キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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街を襲うヤミクラゲの脅威

影人達六人は街に出てきたヤミクラゲに対抗するためにプリキュアへと変身を開始。その姿を光に包む。

 

「「「「「「プリキュア!ライトアップ!」」」」」」

 

「「「キラキラ!ドレスチェンジ!」」」

 

「「キラキラ!ショータイム!」」

 

「キラキラ!ソウルリンク!」

 

「「「「「「YEAH♪」」」」」」

 

六人はプリキュアリボンをそれぞれのアイテムに装填。それをタッチしつつ自分達の掛け声を言うと変身を開始する。

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

「ハートをプリッとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」

 

「ハートをメロっとひとりじめ!キミと口づけ、キュアキッス!」

 

「キミと輝く、ハートの鼓動!繋がる魂、キュアソウルビート!」

 

「「「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」」」

 

六人がプリキュアへと変身を完了させて名乗りまで終えるとすぐに移動を開始。

 

「田中さん、俺達は街の人達の避難誘導を助けましょう」

 

「勿論です。トットさんは大会関連の指示を」

 

「ええ。任せてください!皆さんもお気をつけて!」

 

ヤミクラゲの特性を知っているトットとしてはできるならただの一般人であるレイや田中達に避難誘導をさせるなんてやりたく無かった。しかし、自分も自分で大会運営の方の対処をしないといけないために手伝ってもらえるという提案自体が有難いものなので提案を受けざるを得ない。

 

それはさておき、プリキュア達は一気に大ジャンプすると街へと戻っていく。街は既にヤミクラゲが占領してしまっており、残された人々が取り囲まれていた。

 

「ヤミヤミ……」

 

「はぁああっ!」

 

その瞬間、六つの光が空から降り注ぐ形で落ちてくるとプリキュア達が不意打ち気味にヤミクラゲへと攻撃を叩き込む。そして、まずはアイドルが迫り来るヤミクラゲをあっというまに吹き飛ばした。

 

「たあっ!」

 

「うおらっ!」

 

ウインクもそれに続く形でヤミクラゲへと蹴りを。ソウルビートもダブルスレッジハンマーを振り下ろす。

 

「ヤミ!?」

 

ヤミクラゲは二人の攻撃を受けてダメージを負う。ただ、やはり普通に攻撃を当てただけではヤミクラゲを倒し切る事はできない。しかも、周囲にはまだ数多くのヤミクラゲが存在している。

 

「数が多いな……キュンキュン!」

 

「任せてください!キュンキュンレーザー!」

 

キュンキュンがブローチをタッチして発動させたレーザー光線が周囲に降り注ぐとヤミクラゲ達を一掃。するとキュンキュンレーザーが通過した後はヤミクラゲが消えており、そのヤミクラゲがいた場所には小さな白い妖精のような物が多数のこっていただけであった。

 

「ヤミヤミ……」

 

「何あの小さい妖精……あ、ヤミクラゲが浄化されてああなったのかな?」

 

「だとしたらプリキュアの力でヤミクラゲは浄化が可能って事だ。皆!」

 

ズキューンが白く小さなクラゲの妖精のような物を見つけるとソウルビートがその情報からヤミクラゲ相手にプリキュアの力は有効であると判断。他のプリキュア達へとヤミクラゲへの攻撃を促した。

 

「アイドルグータッチ!」

 

最初に行ったのはアイドル。彼女のグータッチという名の浄化の力を込めた拳がヤミクラゲに命中。そのヤミクラゲは近くの仲間を巻き込みながら吹き飛ばされると直撃した個体と近くにいた数体が浄化。

 

ただし、巻き込みダメージだけでは倒し切るには至らないために吹き飛ばされたヤミクラゲの何体かは戦線復帰してきた。

 

そして、その中の一体がアイドルを後ろから不意打ちで攻撃しようとする。

 

「ヤ〜ミ!」

 

「後ろからなんて卑怯な真似しないで!」

 

そこにズキューンがカバーに入ると回し蹴りでヤミクラゲを撃退。それに気がついたアイドルがズキューンへと声をかける。

 

「ズキューン、ありがと!」

 

「うん!」

 

「「「「「ヤミ〜!」」」」」

 

するとその瞬間、二人の上に何故か影ができるとそこには五体程のヤミクラゲがいた。そしてそれらはそのままアイドルとズキューンを上から押し潰そうと降り注ぐ。

 

「へ?」

 

「「うわぁああ〜!!」」

 

二人がいきなり降ってきたヤミクラゲ達に驚く中、ズキューンの方は空いた口の中に変身前のプリルンが出てくる始末だった。二人はどうにかその場から離れると回避には成功し、事なきを得た。

 

「フェスの邪魔をするのは止めなさい!はあっ!」

 

別の場所ではキッスが迫り来るヤミクラゲを捌きつつ何体かを吹き飛ばす。しかし、やはりある程度纏まったダメージが入らないと浄化できないためにまだ継戦は可能に見えた。

 

「ヤミ!」

 

するとそんなキッスを背後から奇襲するために別個体のヤミクラゲが跳び上がる。

 

「はあっ!」

 

