キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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わからずや会議と見つかった輝くためのピース

少し時間を遡り、影人達が図書館へと向かった直後。グリッターに残されたうた達は更に場所を移して今現在は咲良家にあるうたの部屋にやってきていた。

 

それは、とある話題について話し合いをするためである。その話題というのが……。

 

「それでは始めましょう。プリルンのわからずや会議です」

 

「プリ?」

 

「ゲストに田中さんと姫野さんもお招きしました」

 

「呼ばれタナ」

 

「あの、私もこの姿なのヒメ?」

 

「このままでお願いします」

 

ゲストとして呼ばれた田中ことタナカーンと姫野ことヒメーノは何故か妖精態の状態であり、二人はキョトンとするプリルンの隣に座っていた。ちなみに田中と姫野が何故妖精なのかという話だが……まぁ、大人の都合というやつだろう。

 

「それで、わからずや会議とは?」

 

「“ねえたまのわからずやメロー!”という言葉にはメロロンの想いが詰まっていると思うんです」

 

「「「「「ふむふむ」」」」」

 

「その言葉の本当の意味を探れば、本当の意味がわかるはずです!」

 

こころからの言葉にうた達は納得すると考える。メロロンのいうわからずやという言葉。その中に隠された本当の意味というのが何なのか。それから少しするとプリルンは何かがわかったように声を上げる。

 

「プリ!わかったプリ!」

 

「えっ……何々!?」

 

「タコさんウインナー、プリルンが全部食べちゃったプリ……」

 

「「「「「絶対それじゃ無い(タナ)(ヒメ)……」」」」」

 

「プリルン、それはちょっとメロロンの気持ちを理解できなすぎじゃないか?」

 

プリルンは一人でタコさんウインナーを完食してしまった事に慌てるが、的外れな予想をしてしまったがために全員からツッコミを入れられてしまう事になった。

 

「……プリ?」

 

「それに今のは欲張りやさんです」

 

「わからずやとは全然違うと思っタナ」

 

「これに関してはプリルン、多分わかってたとしてもまたやりそうヒメ」

 

「プリ……」

 

こころとタナカーンが呆れてそう言うとヒメーノは更に追撃を入れる。実際問題、プリルンは仮に今回の事を反省したとしてもまだ幼いために再び好物のタコさんウインナーを餌にされたら全部食べてしまいそうではあるだろう。

 

それはさておき、わからずやとは違うという所で脱線してしまった会議の続きをする事に。

 

「……あのさ、前にプリルン言ってたよね。メロロンがプリルンをねえたまって呼ぶようになった時の事」

 

「言ってタナ。キラキランドが襲われた時だっタナ」

 

「プリ!……メロロンはひとりぼっちになってて、プリルンが見つけたプリ」

 

「その時に助けた事がキッカケでメロロンはプリルンを慕っているのだったヒメ」

 

“どんな事があってもメロロンはプリルンが守る”、“プリルンはメロロンのお姉さんになる”……この言葉をかけられたメロロンはプリルンに感化されると彼女はプリルンを慕うようになった。そしてそれが二人の姉妹のような関係の始まりでもある。

 

「きっとメロロン、胸をズキューンって……」

 

「撃ち抜かれタナ」

 

「弱っている心にそれはきっと、効果覿面だったヒメ」

 

「何にせよ、プリルンがメロロンの心を射止めたのは間違い無さそうだな」

 

プリルンがメロロンを慰めたのは打算なんかでは無く、純粋な気持ちだった。だからこそメロロンはそんなプリルンにハートを射抜かれる形でときめくと妹としてプリルンを慕う事にしたのだ。

 

「その時からメロロンはプリルンが大好きで……」

 

「プリルンを独り占めしたくて、皆と友達になりたく無いんですかね?」

 

「……うーん、本当にそうなのかな?」

 

「え?」

 

「ううん、何でも無い!」

 

