キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
突如として不調を訴えるソウル。彼の体から禍々しいオーラが出てしまうとそれを見た一同は混乱する。
「はぁ……はぁ……胸が……痛い……」
「ソウル!!しっかりしてくださ……きゃっ!?」
キュンキュンが慌ててソウルに駆け寄ろうとすると彼から出ている禍々しいオーラがキュンキュンの事を邪魔だと言わんばかりに弾いてしまう。
「キュンキュン!?」
「今のは何なの!?」
「ふふっ、やっぱりこうなったわね」
するとそこにやってきたのは先程ソウルがこうなってしまう直前に炎のエネルギーボールを不意打ちで放ってきたであろう敵……スラッシューだった。彼女を見たキッスは声を上げる。
「こうなった?あなたがこうさせたんでしょう!」
「えっ?キッス、どういう事?」
キッスの言葉にズキューンが困惑する中、キッスには見えてしまっていた。先程ソウルが自分達を庇おうとする前と後で彼から感じられる闇の力の総量が比べ物にならない程に増えたという事に。
「あら?やっぱり闇を知ってる妖精ちゃんには何となくだけどバレちゃうのね」
「ソウルに何をしたんですか!」
スラッシューが呑気に話しているとキュンキュンが声を荒げる。キュンキュンは彼氏であるソウルがスラッシューのせいでこうなったのだと話を聞いて察したのだ。
「何をしたって?……別に。前に示唆した通り。キュアソウルの体に段階的に闇の力を注入していったのよ。彼が違和感をあまり感じない程度にね」
それを聞いてソウルはこの前のうたの祖父の家でお泊まりをした時ぐらいからその手段をやられていたのだと察する。
「ッ……。やっぱり、お前……。そういう事かよ」
「あははっ!ごめんね?もしかして自分の力で私に勝てたとか甘ったるい事思ってた?」
スラッシューはそう言って残酷な笑みを浮かべながらソウルを煽る。これもソウルに負の感情を高めさせるために敢えて過剰な反応を見せていた。また、それを聞いてチョッキリーヌの顔が青ざめると背筋に悪寒が走ってしまう。
「(ッ……何なんだいコイツ……。私に優しくしていたアレは……やっぱりキャラを作っていただけ……)」
同時に、チョッキリーヌはスラッシュー相手にもう下手に逆らえない……。同じ立場だと思っていたはずだったのに、今までスラッシューを馬鹿にし続けてきた自分を思い返してチョッキリーヌは胃が痛くなってしまう。
「ふざけないでください!……なんで、何でこんな酷い事をするんですか!」
そんな時、キュンキュンは彼氏がスラッシューのやり方のせいで苦しんでいるのを見て黙っていられないと言わんばかりにスラッシューへと問い詰める。
「酷い?何を勘違いしてるのかしら。酷いのはあなた達の方でしょう?折角目覚めかけていた彼自身の輝きを封じ込めといて、今更ねぇ」
「ソウルの輝きを封じ込めた?」
「待って、私達そんな事は……」
スラッシューの意味深発言にアイドルやウインクは困惑。そして、キュンキュンは未だにソウルが立ち上がれない所を見て我慢の限界と言わんばかりに前に出ようとする。
「スラッシュー、もうこれ以上は……我慢のげんか……ッ!?」
「待てキュンキュン……」
そんな時だった。キュンキュンの脚を誰かが掴むとそこには未だに倒れて荒い息を吐いていたソウルがどうにか彼女の脚を掴んでいた。
「ッ、ソウル。何で止めるんですか!」
「……俺は平気だ……だからあとほんの少しだけで良い……スラッシューと、話をする」
ソウルの言葉にキュンキュンは反論しようとするが、倒れているソウルが少しずつ動き始めて立ち上がるとダメージが蓄積している事を心配して踏み留まる。
「ッ……ソウル」
「なぁ、スラッシュー……。お前、何でそんなに俺の事が欲しいんだよ……」
「は?」
「わざわざまた前みたいに俺の事を闇に堕とそうとしてきてさ……。何でだよ……」
ソウルはスラッシューが何でこんな事を繰り返してくるのか。その行動原理が知りたかった。そうすれば彼女の事をもっと知る事ができるからだ。
「……そんなの知らないわ……」
「は?」
「あなたが欲しい理由……。そうやって聞かれてみても答えられないし、私自身覚えてない。まぁ、あなたに魅力を感じたからなんじゃないの?」
スラッシューの良い加減な理由にソウルは困惑するが、恐らくこれも前と比べて忘れてしまった事なのだろうと考えると次の言葉を話す。
