キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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アマスに捧げるプリキュア達の歌

闇クラゲに染まってしまったアマスを助けるためにプリキュアが歌を届けていく中、続けてスピーカーのライトが銀色に変化すると“魂の鎖を解き放て”が流れ始める。この歌はキュアソウルビートが進化する前のキュアソウルとしての持ち歌だ。

 

ただ、ソウルビートに進化しても一応彼の持ち歌という事で流れたらしい。そんなわけでソウルビートが三人と入れ替わる形でステージに降り立つ。

 

そしてこの曲のイントロが流れ始めるタイミングでアイドルが一度ステージから離れる関係か、ゴッドアイドルスタイルが解除。通常のスタイルに戻ったアイドルやウインク、キュンキュンがソウルビートに主役を譲る事になる。

 

「次は俺だな」

 

「ソウルビート、お願い!」

 

「ああ、心メラメラする魂の歌。響かせるよ」

 

ステージ上にソウルビートだけが残るとイントロが終わって彼が歌い始めた。

 

♪挿入歌 魂の鎖を解き放て♪

 

「己の力〜♪(my soul!)そんな物はな〜♪(my soul!)鎖を壊し、強くなるためにある♪!」

 

するとアマスはこれ以上歌を聴くつもりは無いと言わんばかりに自らの力を高めていく。それから両腕で強力な闇のエネルギーボールを生成した。

 

「はあっ!」

 

「させない!」

 

「うん!」

 

「「はぁああっ!」」

 

アマスが解き放った巨大な闇のエネルギーボール。それに対してアイドルとウインクがダブルパンチを命中させると闇は一瞬で浄化されて光として消滅。それを受けてアマスは困惑した。

 

「何!?そんなはずは無い!まぐれは二回は起きない!」

 

「君の笑顔を〜♪守るためにな〜♪俺の歌を響かせるから〜♪」

 

ソウルビートの歌が続く中でアマスは続け様にレーザービームのような物を放つと今度はキュンキュンがブローチをタッチする。

 

「キュンキュンレーザー!」

 

「ッ、またしても……どうなっている!?」

 

こちらにはキュンキュンがレーザーを放つ事で二つの攻撃がぶつかり合って相殺される事に。

 

そして、その光景を見せつけられたアマスは混乱。先程までは確かにプリキュアを圧倒できていたはずだった。だがアイドルが新たな力を手にして以降、ステージが始まった途端に自分の攻撃がいきなり止められる事が増えたのだ。

 

そのため、自分の力が減衰されていないはずという事を確認するために思わず自らの手を見る。

 

「心燃やせよ魂〜♪」

 

ソウルビートが歌を終えると今度はスピーカーのライトが紫へ。これはつまり、キュンキュンの曲である。

 

♪挿入歌 ココロレボリューション♪

 

そのためキュンキュンがステージに戻ってくるとソウルビートと入れ替わる際に二人が話す。

 

「次は私の番ですね!」

 

「ああ、キュンキュンの心キュンキュン。アマス様に届けてくれ」

 

「任せてください!」

 

ソウルビートとキュンキュンがハイタッチして交代するとソウルビートが飛び出した。それと同時に他のメンバーからの期待にキュンキュンが応えるかのように歌のイントロで流れるコーレスが入ってから歌い始める。

 

『ハイ!ハイ!』

 

「ねえ、キミも!かわいーな♪(キュンキュン!) かっこいーな ♪キュンキュン!)完全同意にアガるテンションコーレスプリーズ ♪(イェイ!)とびきりキュンキュン響かせて〜踊ろっ♪(Let's dance!)」

 

するとアマスが先程と同じように手を巨大なハンマーに変えると周囲にいるプリキュア達を押し潰そうと振り上げる。

 

「もう一度受けてみよ!」

 

「お姉様」

 

「うん!」

 

「二人共これを使って!ウインクバリア!」

 

対してウインクがバリアを使って足場を展開。そこにズキューンとキッスが飛び乗ると二人はそのまま使う形で跳び上がりつつダブルキックを放つ。

 

「「はあっ!」」

 

