キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
小原井は自分にお笑いの道を進ませるキッカケをくれたグリッターのマスター……咲良家の両親に話をするために猛スピードでグリッターへと移動する。
「マスターッ!!」
しかし、そこに書いてあったのはCLOSEDの文字。残念ながら今の時間は空いてないとの事だ。グリッターへと物理的に行きたいあまり営業時間を調べるのを失念したのである。
「な……休憩中……なんでやねぇええん!?」
小原井が想定してなかった事態に頭を抱えてしまう。そして、会いたかった相手と会えなかったという落ち込みは心の闇として具現化してしまう。
そんな時に現れたのはチョッキリーヌ。彼女が小原井の闇を見ると笑みを浮かべた。
「うん?ふふっ。良いのがいるじゃないか」
チョッキリ団がやってきたタイミングに合わせて闇を出してしまうという小原井にとっては本当に最悪過ぎるタイミングである。
そして、小原井の事情なんてどうでも良いチョッキリーヌは容赦無くターゲットにした小原井の闇を抜き取るべく呪文を言いつつ指を鳴らす。
「お前の闇を見せてみな」
「うわぁああっ!?」
その瞬間、小原井の胸から黒いリボンが生成。最初から黒いリボンになる辺り、チョッキリーヌが前回よりも力を使い熟せている事を示していた。
「チョッキリ呑まれてしまえ!」
そしてチョッキリーヌがそう言いながらポーズを決めると黒いリボンが解かれて小原井が闇の中へ。それからチョッキリーヌは水晶と闇の球体を合わせて地面に叩きつけ、ダークランダーを召喚する。
「さぁ来な!ダークランダー!」
「ダークランダー!」
これによって呼び出されたダークランダー。今回は小原井が持っていたハリセンをモチーフにした個体である。そしてそこに小原井を追いかけてきた影人達が到着。ダークランダーと相対した。
「プリルンが察知したから予想はできたけど……」
「いた、ダークランダー!」
「待て待て、あのハリセンはまさか!?」
影人はハリセンの姿から何となくダークランダーに囚われた人間を察するとダークランダーはそんなのお構い無しに周囲の家に自らの体を叩きつける。
「ンダ!ンダ!」
そして、予想はできているがプリルンは念の為中の人を確認すると案の定小原井が閉じ込められているのを確認した。
「プリ……中に小原井ヒロシさんがいるプリ!」
「助けなきゃ……」
「「「「「うん」」」」」
こうして六人は小原井を助けるべくプリキュアへと変身。その姿を変えていく。
「「「「「「プリキュア!ライトアップ!」」」」」」
「「「キラキラ!ドレスチェンジ!」」」
「「キラキラ!ショータイム!」」
「キラキラ!ソウルリンク!」
「「「「「「YEAH♪」」」」」」
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」
「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」
「ハートをプリッとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」
「ハートをメロっとひとりじめ!キミと口づけ、キュアキッス!」
「キミと輝く、ハートの鼓動!繋がる魂、キュアソウルビート!」
「「「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」」」
こうして、アイドルプリキュアの六人が名乗り終わって降り立つと同時にキッスが早速投げキッスを使用。
「お願い、チュッ!ハートガーデン!」
これによりハートガーデンを展開するとダークランダーごと自分達をその中に移動させた。
「やっておしまい!」
早速チョッキリーヌがダークランダーへと攻撃を指示。そしてダークランダーがゆっくりと歩いていくとまずはアイドルが飛び出す。
「ダークランダー!」
「行くよ〜!」
それからアイドルの攻撃で派手に開戦の狼煙が上がる……かと思いきや、いきなりダークランダーは止まってお辞儀するかのような仕草を見せた。
「ランダー」
「うえっ!?これはこれはご丁寧に……」
まさかの礼儀正しいダークランダーに対してアイドルも思わず止まってしまうと同じようにお辞儀をしようとする。
「ちょっ、馬鹿!?」
「危ない、アイドル!」
ソウルビートは攻撃中断してしまったアイドルへと慌てて声を上げるとウインクも何かに気がついて声を上げた。しかし、もう時既に遅し。ダークランダーは不意打ちとばかりに思い切りハリセンである体をお辞儀する形で振り下ろす。
「ダー!」
「え、ちょっ!?」
その一撃でアイドルは地面にめり込んでしまう。ご丁寧に叩かれた後頭部にはバッテンでデフォルメの絆創膏が貼られていた。しかも倒れる際に何故かポーズを取るおまけ付きである。
「ぶ……」
「敵を前にして止まるなよ!?」