すると、うた達の予想とは別でななは何かを感じた様子であった。それが思わず呟きとして出るとうたがそれを気にかけ、ななはまだ自分の中でも確信が行ってないので何でも無いと返す。

 

「プリルン、メロロンが大好きプリ!メロロンが帰ってきたらちゃんとお話しするプリ!」

 

「それが良いと思います!」

 

「今、メロロンには影人も付いてるしな。アイツなら最低でもメロロンが話をしてくれる状態には持って行ってくれるはず。だから後はちゃんと向き合って話せばきっとその気持ちは届くはずだ」

 

「うん!」

 

「プリ!」

 

レイの言葉にうたやメロロンは頷く事になる。後は逃げ出してしまったメロロンが向かった先の事になるが……。

 

「そういえば、メロロンはどこに行ったのかな?」

 

「メロロンが一人でお出かけするのは図書館プリ」

 

「えっ……メロロンって図書館に行くのヒメ?」

 

「プリ!」

 

その言葉にレイも唖然とする。メロロンは田中や姫野のように人間態への変身は自由にはできない。そう考えると妖精態のまま、向かう事になるのだが……。

 

「よく今までメロロンの事で騒ぎにならなかったな……」

 

「見つかったら多分大変な事になってるヒメ」

 

一応今の所、ネットニュースでピンクのウサギのような話は出てこない。もしかするとごく一部の噂話にはなってるかもしれないが、所詮はその程度。そこまで大きな騒ぎには発展していない。

 

「……ただ、プリルンは行っちゃダメプリ……」

 

「え、行っちゃダメって……どうしてですか?」

 

プリルンは少しバツの悪そうな顔をすると自分は図書館に行けないという事を話す。それにこころが疑問符を浮かべるとプリルンが理由を説明した。

 

「前に一緒に行った時……」

 

〜回想〜

 

少し前。具体的な時間はわからないが、プリルンのリボンは鮮やかさを取り戻しているので恐らくプリルンの記憶が戻った後。若しくは、プリルンとメロロンがキラキランドに戻る前の話だ。

 

「プ……リ。プリ!出来たプリ〜!」

 

プリルンは図書館で何かをやっている様子で、慎重に開いた状態の本を置いていた。そのタイミングでその場にいなかったメロロンが戻ってきたものの、その際にプリルンのやらかしをバッチリと確認してしまう。

 

「メロ!?」

 

「プリ〜!」

 

そこではプリルンが本を積み木のように積み重ねて家のような物を作ってしまっており、本を玩具代わりにしてしまったプリルンを見たメロロンは慌てて声を上げる事になる。

 

「ねえたま!?本で遊んじゃダメなのメロ!!」

 

プリルンはまさかの本を玩具の代わりにしてしまうというかなりアウトなやらかしをしてしまったため、流石にこのまま放っておく事はできず。彼女はプリルンを図書館へと行くのを禁止にしてしまった。

 

「って、怒られちゃったプリ……」

 

「本を積み木にするって……やっぱりプリルン、幼いせいで常識の欠如が酷いな」

 

そして幸いにもこの本を玩具にして遊んだ件は世間にバレる事は無かったものの、プリルンは今回の事で反省せざるを得ず。かなり申し訳なさそうな顔を見せる。

 

「あはは……。これじゃあ確かにプリルンは図書館に行けないよね」

 

「……だから、プリルンは待ってるプリ!」

 

「私も一緒に待つよ!」

 

「私もです!」

 

「ありがとプリ!」

 

そんな事情もあって流石にプリルンがこの状況から図書館に行く……という選択肢は厳しいだろう。だからこそ彼女はメロロンが帰ってくるのを待つ……という選択肢を取る事にした。この方がメロロンをこれ以上怒らせないという点からも最適なためである。そんな加えて、プリルンの判断にうたやこころは乗る事にした。

 

「……私、行ってみる。メロロンの所へ!」

 

ななは自分一人だけでもメロロンの元に行くと決意。そんな彼女の提案にレイが声をかけた。

 

