キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
島の子供の祈りが届いたその時。突如として空間に穴が空くとそこから五つの影が飛び出す。そして、その影から飛び出したのはアイドルプリキュアの六人と似たような雰囲気を見せていた。
「ヒーローの出番です!」
「ヒーローって……あなた達は!?」
飛び出してきた五つの影の中のセンター。一番先陣を切って飛び出してきた水色の髪にヒーローのようなマントをたなびかせた少女からの言葉にアイドルはキョトンとする。
そして、五人のヒーロー達はアイドルの問いに答えるかのように名乗りを行っていく事になる。
「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」
「アゲてひろがるワンダホー!キュアバタフライ!」
「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」
キュアスカイが最初の水色の少女。キュアプリズムはピンク髪に白を基調としてピンクや水色をメインの差し色とした優しそうな雰囲気の少女。キュアウィングは鳥の鶏冠のような髪型に腰のローブが名前の通り鳥の翼のようなイメージの湧く少年。
キュアバタフライは金髪にピンクを基調としつつ、蝶をモチーフとした衣装や一人だけ付けているアイシャドウ、更にアイドルと同じくヘソ出しの衣装からギャルのようなイメージの女性。キュアマジェスティは紫髪に紫を基調とした服装であり、更にスカートの内側に描かれた星と言った夜空をモチーフにした衣装を来た少女。
「レディ……」
「「「「「Go!」」」」
そんな五人が個人で名乗り終わるとスカイの号令と共に地面を踏み込み、広い世界へと飛び出すかのようにジャンプ。そして青い空の下に広がる草原に降り立つとチーム名を名乗る。
「「「「「ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」
そのチームの名はひろがるスカイ!プリキュア。ソウルビート達にとって待ち望んでいた頼もしい味方である。
そして、同時にいきなり自分達以外のプリキュアを見たアイドル達は驚いたような顔を見せた。
「えぇ〜!?私達の他にもプリキュアが!?」
「実は私達もアイアイ島にいたんです!」
「そしてあの厄災に巻き込まれたの」
アイドルが驚いているとスカイやプリズムが自分達もあの場所にいたのだと説明。するとソウルビートはある事実を察した。
「なるほど……あの時見えた光。その中の一つはあなた達だったってわけですか」
「未来は……アイアイ島はどうなったんですか?」
「それなら大丈夫ですよ。その場にいたヤミクラゲは何とか抑えましたので」
ウインクからの問いに彼女と名前が似ているウィングが答えを返す。どうやらソウルビート達が転移の影響でいなくなっても他のプリキュア達が奮戦してくれたお陰でどうにかなってはいたらしい。
そんなわけで、ここで少しだけ時間を遡ろう。……ただし、遡る対象はキュアスカイ達ひろプリチームだ。
〜回想〜
スカイ達ひろプリチームが過去にワープする少し前。夕焼けに染まるアイアイ島の街では彼女達がゆったりとした時間を過ごしていた。
「それにしても、まさかこんな島があったなんて驚きです!」
「はい!……あ、でもましろさん。最初は凄く驚いてましたよね」
「あはは、そんなのツバサ君だって一緒だよ〜」
キュアスカイ達の変身者。それは最初の方に紹介した五人組だ。青髪の子がソラ・ハレワタール。小豆色の髪の子が虹ヶ丘ましろ。チーム内唯一の少年が夕凪ツバサ。大人のお姉さんが聖あげは。赤ちゃんがエルという名前である。
「えるぅ!キラキラ!」
「エルちゃん、さっきからこのペンライトに夢中だもんね〜」
赤ちゃんであるエルはどうやらこのペンライトに夢中なようで。赤く輝きを放つこのライトを嬉しそうに振っていた。
「確かそれ、キラキライトって言う名前らしいですよ」
「キラキライト……あれ?でもそれ。私どこかで聞いた事あるかも」
「そうなんですか?」