これによりハンマーとダブルキックがぶつかるとその押し合いの結果アマスの振り下ろしたハンマーが力負けして弾かれてしまう。

 

「な!?」

 

「もう1回♪(キュンキュン!)アンコール♪(キュンキュン!)完全ダイスキハイなステップがナンバーワン!もっと夢中になれるね〜♪」

 

この結果を受けてキッスがある事実に気がつく。それは、歌を使う前よりも使っている今の方がアマス相手に競り合えるようになったのだ。

 

「今までより私達の力が通用してる」

 

「行けるよ!巻き返そう!」

 

「「うん!」」

 

歌の力でアマスと互角にやり合えるようになる事はプリキュア達だって想定してなかった事。しかし、実際アイドルプリキュアは神であるアマスの力に歌の力で対応できている現状。この大きなチャンスを逃す手は無い。

 

そのためアイドルが仕切る形で声を上げる。そして同時にキュンキュンの歌が終わる。

 

「こころビート〜yes!キュンキュン♪」

 

キュンキュンの歌が終わると今度はスピーカーの色が青に。そしていつの間にかピアノの音が聴こえるとキュンキュンのステージの右側の方でウインクがいつものようにピアノを弾いていた。

 

♪挿入歌 まばたきの五線譜♪

 

「次はウインクです!」

 

キュンキュンが次はこっちであると言わんばかりに両腕を左側へと向け、そこではウインクが歌を歌い始める。

 

「きらめきへ踏み出そう〜♪受け取った勇気つないで♪まばたきの数だけ〜♪五線譜に焼きつけていく♪」

 

ウインクの歌の間にまずはキッスが技を発動。コンパクトを開くとリップを唇に塗ってから投げキッスをする。

 

「チュッ!キッスショック!」

 

「ぐ……おのれ!」

 

アマスはキッスショックを喰らうわけにはいかないという事で先程弾かれたハンマーをすかさずエネルギーの矢のような形に変換。手を翳す事で一気に放つ。

 

「キュンキュンの力、ソウルビートレーザー!」

 

しかし、やはりこういう時のソウルビートのサポートは手厚い。ソウルビートからのレーザーが矢を全て撃ち抜くと消滅させ、直後にアマスへとキッスショックが命中する。

 

「がぁああっ!?」

 

「出会えたキミへと奏でたい♪いつまでも鳴り止まないメロディー〜♪」

 

ウインクが残りの歌詞を歌う間、更に電撃で動きが鈍ったアマスへとズキューンがアイカラーを塗る形で技を使うと追い討ちをかける。

 

「ズキューンバズーカー!」

 

「うぐうっ!?」

 

その一撃はとうとうアマスの顔面に命中し、顔の表面に固着してしまっていた闇クラゲの液体を一部吹き飛ばす。これによって彼女の右目や口元が露わになる。

 

「凄い……アマスと互角に立ち回るなんて……」

 

テラが歌の力でアマスを押し込む程に勢いを得たプリキュア達の姿に驚く中、今度は正面から見て右側が緑と白。左側が黒に発光した所から歌う二人はもう分かりきっている。

 

♪挿入歌 Awakening Harmony♪

 

ようやく回ってきた持ち歌のためにステージに降り立ったズキューンとキッス。そのタイミングでアマスはここまでプリキュア達にやられた事が悔しいのか顔を歪ませる。

 

「く……」

 

「暗闇のまんなか真っ直ぐな眼差しで〜♪立ち上がる姿、ちゃんと見ていたよ♪」

 

するとズキューンが歌を歌い始めるとアイドルがアマスへと説得するために声をかける。

 

「アマスさん、あなたの悲しみ……わかるよ!」

 

「嘘を吐け!お前に何がわかる!」

 

アマスが怒りのあまり手から槍のような物を生成するとそれを投げつける。だが、そのタイミングでソウルビートが飛び出す。

 

「閉じ込められそうな心を奮い立たせ〜♪おさまりきらない、輝きを放ち〜♪」

 

「アイドルの力、ソウルビートグータッチ!」

 

