キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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影人達によるクアドラプルデート開幕

うたとカイトがデートを始めた頃。グリッターの二階スペースには影人、なな、こころ、プリルン、メロロン、レイの六人が揃っていた。

 

その中で一同が談笑しているとプリルンはフワフワと空中を移動しつつ残念そうな声を上げる。

 

「プリ、プリ、プリ……プリルンも遊園地行きたかったプリ」

 

それは勿論先日のデートの話に挙がった遊園地の件である。プリルンとしてはデートよりも遊園地にある美味しい物やアトラクションが目的だったが……精神年齢が幼いので遊園地に行けば子供のように喜んだだろう。

 

「仕方ないだろ?一応俺達は遊園地に様子を見に行くなんて事はしないって話にしてるんだから」

 

この前のはもりの件では夢乃に影人達の尾行を割とあっさりと見破られてしまった事もあり、影人達はもしうたへの尾行がバレてその影響でカイトとのデートが頓挫なんてしたら最悪だ。

 

そもそもカイトはレジェンドアイドルとして忙しい。そんな彼からの貴重なデートの持ちかけを邪魔なんてした日にはうたから恨まれてしまうだろう。

 

「まぁ、遊園地に行くだけならまたチャンスがあれば行けるからな。今日は我慢してくれ」

 

「プリ……」

 

プリルンはまだちょっと納得してなさそうだったが、それでも今の現状では彼女を遊園地に連れて行くという選択肢は無い。すると、プリルンの近くではメロロンがうたとカイトのデートに対して想いを馳せつつポエムを口ずさんでいた。

 

「デート、それは二人きりの時間。高鳴る鼓動が……愛のメロディー!」

 

「……よくわかんないプリ」

 

「多分プリルンもいつかわかる日が来る……はず」

 

今の時点ではそれは望み薄というのはわかっていたが、だからって全否定するわけにもいかないために一応彼女にもそういう望みもあると考えてレイはそう言っておいた。

 

すると突如としてななが何かを思いつき、手を叩くとそれを早速一同に共有する事に。

 

「あ、そうだ!折角だから私達もデートしない?」

 

「えっ、デートですか?」

 

「これはまた随分と急な話だな。もしかして咲良さんのデートが影響してたりする?」

 

ななからの提案。それは自分達もデートをするという事である。そして、その唐突な提案に影人はキョトンとした顔になる。

 

「そうなるのかな。こうしてうたちゃんがカイトさんとデートしてるんだし、私達がやらないのは勿体無いよ」

 

「取り敢えず、デートしたいって気持ちはわかった。それならペアはどうする?今丁度六人いるけど」

 

影人はペア分けはどうするのか一応聞く事にした。……と言うのも、既にここにはリアルでのカップルが二組いる。それに残っている二人の内片方はそのペアになる事を望むだろうし、正直この質問は形式上聞いた側面が大きかった。

 

「それならもう最初からほぼ決まってるのメロ。それにデートなら、メロロンはねえたまと……」

 

「メロロン、私とデートしよ?」

 

「メロ?」

 

「……あれ?」

 

メロロンは当然のようにプリルンと二人になろうとした。そしてそうなれば、この場の全員が揉める事無くペアが決まったはずである。それなのに何故かななが彼氏であるレイでは無くメロロンを選んだ。影人もなながその選択をした事に思わず疑問符が浮かんだのである。

 

「……ダメかな?」

 

「別にダメじゃ無いのメロ」

 

ななが確認するようにメロロンに問いかけるとななとなら特段嫌な気持ちがあるわけでは無いのか……メロロンもすんなりと了承した。恐らく数ヶ月前までならプリルンと行きたいと駄々をこねるか、冷たく断られただろう。本当にこの前のハートキラリロックの封印がどうにかなった時点から性格が軟化したものである。

 

「レイ、お前は良いのか?」

 

「ああ。別に浮気してるわけじゃないし、そこは受け入れてあげるのが甲斐性ってもんだろ」

 

「それもそうか」

 

もう一つの問題である彼氏のレイの意見もななの事を否定するわけでは無く、むしろ肯定したので影人も特に言う事は無く納得する事にした。

 

「じゃ、プリルンは私と行こうね」

 

「プリ!」

 

「……あれ?今日はこころもプリルンと行きたい感じなのか?」

 

ただ、こころまでプリルンと一緒にデートに行きたいと言い出すのは影人的には想定外だったのか多少動揺した様子である。

 

「別に良いじゃないですか。カゲ君とのデートは今ならいつでも行けますし、私だって偶にはプリルンとも仲良くお出かけしたいですよ」

 

「そっか、こころがそういう気持ちなら今日はプリルンと楽しんできて良いよ」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

