キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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厄介過ぎる敵の連携

二体のダークランダーとジョギ、スラッシューをハートガーデンに転移させた上で対峙するプリキュア達。ちなみにその場にいた夢乃と田中だけは対象範囲外にする事で二人の巻き込まれを防いだ。

 

「ダークラン……」

 

そして、ハートガーデンでは早速臼のダークランダーがある動きを始める。それは脚を大きく開いて腰を落とし、その後片脚を大きく振り上げるという物だ。

 

「えっ!?いきなり何!?」

 

「アレは多分……皆、合図するから跳べ!」

 

「ええっ!?」

 

その瞬間、ダークランダーが脚を強く地面に振り下ろしてぶつけると地面が強く震えて衝撃波のように地面が波打つ。

 

「な、何か来ましたよ!?」

 

「今だ、跳べ!」

 

ソウルビートのタイミングに合わせて全員が跳び上がると同時に六人の真下を波打つ地面が駆け抜ける。

 

「今のって……」

 

「相撲の四股踏みだ。地面を強く踏む事で地ならしを起こしてるんだよ」

 

「ダークランダー!」

 

しかし、今回のダークランダーは一体だけでは無い。六人が跳び上がったのを見てすかさずもう一体の軍配のダークランダーが大きく胴体を動かすと凄まじい風が斬撃波として飛んでくる。

 

「うえっ、今度はそっち!?」

 

「ウインクの力、ソウルビートバリア!」

 

ソウルビートはもう一体のダークランダーも見落としてないと言わんばかりにすかさず斬撃波をバリアで防御。しっかりと攻撃を凌いだ。

 

「流石ソウルビートね」

 

「ふふっ、やるわね。だけどそう簡単にやらせないよ」

 

すると今度は臼のダークランダーが腰を落としつつ地面に両腕を付けるようにして前屈みの構えを取る。同時に六人が着地すると早速アイドルが飛び出した。

 

「絶対に……くりきゅうたさんも力君も……助ける!」

 

「私達もフォローします!」

 

「うん!」

 

アイドルが一人ダークランダーへと向かっていくとその動きをフォローするべくウインクとキュンキュンも前に出る。対してソウルビートは敢えて出ずに相手の出方を見る事にした。

 

「ふふっ。行け、ダークランダー!」

 

「ダークラン……ダー!ダー!ダー!」

 

ダークランダーは向かってくるアイドルに対し、相撲で言う所の突っ張りの攻撃を突き出しながら向かってくる。

 

「そんな見え見えの攻撃!」

 

だが、攻撃を繰り出すのが早い影響か突っ張りが当たる事は無い。アイドルもダークランダーの突っ張りの射程外から跳び上がるとすかさずブローチをタッチする。

 

「アイドル、グータッチ!」

 

「確かにそうするのが定石。でも、定石通りっていうのはね……」

 

スラッシューがそう呟くとダークランダーを斜め上方向から攻撃しようと突っ込むアイドルを狙い撃ちするように軍配のダークランダーが構える。そして、手を振り抜くとそこから何かの漆黒のエネルギー弾が射出された。

 

「ダークランダー!」

 

「って、ええっ!?」

 

アイドルは目の前に迫ったエネルギー弾に対して反射的に拳を繰り出す。そのため一撃目は凌いだものの、エネルギー弾はまだ他にも迫ってくる。そのためアイドルは呆気なく撃墜されてしまった。

 

「うわぁああっ!?」

 

「「アイドル!?」」

 

「手を予想しやすいって事に繋がるわ」

 

スラッシューが作り出したダークランダーはジョギの臼のダークランダーをサポートするように立ち回る。そして、ウインクとキュンキュンは撃墜されたアイドルを気にしてしまったために臼のダークランダーが近くなっている事に気がつくのが遅れた。

 

「おいおい、余所見してる場合かよ」

 

「ダーク!」

 

「えっ……うわあっ!?」

 

「ランダー!」

 

「ああっ!?」

 

そのままダークランダーからの強烈な突っ張りを受けたウインクとキュンキュンは呆気なく吹き飛ばされてしまう。

 

「そんな……」

 

「強い……」

 

ズキューンとキッスは返り討ちにされて自分の横をすり抜ける形で吹き飛ばされたウインクとキュンキュンを横目に見つつ臼のダークランダーを見据える。

 

「止めないと……」

 

「はい、お姉様!」

 

その瞬間、ズキューンとキッスは一気に加速。アイドル達三人よりも加速力の速い二人は一気に臼のダークランダーに迫る。対してそれを見た軍配のダークランダーは臼のダークランダーの上に飛び乗るようにして乗っかった。

 

「「えっ!?」」

 

「まさか……ズキューン、キッス避けろ!」

 

ソウルビートがダークランダーの狙いを悟るとすぐに二人に攻撃回避を指示。するとダークランダーは臼の中に手を突っ込むと同時に両手に小分けになった餅型の爆弾を生成。それを次々とズキューンキッスへと投げつける。