「なな……。どうしてだ?メロロンの所には影人が行ってる。無理して俺達が行く必要は……」

 

「ううん、きっとだからこそ……私達とメロロンの距離は思ってる程縮んで無い。……私はそんな気がするの」

 

「ッ……」

 

ななの言葉に一同は目を見開く。確かにメロロンの事はうた達も影人に一任している節はあった。その方がメロロンと仲良くなる時間が早いと考えたのだ。しかし、実際はうた達とメロロンの距離は数ヶ月経っても大きく縮まるという事には至っていない。勿論影人を信頼していないわけでは無いが、恐らくうた達は自分達で思っているよりメロロンの側に寄り添えなかったのも大きな要因だろう。

 

つまり、メロロンはあくまで仲の良い影人を頼りにするため他の皆を頼ろうという気持ちになりにくいのだ。

 

「だから影人君にだけ任せっきりにするんじゃ無くて、私の方からもメロロンの側に寄り添いたい。……そうした方が良いと思うんだ!」

 

「でも、メロロンの事はカゲ先輩がきっと……」

 

「こころ、ななのやりたいようにさせてあげなよ」

 

こころは下手に今のメロロンを刺激するのはいけないと感じて止めようとするが、レイはななの意見に賛成の様子だった。

 

「……今回の件はななの言う通りだ。俺達はメロロンの友達になりたいって言いながら、メロロンにとってプラスになる行動をしたかと言えばそうでもない。良い機会だから一度距離を縮めるために挑戦してみるのもありだろ」

 

「そういう事なら私はななちゃんのやる事、応援する!」

 

「そうですね……私からも、なな先輩にお願いします!」

 

レイからの説得にうたやこころも納得。勿論プリルンやタナカーン、ヒメーノも今回の件に賛成。こうして、ななは一人で影人とメロロンの方に向かう事になるのだった。

 

同時刻、図書館では影人とメロロンが早速中に入っていく。その際に影人は改めてメロロンに声をかけた。

 

「着いたぞ、メロロン。それで、どんな本から読む?」

 

「メロ……それなら、お気に入りの本があるのメロ」

 

それから影人とメロロンはその本を探すために移動する。しかし、メロロンの探している本は前に置いてあった場所には無かった。

 

「メロ!?どうしてメロ……」

 

「だったら手分けして一緒に探そう。メロロン、本のタイトルは?」

 

影人からの質問にメロロンは彼にも手伝ってもらうため、本のタイトルを伝える事になる。

 

「えっと……メロ」

 

「オッケー。そのタイトルだな」

 

それから影人は早速本を探すために別の所に移動しようとする。すると、それを見たメロロンはある事を思い出すと声をかけた。

 

「……にいたま、にいたまは焦らないのメロ?」

 

「ん?それは本とは違う話題?」

 

「そうメロ」

 

メロロンがいきなり本とは違う話題を振ったことに影人は困惑。しかし、彼女の話に合わせるために影人は向かい合う。

 

「えっと……焦る?それってどういう意味?」

 

影人はひとまず落ち着くとメロロンから聞かれた焦るという言葉の意味がわからずに思わず彼女へと問い返す。

 

「その……。前にスラッシューが言ってて、にいたまも車で言ってたメロ。闇に呑まれるかもしれないって」

 

「ああ、アレか」

 

「メロロンは怖いメロ。にいたまが闇に呑まれてしまったら……」

 

「確かに俺も闇に呑まれるのは怖いよ?……でも、今から恐れてたって仕方が無いよ。それに、今はまだそれを止める確実な方法が無いんだしさ」

 

メロロンはそれを聞いてまた考える。影人が自身の固有の輝きをちゃんと自覚してそれを身につけられる事。それがメロロンなりに出した答えである。しかし、これも確実かと言われたらそうでも無い。そのため、それを影人へと伝えるか迷っているのだ。

 

「あ、もしかしてメロロンは何か良い案思いついたりしてくれた?」

 