ソウルビートからの拳が槍と激突すると槍は一瞬で粉砕、ソウルビートが更に声を上げる。

 

「良い加減気がつけこの馬鹿女神!」

 

「は?」

 

「ソウルビートの言う通り、わかってないのはあなたの方ですよ!」

 

キュンキュンが更にそう言うとアマスは困惑。そのタイミングでウインクが声を上げる。

 

「射抜かれた胸のおく〜♪」

 

「焼きついた目映さは〜♪」

 

「今回の事はサンゴと人間の間に流れる時間の……残酷なまでの違いが原因なんです!」

 

「時間……だと?」

 

アマスはそこまで聞いてようやく話を聞く気になったのか動きを止める。そして、ウインクとキュンキュンが現実を話す。

 

「それだけでもう〜♪」

 

「「理由になる♪待っていて♪」」

 

「サンゴ礁の女神であるあなたにとって、アイドル様と過ごしてきた日々はほんの短い時間でも……」

 

「人にとっては、とっても長い時間だったんです」

 

それを聞いてテラは目を見開く。同時にミドリは思い当たる節があるような顔を浮かべた。それは伝説のアイドル、Utakoは自分達にとってはあっという間に過ぎていく五年の時間が経った頃。

 

いつものようにライブ直後の彼女の様子を見るとその肉体に疲労感が目立つようになっていたという事実を。

 

「まさか……そういう事だったのね……」

 

そして、同時にズキューンキッスの曲はサビへと突入。ウインク達は更に続けた。

 

「「取り戻したい〜♪光の世界〜♪」」

 

「その笑顔♪」

 

「勇気♪」

 

「涙♪」

 

「夢♪」

 

「「希望の兆し♪」」

 

「やがて時が経ち、一人年老いていく事を……彼女は打ち明ける事ができなかった」

 

「だからアイドル様は黙って姿を消す事を選んだんです!」

 

「……それが例え、約束を破る事になったとしても……」

 

「あなたを……キミを悲しませたく無かったから!」

 

力強く事実を伝えるプリキュア達。だが、やはりまだアマスの頭は混乱したまま。どうしてもこの事実を受け入れられない。

 

「そんな……くうっ……」

 

「「キミと明日を〜願うチカラで♪生まれる〜私たちのハーモニー♪響け〜♪」」

 

「そんなはずが……そんなはずがあるものかぁあっ!」

 

アマスは混乱した顔のまま攻撃しようとするとそのタイミングで再度ハート型のエネルギー弾が命中。彼女の体に電撃が流れる。

 

「があああっ!?」

 

「……キッスの力、ソウルビートショック」

 

これをやったのは勿論ソウルビートである。同時に彼の持ち歌のイントロがかかったためにソウルビート本人はステージへと移動する。

 

♪挿入歌 キミと繋ぐ閃光の光♪

 

「ソウルビート」

 

「ああ。アンコールと行こうか」

 

ソウルビートと入れ替わる形でズキューンとキッスもアマスと相対。同時にソウルビートが歌い始める。

 

「もう迷わない〜♪もう見失わない〜♪これが新たな自分の光♪!」

 

ソウルビートの歌が流れている間、アマスはどうにか雑念を追い出すためにも液体化した巨大な右腕を構える。

 

「ッ、アマス様……」

 

「あと一押しなのに」

 

ウインクやキュンキュンはあと少しでアマスを説得できるという手応えを感じてはいた。だが、まだアマスには攻撃の意思がある。そのため拳を突き出してきた。

 

「キミがくれたんだ〜♪その光を胸に、新たな世界へ飛び立つんだ♪!」

 

「私が行く!アイドルグータッチ!」

 

「はぁああっ!」

 

アマスとアイドルの拳がぶつかると偶然にもそれは威力こそ強めだがグータッチとなり、二つの拳は互角の様子を見せた。

 

「何故だ……なら何で……何で私とあんな約束をしてしまったんだ。こうなるとわかっていたのなら約束なんてしなければ良かったのに!」

 

アマスは何故Utakoが最終的に守れない約束をしたのかがわからずに困惑。だが、何となくアマス自身も理由についてわかっていた。それこそ自分を悲しませないためなのだと……。

