭による薙ぎ払いと攻撃が防がれた衝撃で煙が晴れたものの、そこでチョッキリーヌは何かに気がつく。
「ッ!?五人だけ?あと一人はどこ行ったんだい!?」
その場にいたのはクラヤミンダーの右側にアイドル、キュンキュン、ソウル。左側にウインク、ズキューンの計五人のみ。キッスの姿だけが無かった。
「私はここよ!」
その時、キッスはクラヤミンダーの真上にいた。そのためクラヤミンダーはキッスを迎撃しようとするが、クラヤミンダーは鞭を上に振り上げられない。理由は単純。ソウルとウインクが盾とバリアで上から押さえ込んだ上でキュンキュンとズキューンが鞭の先端の方を捕まえた上で両サイドに引っ張っていたのだ。
「あなたね、ラブレターは沢山送れば良いって物じゃ無い!しつこいのは嫌われるのよ!」
キッスはすかさず腰にある化粧コンパクトを手に取るとリップを唇に塗り、技を使う。
「チュッ、キッスショック!」
「クラァアアッ!?」
キッスは真上から放ったキッスショックをクラヤミンダーにぶつけるとそのタイミングで鞭を抑えていたプリキュア四人は手を離し、同時にクラヤミンダーだけが電撃を受けて凄まじいダメージを負う。
「クラヤミンダー!?何をしている!何故反撃しない!」
「無駄だ。そのクラヤミンダー、手が塞がれて使えないと何もできないからな!」
「何!?」
ソウルが見つけた弱点。それはクラヤミンダーの攻撃は全て手を使って発動しているという事だ。最初に使っていた弾幕やラブレター連結による鞭攻撃はこれに該当する。加えて胸にあるハートからのビームも両腕をハートの形でマークに重ねないと使えないという事はソウルもここまでで予想済みであるため、全ての技は手を使えない状況では発動不可能という事になるわけだ。
「アイドル!」
「今度こそ行っくよ〜!」
そして、クラヤミンダーに出来た一瞬の隙でソウル達はクラヤミンダーを麻痺させる事に成功。そこに拳を決めるのは勿論アイドルだ。
「アイドルグータッチ!」
アイドルからのグータッチが動けないクラヤミンダーに炸裂するとその体が後ろに押し出されると両脚が地面から浮いてしまう。
「クラ!?」
「二人の力、ソウルスクリュー!」
そこに追撃とばかりにソウルスクリューが放たれるとエネルギーの奔流が渦巻きながらクラヤミンダーに命中。アイドルグータッチの影響で浮いていたその体を一気に吹き飛ばした。
「クラヤミィイイッ!?」
「え?あわわっ!」
そしてクラヤミンダーが宙に浮きながら吹き飛ばされた影響でチョッキリーヌはその煽りを受けかけるが、どうにか回避すると情けないクラヤミンダーへと声を荒げる。
「何してるんだい!クラヤミンダー!」
ここまで来るとクラヤミンダーに勝ち目は無い。空中に吹き飛ばされている影響でもう自由に逃げられないクラヤミンダーを浄化するためにアイドル、ウインク、キュンキュンが並ぶ。
「行くよ!」
「「うん!」」
この三人が並ぶとなれば使う技は一つしかない。そのまま空中にいるクラヤミンダーへと問答無用で技を発動させた。
♪決め歌 Trio Dreams♪
「「「ウー、レッツゴー!Try, try, trio dreams♪」」」
『Let's sing, let's swing, let's dance, let's bound,Let's smile, let's fly』
「「「ハート上げてくよ!」」」
三人のプリキュアは領域を展開しつつインカムを装着。それとほぼ同時にクラヤミンダーは技の効果で空中から下にある席へと強制的に着席。そのまま三人による歌が始まった。
「「「Sing!♪音符に夢乗せて〜♪キミ、あなたのもとへ〜for you!♪もっともっと輝き合えるね〜♪みんな、キラッキラン!♪瞳水晶にいつだって〜♪笑顔映し合おう〜promise!♪キミがいるからパワー、生まれるよ、今日も〜♪Try, try, trio dreams♪……プリキュア!ハイエモーション!」」」
すると三人が力を合わせる事で発生した虹のエネルギーがクラヤミンダーへと降り注いでその体を浄化させていく。
「「キラッキラッタ〜」」
クラヤミンダーがやられた事によって今回も新たなキラルンリボンが生成。それを今回はアイドル達が技を使用したという事でセンターのアイドルが手にするのだった。
「ほんっとうにイライラする奴らだね!」