「……やっぱり覚えてない……。スラッシュー、お前は何のためにチョッキリ団で活動してるんだよ。何もかも忘れてしまってて……。お前がチョッキリ団で活動している理由って……そこにいる意味って一体何なんだよ!」
ソウルは闇の侵食に耐えつつそう問いかける。それはスラッシューの存在意義にも触れるような話だった。
「私のいる意味……そんなのチョッキリ団として世界中をクラクラの真っ暗に……」
スラッシューが何当たり前の事を聞いているんだと言わんばかりに答えを返そうとしたその時だった。突如として脳内に何かの声が聞こえてくる。
『……私達のいる意味?そんなの、私達の歌声を楽しみに待っててくれる人達をキラッキラにしてあげる事だよ!』
「……は?」
スラッシューはその声がいきなり聞こえた事に困惑。何しろ自分の記憶にこんな場面なんて存在しない。つまり、知らないことのはずなのだ。それなのにも関わらず、何故か自分はこの場面を知っている……そんな気がしてならないと考えてしまう。
「ッ……ふざけないで。こんな事、言われた覚えなんて……」
スラッシューが苛立つ中、その変化にソウルは少しだけ心の中に光が見えた。そして、結果的にはその光が彼にとって大事な物となる。
「そうか……。やっぱり、お前の中の大事な物……完全に忘れたわけじゃ無いんだな」
「は?」
スラッシューがソウルの言葉を聞いて目を見開く中、そのソウルは笑顔を浮かべるとスラッシューとしっかり向き合うと同時に体から出ていた禍々しいオーラが本当に一瞬ずつだが銀色の物に変化し始める。
「ソウルのオーラがまた変わってる……」
「お兄様……」
そんな中でキッスはある考えを思いつく。そして、その考えを実行するために彼女は声を上げた。
「ソウル!私とお姉様の力をもう一度取り込んで!」
「え?」
「そうすればソウルの闇の力をきっと打ち払える!」
キッスが考えているのは前までアイドル、ウインク、キュンキュンの力を取り戻した時みたいに三人と個別で接続して力を共有するという行為だった。しかし、今それをやる事には大きなリスクが伴ってしまう。
「待ってください、ソウルの力と今接続したら……」
「うん、多分だけど二人に闇の力が……」
ソウルは今現在、大量の闇の力に侵食されてしまっている。そんな彼と力の共有をしてしまえばズキューン、キッスの体に大きな負担を与えてしまうだろう。
「キッス、本当に良いの?」
「私は……お兄様の……ううん。ソウルの光を取り戻したい!それが私の、今やりたい事だから!」
アイドルからの問いにキッスは迷いなんて無かった。そして、そんなキッスを見たズキューンも微笑むとその肩に手を置く。
「そっか……。じゃあ、私もキッスのやりたい事。一緒にやりたい。ソウルにキラッキラになって欲しいのは私も一緒だから!」
ズキューン、キッスの二人は前に出るとソウルも二人に負担を与える事に躊躇いこそあったが、それが全員の笑顔に繋がるならやるしか無いと考える。
「……わかった。ズキューン、キッス。頼むぞ!」
ソウルがそういうとその体からリボンが飛び出して二人の体に巻き付く。そして、そのまま三人は力を共有。ズキューンとキッスはソウルが溜め込んでいた闇の力に侵されてしまう。その分ソウルの方の負担は減ったが、ズキューンとキッスが苦しそうにするのを見てすぐに解除するべきか迷った。
「「ううっ……」」
「ッ……」
「く……何してるのチョッキリーヌ!今がチャンスでしょ!」
そんな時、スラッシューは完全に無防備な姿を晒す三人を狙うチャンスだと先程から大人しくしていたチョッキリーヌ及びクラヤミンダーへと攻撃を促す。
「はっ……クラヤミンダー!」
「クラヤミンダー!」
そして、今の三人はクラヤミンダーにとって絶好の的だ。このままではやられてしまう。
「させない!キュンキュン……レーザー!」
クラヤミンダーが本のミサイルを大量に発射したその瞬間、キュンキュンがすかさず対応するとキュンキュンレーザーがミサイルを撃墜していく。
「クラ!?」
「あなたの相手は私達だよ!アイドルグータッチ!」
クラヤミンダーがミサイルを止められて動揺した隙を突くかのようにアイドルがグータッチでクラヤミンダーの体を思いっきり殴って吹き飛ばす。
「クラァアアッ!?」
「へ?あわわっ……ぶっ!?」