アイドルは不意打ちかつダークランダーの力で攻撃されたせいか起き上がる事ができず。ソウルビートは思わずツッコミを入れ、他のプリキュア達も彼女を心配する。
「「「「アイドル!?」」」」
「ッ、すぐ次が来るぞ!」
しかし、心配するのも束の間。ソウルビートが叫ぶと同時にダークランダーは容赦無く近くにいたウインク達四人にもハリセンによる強打攻撃。
「ダーク!」
「「えっ!?」」
「ラン!」
「「ちょっ……」」
ソウルビートは咄嗟に後ろにジャンプしたお陰でダークランダーの攻撃射程圏外に逃れたが、残る四人はキュンキュン、キッス。ウインク、ズキューンのペアで纏めてアイドル同様に地面にめり込まされてしまう。
「単純な攻撃なのに……コイツ強い!」
開幕不意打ちでプリキュア側にダメージを与えたダークランダー。しかもそのパワーは侮れないために早速プリキュア側はソウルビート以外地面にめり込んでダウンしてしまう。尚、他の四人もポーズを取りながら倒れているのはご愛嬌だ。
「さて、どうやって戦うか……」
「ダーク!」
するとダークランダーが何かを投げるとソウルビートはそれに気がつく。しかし、その投げたものはソウルビートに直接来なかったために疑問符を抱く。
「あれ?今何投げ……ッ!?」
ソウルビートは右脚から地面に着地した瞬間に何故か脚がツルリと滑って体が宙を舞うことに混乱する。
「は!?何で滑るんだ……ここには何も……」
ソウルビートが足元をどうにか確認するとその先にあったのはまさかのバナナの皮だった。そして、同時にダークランダーからのハリセン強打攻撃が迫る。
「嘘だろ……」
「ダーク!」
「そんなバナナ!?」
ソウルビートはバナナの皮という古典的なトラップのせいでそのままハリセンに強打されて地面にめり込む。そしてそれはソウルビートさえも今回のダークランダー相手には苦戦するという事であった。
「ぐっ……」
そのタイミングでようやくめり込みから復帰した他のプリキュア達。そしてキュンキュンは何故かハリセンの体でお辞儀しながら素振りをしているダークランダーに声を上げる。
「あの動きは“なんでやねん”の角度です!!」
「なんでやねん?」
キュンキュンが指を差しながらそう言うとダークランダーは近くにあったキノコを相手になんでやねんをし始めた。
そもそも、なんでやねんとは関西地方にて主に使われるツッコミの定番フレーズである。意味としては“どうしてそうなるんだ”や“いや、違うやろ”のように疑問や矛盾を表現し、主に相手のボケや突拍子もない行動に対して使われる……親しみや怒りを含むコミュニケーションの魔法の言葉なのだ。
「ランダ!」
「なんでやねん!」
「ランダ!」
「なんでやねん!」
ダークランダーが二度程キノコ相手になんでやねんをしていると流石に隙だらけと思ったのか、ズキューンキッスがダブルキックを命中させる。
「「たあっ!」」
「ンダ!?」
しかし、このダークランダー。意外にも耐久力があるのか二人からの後頭部へのキックを物ともせずに逆襲のハリセンツッコミを叩きつけた。
「ランダ!」
「なんでやねん!」
「「うわぁあああ!?」」
ズキューンとキッスはまさかの逆襲に飛ばされながら再度ポーズを決める始末。ソウルビートも流石にやりたい放題しているダークランダー相手に黙ってはいられず。先程のズキューンキッスとは違い連続攻撃で対応しようとする。
「一撃でダメなら連続攻撃で!」
ソウルビートが走り込みながら跳び上がり、攻撃をする前に拳を後ろに構える。しかし、そのタイミングでダークランダーの目が光ると何故か剣道の竹刀のような物を生成した。
「何か出した!?」
「構うものか!はあっ!」
「ダーク、ダーク!」
そしてソウルビートの攻撃に合わせるかのようにまずは突き攻撃。ソウルビートと攻撃が二度ぶつかり合うとそれは互角なのか相殺。
「ッ、この!」
「ラン、ラン!」
続けてダークランダーは一歩距離を詰めると竹刀の腹で押し込むかのように攻撃。ソウルビートもどうにかそれに対応。しかしダークランダーはまだ止まらない。
「ちょっ、ぶっ!?」
「ランダ、ランダ!」
ダークランダーはソウルビートからの攻撃を悉く防いでしまうと更に竹刀のリーチを活かしての薙ぎ払い攻撃を仕掛け、ソウルビートはそれをまともに喰らってしまう。
「な、何なのあれ……」
「ッ、クソ……って……」
「ダークランダー!」
アイドルがダークランダーの流れるような竹刀捌きに唖然とする中、ソウルビートはやられっぱなしな事に悔しさを覚えるが、その間にもダークランダーの竹刀が振り上げられていた。そして、“最後は斬る”いうことで竹刀がソウルビートへと振り下ろされると地面に顔面から叩きつけられた。
「うぐああっ!?」
「ソウルビート!?」
「コイツ……まさか○リフの剣道攻撃……だと……」
ソウルビートはここまでやられて思い出す。確かアレは昭和時代の人気番組、○リフの剣道ネタを模倣した物であると。ちなみに、彼が知っている理由は当然UtaKotoneを調べるついでで見たからだ。気になった人は一度調べてみよう!