 

「くっ。キュンキュンの力、ソウルビートレーザー!」

 

ソウルビートからのレーザーが餅爆弾に命中すると餅が熱によって膨張して爆発。どうにか二人への被害をゼロに抑えた。

 

「ありがとうソウルビート!」

 

「お姉様、せーのっ!」

 

そして一気に接近したズキューンキッスは臼のダークランダーへとダブルパンチを繰り出す。しかし、ダークランダーはその一撃を両腕を広げて正面から打たせる形で受け止める。

 

「なっ!?」

 

「そんな……」

 

そして、ズキューンキッスによるダブルパンチをまさかの真正面から受け切ってしまう。

 

そしてそのせいで二人が動揺している瞬間を狙い、背中に武器として装備していた杵を手にしつつ引き抜く。

 

「ッ、ヤバい!」

 

「ダークランダー、ソウルビートを足止めして」

 

「ダークランダー!」

 

すると軍配のダークランダーがまた何かを撒くような仕草を見せつつエネルギー弾をソウルビートへと放つ。

 

「くっ……相撲……撒く物……塩の代わりかこれ!」

 

ソウルビートはダークランダーが先程から攻撃に使っている物の正体を塩だと見抜くものの、だからって攻撃を止められるわけでは無い。

 

「ラン!ラン!」

 

ダークランダーが容赦無く塩の代わりのエネルギー弾をばら撒くとソウルビートはそれを回避。しかしそのせいでズキューンキッスへの対応は遅れた。

 

「ダークランダー!」

 

「「きゃあああっ!?」」

 

そのまま容赦無く振り抜かれたダークランダーの杵。それによりズキューンキッスは纏めて吹き飛ばされてしまう。

 

「あははっ、流石スラッシュー様。暫く戦いから離れてても勘は鈍ってませんね」

 

「くっ……アイツらちょっと厄介過ぎるだろ」

 

ジョギが上司であるスラッシューの生み出したダークランダーの強さに笑みを浮かべる中、ソウルビートは現状をかなり不味い物と見ていた。すると臼のダークランダーが好機とばかりに杵を両腕で持ってグルグルと回転を始める。

 

「ダークラン!」

 

「また妙な事を……」

 

「ダーク……ラン!ラン!」

 

そして、臼のダークランダーに出来た隙を埋めるかの如く軍配のダークランダーは体を振るようにして風の斬撃波をソウルビートに放つ。

 

「またこれか!」

 

ソウルビートがどうにかその斬撃波を回避すると一瞬だけ軍配のダークランダーに気を取られてしまう。その瞬間を狙って臼のダークランダーがまるでハンマー投げのように投げられた杵が回転しながらソウルビートへと直撃。

 

「ぐあああっ!?」

 

ソウルビートも吹き飛ばされて地面に激突してしまうとようやく復帰したアイドル、ウインク、キュンキュンが思わず声を上げる。

 

「ソウルビート!?」

 

「そんな、ソウルビートでもダメなの……」

 

「今回のダークランダー……強すぎる」

 

プリキュア達は二体のダークランダーが組むだけでここまで厄介な事になるとは思っておらず。大苦戦を強いられていた。しかも何が厄介かと言うとまず臼のダークランダーが純粋にパワーと防御力に優れていて一撃が重いのだ。

 

そのため正面からの攻撃の打ち合いだと臼のダークランダーが有利と言える。厄介なのはそれだけに留まらない。このダークランダーと組む軍配のダークランダー。それは臼のダークランダーへのサポートに特化したタイプの個体である。

 

「さっきから私達の隙を見せたらすぐさまそこを狙ってくる。臼のダークランダーの隙もカバーして……多分単体の強さは数段劣るのに厄介過ぎる存在ね」

 

「どうにかしないとだよ」

 

軍配のダークランダーからの嫌がらせ攻撃はプリキュア側の連携を阻害し、臼のダークランダーによる一撃を通すためのサポーターとして機能している。

 

「そう言えば、スラッシューの作るマックランダーとかって他の奴と一緒に出す時……大体サポート役が多いよな」

 

ソウルビートは過去に対戦した際にスラッシューが召喚したマックランダーやクラヤミンダーを思い出す。二体で連携したランナーマックランダーにスピーカーのマックランダーをサポートしたミキサーのマックランダーもそうだ。

 

そう考えるとスラッシューの出す怪物の本質は自分が一緒に戦う際のサポート役として使うためにサポートタイプの怪物の傾向が多いのかもしれない。

 

「どうしましょう……」

 

「このまま連携されたらとてもじゃないけど……」

 

「だったら連携を断つしか無いな」

 

するとズキューンキッスの後にやられたソウルビートも立ち上がる。そして、そこにアイドル達も合流。それから六人が一瞬だけ話をすると頷き合う。

 

「お喋りしてる場合かな?」

 

「ダークランダー!」

 

そのタイミングで軍配ダークランダーが餅爆弾を再度手にして投げつける。アレを受ければ恐らく餅によって拘束されてしまうか先程のように爆発して大ダメージは免れない。

 