しかも運の悪い事に吹き飛ばされたクラヤミンダーはチョッキリーヌを巻き込んで地面に落下。クラヤミンダーが目を回してしまったためにチョッキリーヌもその下敷きとなって封じられてしまう。
「重いのよ!クラヤミンダー、早く退きなさい……」
「クラァア……」
「チッ……役に立たないね!はあっ!」
クラヤミンダーがダメなら自分がと言わんばかりに今度はスラッシューが炎の鞭をしならせると三人を潰そうとする。
「ウインクバリア!」
しかし、今度はウインクがカバーに入るとバリアで防御。スラッシューからの攻撃を凌いでしまう。
「な!?」
「三人は私達で守るって言ったでしょ?だから、私だって守るよ!」
三人のカバーによって時間を稼いでいる間にソウルの体に変化が起き始める、ソウルを包んでいた闇の力が軽減された事でその力が纏めて光の力として還元され始めたのだ。例えるなら光の力と闇の力の比率が100:200だったとするとズキューンとキッスに闇の力を30ずつ負担してもらい、代わりに二人の力を30ずつ受け取る事で比率が160:140となり、光の力の比率が闇の力を上回ったという事になる。
ズキューンとキッスには元々闇の力の比率が少ないので30増えても闇の力が上回る事は無い。そのため、ソウルの特性である力の変換も相まって闇の力を丸ごと光の力に変えつつあった。
「俺は……一人じゃない。皆の力を受け取って、俺は初めて輝ける。……いや、そうじゃ無いか。……俺は皆と同じように、自分の力で輝きたい!俺本来の力で、誰かと手と手を取り合う事……それが俺に足りなかった自分の力で輝くための鍵だ!」
その瞬間、ソウルの体から溢れ出るオーラが凄まじく増すと同時に銀色の輝きが周囲を駆け抜けていく。
「ソウル、ギラギラ輝いてる!見た事無い力で、ううん。きっとこれが……ソウル本来のキラキラだよ!」
「ソウル……」
ズキューンはプリルンとしての能力でソウルのキラキラを見ると、五人のキラキラが混ざった物……では無く、銀色の稲妻のようなキラキラのマーク。簡単に現すと⚡︎のような形のキラキラが具現化していた。そして、キッスもソウルが本来のキラキラを取り戻せた事に微笑む。
また、ソウルの胸の中と思われる空間にあったペンライトのようなアイテムを覆っていた白黒のバリアが粉砕されるとソウルのキラキラと直結する。
「ありがとう、ズキューン。キッス。今度は俺が二人を助ける!」
それはさておき、ソウルの中に高められた闇の力が消えたのでソウルがすかさず自身の力をズキューン、キッスの力に変換。ズキューンとキッスにブーストをかけると同時に二人に流れてしまっていたスラッシューからの闇の力を瞬殺する。
「体への負担が消えた……」
「ソウルが助けてくれたんだよ!」
ソウルに助けられた事実を感じた二人は顔を見合わせると頷く。そのタイミングでアイドル達三人が戻ってきた。
「ソウル……やったんだね!」
「ああ。皆のお陰だ」
「今のソウル、凄くキラッキランランだよ!」
「はい、心キュンキュン……いえ。ソウルなりに言うならメラメラですかね?」
「うーん。メラメラと言うよりはギラギラかな?熱さが更に増したって言えば良いのかな」
「くっ……いつまでも調子に乗るなよ!クラヤミンダー、良い加減立ちなさい!」
スラッシューはソウルが復帰してしまった事に苛立つと倒れていたクラヤミンダーを蹴り上げる。これにより、クラヤミンダーはやっと起き上がった。
「クラヤミンダー!」
「ズキューン、キッス。今度こそ頼む」
「オッケー。キッス、一緒に……」
「はい!キラキラショータイム。行きましょう!」
ズキューンとキッスは今度こそと言わんばかりにクラヤミンダー相手に向き合うと浄化技を発動。
「「二人の誓い!今、輝け!」」
二人の掛け声と共にライブ領域が展開。同時にクラヤミンダーは立ち上がったばかりにも関わらず、無慈悲にも席へと強制着席させられると二人による歌が始まる。
♪決め歌 Awakening Harmony♪
「「取り戻したい〜♪光の世界〜♪」」
「その笑顔♪」
「勇気♪」
「涙♪」
「夢♪」
「「希望の兆し♪キミと明日を〜願うチカラで♪生まれる〜私たちのハーモニー♪響け〜♪……プリキュア!ズキューンキッスディスティニー!」」
ズキューンとキッスが放った白と黒の光の一撃がクラヤミンダーへと降り注ぐとその体を浄化していく。そのため、クラヤミンダーはいつもの台詞と共に消滅した。
