キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
圧倒的な力を誇るアマスに対し、ソウルビートは切り札を使用。だが、アマスに触れる事は叶わず変身解除してしまった。そして、こころは急いで彼の元に駆け寄ろうとする。
「カゲ君……そんな、嘘ですよね……」
こころは影人にそう話しかけるが、彼は力尽きて気を失っているために返事すらできない。そのためこころは直接ゆすろうとするが、体力切れしたせいか上手く駆け寄る事すらできなかった。
「カゲ君……っ……カゲ君……ううっ……」
「こころちゃん……」
「これでわかっただろう?私の力の前にこの世界は滅びる。……あの娘がいないこんな世界なんて……」
アマスが無情に告げるが、うた達はどうにか動こうと体に力を込める。しかし、この場にいるプリキュアの変身者達は全員体中傷だらけでボロボロ。戦うどころかまともに立つのも厳しいくらいだ。
「プ……リ……」
「メロ……」
「それでも、……影人君が繋いでくれたのに……それを無意味にするなんて……」
ただ、うたを始め影人以外の五人はまだ立って戦おうとする。その光景にアマスの中に囚われたテラは悲痛な声を上げた。
「もう良いよ!お願いだからもう立たないで!……あなた達は、この厄災に巻き込まれただけなんだから!」
テラとしてもこれ以上自分達の島の事情に島の外からやってきたうた達を巻き込みたく無かった。彼女達がここまで傷ついてしまったのなら尚更である。
「そんな事……できないよ。全部知っちゃったから……アマスさんの笑顔を取り戻すまで……帰れない」
あくまでまだこの場に残って最後まで戦う気持ちのうた達。それを見てミドリや島の子供達はこの状況で何もしないなんてでしなかった。
「ねぇ、私達……何かできないの?」
「……想いを届けるんだよ」
「えっ?」
島の子供が大人であるミドリに問いかけると彼女は自分の腕に付けたミラクルアイアイブレスを見る。
「テラちゃんとアマス様の心を……この世界を救ってくださいという気持ちをあの子達に!」
それはアイドルプリキュア達に応援を届け、その力で彼女達を立ち上がらせるという事だった。子供達はすぐに頷くと目の前で諦めずに頑張ってくれているうた達へと声を張り上げた。
「さぁ皆で!」
「頑張れーっ!」
「頑張れ!」
「頑張れーっ!」
「「「「頑張れ!頑張れー!」」」」
その場に響き渡る応援の声。それを聞いたアマスは唖然としてしまう。何故島の住民達が自分では無くプリキュアを応援するのか、理解が追いつかなかったからだ。
「せーの!」
「「「「「頑張れ!プリキュアーッ!」」
その間にも子供達は声を揃えてプリキュアに応援を届けていく。そして、うた達を応援したいのは……アマスに囚われてしまったテラも同じだった。
「頑張れ……皆!」
「ふん。そんな事でどうにかできるとでも?状況は絶望的。たかだか応援でなんて……」
アマスも多少の応援程度でプリキュアが立ち上がるなど思っていなかった。そんな事で奇跡は起きないと。……だが、アマスは忘れてしまっていた。自分がファンとしてアイドルであるUtako相手にしていた事が彼女に力を与えていたという事実を。
そして、奇跡は起きる。プリキュアの変身者である六人の体に温かい光が纏われると体の傷はすっかり無くなった。
「プリ!?」
「メロ!?」
「何でしょう……」
「とても温かい!」
同時に力を使い果たして気絶していた影人も体の傷が全回復して意識を取り戻す。
「あれ……俺は確か……」
「カゲ君……良かった……」
それから影人はこころに安堵したような顔つきを向けられて状況を何となく察すると体に力が湧き上がるのを感じる。
「皆、ありがとう!」
うたは自分達に力をくれた島の住民達にお礼を言うと彼女達もプリキュアがまた立ち上がってくれて嬉しそうだった。そして同時に思い出す。自分達がアイドルプリキュアであるという事を。
「(そうだ……私はアイドル。アイドルプリキュア!どんなに辛くても、苦しくても……歌って踊ってファンサして。キミをキラッキランランにするんだ!)」
そして、歌は手を差し出す。自分が歌を届けたいと想う彼女のために。その光景を見た届ける相手……テラも思わずそれに合わせるように手を伸ばした。
「うた……」
「テラちゃん!」
その瞬間だった。うたの手に赤い輝きが宿るとそれを彼女は握り締める。そしてそこには新たなる力が、生み出されていた。