しかし、そこをカバーするためにウインクがすかさず蹴りでヤミクラゲを吹き飛ばしつつキッスへの被害を抑えた。ただ、状況は依然として厳しい。何しろヤミクラゲの数が多すぎるのだ。

 

「キリが無い……」

 

「この数だとライブをしても抑え込めないかも……」

 

アイドルプリキュアの浄化技なら何体かのヤミクラゲを浄化可能かもしれない。しかし、巻き込みの範囲次第ではかなりの数のヤミクラゲをフリーにしてしまう。

 

当然ライブ技を使っている間もその技の外側では時間が進行するし、巻き込まれていないヤミクラゲ達にとってはその間はアイドルプリキュアから攻撃されないというボーナスタイムに入ってしまうのだ。

 

「厳しいですね。敵の数が多過ぎる」

 

そしてそれを避難誘導をしている田中もわかっているのか、逃げる人々を見つつヤミクラゲの人海戦術に押されているプリキュア達に歯痒い思いをしていた。

 

「わぁーっ!?」

 

そんな時だった。親と逸れて逃げ遅れてしまったのか。一人の男の子がヤミクラゲに狙われてしまっていた。

 

「ッ、いけない!」

 

田中はそれに気がつくとその男の子を庇うように前に出て両腕を広げるが、ヤミクラゲはターゲットは誰でも良いと言わんばかりにそのまま田中から生命エネルギーを吸収して石に変えてしまう。

 

「ヤミ〜!」

 

「うわーっ!?」

 

「タナカーン!?」

 

ヤミクラゲからの餌食になってしまった田中を見て男の子は尻餅を付いてしまう。

 

「あ……ああ」

 

「ヤミ!」

 

「危ねぇ!」

 

男の子は恐怖で逃げ出せず。折角の田中の犠牲が無駄になる所だったが、そこにレイが飛び込みながら男の子と一緒にその場から離脱する事で助け出した。

 

「レイ!」

 

「この子は任せろ!」

 

レイは男の子を送り出すために一緒に避難していくとソウルビートが手にライトを取り出す。

 

「ウインクの力、ソウルビートバリア」

 

ソウルビートはバリアを前では無く跳び上がった際の足元に召喚。そのまま上に飛び乗って高速回転。

 

「はぁああっ!」

 

エアライダーのようにバリアを回転させながら操るとヤミクラゲを次々と切り裂いて倒していく。

 

「ヤミ〜!?」

 

「行きますよ!せーのっ!」

 

キュンキュンもヤミクラゲの触手を両腕でガッチリと捕まえた状態で遠心力を利用してスイング。そしてヤミクラゲの一体を投げ飛ばすと次々と他の個体を巻き込んで倒していく。

 

これにより、ヤミクラゲの個体がある程度固まる形となった。その瞬間をソウルビートは逃さない。

 

「キュンキュンナイス!ズキューンの力、ソウルビートバズーカー!」

 

ソウルビートがエネルギー砲を解き放つとキュンキュンがスタンさせたヤミクラゲ達を纏めて浄化。倒すことに成功する。

 

「そろそろ耐えるのもしんどくなってきたかも……」

 

ただ、ヤミクラゲの数による攻めはプリキュア達の体力を少しずつ削っていた。そして体力が減るという事は集中力も途切れてしまうわけで。

 

「「「ヤミ!」」」

 

ズキューンは跳び上がっている最中という一番回避できないタイミングを狙われてヤミクラゲの背後からの不意打ちを受けそうになってしまう。

 

「しまっ……」

 

「お姉様!!」

 

その直後にキッスがカバーに入るとヤミクラゲ達を受け止めようとする。だがキッスも消耗が大きいのか耐えられずに吹き飛ばされてしまった。

 

「くっ……ああーっ!?」

 

「キッス!?」

 

「キッス!」

 

そのままダメージで吹き飛ばされたキッスをアイドルが受け止めて支える形で救出。どうにか六人は近くの建物に降り立つ。

 

「助かったわ。アイドル」

 

「うん」

 

『ヤミ〜!』

 

するとその建物を取り囲むように存在し、未だに凄まじい数が残っているヤミクラゲが睨みを効かせる。このままでは体力を削られた挙げ句、全員纏めて数の暴力で押し潰されてしまう。

 

「一旦立て直そう」

 

「ッ、ウインク……」

 

「レイ先輩だってまだ頑張ってるのに……」

 

ウインクからの提案にキュンキュンが言いづらそうにする。田中はもう石化してしまったために仕方ないが、ウインクはまだ彼氏であるレイが避難誘導をしている。このまま離脱したら彼に危険が迫ってしまうと考えたのだ。

 

「確かにレイ君はまだ頑張ってる。見捨てるなんてしたくない。けど、今ここで私達が踏ん張ってもヤミクラゲを倒し切れないよ。それに私はレイ君なら無事だって信じてるから」

 

「そうか……。わかった。なら一度退いて立て直す。体力が減ってる今のままやり合うのは分が悪いからな」

 

ウインクはレイを信じている様子であり、そんな彼女のレイへの信頼を見たソウルビートはその信頼に賭ける事にして体勢を立て直すべく撤退を判断。その場から一度アイアイ島の山頂にまで移動した。

