キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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Pretty_Holicでの内容説明 担当者の想い

田中から半ば無理矢理了承を貰った影人達。一同は田中を通してPretty_Holicの方に連絡をするといつなら打ち合わせのためにお店に来れるのかという言葉が返ってきた。

 

「できるなら早い方が良いよ!」

 

「うん。私達にできる事を少しでも早くやりたい!」

 

「……あのな?二人共。アイドルに仕事を依頼するとか、そういうのは普通事前の用意が必要な場合が多いから最短でも数日は必要だと思うぞ?」

 

「「えぇ〜……」」

 

影人の言葉に二人は唖然とする。しかし、向こうからは意外な返事が返ってきた。

 

「……お店側は今すぐ準備できてお話しする事もできると言っています」

 

「という事は俺達が大丈夫なら行けるけど」

 

「私達は勿論……」

 

「大丈夫だよ!」

 

どうやら向こうはいつメッセージによる返信が来ても大丈夫なようにするために予め用意が揃っているらしい。

 

「……マジかよ。ちょっと都合良すぎじゃね?」

 

影人が半ば呆れるがそれならすぐに行ったとしてもそこまで大きな問題は無い。そのため田中は今日中でも大丈夫だと伝え、Pretty_Holic側がそれならと一時間後に打ち合わせのために来てほしいとの事だった。

 

それから一時間後、マネージャーの田中を先頭に五人はお店に到着。影人はプリルンへと一応釘を刺す事に。

 

「プリルン、念のため言っておくけど今日はアイドルプリキュアの初仕事がかかってる大事な日だから絶対に動くなよ?」

 

「わかってるプリ〜」

 

「良いな?絶対だぞ?」

 

プリルンは了承を返したものの、やっぱり影人的には今までの事があるのでプリルンに対する憂いは消えなかった。それから一同が着いたのはPretty_Holicの店舗の中でも現在進行形で“はなみちタウン”にオープンする予定の新店舗である。

 

これからオープン予定という事でまだ中は内装工事中と言った所であったが準備が着々と進んでおり、五人の中で代表者的な扱いである田中が前に出る。

 

「失礼します。先程ご連絡しました。アイドルプリキュアのマネージャー、田中です」

 

「わかりました。すぐに担当の人を呼びますね」

 

それを聞いて店側も担当者を呼ぶために店の奥に引っ込むとそこから数分して一人の女性が出てきた。

 

「こんにちは。本日はメッセージを見てご連絡をいただき、ありがとうございます!この建物の上にある会議室でゆっくりとお話ししますのでどうぞ!」

 

それから彼女が案内すると一同は奥の部屋に入ると一度Pretty_Holicの外へと出る。それから建物の二階に存在する会議室へと入ると長いテーブルに着席し、担当者も影人達の正面に座った。

 

「改めまして、マネージャーの田中です」

 

「頂戴致します。私、Pretty_Holicの宣伝担当の森こはるです」

 

まずは挨拶としてマネージャーの田中が自身の名刺を相手へと渡す。そして彼女も自己紹介をすると森は隣に座った四人へと問いかける。

 

「こちらの皆様は……」

 

「私、キュアアイ……」

 

「マネージャー見習いの黒霧影人です。まだ中学生ですけど家族がアイドルプリキュアのマネージャーとして働いているのでマネージャーに興味があって見習いとして不定期に勉強させてもらっています」

 

うたが自分がキュアアイドルだという特大の地雷を踏み抜こうとしたために影人は慌ててそれを遮ると訂正。

 

「俺は音崎レイです。俺達四人は全員同じ理由のマネージャー見習いです。よろしくお願いします」

 

すると森はレイの名前を聞いて僅かに違和感を感じる。レイの苗字をどこかで聞いた事があるような気がしたのだ。

 

「あれ?音崎って……どこかで……」

 

しかし、彼女はその違和感には辿り着けず。結局その場は通り過ぎる事に。それからうたとななも自己紹介を終えた。

 

「同じく見習いの咲良うたです」

 

「私も見習いの蒼風ななです」

 

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

「よろしくお願いします!皆さん若いのにもう将来の事を見ていて素晴らしいですね!私はまだ皆さんの年頃は将来の目標とかは全然決まってなかったので……。あっ、話がズレましたね」

 

森が自分語りを僅かにする中、影人は内心彼女へと謝罪をしていた。見習いという事にするために話した言葉の殆どが嘘であったからである。唯一自分が中学生だという事は本当なのだが、そもそも中学生は義務教育なのでこういうバイト行為として話をするのは法律に引っかかる。