チョッキリーヌは負け惜しみと言わんばかりの捨て台詞を吐くとその場から撤退。こうして、戦いは終わって無事に事件が解決。素体となった宇釣木も助け出せた……のだが、影人はそれを見て苦い顔をする。
「宇釣木だったのか。どうりで使ってた技がラブレターだったわけだ」
「そういえばソウル。前々から宇釣木君の事を警戒してたけどどうして?」
「……別に。個人的に性格が苦手ってだけ。だからって宇釣木だけ助けないって事は無いよ」
「そうなんだ……ちょっと以外。ソウルがここまで苦手意識を持つ人がいるなんて」
ソウルは割と宇釣木相手に苦手意識を感じており、そんな彼のようにアイドルは目を丸くしていた。
「ま、アイドルが誰とお付き合いするかはアイドルの気持ち次第だけどさ。後悔しない選択をしてくれるならそれで良いよ」
ソウルは宇釣木への苦手意識が強かったものの、これ以上彼を悪く言うつもりは無く。後は当人の気持ちに委ねるべきと考えると気絶していた宇釣木を抱えて近くにあったベンチに寝かせた。
「それじゃあ撮影の反省やら後始末あるし、行くよ」
「う、うん」
その言葉を最後にプリキュア達はこの場を去っていく。それから少しして。一人ベンチに残された宇釣木は目を覚ました。
「あ、あれ……ここは?」
宇釣木は起き上がると何故自分がベンチで寝ているのかわからない様子で困惑していた。
「何でこんな所で寝ていたんだ……?うーん、夢の中でアイドルプリキュアのステージを観ていた気がする……あっ!こうしちゃいられない!」
宇釣木は何かを思いつくとその場を走り去っていく。それから数日。最後にアップロードされたソウルとキュンキュンの動画も好評であり、ソウルの万能さに驚く視聴者やキュンキュンのコーレスレッスン動画が参考になったという意見が多数上がっている状況である。
「さてと、今日も咲良さん達のいる出張所に……」
影人はそう言いつつ道を歩いていたそんな時だった。そんな彼の前に宇釣木が現れると彼は影人と会えた事に驚いた顔を見せる。
「あ、黒霧君!」
「うげ……宇釣木。何だよ?」
「今咲良さんの所に行くって言ってなかったか?」
それを聞いて影人は面倒くさそうな気持ちになるが、何となくこの後の流れを察してしまった。それでも一応彼に用件を聞く事に。
「そうだけど、何か用事?」
「ああ、咲良さんにこれを」
宇釣木から渡されたのは前みたいな雰囲気のラブレターである。それに影人は唖然とした顔になった。
「お前まさか」
「ああ、任せたぞ。咲良さんによろしくね!」
そのまま宇釣木は逃げるようにその場から走り去っていく。影人は先程から浮かべた唖然とした顔つきのまま頭に手を当てていつものように呆れてしまうのだった。
「はぁ……。完全に良いように利用された」
影人はひとまず出張所へと向かう事にするとその最中でうたと出会う事になる。
「あ、影人君。やっほー!」
「……咲良さん。咲良さん宛てに手紙だ」
「へ?」
「宇釣木だよ。アイツが俺に手紙渡すのを丸投げして……」
影人はそう言いかけた途端、いきなり手に持っていた手紙をうたに奪い取られてしまう。
「うええっ!?う、宇釣木君がまた!?」
「だからそうだと……」
「あわわっ!どうしよーっ!そうだ、取り敢えず皆に知らせなきゃ!」
うたは影人をその場に放置すると猛スピードでキラキランドの出張所へと駆け出していく。
「は?ちょっ、咲良さん!俺を置いていくなよ!」
それから影人とうたは走りながら出張所に到着すると玄関口を潜り、部屋に繋がるドアを思い切り開ける。
「た、たたた大変だよ〜!!」
「お、噂してたら来たな」
「影人君も……うん、来てるね」
「というか、最初から慌ててどうしたんですか」
部屋の中にはなな、こころ、レイ、田中の四人とプリルン、メロロン、カッティン、ザックリンの妖精組が揃っていた。
「ま、ままままた!う、う、宇釣木君から手紙が来た……」
「そんな所だろうと思った」
「それで、影人君は何でそんなに息切れしてるの?」
「……コイツの突然のダッシュに置いてかれそうになったから慌てて走ったんだよ」
影人はななからの疑問に答えているとこころが興味津々と言わんばかりにうたへと質問する。
「わぁ!次は何と?」
「どどどどどうしよぉおお……」
「だから咲良さん、テンパリ過ぎだって」
「うたちゃん、ひとまず落ち着いて」
うたは緊張した様子で手紙を持った手をバタバタと動かす中で影人やなながフォローするように声をかける。ひとまずまだ中身は見ていないという事でまずは手紙を開封する所からだ。