うたが新しく手にしたそのリボン。それは赤を基調とした物であり、中央には金色のハートマークで型取られ、その中には更に四芒星……所謂キラキラマークが存在していた。また、キラキラマークの所にはライト部分が赤いハートの宝石で表されたキラキライトが造形されている。
そのリボンの名はプリキュアアイドルハートリボン。そして、金色のカーテンが上から降りてくるような演出が入る。それによってうたはプリキュアの変身の際に移行する不思議な空間へと移動。リボンの力が発動して彼女に力を与えた。
「歌って、踊って♪あふれる想い〜♪喜ぶキミを見ると〜嬉しくなる♪」
うたは歌いながらその姿をプリキュアへと変化させていく。ただし、それはただのキュアアイドルでは無い。まずは場所移動の際に髪色と髪型が変化。
まずは両腕に白い手袋が装着されると金の腕輪のような装飾が出てくる。それから仮の変化として留まっていた髪が金髪として顕現するとピンクだったハート型の髪留めは赤色として装着。更に頭にはサンゴの模様が入った赤い髪飾りやメッシュが赤になっていた。
加えて髪型は盛り髪に加えて左右でドリル状に巻かれたショートハーフアップへと変わっており、背中辺りで髪を纏めるリボンは巨大な赤いリボンである。
「笑って、笑って〜♪場所はどこでも〜♪」
うたが更に歌を続けると彼女の背後には巨大なマーメイド風のステージが展開し、両サイドには巨大なスピーカーもある。それはさながやアマスに歌を届けるためのステージであった。
そして、そのままアイドルは足元から光が上がっていくかのように衣装が露わになっていく。その衣装は白と赤を基調としており、普段のアイドルが着ているようなピンクはスカートの差し色程度に抑えられていた。
また、衣装自体も白い袖に赤いラインが入っている事から和風であるために彼女自身がまるで巫女になったようなイメージを受ける。胸には赤いチェック柄のリボンがあって左胸のブローチが変化したピンクの小さなハート型の装飾以外はシンメトリーと言える服装だった。
「心が動くとこに、笑顔はツナガルから〜♪」
最後にうたはアマスも付けていた羽衣のような装飾を展開するとアイドルスマイルを浮かべ、キュアアイドルとしてのポーズを取ると変身を完了。
その姿の名はゴッドアイドルスタイル。普段のイメージカラーであるピンクから赤を基調とした姿に変化した彼女はこの地に降り立つ事になる。
「赤い……キュアアイドル?」
「咲良さんのキュアアイドルとしての衣装……まるで巫女みたい……ッ!」
その瞬間、影人は伝説の言い伝えを思い出す。それと同時に何かが心の中でハマったような感じがした。
「トップバッターは私!」
そんな中でうたは……いや、キュアアイドルはアマスを救うために跳び上がるとこの火山の火口と思われる場所から崖の上に生成されたステージの場所へと移動。加えてステージ用のインカムも装着された。
「歌の力、見せちゃうよ!」
「何!?」
アマスが目の前に姿を現したアイドルを見て困惑したような声を上げるとステージと一緒に生成されたスピーカーの発光部分が赤く光ると音楽が鳴り響き渡る。その曲はキュアアイドルとしての原点、“笑顔のユニゾン”だった。
♪挿入歌 笑顔のユニゾン♪
アイドルはアマスに向けて舞い踊るかのように歌を歌いつつパフォーマンスを観せる。その姿にアマスは思わずそれを観てしまった。
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!」
「「「「「ゼッタイ!」」」」」
「アイドル!」
「「「「「「アイドル!」」」」」」
更に島の住民や下にいるこころさえもコーレスに参加させる程の魅力な詰まったその歌になな達も目の前にいるアマスを助けるために必要な事が何なのかを自覚する。
「ドキドキが止まらない!急接近♪」
「そうだ……私達はアイドルプリキュア!」
「メロ!」
「いつまでも悲しいのは嫌プリ!」
「笑顔のユニゾン、応えてほしいな〜サンキュー♪」
そして、アイドルの歌や踊りが厄災と女神様を同時に兼ねている状態のアマスに向けて届けられているという事実から影人はとうとうある答えに辿り着いた。
「何だよ……伝説にあったこの島を救った巫女様というのはこの島に流れ着いた伝説のアイドル様の事じゃなくて……キュアアイドル……君の事を指していたのか」