「メロ!?め、メロ……それは……」

 

影人はメロロンに聞くと彼女は少し言いづらそうな顔つきを見せる。それを見て影人はまだ思いついてないのだと感じ取ると彼女へと微笑んで返す。

 

「そっか、ゆっくりで良いからな。焦っても思いつかない物は思いつかないし」

 

「ち、違うメロ」

 

「え?」

 

「その……一つだけ、メロロンが思った事があるのメロ」

 

メロロンの言葉に影人は彼女に真剣に向き合う。それから影人はメロロンへと頼み込んだ。

 

「メロロン、できるならそれ……教えてほしい。どんな小さな気づきでも構わないから」

 

「……わかったのメロ……話すメロ」

 

それからメロロンは影人が自分自身の輝きを取り戻すという、彼女なりに出した答えを話す。

 

「にいたまの輝きは不安定だってスラッシューは言ってたのメロ。多分それは、強い力を受け止める土台が無いという事なんじゃないのかなって」

 

「なるほど……俺自身の輝きっていう下地が無いからどれだけ力を上乗せされても上の方はグラグラと揺れると」

 

「メロ。……むしろ、その理論なら上に力を乗せれば乗せるほど全体が不安定になるメロ」

 

影人はそれを聞いて何となく想像がついた。例えば地面がぬかるんでいる湿地帯の上にマンションを建てると少しの地震が来るだけで土台が崩れてあっという間に倒壊してしまう。今の影人の力はそれと似たような状況と言える。

 

「……メロロンは思うのメロ。にいたまの……影人の良さは沢山の人と繋がって自分を高められる事」

 

「沢山の人と繋がる」

 

「……メロロン、何となくだけどにいたまが成長できたって時は周りからの影響を受けた時が多かったと思ってるメロ」

 

それを考えると影人が自分を強く主張できた時は常に周りに誰かがいて、その相手の輝きと一緒になった時だ。

 

「にいたまはその力があったから……きっとメロロンにも寄り添ってくれたのメロ。メロロンは、にいたまのその力のお陰で救われたのメロ」

 

メロロンは影人を励ますかのようにそうやって自分の気持ちを影人へと伝える。すると影人はようやく全てのピースが埋まったような顔つきになった。

 

「……そっか。だからあの時、一人じゃダメだったんだ。それこそ、こころにダンスを教えた時の方が……」

 

影人はかつて自分が芸能界で輝く事を夢見て一人で必死にトレーニングを積み、自分の情熱による辛い気持ちを一人で溜め込んだ。しかし、その行為は彼に悲惨な結果として返ってきた。

 

影人は折角の晴れ舞台で周りに認められなかったため、辛い気持ちが爆発。そのまま自分は輝けないと決めつけて周りと繋がらない方向に落ちていく事になる。

 

「俺は元々一人じゃ輝けなかったんだ。芸能界を目指してたあの時だって無理に一人で輝こうとして。……そうか……そういう事だったんだ」

 

ただし、ドン底に落ちる前。自分の心がいっぱいいっぱいだったその頃にこころにダンスを教えた時は楽しくやれたという事はある意味影人が救われるヒントでもあった。

 

これらの事象から影人は自分が輝きを失った後に今この時まで長い間ずっと輝けなかったのか。……それは、影人が輝くための鍵を自ら捨てる道を選んでしまったからだと納得が行く。

 

「メロロン……お前のお陰だ」

 

影人はメロロンの肩に手を置くと嬉しそうに彼女へと笑顔を見せる。ようやく、ようやく影人は自分が輝くために必要な鍵を自覚できたのだ。

 

「ありがとう……」

 

「メロ……。メロロンもにいたまが元気になって良かったのメロ」

 

「今度は俺がメロロンを助ける。……一緒に探そう。メロロンの欲しい本」

 

「メロ!」

 

こうして、二人はモチベーションを高めると図書館のどこかにあると信じているメロロンの求める本を探すのだった。




また次回もお楽しみに。
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