キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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スラッシューを団に留め続ける理由

ソウルビートがジョギへと問いかけた質問。それはスラッシューを再度洗脳したのは彼だという話である。

 

「……どうしてそう思うのかな?」

 

「スラッシューが戦いに於いて歌を歌わなくなったタイミングとお前がこうやって出てきてダークランダーを使うようになったタイミング。その二つは多少誤差はあるけど期間的に見たらほぼ一致するんだよ」

 

ジョギはソウルビートからそう言われてもあくまでのらりくらりとしたいつもの様子を見せた。

 

「それだけで僕って疑うのは早計過ぎない?僕以外にもチョッキリ団の奴等はいるでしょ。それに、ダークイーネ様だっている」

 

「ダークイーネか……。確かにそれを持ち出されたら断定は難しい。……だけど、それだったらスラッシューはとっくに暴走させられてるだろ?それこそカッティーの時みたいにさ」

 

そう、もしこの話にダークイーネが関与しているのならスラッシューはもっと暴走するはずだ。それこそ、カッティンダーのようにそう簡単に話ができない程に。

 

「そして、チョッキリーヌも違うってわかる。それができるのならカッティーやザックリーが来なくなったタイミングでやるはず。だけど彼女はやらない。……できないからな」

 

「……あはははっ、流石に鋭いね。もう誤魔化しは効かなさそうかな」

 

ソウルビートからここまで指摘を受けては流石のジョギも良い加減自分がやった事を認めざるを得なかった。

 

「ッ、あなたはスラッシューの部下じゃないんですか!?」

 

「そうだよ!それにこの前だってスラッシューの事を支えて……」

 

「ああ、あれ?そんなのスラッシュー様の記憶が戻ったら面倒だから引き戻しただけに過ぎないよ」

 

ジョギは特に悪びれる様子も無く平然とそう言い放つ。彼のその様子にソウルビート達はジョギへの怒りを感じる事に。

 

「ッ……あなたはスラッシューさんを利用してるって事ですか!?」

 

「そうだよ!スラッシューさん、苦しんでて……あと少しでスラッシューさんの事を助けられたかもしれないのに!」

 

「だから困るんだよね……そんな事されちゃったらさ」

 

ジョギは感情的になっているプリキュア達に対してあくまでも冷たく言い放つ。

 

「……あなた達にとって、スラッシューの闇が必要って事なの?」

 

「えっ……」

 

すると今度はキッスがジョギに問いかける。それを聞いてズキューンは驚いたような反応を示した。

 

「あなた達がカッティンやザックリンみたいにスラッシューの事を切るつもりだったら、そこまで強く彼女には執着しないはず……何か理由があるって事?」

 

「……まぁそんな感じかな。……君達は知らないかもしれないけど、ダークイーネ様にとってスラッシュー様の存在は必要不可欠なんだよ」

 

「ダークイーネにとって必要……」

 

ジョギの話によるとスラッシューこと天城切音……Kotoneの存在はダークイーネにとって必要な存在。それを聞いてプリキュア達は困惑する。

 

「そのくらい理由が無いと僕だってわざわざ洗脳を何回もかけるなんてしないよ」

 

「何度も洗脳した……って事はスラッシューと会うたびに記憶がリセットされてるのは」

 

「そう、僕が毎回のように洗脳をかけ直してるからだよ。ホント、僕だって手間なんだ。だからできれば説得するの、止めてもらいたいんだよね?」

 

ジョギはかなりダルそうな様子でそう言う。彼も彼で洗脳が解けそうになる度に処置をしないといけない。少なくともダークイーネがそれを望んでいる限り、その繰り返しは終わらないのである。

 

「何でかはわからないけど、ダークイーネにとってもスラッシューは必要な存在……か」

 

「ふふっ、スラッシューに洗脳を何度も何度もかけてまで引き留めようとする理由……わかってくれたかな?」

 

ジョギが笑みを浮かべつつスラッシューがダークイーネにとって必要な存在だと説く事で納得してもらおうとした。

 

「……ああ、お前の言い分はよくわかった」

 

「へぇ、案外と聞き分けが……」

 

「そんなにもスラッシューを、Kotoneさんを闇に繋ぎ止めるというのなら……俺達が何としてでも絶対に助け出す!」

 

ソウルビートはそう言ってジョギへと宣戦布告。結局話し合いは交渉決裂という形で幕を下ろした。

 

「はぁ、やっぱこの程度で退くなら最初から退いてるよね……」

 

「ああ、残念だったな」

 

「それじゃあ、仕切り直しと行こうか。ダークランダー!」

 