「「キラッキラッタ〜」」
クラヤミンダーが浄化されたためにまた新たなキラルンリボンが出現。それをキッスが回収。そんな中でチョッキリーヌの方はクラヤミンダーが退いたためにどうにか起き上がるとそっぽを向きつつ呟いた。
「ふん、全員いつも以上にキラキラしちゃって……」
チョッキリーヌはその言葉と共に撤退する中、スラッシューの方は途中まで上手く行ってただけあってその悔しさも大きそうである。
「ッ……。力が不安定な事が私にも裏目に出たか。でも、あなたは必ず私の物にする……」
そう言ってスラッシューも撤退。その様子を遠目に見ていたジョギは溜め息を吐いた。
「あーあ、結局どれだけ強く封印してもアイツらとつるむとどこかでこうなっちゃうのか。……だったら次は流石に僕が行くしか無さそうだね」
ジョギは今度は自分が行くという事を意識しつつその場を去っていく。それから少しして。クラヤミンダーの素体にされていた司書を図書館の中にある木を取り囲む形のサークルベンチに寝かせていると彼女が目を覚ます。
「……え?私……」
「すみません」
そこに変身解除したななが同じく変身解除したメロロンを抱きつつ司書へと話しかける。
「は、はい」
「この本をお借りしたいんですけど」
ななが手にしていたのはメロロンが読んでいた“キズナのリボン”という本だった。その後、それを無事に借りると二人は図書館から出る。
そんな時、ななが後から本を持ってフワフワと移動していたメロロンの方を振り返ると話しかけた。
「メロロン!」
「メロ?」
「帰ったら一緒に読もうね!」
「……メロ」
ななから誘われたメロロンは嬉しそうな顔つきを見せると二人がうたに呼ばれる。
「ななちゃーん!メロロン!」
そして、そこにはうた、こころ、プリルンもいた。ななはうたに呼ばれたためにその方に行くとメロロンは本を見てから一人で考える。
「メロ。……さっきは勢いで言っちゃったけど……また改めて言うのメロ。メロロンとお友達になって欲しいって、これからは、皆と仲良くしたいって……」
メロロンがそう呟く中、同時に彼女の中にある引っ掛かりが浮かぶ。それは、メロロンしか知り得ない事だった。
「(……あれ?そういえば、何で何とも無いのメロ……?あんなに友達になる事を恐れてたのに……)」
それは、メロロンの中で動揺として響き渡る大きな誤算。メロロンは実の所、うた達と友達になる事を恐れていた。そして、それは前にメロロンがやったある行為が原因である。だが、それがいつまで経っても発動しない。メロロンはこれに違和感を感じたのだ。
「そう言えば、カゲ先輩。また一段とキラキラしてません?」
「気のせいだろ」
「またまたぁ。影人君、私達の誰から見てもキラッキランランだよ!」
「いやいや、そんな事は……」
それからプリルンは改めて目をパチパチさせると影人から先程と同じく銀色の⚡︎のような形をしたエフェクトとしてキラキラが見えていた。……そう、キラキラが
「影人、凄くキラキラしてるプリ!こんな影人初めてプリ!」
「え……俺が、キラキラしてる?」
「もう、カゲ先輩。自分ではわかってないかもですけど、周りから見たら変わったって一目瞭然ですからね」
その言葉に影人は嬉しそうに微笑む。その姿を見たメロロンも微笑ましかった。自分の手で影人はキラキラを取り戻したのだと、その事実がメロロンにとって嬉しかったのだ。
……しかし、そうメロロンが自覚した瞬間だった。突如として胸の中にあるハートキラリロックの錠前の方が異常事態を知らせるかのように赤く発光。同時にそのロックが開けられてしまうとそれはメロロンも感じ取った。
「メロ!?どうしてメロ!?」
メロロンが動揺したのも束の間。少しの間、ハートキラリロックが危険信号である赤い光を放ちつつ鼓動のような音を鳴らす。そして、それは紫の光と共にメロロンの後ろに姿を現した。
「ッ……メロ、ハートキラリロック……」
メロロンは小さく呟くと同時にハートキラリロックの意思のような物がメロロンへと伝えられると間髪入れずに鍵穴から闇のエネルギーが飛び出してきた。
「何で……どうして……メロロン、そんな物を封印した覚えは……メロ〜ッ!?」
メロロンにとってもこれは想定外の通告だったのか、彼女は混乱している間にハートキラリロックの闇にターゲットにされてしまうと叫び声を上げる。その声に影人達も気がついた。