ましろが何かを知っているような口振りを見せるとソラ、ツバサ、エルの三人はキョトンとする。これに関してはこの三人が異世界人でましろ、あげはの二人とは別世界を拠点に過ごしているからと言えるが……それは一旦置いておこう。
すると夕日が沈み、夜の闇が訪れる。ソラ達はそれを見てそろそろ目的の物のために移動を始める事にした。それは勿論、この島で開催されるライブイベントである。
「そろそろ時間だし、会場に移動しよっか」
「はい!らいぶ……というのが何なのかよくわかりませんが、とっても楽しみです!」
「ライブというのはステージの上でアイドルとか歌手と呼ばれる人達が歌を歌ったり踊ったりするんです」
ソラが鼻息を鳴らす程に興奮し、ツバサがその事について補足していると島に異変が訪れた。アイドルプリキュアも直面したヤミクラゲの襲来である。
「うわああっ!?」
「た、助けてぇ!!」
そして、ソラ達も人々が海の方から必死に逃げてくるのを見て事態の重さを察する事になった。
「ッ!?何ですかいきなり!?」
「とにかく、助けを求めてるんだから行かないとだよ!」
五人が逃げ惑う人々を掻き分けながらその場所に行くと案の定ヤミクラゲの群れが顔を揃えており、ソラ達に獲物を見るような目を向ける。
「これは……」
「クラゲ?でも、見るからに危ない見た目してるね」
「えるぅ……」
「ッ、あれ!」
ましろが指を指すと五人はヤミクラゲの影響で石化した人を確認。そして、助けるためにはヤミクラゲを倒す必要があると察した。
「皆さん、準備は良いですね?」
「勿論!」
「絶対に助け出そう!」
するとエル以外の四人は変身アイテムであるミラージュペンを構えると赤ちゃんであるエルは自らの胸から自分のミラージュペンを召喚。ペンが更にマイクのような形をしたスカイミラージュと変わるとプリキュアへ変身する。
「「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」
こうして、五人は同時変身でプリキュアに変わると早速ヤミクラゲ達に立ち向かう。
「はああっ!」
プリズムが手を翳すと得意の光弾ばら撒き攻撃で多数のヤミクラゲを足止め。彼女はキュンキュンとは違って常時これができるので余計に多数のヤミクラゲを止めるのに向いている性能をしていた。
「行きます!だだだだっ!」
そこにスカイが接近しつつ肉弾戦でヤミクラゲを圧倒。次々と倒していった。
「ヤミ!」
するとヤミクラゲがまずはプリズムと言わんばかりに攻撃を受けてない個体が不意打ちしようとする。
「させませんよ!」
だが、これはウィングが空中から踏みつけ攻撃をして撃破。そこを狙ったヤミクラゲもウィングの空中飛行の前に回避されてしまう。ウィングの特徴は他のプリキュアの殆どが持っていない飛行能力。
つまり、空中で自在に体勢を変えられるという大きなアドバンテージを持っているのだ。ただ、ヤミクラゲはそんなの関係無いと数で押し潰そうとしてくる。
「バタフライキッス!」
バタフライがキッスのような投げキッスをすると蝶型のエネルギー弾がヤミクラゲに当たって爆発、浄化していく。五人が順調にヤミクラゲを倒しているとそこで何かに気がついた。
「大丈夫だからな、あと少しで安全な所に辿り着けるから頑張って!」
そこにいたのは先程田中が庇い、レイが連れて行った男の子と彼に付き添っているレイである。二人の後ろにはヤミクラゲが迫っていた。
「ヤ〜ミ!」
「ヤバっ……」
レイは後ろから迫る触手に気がつくのが遅れてしまったために自分が一歩前に出ると男の子だけでも庇おうとする。
「ッ!はあっ!」
その時、レイの前に蝶の形をしたバリアが展開するとヤミクラゲの触手が止められる。
「ヤミ!?」
「このバリア……まさか!?」
レイはあり得ないと思いつつ、ここまで超人的能力を発揮する存在を知っているために驚いたような声を上げる。
「ひろがる!バタフライプレス!」
その瞬間、レイを襲おうとしたヤミクラゲの真上に盾が出現するとバタフライが更にその上から盾ごと蹴り込むようにして突撃。ヤミクラゲを文字通りプレスして浄化する。
「大丈夫ですか!?」
