キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
アイアイ島を襲った厄災。ヤミクラゲを止めるためにアイドルプリキュアはわんだふるぷりきゅあ、ひろがるスカイ!プリキュア、アナザーディメンションプリキュアの三チームの力を借りる形で事件を解決。
そして、無事に眠っていた女神テラをアイドルプリキュアの歌で目覚めさせた後。ステージ裏ではやり切ったような顔つきでアイドルが声をかけた。
「皆、お疲れ様!!」
「はい!お疲れ様です!
「島の皆も元に戻ったし一件落着だね」
テラの光を受けたおかげで石化した人々も解放。ヤミクラゲが会場よりも人々を石化させる事を優先していたためにフェスティバル会場への被害もそこまで大きく無い。
「皆さん、この度はスーパーミラクルアイドルフェスティバルを救っていただきありがとうございました」
「ううん、当然の事をしただけだよ!」
「はい。それに私達だけではこの事件はきっと解決できなかったと思います」
キッスはそう言いつつ自分達を助けてくれたプリキュア達の方を見る。彼女達も急な頼みだったにも関わらず、ステージに出る事を受け入れてくれた。
その力もあってステージは大盛況で進んで行ったのである。勿論彼女達も出る関係で先程……とは言っても1000年前の厄災の時だが、その際に披露したひろプリとわんぷりの曲も一緒に歌う事になった。
「それにしても、まさか伝説の巫女様があなた方だったとは知らず。失礼な事を……」
「それは気にしなくて大丈夫ですよ!」
「私達も実際に行くまで知らなかった事ですから」
トットとしても島や自分の先祖達を救ってくれた巫女様がアイドルプリキュアの事を指しているとは思っておらず。これを知ってさえいたらもっと丁寧な対応が必要だったと思っている所があった。
ただ、アイドルプリキュアからしてみれば今回の件は結果的に自分達のした行いが偶々巫女様として語り継がれただけなので特に気にはしなかったのである。
「っと、実はつい先程アイドルプリキュアの皆さんに用事があるというお客様がやって来られて」
「私達に……客?」
それからトットが促すと舞台裏のアイドルプリキュアの元に一人の少女が姿を現した。そしてそれは髪こそ先程と比べていて伸びていたものの、物凄く見覚えのある少女である。
「ひ、久しぶり。会いにきてあげたわよ。アイドルプリキュア」
「ッ……!!」
そこにいたのは1000年前の厄災が解決した際に女神アマスから女神としての力を受け継ぎつつ、1000年後にアイドルプリキュアの歌で目覚めさせる事を約束していた少女……テラであった。
「な、何よ。私が来たのに……」
「テラちゃーん!!」
「うわああっ!?」
それからテラは一同の反応が薄い事を指摘しようとするといきなりアイドルから抱きつかれて思わずその場で驚きの声を上げてしまった。
「1000年ずっと待っててくれてありがと!それと長い間待たせてごめんね」
「べっ、別に1000年くらい待てるわよ。そ、その……推しのライブのためなら……」
「テラちゃ〜ん!!」
「や、やめなさいよ!皆見てるのに恥ずかしいって!」
そんな中でアイドルは長い時間、テラを一人で待たせ続けた事を謝るように話す。ただ、テラ自身はツンツンしながらもそこまでは気にして無いようで。
「ほんと、この光景は1000年経っても変わらないなぁ」
「キッスとも良い勝負なんじゃない?」
「なっ!?私はあそこまでツンツンしてないわよ!」
「いや〜結構してましたよ?特にアイドル対決の時のズキューンやソウルビートと一緒に褒められた時とか」
「うるさいわね!」
ついでにとばっちりとばかりにキッスまでツンツン度合いを揶揄われると彼女も恥ずかしそうに声を上げる。
「それにしても、テラって本当に神様になったんだよな」
「当たり前よ。……それに、島の皆ならきっとわかるわ」
「そうですね。私達、島の住民達は一目見ただけでテラさんが女神様である……という区別はできますよ」
「って事は皆わかるにはわかるんだね」
そんな風に話をしているとライブステージの方から声が聴こえてきた。それは勿論、アイドルプリキュアに向けてのアンコールである。そのため、テラはアイドルへと行くように促すような仕草を見せた。
「ほら、皆呼んでるよ。折角ライブしてるんだから応えてあげなさい」
「うん!それと、行くのは私達だけじゃ無いよ!」