 

「届けたいんだ、この光を〜♪キミと手を繋ぐために♪!」

 

その直後、アイドルとアマスの拳のぶつけ合いは互角に終わるとアイドルが元の場所に戻る。そして同時にソウルビートの曲が終了した。

 

「はぁあああっ!」

 

するとアマスは両手を胸の辺りに持ってくると闇の力を増幅させていく。その証拠に両手が禍々しい紫のオーラを纏った。そして、その力を持ってしてアイアイ島の地上や海の中にいる無数のヤミクラゲ達をこの場に召喚する。

 

『ヤミ〜!』

 

「ここに来て物量攻撃かよ……」

 

プリキュア達はアマス相手に互角の勝負ができているのはあくまで相手が彼女一人だけだからだ。加えてこの無数のヤミクラゲを倒すにはかなりの労力と時間がかかる。そうなれば後に控えているアマス相手に勝つのは厳しいだろう。

 

「ここに来て人手が足りないってやつか……くっ」

 

ソウルビートは現代での事を思い出す。歌の力で強化できるなら相手にできるかもしれないが、どちらにしろそれだと戦っているメンバーの一人当たりの負担が大きくなる。

 

そして、この手を使った事からアマスはこれだけの戦力を揃えれば確実にプリキュアを倒せると踏んだという事だろう。

 

「全ての命よ、あの娘の元へ……無に帰れ!」

 

「流石にこの数は……」

 

「でもやるしかありませんよ!」

 

ソウルビート達は手が足りないと知りつつも、ここで踏ん張らないとアマスを説得できないために構える。

 

すると、島の住民である子供も同じ事を思ったのかその中の一人が両手を合わせて祈るように声を上げる。

 

「このままじゃ……もっと、もっと沢山……プリキュアがいれば良いのに!」

 

その子供が言った何気ない想い。そしてその想いがこの場所と1000年後の現代を結びつけた。

 

そして、突如としてソウルビート達が過去に転移した際にも空間に空いていた穴が空中に出現する。

 

「ッ、あれは!」

 

ソウルビート達がいきなり現れた穴に気がつくとそこから五つの影が飛び出す事になるのだった。

 

〜番外編 ヤミクラゲが現れたはなみちタウンにて〜

 

ソウルビート達がアイアイ島にて事件に巻き込まれていた頃。カイトが石化してしまったようにはなみちタウンでも少しずつ被害が拡大しつつあった。時間的には夜だったからそこまで大事にはならなかったものの、人々は寝込みを襲われる形で次々とヤミクラゲの石化を受けてしまっていたのだ。

 

「……どうなってるんだい?」

 

「わからないわ。あの妙なクラゲに触れられたら石になってしまうみたい」

 

そんな中、偶々はなみちタウンにて夜の散歩に来ていたチョッキリーヌとスラッシューはヤミクラゲと出くわす事になる。

 

「ヤミ!」

 

「ッ、危ない!」

 

ヤミクラゲはスラッシュー達を見るや当然自分達の養分にしようと容赦無く触手を伸ばす。それをスラッシューがチョッキリーヌごと押し倒す形で攻撃を回避する。

 

「ッ、すまないねスラッシュー」

 

「……チョッキリーヌ。あなたは行きなさい」

 

「スラッシューは?」

 

「……ダークイーネ様以外にこの世界をメチャクチャにするなんてあっては行けないわ。私が止める」

 

スラッシューはクラヤミンダーやダークランダーを使わなければ非力であるチョッキリーヌを逃そうとしていた。それを受けて彼女は困惑する。

 

「待ちなって。何でわざわざ。放っておけばプリキュアがどうにかするだろう?」

 

「……確かにそうね。だけど、何となく私が放っておけないだけよ」

 

スラッシューはこの街にはプリキュアがいるのだから彼女達に任せるべきというチョッキリーヌの静止を振り切ると同時に炎に包まれて戦闘のためのドレスへと変化。

 

「行くわよ!」

 

こうして彼女は一人で目の前に現れたヤミクラゲとの戦闘を開始する事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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