少し遅れてレイ達の元へとスカイとプリズムが到着。レイは頷くと問いかけた。
「もしかしてあなた達も……」
「うん!プリキュアだよ。ここは危ないから逃げて」
プリズムはそう言ってバタフライと共に一旦戦線に復帰するとレイはスカイに話しかける。
「ッ……でも大丈夫なのか?トットさん……このフェスの運営委員長が言ってたんだけど、この事態を解決するには女神様の力が無いと」
「それでも今は私達にできる事をやります。ヒーローは泣いている子を見捨てず、どんな時も笑顔を絶やさずに……今一番大事な事をするものですから!」
そう言うスカイの後ろにはピンクの衣装を着た少女と白を基調に虹のように様々な色をした衣装の少女……二人の幻影が立っていた。恐らく、彼女達もスカイと共に絆を深めた仲であるという事だろう。
「なるほど……色々てんこ盛りだな。ヒーローっていうのは。……皆、頼む」
こうして、レイと男の子はスカイ達に助けられると同時進行で戦っていた他の四人がヤミクラゲの殆どを倒していく。
「二つの力を一つに!レッド!ホワイト!元気の力、アゲてこ!」
するとバタフライが更に自分以外のメンバーに力を上乗せ。それからマジェスティがヤミクラゲの中で特に大きな個体が突撃してくるのをバリアで受け止める。
「マジェスティックベール!」
このひろプリチーム、何より特徴的なのがチームメンバー全員が変身できる事からレイや田中のような非戦闘員がゼロなのだ。つまり、他に民間人がいなければ大体の場合変身できない仲間を庇いつつ戦う必要が無い。そのためヤミクラゲへの対抗能力も高いと言える。
「大回転!プリキュア返し!」
そうこうしている間にマジェスティがパワーアップした力でヤミクラゲの触手を捕まえると投げ飛ばし、同時にウィングとバタフライが他のヤミクラゲを一箇所に集めた。
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」
そこを狙ったようにスカイとプリズムが手を繋ぎ技を発動。上空に発生した円盤が纏まったヤミクラゲ軍団をトラクタービームで吸収し、纏めて浄化するのだった。
『スミキッタ〜』
そして、五人が一通りヤミクラゲを一掃した直後に過去に飛ぶための穴が開いたのである。
〜現在〜
そんなわけで現代でのヤミクラゲの進行を押し止めてくれたひろプリの面々。ただ、あくまで彼女達がやったのはヤミクラゲを押し留めるだけだ。
「ボク達が助けた人の一人が言ってました。全てを浄化するにはサンゴの女神の力が必要だと」
「そうしたら私達はここに呼ばれたんだ」
「きっと今ここで戦う事が……未来のために必要なの」
ソウルビートはその言葉に頷く。恐らく予想通りならこれは1000年前の厄災その物で間違い無い。そう考えると自分達が今ここで事件を解決する必要があるという事だ。
「皆さんが呼ばれた理由も恐らく同じです。……一緒に立ち向かいましょう!」
「うん!」
そして、スカイの呼びかけにアイドルが頷くと二つのチームは協力する事になった。するとキュンキュンがウインクに呼びかけると二人にインカムが装着される。
「そうだ、ここはあの曲じゃありませんか?」
「あっ、良いかも!」
その呼びかけに応えるウインク。その瞬間、正面右側のスピーカーが青、左側のスピーカーが紫へと発光。同時にウインクとキュンキュンがアイアイ島その物に来る前、喫茶グリッターで聴いていたヒーロー達の活躍を表すような歌を歌う。
〜挿入歌 ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~ ReMix for Cure Wink&Cure Kyun-Kyun〜
ウインクとキュンキュンが歌を始めるとヤミクラゲ達にアマスと同じオーラが纏われる。これはつまりヤミクラゲ達にも歌によるダメージ増幅効果が有効という事だ。
「「Sky-High Fly〜♪天高く羽ばたいて♪最上よりも高く♪さぁ行こう!ひろがる世界へと プリキュア〜♪」」
そして、ウインクとキュンキュンが歌う中、ひろプリの五人は横に並んでヤミクラゲを見据えると早速行動を開始する。まず開幕で発動したのは五人の最強の技だ。