確かにアイドルプリキュアも伝説と呼ばれている存在。そして、アイアイ島に語り継がれている文言から考えたとしてもアイドルプリキュアが巫女の役目を果たしていたとしても何ら不思議は無い。そしてそれが自分達がこの時間軸に呼ばれた一番の目的なのだろう。
「最高のステージで〜キミと歌を咲かそう♪……プリキュア!ゴッドアイドル・ディフュージョン!」
そして、キュアアイドルのステージが終わるのに合わせる形で歌の力が高まると両脇に生成されていたスピーカーに赤いエネルギーがチャージ。その掛け声と共にスピーカーから射出される形で無数のハート型のエネルギー弾が飛ばされる。
「くっ……」
アマスはそれを受けて構えるがそこまで大したダメージは入らない。その様子に僅かに混乱するが、大事なのは彼女の体が光のオーラで包まれた所である。
「何だこれは……」
そして、その間に地上にいる五人もそれぞれのアイテムを使用してプリキュアへと変身する事になる。
「「キラキラ!ドレスチェンジ!」」
「「キラキラ!ショータイム!」」
「キラキラ!ソウルリンク!」
「「「「「YEAH♪」」」」」
「ッ、しまった!」
アマスはキュアアイドルのステージに気を取られた影響で他の五人が復帰する時間を与えてしまった事に後悔を抱く。そして、完全復活したアイドルプリキュアが流す曲は……。
♪挿入歌 Trio Dreams♪
それはアイドルに加えてウインク、キュンキュンが三人で歌う曲。ただし、今回はいきなり歌い出しでは無くイントロが長めの特別バージョンだった。*1
「あはっ、この曲。Trio Dreamsだ!」
「ウインク、キュンキュン。行ってきて」
「はい!」
「うん!」
ズキューンとキッスが二人を送り出すとウインクとキュンキュンはステージ上へと移動。そこではゴッドアイドルスマイルのままのアイドルが出迎える。
「二人共ようこそ!」
「こんなステージで特別なキュアアイドルと歌って踊れるなんて心キュンキュンします!」
「絶対にアマスさんの心に響かせよ」
こうして三人が揃うとアマスはそれを妨害するべくエネルギー弾を放とうとする。そこにソウルビートが技を使った。
「ズキューンの力、ソウルビートバズーカー!」
「なっ!?」
「三人のステージの邪魔とか野暮なことするなってアマス様。俺達が相手してやるからよ!」
「ぐ……」
ソウルビートからそう言われて彼女が悔しそうな声を上げていると流石にこれ以上イントロで繋ぐのも限界なのか三人の歌が始まる。
「「「ウー、レッツゴー!Try, try, trio dreams♪」」」
『Let's sing, let's swing, let's dance, let's bound,Let's smile, let's fly』
「「「ハート上げてくよ!」」」
三人のプリキュアはそれに合わせる形でインカムを装着。ダンスを始めるとスピーカーの発光部分に変化が出る。先程までの赤一色からスピーカーの音が出る部分のみアマスから見て左側が紫。右側が青に発光。これにより赤、青、紫という三人のイメージカラーをモチーフにした色合いとなる。
「「「Sing!♪音符に夢乗せて〜♪キミ、あなたのもとへ〜for you!♪もっともっと輝き合えるね〜♪みんな、キラッキラン!♪」」」
三人の歌が進むのに対してアマスはエネルギー弾を放ってくる。対してソウルビート達は三人がバラバラに動く事で攻撃を散らしていった。ただ、その中の一つがステージをしている三人の方に飛んでしまう。
「ッ、しまった!」
「いや、大丈夫。ウインクの力!ソウルビートバリア!」
ソウルビートはそれにいち早く気がつくとすかさず盾を生成してフォロー。そして三人ももし自分達に攻撃が飛んだとしてもソウルビート達がすぐにフォローしてくれるとわかっているからこそ安心して任せている所がある。
「「「瞳水晶にいつだって〜♪笑顔映し合おう〜promise!♪キミがいるからパワー、生まれるよ、今日も〜♪Try, try, trio dreams♪」」」
「おのれ!」
アマスは小出しのエネルギー弾では埒が明かないという判断から手を翳すと強力な闇のエネルギー波を放つ。しかし、タイミングの悪い事に三人の曲がアウトロまで来ていたために三人が技を使って対応する。
「「「プリキュア!ゴッドハイエモーション!」」」
すると先程と同じようにスピーカーから赤、青、紫の三色の光が混ざった虹のエネルギー波が飛び出す。そして自分達に向かってきた闇のエネルギー波とぶつかり合うと爆発を起こして相殺されるのだった。
また次回もお楽しみに。