「はぁ?他に誰が……うえっ!?」
アイドルの言葉にテラが疑問符を抱いた瞬間、彼女の手がいきなりアイドルによって握られるとそのままソウルビート達と共に会場へと向かっていく。
「ちょちょっ、何するのよ!」
「何って新しい女神様を紹介するに決まってるでしょ!」
「ちょっ!?えええっ!?」
「悪いなテラ。こうなったアイドルは止められないんだ」
「ちょっ、影人まで!何でこんな事になるのよぉおおっ!」
それからアイドルプリキュアのステージのアンコールの舞台にて、アイドルは新しく誕生した女神であるテラを紹介。最初こそ疑惑を持たれていたが、島の住民達が先祖から伝わる女神の気配を見間違えるはずも無く。最終的には新たな女神の誕生を全員が祝福するのだった。
こうして、スーパーミラクルアイドルフェスティバルは初日を無事に終えることができた。……そして、このフェスティバルの日数は何と十日間に及ぶ。そのため、ここからはプリキュア達がこのフェスティバルでどう過ごしたのか。それについて少しだけ触れていくとしよう。
〜改めての自己紹介〜
フェス初日から一夜が明けて影人達はフェスが開かれる10日間はここにいるという話になった。尚、仮にここで10日間経ったとしてもこの海の特徴である時間を超えられるお陰で戻った時の日付は出発前から変わってない状態で済むらしい。
「そろそろかな〜」
「ああ。もうすぐ集合時間になると思う」
今現在、アイアイ島の街にある一角にして影人達アイドルプリキュアの変身者達は他のプリキュア達を待っていた。フェスティバルは全部で10日間もあるのだから折角なら彼女達と一緒に回りたいと思ったのである。
「おーい!」
「お待たせしました〜!」
「相変わらず元気な事だな」
そんな時、プリキュアの変身者達が示し合わせたかのように全員やってきた。
「おっはよーっ!」
「おはようございます!」
「今日から少しの間よろしくな」
「勿論!」
うたはこむぎ、ソラ、プリムの三人と声を掛け合い、実際握手をしたりする。それから一同は順番に自己紹介を進めていった。するとうたは何かが気になったのかこむぎへと問いかけた。
「あれ?えっと、こむぎちゃんだっけ。……何でさっきから犬みたいな仕草してるの?」
うたが何故気になったのか。その理由は単純。最初に握手した際にソラはしっかりとうたの手を握ったのに対し、こむぎの方はまるで犬の仕草であるお手をするような感じで対応したからである。
「これ?だってこむぎ。犬だから!」
「……んん?」
うたは最初その言葉に唖然とした。何しろ犬が人間に変身して尚且つプリキュアになるなど考えつかないのである。
「それ、本当なの!?」
「うん。こむぎは犬なんだけど、ニコ様の力で変身できるようになってるんだ」
「という事は、大雑把に括るとプリルン達と理屈は似ているって事ですね」
いろはの補足説明にこころは納得したような顔をする。そんな中、他の動物や妖精から変身する勢も今の内に言う事にした。
「でしたらボクも似たような物ですよ。ボクはスカイランドのプニバード族っていう小さい鳥みたいな種族です」
「私も元々猫だし、プリキュア界隈ではこんなの普通よ」
「プーカもそうプカ」
「プカ……ああ、キュアプーカがあなたなのメロ。メロロンとねえたまは変身する時に人間になるのメロ。あなた達みたいに常時人間っていうのはまだ無理なのメロ」
それから説明した所でプリムがエルの方を向くと少し気になったのか彼女に声をかける。
「そう言えば、エル。君はそんな姿だったか?前は赤ちゃんだっただろう。こんな数年だけでそんなに大きくなるのか?」
「あー、赤ちゃんが変身するプリキュアもいるのか……。まぁここまで来たらいてもおかしくは無いよな」
レイは苦笑いしたかのようにエルの方を向く。ただその姿は赤ちゃんでは無く高校生くらいにまで成長しており、プリキュアに変身した際のツインテールのような薄紫の髪が特徴的だった。更に服装もお嬢様のようなドレス姿である。
「それに服装が何だか高貴な感じがする。もしかして……」
「うん。エルちゃんはこことは違う異世界。スカイランドのお姫様なんだ」
「お、お姫様……凄い」
「プリ?そういえば大福はどこプリ?さっきから見てないプリ」
「プリルンちゃん、大福ちゃんならここにいるよ」
プリルンが何故かいつまで経っても出てこない大福が気になったのか声を上げるとまゆがこの場にいない大福の居場所を指差す。そして、大福の本来の姿である悟のペットである兎を見たプリルンは疑問符を浮かべた。