「プリ?……メロロン!?」
「あれは何だ!?」
「メロ……メロ!!」
プリルンが慌てて声を上げた直後にメロロンは逃げ出そうとするが、あっという間に闇に捕まってしまうと手にしていた本を落としてしまう。
「何なのあれ……」
「とにかく助けないと!」
そして、メロロンが捕まった事にうたが動揺するとななは助けようと考える。しかし、そのタイミングでプリルンは慌てて駆け出していた。
「プリ!!」
「ッ!プリル……え?」
そして、メロロンの元に急いで行ったプリルンを呼び止めようとした影人は足元に何かの違和感を感じる。それから彼は下を向くとそこには影人の足元だけに闇の沼みたいな物ができていた。
「……は?」
「カゲ先輩、どうし……え?」
影人の驚く声にこころが一人その方を向くと彼女も影人の足元に広がる闇の沼に気がつく。
「メロ……ねえたま……影人!」
メロロンはどうにか逃げようとするが、ハートキラリロックの闇の呪縛からは逃さないと言わんばかりにメロロンの体へと更に巻き付いてしまう。
「メロロン!」
プリルンは必死にメロロンを助けようと飛んでいく。そして、それと同時に闇の沼に足を取られた影人は地面から飛び出した闇に捕まってしまう。
「がっ!?な、何だよこれ……」
「カゲ先輩!?」
「嘘、影人君まで……」
そのまま影人の体もメロロン同様に闇に呑み込まれていくとその体から出ていたキラキラはどんどん薄くなっていき、最後には消え去ってしまう。また、同時にメロロンの耳に付けられていた二つのリボンが石化していく。
その現象はまるで、プリルンが過去の記憶を封印した時に胸に付けていたリボンの石化現象とそっくりそのままだった。
「ごめんなさいメロ……影人……」
「プリ!メロロンはプリルンが!」
メロロンが影人へと謝る中でプリルンはメロロンを助けようと手を伸ばすが、その手は届かずに空を切ってしまう。そして、同時に影人の方もこころが咄嗟に手を伸ばしていた。
「カゲ先輩、私に掴まってください!」
「ッ!」
影人も正直ダメ元だったが、こころの手を掴もうとする。しかし、それもあと数センチの所で届かず。彼は闇の中に包まれていくとそのまま完全に取り込まれてしまった。
そして、同時にメロロンの体もハートキラリロックの中に吸い込まれてしまうと同時にもう一度ロックの鍵が閉じられる。
「こころ、信じてるぞ……絶対、助けてくれるって」
「カゲせんぱ……」
こころが言い終わる前に影人の姿も完全に闇の中に消え去ると同時にそれは一つのカプセルのような形に変化。そして、メロロンの方もハートキラリロックが変わる形で影人が閉じ込められた物と全く同じ形状のカプセルとなる。……ただし、メロロンの場合はカプセルの正面に錠前側のハートキラリロックの紋章があるという差異が見られた。
「プリルン……」
「こころちゃ……」
そんな中でうたはメロロンの前にいるプリルンの元に、ななは影人の前にいるこころの元に行くと二人は悲しそうな顔つきで影人、メロロンが閉じ込められたカプセルを見ていた。
「メロロン……」
「カゲ……君。嘘、ですよね……」
「メロロン……メロローン!!」
「カゲ君……私……嫌……嫌……嫌ぁあああっ!」
その場にはカプセルに閉じ込められてしまった二人の変わり果てた姿を見たこころとプリルンの悲痛の叫びが響き渡る事になってしまう。果たして、メロロンの誤算とは何なのか……。こうなってしまった二人を助ける手段はあるのか……。それはまた次の話で語るとしよう。
はい、と言うわけでアニメ29話の話はここまでとなります。次回はアニメ30話……ですが、その前に今年の投稿はこれでラストになりますね。
いや、こんな途中で上げてから最後でそれ以上に落とす展開なんて年の瀬の本当にラスト一話でやる回じゃ無い事はわかりますよ?ただ、話の流れとしてどうしても噛み合わせが悪かったということと来年の頭にこの回からスタートするよりは今年中に消化した方が良いという判断で先に回しました。
そして改めての補足ですが話の途中でメロロンが何故か動揺していた通り、彼女が封印した物は原作アニメとは違います。影人も一緒に封印された時点でお察しかもですが、またそれは来年の話に回すとしましょう。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。良いお年をお迎えください。
次回もお楽しみに。