「ダークランダー!」

 

するとジョギとの話の間、ずっと待たされていたダークランダーが声を上げると再度高速回転しながらプリキュア達へと向かって行った。

 

「これで止めます!キュンキュンレーザー!」

 

それに対してプリキュア側はキュンキュンがブローチをタッチしてキュンキュンレーザーを放つ。それによってダークランダーは狙い撃され、集中砲火を浴びた。

 

「ダーク……」

 

「ダークランダー、お前の真っ暗闇はそんなものか?」

 

キュンキュンレーザーと互角の勝負をしているダークランダーに対し、ジョギが更に力を出すように指示するとダークランダーの目がまた赤く発光。いきなり回転のスピードが上がるとキュンキュンレーザーを押し返し始めた。

 

「ッ、そんな!?」

 

「ダークランダー!」

 

「だったら私達がカバーすれば……」

 

「いいや、そうは行かないね。ダークランダー、このレーザーを利用しろ!」

 

「ダーク……ラン!」

 

その瞬間、ダークランダーが回転スピードを早めたためにレーザーは弾かれた衝撃で逆に周囲に分散していたプリキュアへと降り注ぐ。

 

「って、うわあっ!?」

 

「そんな、キュンキュンレーザーを……」

 

「これじゃあ近づけない……」

 

キュンキュン以外の五人はレーザーが降り注ぐせいでダークランダーへと近寄る事すらできず。どうする事もできない状況になってしまう。

 

「キュンキュン、レーザーは止められないの?」

 

「無理です……攻撃を止めたら……ダークランダーが……」

 

キュンキュンレーザーのせいでプリキュア側が近づけないという事態が起きているが、それならレーザーを止めれば全てが解決する……という事にはならない。

 

何しろ今はダークランダーの突進その物をキュンキュンレーザーが止めている現状。もしレーザーを止めてしまうと先程以上の高速回転をしてくるダークランダーが解き放たれてしまう。

 

「何か弱点は無いのかな……」

 

「そんな事言っても……」

 

プリキュア達はキュンキュンが抑えている間にダークランダーの弱点を探すがまるで見つからない。するとここでチームの頭脳であるソウルビートがダークランダーを観察しつつある事に気がついた。

 

「……あった、ダークランダーの弱点」

 

「本当!?」

 

「流石ソウルビートね!」

 

ソウルビートがまた弱点を発見をしてくれた事にプリキュア達は歓喜の声を上げる。そしてソウルビートはキュンキュンへと指示を出す。

 

「キュンキュン、今から10秒後にキュンキュンレーザーを解除してくれ。俺の策はレーザー有りだと巻き込まれて失敗するリスクがある」

 

「わかりました、10秒ですね!」

 

「ああ、行くぞ!」

 

ソウルビートは踏み込むとその場から走り出す。目指すはキュンキュンレーザーのすぐ真隣。つまりダークランダーの進行方向だ。

 

「わざわざレーザーの隣に並んだ……何をする気だ?」

 

「ここだな」

 

ソウルビートがキュンキュンレーザーの真隣に行くとそこからダークランダーへと一気に接近していく。当然それに合わせて自分の方へと反射されたレーザーも飛んでくるが、構う事なく突撃。

 

「よっ、ほっ!」

 

ソウルビートは反射と直感でレーザーを全て避けながら接近。一気にダークランダーとあと3mにまで近づく。

 

「3、2、1、解除します!」

 

だが、ダークランダーに近づき切るには時間が足りず。同時にキュンキュンレーザーが解除され、レーザーという圧が無くなったためにダークランダーが容赦無くソウルビートを潰そうと向かってきた。

 

するとソウルビートがソウルリンクライトのプリキュアリボンをタッチ。そして同時に発動されるのはソウルビートが普段滅多に使わない通常の個人技である。

 

「ソウルビートアトラクト!」

 

そして、その技を発動した瞬間にソウルビートから凄まじい量の銀のオーラが出現。ただでさえ強いソウルビートの能力が瞬間的に底上げされる。

 

「何だあのオーラ」

 

「そういや、お前ら相手には初披露だった……な!」

 

ジョギが初めて見るソウルビートの変化に対して困惑。その間にソウルビートはダークランダーの回転する上半身……では無く、軸となっている足元へと踏み込む。

 

「ンダ!?」

 

しかもそのスピードはダークランダー視点だと思わず消えたと錯覚する程の物であったためにダークランダーは反応すらできず。

 

「だあっ!」

 