「プリ?大福ってこの子プリ?」
「そうだよ。こむぎちゃんやユキちゃんみたいに大福も変身すると人間になるんだけど……」
「だけど?だけどってどういう事メロ?」
「僕もなんだけど、大福の場合はプリキュアみたいな格好に変身できる時って色々と奇跡が起きた場合に限られてて。だから自由に変身できないと言えば良いのかな」
「……だったら僕の力で常時変身できるようにする?」
悟が事情を知らないアイドルプリキュアのメンバーや一緒に来ていたレイにそう話をしているとプリムが問いかける。
「えっ!?あ、でも、プリムさんの力はできれば借りずに変身できるようになりたいって言えば良いのかな……。それだと僕達自身が願って掴んだ力じゃないから……」
プリムからの提案に悟はそんな裏技じみたやり方でまたあの戦える力を手にするのには抵抗感があったらしい。昨日もその裏技じみた技で力を使えるようになったために尚更だろう。
「もう、いつまで喋ってるの?そろそろ行くわよ」
「そうだな、女神様」
「だからその言い方をあなた達にされたら堅苦しくて嫌だわ。テラって呼んで」
テラはもう神様なので一緒に転移しなかったレイがテラの事を神として接すると彼女も彼女でそれは気不味いらしく。あくまでフランクに接して欲しいと返す。
「それじゃあ皆、スーパーミラクルアイドルフェスティバルを楽しむぞーっ!」
『おーっ!』
「お、おーっ……」
こうして、うたが音頭を取る形でスーパーミラクルアイドルフェスティバルを全員で楽しむ事になるのだった。
尚、全部を書いていると尺が幾らあっても足りないのでここからは実際の映画のエンドロールに出ていた画像から引用できるシーン+αという形にします。ご了承ください。
〜妖精達の観る小さな世界のアイドルライブ〜
場面が移り、世界最小のアイドルグループであるアンティアンズのライブ会場へと移動するプリキュアの変身者達。尚、メンバーはプリルン、メロロン、こむぎ、ユキ、大福、ツバサ、プーカである。全員本来の姿においては妖精や動物と言った体が小さな面々と言えるだろう。
「プリ!小さなアイドル達のライブ、楽しみプリ!」
「こむぎもこむぎも!!」
人間態のこむぎと彼女に抱かれたプリルンがはしゃぐような声を上げる中、
「ホント、あなた達は元気よね……。それにメロロンもよくあのテンションに着いていけるわね」
「メロ。ねえたまのためならどこまでも着いていけるのメロ〜」
「そういう着いていくじゃ無いんだけど……」
「まぁまぁ、プリルンさんやこむぎさんと一緒で楽しみな気持ちは僕達も一緒ですから」
すると人間態のツバサに抱えられた大福も鳴き声のような物を発すると何かを伝えた。
「大福、“折角この島にまで来たんだから楽しんだ方が得だろ”って言ってるプカ。プーカもその意見に賛成プカ」
プーカからの言葉にユキは僅かながら溜め息を吐きつつも楽しんだ方が得という意見に対しては賛成であるためにそれ以上特に何かを言う事は無かった。
それから一同はアンティアンズのライブ会場にまで到着。公演開始まで時間はあまり無い。そのため早速一同は会場を見下ろせる場所で待機する事にした。
「そう言えば、三人はその姿のまま観るのメロ?」
「うーん。折角ですし、ボク達ももう一つの姿になりましょうか」
「うん!皆とお揃いが良いワン!」
「そうね。私も賛成」
「では!」
その瞬間、ツバサはポンと音を立てるとオレンジ色の体色をした小さな鳥の妖精のような姿であるプニバード形態へ。そしてこむぎとユキも光に包まれるとその体を小さく変えていくとこむぎは茶色とクリーム色を基調としたパピヨン犬へ。ユキは名前の通り雪のように真っ白な白猫となった。
「プ〜リ〜!同じくらいの大きさになったプリ!」
「ワンワン!一緒に観よ!」
「あ、始まるのメロ!」
こうして、妖精&ペットの動物組の七人は一緒にアンティアンズのライブを楽しみながら観る事になるのだった。
〜ロボットダンス〜
場面はまた変わってメカニカルハーツのライブを観たプリキュアの変身者達。ここにいるのはなな、ましろ、いろは、プリムの四人である。
「面白いパフォーマンスだったよね!」
「うん。まさかあんな仕掛けが用意されていたなんて……」
ライブを目撃した一同は興奮したような雰囲気であり、こうなった理由としてライブ中に人間ではできない仕掛けが色々とあったようだ。