そんなやり取りもあって影人、こころも双方が了承。こころとプリルンのペアが成立した。そして、そうなると必然的に……。

 

「じゃあ偶には男同士で行くか?」

 

「……俺はもっと違うチームで組むと思ってたけどな?」

 

女子四人がそれぞれでチームを組んだために残った影人とレイでチームを組む事になる。

 

「確かにそれも良いけどさ、偶には別の人とのチームでっていうのも新鮮じゃない?」

 

「結局その答えに落ち着くのか。それじゃあチーム決定って事で」

 

こうして、最初の想定では影人とこころ、ななとレイ、プリルンとメロロンだったのだが今回は趣向を変えた別チーム三組が成立。うたとカイトを含めた四組がそれぞれがデートをする事になる。

 

「では、今日はうた先輩とカイトさん。なな先輩とメロロン。プリルンと私。カゲ先輩とレイ先輩のクアドラプルデートですね!」

 

「やるメロロン、アレをやるプリ!」

 

「行くのメロ!」

 

プリルンとメロロンはそう言ってキラキライトを取り出す。この二人がこのタイミングでやるアレと言えばもう一つしか無い。二人はキラキライトをキラッキランリボンバトンへと変化させるとそこにリボンを装填。

 

「プリ!」

 

「メロ!」

 

プリメロコンビはその姿を人間態であるぷりん、めろんへと変える。そして、早速ぷりんは興奮した様子でデートの開始を告げるのだった。

 

「デートに……レッツゴー!」

 

「やれやれ、仕方ないな」

 

「それじゃあ俺達も行こうぜ」

 

それから六人はそれぞれのペアに分かれるとそれぞれが向かう目的地に向けて歩き始めるのであった。

 

場面が変わると遊園地。そこではうたとカイトの二人が早速蓮司から貰ったチケットで遊園地へと入場。

 

「この遊園地、久しぶりだな……」

 

カイトは入場した瞬間、早速そんな事を言い出す。そしてそれはまるでかつて誰かと来た事あるような言い回しである。

 

「来たことあるんですか?」

 

「うん?ああ。昔、親友と二人でね」

 

どうやら、カイトがまだ無名の頃。若しくはデビューする前ぐらいに来た事があるらしい。その頃ならカイトは学生であるだろうしそんな事もあるのだろう。カイトの事はさておき、早速彼はうたへと問いかける。

 

「うたちゃんは何に乗りたい?」

 

ただ、うたは隣にカイトがいるという事実でまだ頭がいっぱいなのか……上手く返事を返す事ができなかった。

 

「え……えっと。私は何でも……」

 

「ふふっ、じゃあ色々回ってみようか」

 

そのため、カイトもまずは今のこの遊園地に何があるのかを確認しつつ気になった物から乗っていくという流れに落ち着いた。

 

「はい!……あっ」

 

まず最初に二人の視線が行ったのは目の前にあったコーヒーカップである。そして、同時にうたも何かを思い出したのか思わず呟いた。

 

「懐かしい……」

 

「どうしたの?」

 

今度はカイトが今のうたの発言が気になって問いかける。それは、うたが幼い頃の話だった。

 

「小さい頃、回しすぎてお父さんが気持ち悪くなっちゃって……。それから遊園地のコーヒーカップ恐怖症なんです。喫茶店のマスターなのに」

 

「ふふっ、それはお父さんも大変だ」

 

うたはこのコーヒーカップに幼い頃に両親の二人と一緒に乗っていた。ちなみに、はもりは当時まだ生まれてきて無いためその時の記憶の中にはいない。

 

そして、恐らく幼いうたはコーヒーカップに乗ると決まった時大はしゃぎしたのだろう。そして自分が乗っているコーヒーカップのハンドルをこれでもかと言わんばかりに回して楽しんだために父親の和はコーヒーカップのせいで酔ったという事で。

 

うたは自分のせいで父親がコーヒーカップに乗れなくなったのをあまり気にしてないのか、それともカイトの前では明るい自分でいたいのか。あくまで笑い話として話していた。

 

「……でも。うたちゃんは大丈夫なんだよね?」

 

「はい!」

 

「じゃあ乗ってみようか」

 

そんなわけで二人はコーヒーカップに乗る事に。勿論今は幼い頃とは違って、ただ闇雲にハンドルを回転させるなんて事はしない。何しろ隣にカイトがいるのだから尚更そういう事はしたく無いだろう。

 

「「ふふふっ、あははっ……」」

 

そのまま二人はコーヒーカップで笑い合いつつ楽しむ事になるのだった。そして、コーヒーカップから下車した後は続けて近くにあった射的へと移動する。

 

「射的か……何か欲しい物……」

 