 

だから本当に仕事の見学や勉強の一環として仕事を見るだけという超無理矢理なやり方しか通せない。だからこそ相手が親身になってくれているこの状況が申し訳ないと影人は思っているのだ。

 

「改めまして、本日はご連絡いただきありがとうございます。早速ですが……」

 

それから彼女達の前に出されたのはキュアアイドルのパーソナルカラーであるピンク、キュアウインクのパーソナルカラーの青のカラーリングをしつつ、リボンをモチーフにした新商品を出した。

 

「うわぁ!リボンの形だ〜!」

 

「可愛い……」

 

「はい!この春の新作リップのキャンペーンでCMに出演してもらいたいんです。丁度“はなみちタウン”に新しいお店がオープンするので撮影はここで行います」

 

影人はその言葉を聞いて疑問に考える。普通撮影となれば別の建物に移動するのでは無いのか。ここにそんな設備があるのか気になった。

 

「あの、すみません。撮影用のスタジオってそれなりの専用の撮影道具とかスペースとかがいると思うんですけど……ここにそれってあるんですか?」

 

「ああ、それでしたら大丈夫ですよ。私達が今いるここはPretty_Holicの店舗外で三階にはこの街に存在する大手の事務所……サウンドプロダクションさんがこの街での撮影をする際に主に使われている大きめな撮影所があるんです」

 

影人はその言葉に頷くとうたやななも驚いた顔つきをする中、レイと田中は特に動じてない様子であった。それから森からの説明は続く。

 

「この度は場所を借りられたのでやる事は可能です。気になるのでしたらこの後ご案内しますよ」

 

「いえ……。開店前で忙しいのにそこまでお手を煩わせるわけにはいきません」

 

影人は一旦この話に踏み込むのは終わりにしようと考え、彼女も納得したために一度撮影所の件の話は終わった。

 

「先程のサンプルですが、良かったらそちらの女子のお二人に使ってみてもらいたいです」

 

「ふわぁ……」

 

「良いんですか?」

 

「勿論です!」

 

うたとななはそれぞれのパーソナルカラーのサンプルを手に取ると早速リップとして使用する。

 

「わぁ……。リップがハートだよ!」

 

うたがリップを使用するために人形状態のプリルンは田中が抱いており、うたはその間に前に置かれた鏡を使ってリップを塗った。

 

「わぁ……キラッキランラン〜!」

 

「それ!それです!今回のキャッチコピーは……“プリティアップでキラッキランランなわたし”で行きたいんです!」

 

「キュアアイドルさんの言葉。とっても良いと思ってて!」

 

そんな風に興奮したような森の言葉にマネージャーの田中は見習いとしてここにいるプリキュア本人の二人に目線を向けると二人は同じタイミングで頷いており、二人からの了承もあったので田中は答えを返す。

 

「問題ありません」

 

「ふわぁああっ!ありがとうございます!」

 

森は了承を得られて嬉しそうに田中の手を取ると固く握手をする。一応このキラッキランランという言葉も本人が大丈夫で無ければ却下となるので余計に彼女も嬉しそうなのだ。

 

「(……というか思ったんだが、これキュアアイドル達が出てなかったらどうするつもりだったんだろう。なんか逆に気になってきた)」

 

恐らく、キュアアイドルが出なければ他のアイドルとかにも話が出回っていたはずだ。そもそもアイドルプリキュア自体がここ一か月の間ぐらいに出たばかり。知名度こそ最初のコンタクトで爆発的に伸びたものの、それでもまだまだ世間から見たら新参者だ。だからこそ安定的な宣伝効果を得るために想定していた本来の撮影相手もいたはずなのである。

 

むしろ、連絡が付かない分ギリギリまで相手のアイドルのスケジュールとかの調整も大変だったかもしれない。そういった今見えている動きの裏。陰であった出来事も影人は何となく思考しつつ嬉しそうにしている森の顔を見る。

 

「キラッキランランが選ばれた〜」

 

「うん!」

 

「田中さん。やっぱりクールとは言ってもこういうには慣れてないね」

 

レイが握手をされて僅かに混乱するのを微笑ましい物を見る中、森はハッと我に帰ると僅かに慌てて思わず興奮したのを訂正した。

 

「あ、すみません。私、子供の頃からPretty_Holicが大好きで。だからPretty_Holicのコスメで皆を幸せにできたらなって」

 

「……キラキラがいっぱいプリ」

 

彼女が情熱を語る中、プリルンはそんな彼女を目をパチパチさせて見るとキラキラと輝いていた。

 