メカニカルハーツはロボットのアイドルチーム。そのためライブのパフォーマンス中に自ら効果音や演出の音を鳴らす事くらいはお手のものだろう。
「それにあの動き、私達もやってみない?」
「あー、あのちょっとだけカクカクとぎこちない感じ?私達人間には無理な動きだよね」
「……確かに興味深い動きではあったけど、わざわざやる必要はあるのか?」
なな達2号キュアチームである三人はメカニカルハーツのダンスを真似するかのようにポーズを取る。対してプリムは僅かに呆れたような顔つきでそれを見ていた。
「それはもう楽しいからだよ!」
「そうそう!あ、いろはちゃん。こうじゃ無くてこう!」
「えー?そうかな〜」
そんな風に楽しそうに会話しながらロボットダンスを真似するプリムはかつて自分がプリキュアの強さの要因を知ろうとした際に同じ釜の飯を囲んだ事を思い出す。
「……本当に、普段は特別な事をしてないのに想いの強さだけで勝つのだからプリキュアには毎回驚かされる。それに、あのいろはという子。どこかプーカと声の雰囲気が似ていて親近感が出るな」
いろはとプーカの声が似てるのは……まぁ、わかる人はお察しの話だろう。するとあげはがそれを見て四人に声をかけた。
「皆〜!早く行かないと次の観たいアイドルの公演が始まっちゃうよ!」
「えっ!?嘘!?」
「早く行かないと」
「プリム、行こ!」
「ふっ、ああ……」
プリムはいろはに手を引かれる形で微笑むと一緒に別の公演が行われる場所に行くのだった。
〜悟センサー〜
この場面では男子勢が勢揃い。影人、レイ、悟、大福、ツバサの五人が揃っていた。
「こうして見ると女子に対して男子の比率が少な過ぎてエグいな」
「あはは……それは気にしたら野暮ですよ」
レイの話にツバサが補足を入れる中、影人は悟へとあることが気になって話しかける。
「そうだ。まゆさんから聞いたんだけど悟っていろはさんとお付き合いしてるんだよな?」
「あ、それ俺も聞いた。マジなの?」
「えっ!?あ、うん……。そうだよ。少し前からだけどいろはちゃんと付き合ってる」
悟が顔を赤くしつつ恥ずかしそうに話すとツバサの方が影人達へと問いかけた。
「でもそれなら影人さんやレイさんもでは?」
「まぁな」
「俺はこころ、レイはななと付き合ってるね」
「こうして見るとボク、場違いじゃありません?」
すると大福がそんなツバサをフォローするように“付き合ってる人がいないのは俺も同じだ。だから場違いって事はねーよ”と話す。
「大福さん、それフォローになってます?」
そんな風に男子組が話をしていると突如として空中から音がするといきなり異次元の穴が開く。そこから飛び出してきたのは羊の執事のような妖精だった。
「悟くーん!!」
「うえっ!?メエメエ!?」
「悟くー……のはあっ!?」
そこに来たのはわんぷりメンバーの仲間の一人でニコガーデンで執事を務めている妖精、メエメエである。ただ、彼は空中から悟に抱きつこうとすると止めろと言わんばかりに大福が跳び蹴りを命中させて吹き飛ばす。
本当にその体格差でよく吹き飛ばせるものだが、それはさておき。メエメエは何故かこの島に招待されて無いのにここに来たようで。
「メエメエ……って言ったか?何で招待の証であるブレスレット無しでここに来てるんだ?」
「そりゃあ悟君がピンチだとこのセンサーが反応したからですよ!」
それを聞いて一同は唖然とする。悟のピンチというのは石化の事だろうがその事件はとっくに解決済み。それなのに今来るのは今更感が凄いのだ。
「メエメエ、だとしたら来るの遅すぎじゃね?」
「仕方ないでしょう!ニコ様が自分でも石化の解除は無理だからってニコガーデンを出るなとキツく命令されてて……」
「それは至極当然の選択なんだよなぁ……」
影人はニコガーデンの主であるニコが懸命な判断をすると納得しつつも僅かにメエメエに同情の視線を送る。
「ここからはわたくし、メエメエもこの島での時間を楽しんで……」
「メエメエ、でもこのブレスレットが無いのがバレたら多分摘み出されるよ?」
「ふふっ、そこは問題ありません!バレなければセーフなのですから!」
「いや、それを言ったらもうバレるフラグでしか無いから色々不安なんだよなぁ……」
その後、結局最終的に招待客用のブレスレットが無いという事でトットに摘み出されそうになったメエメエだったが……どうにか悟達からの説得もあって無事にいて良いと承認される事になるのだった。
また次回もお楽しみに。