「確かにそれは当たれば厄介だけど……」

 

「ええ、当たらなければ意味は無いわ!」

 

ズキューンとキッスが先陣を切る形で軍配ダークランダーの妨害を抜けて臼のダークランダーへと迫る。

 

「ダークラン……ダ!ダ!」

 

それを受けて先程同様に臼ダークランダーが突っ張り攻撃を仕掛ける。それを二人が左右に散らばる形で回避。そして入れ替わるようにアイドルが前に出てくる。

 

「アイドルグータッチ!」

 

ダークランダーの突っ張りに対して今度こそ命中したアイドルグータッチによって双方の攻撃が相殺された。

 

「アイドル、ズキューン、キッス、そっちは任せるぞ!」

 

「任せて!」

 

「そっちはお願い!」

 

このまま臼ダークランダーはアイドル、ズキューン、キッスの馬力の出る三人組で相手にするようだ。そして、そうなると当然残る三人……ソウルビート、ウインク、キュンキュンの三人が軍配ダークランダーを担当する。

 

「分断すればこっちの物です!」

 

「ダーク!?」

 

「はあっ!」

 

ウインクとキュンキュンが跳び上がると混乱する軍配ダークランダーへも両側から挟むようにキックをぶつけてダメージを与える。

 

「良し、アイドルのちか……」

 

「させないわよ?」

 

ウインクとキュンキュンが軍配ダークランダーを崩した所でソウルビートが一気に決めるべく踏み込んだ瞬間。そこを狙ったかのようにソウルビートへとスラッシューが炎の拳を放つ。

 

「くっ……」

 

ソウルビートはその一撃をどうにか受け止めるが、絶妙なタイミングで介入してプリキュア側が有利になるのを防いだ形である。

 

「ふふっ、そう簡単には行かないわよ?」

 

「やっぱり介入してきたか……スラッシュー」

 

「あら、でも読めてた事でしょ」

 

ソウルビートは僅かに苦しそうな顔を浮かべると少しだけ彼女から距離を取って離れる。

 

「ソウルビート!」

 

「悪い、そのまま二人で抑えててくれ!」

 

ソウルビートは自分がスラッシューに抑えられたために一旦ウインクとキュンキュンの二人にダークランダーを相手させて自分はスラッシューと向き合う。

 

「ふーん、対策自体はここまで立ててたのね」

 

「ああ。正直単独で浄化技使ってダークランダーを倒せる俺をお前が見逃すわけが無いからな」

 

「ええ。私だってダークランダーの連携を崩されるのは嫌だもの。抵抗の一つや二つくらいするわ」

 

スラッシューは笑みを浮かべつつそう言うとソウルビートが再度構えを取る。そんな時、ソウルビートからスラッシューに話しかけた。

 

「なぁ、スラッシュー。お前……本当に何も覚えてないのか?チョッキリ団に入る前の事」

 

「そうよ。もうそんな記憶綺麗さっぱり忘れたわ」

 

「……Utakoさんの事も?」

 

ソウルビートから飛び出したUtakoという単語を聞いて僅かに首を傾げるスラッシュー。キョトンとした顔つきを見せた彼女だったか、すぐに笑みを浮かべて持ち直してしまう。

 

「あははっ、誰よそれ。そんな奴知らないわ!」

 

スラッシューはやはり思い出す事は無くその手に炎の剣を生成。ソウルビートが左腕に銀の光を纏わせると腕で攻撃を防御。

 

「じゃあ、UtaKotoneという単語にも聞き覚えは無いか?」

 

「さっきからわけのわからない事ばかりね。そうやって私の調子を狂わせる気?」

 

ソウルビートとスラッシューは少しだけ離れるとスラッシューが手にしていた炎の剣を投げつける。対してソウルビートがそれを弾く形で防ぎつつ双方が距離を詰めて殴り合いの乱戦に突入。

 

「どうしてそこまで私に深く関わろうとするわけ?あなたにとって私の過去を思い出させる事はそんなに大事なの?」

 

「ああ、大事だ。何しろ、頼まれてしまったからな。……Kotoneさんの心を救うって!」

 

「チッ、切音切音煩いのよ……。人違いのくせに私の名前を勝手に口にするな!」

 

スラッシュー視点だと自分は別人だと言い張っているのにしつこく問われているのと同じ状況なためにソウルビートからの言葉にどうしても苛立ちが出てしまう。

 

スラッシューは手に炎の鞭を召喚するとそれをソウルビートへと繰り出す。当然彼はその一撃を回避してから接近。カウンターとしてスラッシューの腹に強烈な拳をぶつける事になる。

 

「だあっ!!」

 

「があっ!?」

 

「そろそろ反撃開始するぜ!」

 

スラッシューはそのまま吹き飛ばされて地面に激突。ここまで防戦一方だったプリキュア側の反撃が始まるのだった。




また次回もお楽しみに。
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