「「ハレバレスカイ〜ハレルヤスカイ〜Fly High♪」」
「マジェスティクルニクルン!」
マジェスティが召喚したのは一冊の本。そして五人がそれぞれ本にあるマークをタッチしてからメンバーカラーのオーラを纏うと空中を飛行しつつひろプリのプリキュアとしてのマークを描く。
ウ「雨上がりに虹のプリズム 何かが始まる空の気配♪」
「「ソラノケハイ♪」」
「「「「「プリキュア!マジェスティックハレーション!」」」」」
雲の上で無限に広がる青空をバックに五人のプリキュアが手を翳すとひろプリのマークから凄まじい量の虹色の浄化のエネルギー波が雲を突き破って降り注ぐ。そして、その火力はヤミクラゲの大群を一瞬で蹴散らした。
キュ「確かめるように手を伸ばしたら〜♪希望という光 つかんでた♪」
『スミキッタ〜……』
「強っよ!?」
ソウルビートがあの大群をワンパンしたひろプリ勢の火力に唖然としているとアマスも慌てて戦力を補充する。
「くっ……」
アマスによって呼ばれたのは先程アイドルを単体で吹き飛ばした大きめな個体だ。そして、その中の一体がミドリ達を狙おうとする。
「あっ……」
「「秒でキャッチ!キャッチ!♪絶望を超えて〜♪わたしたちは強くなる〜♪」」
そこにプリズムが両手の間で大きめなエネルギーボールを生成するとすかさずカバーのための技を放つ。
「ヒーローガール!プリズムショット!」
「ヤミッ……」
そのエネルギーボールがミドリ達を襲おうとしたヤミクラゲを浄化。消滅させると仲間の仇と言わんばかりにヤミクラゲの一体が触手を伸ばして反撃する。
「ヤミ!」
「「涙を拭いて♪Are you ready go!Take OFF!♪ユウキノツバサ デ♪」」
だが、その触手を上から踏みつける形でマジェスティが降り立つとすかさず左腕に紫のエネルギーの刃を生成。ヤミクラゲへと突撃する。
「ひろがる!マジックアワーズエンド!」
「ヤミ!?」
その一撃によってヤミクラゲが浄化され、消滅。だが、その数はまだまだいる。
「「天高く羽ばたいて最上のココロ意気♪イライラもキラキラに チェンジして〜♪
そこで出てきたのがウィング。彼はオレンジのオーラを纏うとヤミクラゲへと次々と突進しつつ激突して浄化していった。
「ひろがる!ウィングアタック!」
「全ての色を一つに!まぜまぜカラーチャージ!……ウィング!」
それを受けてバタフライがその手にミックスパレットを召喚するとペンでクルクルと色を混ぜ、準備完了したという事でウィングへと手を伸ばす。
「はい!」
「プリキュア!タイタニックレインボー!」
バタフライとウィングが手を取り合うとバタフライがウィングの勢いを殺す事無く自らと共に空中へと跳び上がると一瞬だけ巨大な炎の不死鳥が召喚されてから虹の光と共に巨大化した鳥の妖精の姿となったウィングが現れる。
「アタック!」
そのまま鳥の妖精の姿となったウィングの背中に乗ったバタフライの掛け声と同時にヤミクラゲへとヒップアタック。虹のエフェクトと共にヤミクラゲを浄化した。
「「未知の世界、未来図は可能性でいっぱい♪同じ空〜つながる仲間 明日へ続け!キセキ♪」」
曲も終盤に入り、最後を締めるのはスカイだ。ラスト一体のヤミクラゲに対して浄化技を発動。それは青空をバックに自らが青い拳となってヤミクラゲにパンチを当てる一撃。
「ヒーローガール!スカイパンチ!はぁああっ!」
「スミキッタ〜」
「「Hero Girlスカイ!プリキュア♪」」
これにより、アマスが召喚したヤミクラゲは全滅。ひろプリの五人は最後にポーズを決める程に余力が残っていた。ソウルビート達だけならかなり苦戦したであろうあの数を割とアッサリ浄化した所から先程の話は本物であると証明される形となる。
「キラッキランラン〜♪」
「本当に一瞬で倒しちゃった……」
そして、プリキュアの活躍を見た島の子供達は当然またその活躍を見たくなるわけで。
「私、もっと沢山のプリキュアを見てみたいな!」
「僕も!」
子供達の願いに対し、再びその想いにブレスレットは応えてくれた。そのためまた空中に穴が空くとそこから四つの影が飛び出す事になる。
また次回もお楽しみに。