「あっ、すみません。私ばかり喋っちゃって……」

 

「「いえ!」」

 

「大丈夫ですよ。森さんの気持ち……また田中さん経由でアイドルプリキュアご本人にもお伝えします」

 

影人がそう言うと森は僅かに申し訳なさそうな顔に変わり、それから撮影日の事について話をする。

 

「それでですね……スケジュールがギリギリで……CM撮影は明日……」

 

「「明日!?」」

 

「うぅ……。無理でしょうか」

 

そんな風に肩を落とす彼女。普通のアイドルならもっと前からこういう撮影の予定を入れないといけない。特に前日でのこの話は普通なら却下されるだろう。だが、恐らく今回の場合は自分達が早めにPretty_Holic側からの連絡を見れなかったというのにも原因がある。

 

彼女も相当苦労してこの件についての上司への提案に加えて、CMを撮るために元々考えていた他のアイドルへの連絡の引き延ばしをしてもらったに違いない。その証拠に彼女は先程まで嬉しさで隠れていた今までの奔走の疲れも僅かに滲んだ様子だったのだ。

 

「何とかお願いします。私、どうしてもアイドルプリキュアさんにお願いしたいんです!」

 

そんな彼女のひたむきな姿を見て二人が応えないわけがない。森が頭を下げて自分達を見ていないのでうたとななは田中へと小さく頷くと問題無い事を伝えた。

 

「……大丈夫です」

 

「えっ!?あ、ありがとうございますぅう!」

 

彼女は僅かに涙目になっており、嬉しさから出ている物だと影人は察知していたもののやはり宣伝担当としてアイドルプリキュアを押すためには色々と上に通すための障害があったはず。かなり無茶なお願いだってしたはずだ。だからこそ彼女はここまでの苦労が実って嬉しかったのだ。

 

それから影人達の学校の事もあるので撮影は放課後からやるという事になった。森もアイドルプリキュアが有名になってスケジュールが埋まりつつある中でも出てくれるという事が嬉しいのか、それで納得する事に。

 

ひとまず田中が森から当日の台本を貰うとそれを二人に後で渡すという話で纏まった。その後Pretty_Holicを出た一同はその場で一度解散する事に。

 

「初めてのCM撮影、頑張ろうね!ななちゃん」

 

「うん!私達にできる事。頑張ろ!」

 

そんな風に田中から改めて台本を貰った二人が意気込む中、影人は終始平然とした顔のレイへと問いかける。

 

「なぁ、レイ。結局お前は何で俺たちに絡んでるんだよ」

 

「?田中さんの協力者だから……」

 

「そうじゃねーよ。お前の目的。……他にもあるんだろ?」

 

「……確かにそれはそう。でもそれを今言っちゃうと撮影に支障が出るかもだし、また明日。撮影が終わった後にでもゆっくりとするさ」

 

そんな風にレイが言うと影人はその場は納得するしか無い。影人としても色々と不安要素はあった。

 

「こっちは初の撮影現場。……多分二人共現場慣れしてないから色々やらかすだろうし。俺がどうにかフォローするしか無いか」

 

影人はそう考えるものの、やはり不安な気持ちは拭えない。正直、自分達のような本物のアイドルの仕事やノウハウなんて知らない素人が企業案件なんていう重荷を背負って上手くいくのだろうか。そんな風に捉えていた。

 

「……もし失敗したら、失敗しなくても企業として商品が売れなかったら……?ダメだ。実際にやるのはあの二人だ。俺が悩んだって意味が無い」

 

影人はそれでも心が落ち着かない。それから彼は一人歩いて行くと日と落ち始めて夕方に変わって行く。

 

「……はぁ」

 

「『Pretty Holic』可愛いな♪キャンペーンやるよ♪プッリ~ホッリ~ホリ~ック♪」

 

そんな風に犬のきゅーたろうの散歩をしながら歩くうたと出会う。影人は今の心配した顔の自分を見られるのはダメだとうたから目を逸らす。

 

「あっ、影人君。まだ帰ってなかったの?」

 

「……何でもねぇよ。というか、何ださっきの歌。情報漏洩だからな?今の歌」

 

「えっ……?」

 

「その情報はまだ開示前だっつーの」

 

影人がうたのいつものノリに呆れる中、そんな二人の近くに一つの影が現れる。

 

「あれ?うたちゃんに影人君」

 

「「カイトさん!?」」

 

そこにいたのは丁度ランニングをしていたレジェンドアイドルこと響カイトであった。それから三人で近くの自然公園のベンチに座ると流れで話をする事になる。




また次回もお楽しみに。
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