うたは自分が射的で取りたい物を探すと可愛らしいパンダの置物があった。それからうたがそれを取るためにチャレンジするが……。

 

「あぁーっ!?今当たった!今当たったのにぃ……」

 

残念ながら、全弾使い切っても取る事ができなかった。最後の一発に関してはしっかりと置物に当たったにも関わらず、落ちなかったために獲得出来ずという射的でよくある展開であった。

 

「うぅ……」

 

「じゃあ、次は俺がやるね」

 

うたがダメだったために次はカイトの番である。彼は射的の銃を構えると先程うたが取れなかったパンダの置物に狙いを定めていた。

 

「カイトさんもその置物が欲しいんですね」

 

「ん?えっと、まぁそんな感じ」

 

カイトはどこか含みのあるような言い回しをすると改めて銃を構え直して置物を撃つ。しかし、やはり置物はそう簡単に倒れない。

 

「カイトさんでもダメだなんて……」

 

うたは不安そうな顔になるが、それでもカイトの目は諦めていなかった。そして、とうとう来てしまった最後の一発。これを外したら終わりの場面だ。

 

「ここかな……」

 

そして、カイトはうたが撃っていた所と先程までの自分の弾の軌道。弾が当たった時の飛び方から計算して最後の一発を放つ。その弾は綺麗に置物に命中するとパタンと後ろに倒れた。

 

「わぁ……カイトさん凄い!」

 

「兄ちゃん、やるねぇ。はい、これ景品な」

 

店主もカイトが置物を倒したという事でそれを景品として彼に手渡すとカイトはそれを笑顔で受け取った。

 

「ありがとうございます」

 

「カイトさん、良かったですね!」

 

「ふふっ……」

 

するとカイトはうたへと微笑むと射的で貰った景品であるパンダの置物をうたへと差し出す。

 

「はい、うたちゃん。欲しかったんでしょ?これ、あげるね」

 

「わぁああ……カイトさん、貰っちゃって良いんですか!?」

 

「うん。元々うたちゃんにあげるために射的に挑戦していたからね」

 

「えっ……」

 

うたはカイトからパンダの置物を受け取ると嬉しい気持ちで心が温まると同時にカイトへと笑顔を見せつつお礼を言った。

 

「カイトさん、ありがとうございます!大切にしますね!」

 

「うん。どういたしまして。喜んでくれて良かった」

 

こうして射的を終えた二人は小腹が空いたという事で遊園地内にある屋外の売店へと向かう。

 

「ソフトクリーム美味しそう……」

 

「見た所、お金を入れた後にセルフでやる感じみたいだね」

 

売店の店員曰く、ソフトクリームを購入する際の手順は専用の販売機にお金を入れてカップとコーンを選択。それから出てきたカップ若しくはコーンに好きなフレーバーのソフトクリームを乗せる形で良いらしい。もし追加でフレーバーを乗せる場合はまたお金が必要になるようで。

 

セルフサービスのため安全面が心配だったが、防犯のためにカメラの設置や一回で出るソフトクリームの量は決められていたりと意外としっかりした対策はされていた。

 

「うーん……どれにしようか迷っちゃうなぁ……」

 

「折角なら色々食べてみるのはどうかな。重ねることもできるみたいだし」

 

「確かに……それだったら折角だし沢山乗せてみよう!」

 

それからうたはソフトクリームをコーンで購入するとソフトクリームを上に重ねる形でどんどん乗せていく。……ただ、その際に色々なフレーバーを楽しみたいという事で。

 

「うたちゃん?そろそろ終わりにした方が……」

 

「いえ、まだまだ行けます!」

 

カイトが心配するのを他所にうたはまさかのソフトクリームを8段分重ねてしまうとそれはかなりの高さとなった挙げ句、バランスの維持が大変だったようで。

 

「うわあっ!?」

 

「あはははっ、うたちゃん乗せすぎだよ」

 

どうにか持ち堪えたものの、早く食べないとアイスであるために溶ける危険もあったためにうたは流石に8段は重ね過ぎたと反省する事になる。

 

「あはは……すみません」

 

「良いよ。じゃあ折角だし、俺もちょっともらうね」

 

「ええっ!?カイトさんも!?」

 

うたはまさかのカイトと一緒にソフトクリームを食べるという事で混乱。ただ、今の量を一人で食べ切れるかと言われたら少し不安だった。

 

「じゃ、じゃあお願いします……」

 

「うん、あ。それとお金はちゃんと後で食べた分だけ渡すから」

 

こうして、二人で高く積み過ぎてしまったソフトクリームを食べる事になる。ちなみに、うたは途中でカイトと間接キスをすると思い至ると食べ終わった後に恥ずかしさに悶える羽目になったのだが……それは完全に余談だろう。




また次回もお楽しみに。
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