「「ワクワク!」」
「え、えっと……えーっと!“前略、咲良うた様。二度目のお便りになります。改めて気づいたのですが、僕が好きなのはやっぱり……アイドルプリキュアでした!想いが高まるあまり、今ではキュアチューブでアイドルプリキュアの動画を観る毎日です”……え?」
そこまで読んだ所でうたは唖然とした顔つきを見せると影人が額に青筋を立てると共に目付きが怖い物に変わっていく。
「……先輩、フラれちゃいましたね」
「うたちゃん。元気出して!」
「ああっ!?ええっ!?」
そんな中でこころは勝手に告白されて勝手にフラれたうたの姿に同情の目線を向けるとななは傷心であろう彼女へと優しく話しかける。
そしてプリルンはフラれたという言葉の意味はわからなかったものの、ななやこころがうたを励ましているのを見て彼女が悲しい気持ちになったのだと理解。うたがあまり好きじゃないという事で普段なら敵対心を向けるメロロンも流石にこれには同情の気持ちが隠せなかった。
「うた、可哀想プリ」
「そっとしておいてあげるメロ」
「だーから、なんか違ーう!!」
うたは流石にこれには困惑を隠しきれず。思わず叫んでしまった。そして、レイの方は宇釣木のあまりの気持ちの移りの速さに苦笑い。
「あーあ、これは宇釣木に色々と振り回されたな。……で、何でさっきから凄い顔してんだ?影人」
「あー、ごめん。抑えるつもりだったけどやっぱ無理だわ……一回アイツ潰そ……」
影人はどこからか取り出した鋸歯のようなギザギザな刀身が特徴的な刀を両手に持つと怒り狂った様子で宇釣木の元に行こうとする。
「ちょっ!?カゲ先輩!?」
「だから俺はアイツみたいな性格の奴が嫌いなんだ!告白するだけしといて相手の返事も聞かずに勝手にフるとか舐めてんのか!!名前通り移り気が早過ぎるんだよ!!」
影人はそう言うと宇釣木の所に向かおうとすると後ろからレイに拘束された。
「影人取り敢えず落ち着けって。アイツだった悪気があったわけじゃ……」
「離せ、レイ!俺の凄まじい猪突猛進なスピードでアイツを滅殺してやるんだぁああっ!」
「中の人一緒だからって○滅の刃の○之助みたいな事言ってんじゃねーよ」
それから影人があまりの宇釣木の不誠実さに狂乱の声を上げる中、どうにかその場にいたレイや彼女であるこころが中心になって宥める事になる。
「はぁ……はぁ……」
「やっと落ち着いたか」
どうにか影人が落ち着くとひとまず脱線しまくった話を元に戻す事にした。
「とにかく、これからはもう宇釣木先輩のためにも動画をどんどん撮っていくしか無いですね!」
「だね!」
「それは賛成!観てくれるキミをキラッキランランにしちゃおう!」
「流石咲良さん。立ち直りがメッチャ早い」
「本当、よくあれだけ振り回されてショック受けなかったな」
うたはななやこころに言われて速攻で立ち直ると気を取り直して動画撮影をこれからも頑張るという事で話は纏まることになるのだった。
〜おまけ 似てる〜
ソウルとキュンキュンの動画が投稿されてから数日後。チョッキリ団アジトではチョッキリーヌが動画を観ているとまたアイドルプリキュアの動画が増えている事に気がつく。
「アイツらまた動画を……むきーっ!こうなったら動画にアンチコメントを投げ込んでやる!」
チョッキリーヌはアイドルプリキュアの動画が伸びている事に苛立ち、こうなったらアンチコメントで妨害しようと考えた。そんな中、ソウルの動画を開くとある事に気がつく。
「……んん?キュアソウルのダブルダッチ……ってやつを手伝ってる二人……まさか?」
チョッキリーヌはソウルのダブルダッチのロープを回す係をやっている人間態のカッティンとザックリンを観て既視感を覚えた。
「この二人、カッティーとザックリーなのかい?……いや、幾らあの二人がアイドルプリキュアにハマっているからと言ってお手伝いになんかなるはずが無いね。第一、あの二人は闇に呑まれたはずだよ」
そう思ったチョッキリーヌは動画を止めると脳裏に浮かんだ二人の姿をさっさと消してしまう。そこにスラッシューが声をかけた。
「何観てるのかしら?」
「お前には関係無いよ」
「あらそう。まぁ良いわ。せいぜい今度はプリキュアに勝てるように頑張りなさい」
そう言ってスラッシューからの言葉にチョッキリーヌの顔が歪むとまた彼女は仕事の方に戻っていく事になる。
また次回もお楽しみに。