そんな事はさておき、ソウルビートさえも圧倒するダークランダーにチョッキリーヌは上機嫌である。
「良いぞ!今日こそ勝つのは私だ!」
「なんでやねーん!!」
「ダークランダー!」
しかし、何故かダークランダーのツッコミは味方にも及ぶのか……。チョッキリーヌ相手にもハリセン強打が命中してしまう。ただし、プリキュア相手にやる時よりも手加減してるのかチョッキリーヌが吹き飛ばされる事は無かった。
「痛たぁああっ!?ちょっ、私にツッコんでどうするんだい!」
チョッキリーヌはまさかの味方からの裏切りに声を荒げる。流石にこれにはダークランダーも少し申し訳なさそうだった。
「ランダンダ……」
「仲間割れしてる?」
「チャンスで……」
しかし、ウインクとキュンキュンが勝機を見出したその瞬間。何故かいきなり二人の頭へとタライが落ちてくると二人はその痛みに思わず顔を顰めてしまう。
「「痛たぁっ!?」」
「ダークランダー!」
するとダークランダーはいつの間にか四つん這い姿勢になると同時に背中から大量のタライを射出。そしてそれはアイドルを狙い始めた。
「ウインク、キュンキュン……って私にも!?」
「ッ、こっちにも来た!?」
「兎に角避けましょう!」
ズキューンとキッスも上からタライのターゲットにされて回避行動に手一杯となる。そして、アイドルもどうにか回避しようとするが……。
「わっ!?こっちに……痛でっ!?」
だが、1発目2発目を回避しても3発目は無理だったのか上からタライの餌食になってしまう。
「くっ、お前ギャグ漫画思考でバトル漫画思考の相手を翻弄するとか反則だろうが!!」
ソウルビートは今回のダークランダーが反則気味のギャグ漫画のやり口をしてくるのを見て怒りを覚えたのか。珍しく単調に突っ込んでしまう。
「ソウルビート、そんな単純な動きだと……」
キッスがソウルビートの動きの単調さを指摘するが、彼は聞き入れる事は無くソウルリンクライトのダイヤルを合わせる。
「アイドルの力、ソウルビート……」
ソウルビートがグータッチを繰り出すべく地面を強く踏み込んだ瞬間。何故かいきなり地面が抜けるといつの間にか地面に埋められた丸い形の熱湯風呂があった。
「は?は?危なっ!?」
ソウルビートはいきなりの事に慌てるが、持ち前の反射神経と対応力で丸い風呂の蓋に四肢を置く形で体を支える事で熱湯風呂にダイブという事態を避ける。
「何でこんな所にこんなのが……っと、皆。今は押すなよ……押すなよ……絶対に押すなよ!?」
「ソウルビートダメです!そんな事言ったら……」
ソウルビートは焦りからか思わず○チョウ倶楽部の熱湯風呂における定番セリフを言ってしまう。そして、それを言ってしまうという事はダークランダー側も準備万端と捉えるわけで。
「ダークランダー!」
「へ?嘘だろ!?」
そのままハリセン強打攻撃でソウルビートは熱湯風呂の中にダイブ。熱々のお湯で思わず叫んでしまう。
「熱っつぅ!?ふざけんなお前ぇええ!?」
「いや、今のはある意味ソウルビートの自爆じゃ……」
ズキューンが珍しくソウルビートへと呆れた顔を向ける中、チョッキリーヌはまたまた上機嫌に声を上げる。
「どうだい?上からタライが落ちてくるに熱々の熱湯風呂。どちらも古のお笑い攻撃だよ!」
「ランランダー!」
しかし、今回のダークランダーは兎に角ツッコミをしたい気質なのか……チョッキリーヌにもタライ攻撃が命中してしまう。
「ぐはあっ!?……だから、私に当ててるんじゃ無いよ……」
そして、ダークランダーは再度タライ攻撃を再開。倒れたアイドルへとタライを降り注がせる。
「ダークランダー!」
「ウインクバリア!」
ただ、これはウインクがバリアで防御。幸いな事にタライ攻撃は多数当たってもバリアを破壊する程の威力は出せず。そしてそれなら迎え撃つ事も容易なため今度はキュンキュンがブローチをタッチする。
「キュンキュンレーザー!」
キュンキュンからのレーザービームが更に降ってきたタライを全て吹き飛ばす。そして、アイドルはその間に起き上がると駆け出す。
「今のうちに!」
「援護するよ!ズキューンバズーカー!」
そして、ズキューンはそんなアイドルをサポートするためにアイカラーを塗ってズキューンバズーカーを発動。ダークランダーの顔面に攻撃を命中させる。
「ンダ!?」
「アイドルグータッチ!」
更にアイドルが跳び上がるとブローチをタッチして追撃のグータッチを発動。ダークランダーへと強烈な一撃を当てる。
「ンダァアア!?」
「キュアアイドルカッコ良い!」
ダークランダーはアイドルからの拳に堪らず吹き飛ばされ、キュンキュンもそのアイドルの勇士を褒めた。しかし、ダークランダーもそう簡単にやられっぱなしにはならないのか……。
「痛でっ!?」
「「アイドル!?」」
最後っ屁として1発残していた上からのタライがアイドルの頭に直撃。アイドルはそれを喰らって撃墜されてしまうのだった。
また次回もお楽しみに。