 

「ッ、街がもうあんなに……」

 

ズキューンがそういうと街の様々な場所からヤミクラゲの被害が影響した煙が立ち昇っている。それを見てソウルビートはどちらにしてもあのままでは戦えなかったとはいえ、広範囲に及ぶ街への被害を指を咥えて見ているだけの自分達に悔しさを抱く。

 

「……あれ?何でしょう?あの光……」

 

「確かに街の中に見えるわね」

 

キュンキュンとキッスの視線の先には水色、オレンジ、紫の星のようなキラキラマーク。更に白い光球のような輝きにピンクの蝶も飛び交っていた。

 

「それならこっちにもある……」

 

「綺麗な光……」

 

ウインクとズキューンも別の場所に立ち昇るピンクの光の柱と美しい幻想的なオーロラのようなエフェクトが輝く場所を見つけた。

 

「いや、その二つ以外にももう一つあるな」

 

そして、ソウルビートも視線の先に黒と白の光の柱が見えていた。その柱からは電撃のような物も発生しており、同時に兎のようなエフェクトも飛び散っていた。するとそこに慌てた顔をしたトットが駆け込んでくる。

 

「皆さーん!」

 

「トットさん!?無事でしたか!」

 

「はぁ……はぁ……」

 

トットがどうにかアイドルプリキュアの元に来れたと安心したように息を整えてからすぐに緊急事態であるとプリキュア達に伝えた。

 

「不味いです、非常に不味いですよ!」

 

「「えっ?」」

 

「申し上げたでしょう?この島の海はあらゆる海と繋がっていると!」

 

トットからの言葉を聞くとソウルビートの額に冷や汗が流れる。その言葉が意味する事を理解したからだ。

 

「嘘……だろ?という事はまさか!?」

 

「ええ。あなた達の住んでいる街を含めた世界中の海。下手したら時間を飛び越えて、過去や未来にヤミクラゲが行っているかもしれません」

 

ヤミクラゲがこの海で大量発生して大暴れしている現状、トットの予想は現実の物となってしまっていた。

 

同時刻、はなみちタウンにある撮影所……“はなみちスタジオ”にて。そこでは約一週間前に影人達が観ていた響カイトの映画の続編の撮影が進んでいた。

 

「……そう、僕は力を得たんだ。キミを助けるために!」

 

「カット!良いね、カイト君!」

 

「ありがとうございます!」

 

その時、丁度カイトが白いタキシードに仮面。黒いマントを着た姿のシーンを撮影しており、監督からのカットがかかって撮影が一旦止まる。

 

しかし、そんなタイミングでアイアイ島から海を通じて侵攻してきたヤミクラゲが彼のいるスタジオを急襲してしまう。

 

「ヤミ〜!」

 

「えっ!?うっ……」

 

いきなりヤミクラゲからのブレスを受けたカイトやその場にいた人々は成す術無く生命エネルギーを吸収されて石化。あっという間に制圧されてしまった。そして、このまま放置すればこれと同じ事がはなみちタウン全域……いや。全世界で同時進行してしまうかもしれないのだ。

 

その事実を知ったアイドルプリキュア達は世界中で似たような事態になっている事に絶望感が浮かんでくる。

 

「そんな……」

 

「これはダークイーネと同じかそれ以上にとんでもない敵とやり合わないといけなくなったな……」

 

何にせよ今の自分達だけでは“はなみちタウン”に帰る事はおろか、このアイアイ島を救うというだけでも手が足りない。

 

「ヤミ〜!」

 

「えっ!?」

 

その瞬間、いつの間にか近くにまで来ていたヤミクラゲがアイドルの元に迫っていた。それに気がついたソウルビートやキッスが反応するものの、もう間に合わない。

 

「やばっ!」

 

「アイドル!」

 

「ッ!?」

 

アイドルが衝撃に備えて構えるものの、その攻撃はいつまでも届かない。彼女が恐る恐る目を開けるとそこには先程自分が追いかけていた少女が立っていた。その少女をよく見ると右耳にはイヤリング。額にはこの島の住民と同じように二本のサンゴのような角。そして、彼女が目を開けるとその瞳は力強くアイドルを見つめていた。

 

同時に二人の周囲の時間が止まり、アイドルはその空間ごと海の中に移動したような感覚になると少女が話しかける。

 

「島を……世界を救って!」

 

少女が海の中、アイドルへと近づくとそっと話しかける。直後、その空間は元に戻ると止まっていた時間がリスタート。同時にアイドルを襲おうとしていたヤミクラゲも消えており、代わりにアイドルの元にこの島に来るために使ったブレスが浮かんでいた。

 

「あれ?……これって……」

 

「何だ、今一瞬止まったと思ったら……」

 

ソウルビート達も時間が止まった事は薄々気がついており、困惑しているとその間にこの島に来るために使ったブレスが光り始めるといきなりその場に虹のゲートが開く。

 

「「「「「「うわぁああっ!?」」」」」」

 

そのまま六人のプリキュア達はそのゲートに導かれるようにその場から消え去ってしまうのだった。




また次回もお楽しみに。
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