ソウルビートはそのままダークランダーの脚へと強烈なボレーキックをぶつけるとダークランダーの視界が反転。キックの威力だけでダークランダーの体がひっくり返り、一瞬にして蹴られた脚が空の方を向いてしまう。

 

「ダーク!?」

 

ダークランダーはまさかの事態に何が起きているかすらわからず。困惑している間にソウルビートはダークランダーの体が反転した事で腕が下に出ていたのを利用。

 

「せーのっ!」

 

そのままダークランダーの腕を掴みつつ背負い投げ。これにより、ダークランダーは訳もわからないまま地面に叩きつけられる。

 

「ランダァアア!?」

 

「ソウルビートの切り札強っ……」

 

「やっぱり前の時はアマスさんが規格外過ぎたんですね……」

 

以前、アイアイ島にてアマスを相手にソウルビートアトラクトを初めて使用した際は相手が神様である事もあって肉薄する前に力尽きてしまった。

 

しかし、それはあくまで神様であるアマスを相手に使ったからである。普通のダークランダー相手になら普通に通用するどころか下手したら一人で無双できてしまう程の力を発揮できるのだ。

 

「くっ、まだだ……ダークランダー!」

 

「ダーク……ラン……」

 

「悪いけど、もうお前を起こさせるつもりは無い」

 

ソウルビートは倒れたダークランダーへと追撃するためにすかさずソウルリンクライトのダイヤルをまた操作する。

 

「キッスの力、ソウルビートショック!」

 

ソウルビートが放ったハート型のエネルギーはダークランダーに命中すると先程以上の火力で体に電撃が流された。

 

「ンダァアアッ!?」

 

「ソウルビート凄い!」

 

これにより、ダークランダーは完全にグロッキー状態になったのか立ち上がる事すらできなくなってしまう。また、同時にこれ以上はソウルビートアトラクトの使うまでも無いとソウルビートは技を解除。オーラも消え去る事になる。

 

「ンダァダ……」

 

「良し。皆、そろそろ決めるぞ」

 

「そうですね!」

 

「最後は全員でやろう!」

 

こうして、ダークランダーがソウルビートにやられたダメージで動けない間にプリキュアは一気に決めてしまうために全員での浄化技を発動して領域を展開。

 

♪決め歌 キミとシンガリボン♪

 

「「「「「「感じてYou and I キズナリボン〜♪」」」」」」

 

六人が歌を歌い始めるとイントロに入り、キラキライトを持ちながらステージの上で動く。

 

「「「「「「クライマックスは私達!」」」」」」

 

そして、掛け声と共にキラキライトは光と共にキラッキランリボンバトンへと変化。その後、プリキュアステージリボンを装填。同時にダークランダーは技の効果で席へと強制着席。そのままイントロが終わり、六人は歌を歌う。

 

「「「「「「重なる想いの強さを歌に乗せて〜♪届けるに来たよ Sing For You 照らしてみせる〜♪溢れる思いを残らず伝えるんだ〜♪どんなときでもYou and I 〜♪私とキミを結ぶキズナシンガリボン〜♪……プリキュア!キラッキランフォーユー!」」」」」」

 

六人が歌いながらキラッキランリボンバトンを回しつつパフォーマンスをしていき、歌が終わると同時に技を発動。六人のシンボルマークを合わせた強力な浄化の光を解放し、虹の光の奔流がダークランダーへとぶつけられた。フィニッシュは六人での決めポーズである。

 

「「キラッキラッタ〜」」

 

これによりダークランダーは無事に浄化されると囚われていた子供が助け出され、同時にキラルンリボンも生成。今回はアイドルがキラルンリボンを手にする事になる。

 

「やっぱり遊園地は……一人で来てもつまらないな。それと、ダークイーネ様が望む限りスラッシュー様の事を返すつもりは無いよ。プリキュア」

 

そしてハートガーデンが消える前にジョギはダークランダーが浄化されてしまったために撤退する事になる。

 

「終わったな。……だけど、スラッシューがダークイーネの指示で繋ぎ止められてるのか」

 

ソウルビートはスラッシューことKotoneを助け出そうにもダークイーネが直接関与しているとなると助けるのはかなり難航しそうだと考えた。

 

「それじゃあアイドル。カイトさんを待たせてるんですよね?」

 

「……ああっ!?そうだった!」

 

「アイドル、頑張って!」

 

「ファイトだよ〜!」

 

「あなたの想い、届くと良いわね」

 

同時にアイドル達は変身解除すると同時にハートガーデンが消滅。ただし、うた以外の五人はうたのデートを邪魔しないようにするためか……うたとは別の場所に出るのだった。




また次回もお楽しみに。
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