キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
アイドルプリキュアライブの裏側。ライブと同時進行で襲撃を仕掛けてきたジョギに対応するべく動くアイドルプリキュア。今はウインクのステージ中であり、ライブの方に向かっているウインク、キュンキュンを除く4人でジョギ及びダークランダーへと対応中だった。
「キュアキュンキュンと入れ替わりでキュアアイドルか。……どうやら本気で僕達を止める気だね。だけど、君達に勝ち目は無いよ?ライブと同時対応する以上……君達6人のキズナリボンってやつは使えない」
「それでもどうにかする。折角この会場に来てくれたキラッキランランズの皆にキラッキランランになって貰いたいから!」
ジョギの言う通り、ダークランダーとの戦闘がライブとの同時進行になる以上……6人での浄化技は封じられてしまっている。そうなるとアイドルプリキュアは最後の決め手を失っているのと同じだった。
「ま、君達がどれだけ頑張ったとしてもライブが潰される運命は変わらないけどね!」
「ダークランダー!」
するとダークランダーはジョギの言葉と共に声を上げると両腕を両サイドに広げる。その瞬間、空中に大量のペンライトが出現するとそれらがレーザービームを一斉に掃射。
「うわっ!?」
「また厄介な能力ね!」
プリキュア達はそれをしっかりと回避こそしたものの、ダークランダーは未だにそれを止めようとしない。それどころか再度斉射する構えを見せた。
「また来るよ!?」
「だったら……皆、俺の後ろに!」
「ふふっ、ソウルビートの所に固まるなんて……そこを狙ってくれって言ってるような物だよね!」
「ダークランダー!」
するとダークランダーは4人が一箇所に固まったという事でその場所に集中してレーザービームを放つ。
「いいや、これが狙いだ!ウインクの力、ソウルビートバリア!」
その瞬間、ソウルビートがウインクの能力でバリアを展開するとそのバリアによってレーザービームを受け止めると全て反射。巨大なエネルギーレーザーとしてダークランダーへと逆に命中させた。
「ンダァアアア!?」
ダークランダーはまさかレーザービームが纏めて跳ね返されるとは思っておらず、かなりのダメージを受ける事に。
「良し!」
『ソウルビート、もうウインクの曲が終わります!』
「っと、時間か……」
これから一気に勢いに……というタイミングでソウルビートは時間が来てしまう。ステージ付近のキュンキュンはそれを伝えるとすぐに出番のために連絡を終えて行ってしまった。
「皆、俺はそろそろ時間だから……」
「わかったわ。後は任せて」
「キラキラなステージをお願い!」
ソウルビートは3人に送り出される形で戦場から離脱、そしてそれを見たジョギは笑みを浮かべる。
「ソウルビートが離脱したか。これは僕達にとってはまたとないチャンスだね」
「ダークラン……ダー!」
すると先程まで反射ダメージで動けていなかったダークランダーが攻撃を仕掛けるべくビームサーベルを手に走ってくる。
「ッ……ソウルビートの分も私達が食い止める!」
「アイドル、お姉様。回り込んでください!」
「オッケー!」
ジョギはソウルビートがいないこの瞬間が一番勝てる可能性が高いと踏んでおり、そしてそれは自分達が危険な時間帯だとよくわかっている。そのためソウルビートの代わりにキッスがチーム頭脳を担う形となり、あくまで戦線を長時間維持できるような立ち回りを見せた。
「けど、そんな陣形で良いのかな?痛バ薙ぎ払いの餌食だよ!」
「ダーク!!」
ジョギはそれに合わせて痛バッグを使っての薙ぎ払いを指示。当然のようにダークランダーは痛バを手にしたまま高速回転を始めた。キッスも次はそれが来ると予想していたためにすかさず対応する。
「ええ、そこまでが狙い通りよ!チュッ、キッスショック!」
その瞬間、キッスがキッスショックを放つとダークランダーの痛バッグ攻撃の合間を縫う形でそれが命中。ダークランダーへと電撃が襲った。
「ダァアアア!?」
「はぁああっ!」
そこに駆け込む形で先程までステージにいたウインクが入ってくるとドロップキックをダークランダーへとぶつけた。
「ンダァア!?」
ダークランダーが更なる増援に驚いているとこの場にいるプリキュア4人が集まる。
「ウインク!」
「私のステージも終わったし、ここからは私も行くよ」
「よーし!このまま一気に……」
「ふっ、そう上手くはいかないかなぁ」
「ダーク!」
ジョギとしてはこんなに簡単にダークランダーに負けてもらっては困ると言わんばかりにそう告げるとダークランダーは彼の言葉に応えるように立ち上がった。
「ッ、立て直し早っ!?」
「今回タフ過ぎない!?」
「何しろ君達のライブに参加できなかった人の闇を利用したからね。強さは折り紙付きさ」
「そんな……」
「私達のライブに参加できなかった人……」
アイドルプリキュアはジョギからの言葉を聞いてその心に動揺が走る。そして、その一瞬の動揺こそがジョギの欲しかった一瞬の隙だった。
「ほら、隙だらけだって」
「ダーク……ランダーッ!!」
そのタイミングでダークランダーは手にしたレーザーサーベルによる斬撃波を連続して放つ。アイドルプリキュアはどうにか回避したものの、着弾の際の爆風が彼女達を吹き飛ばして叩きつけさせる。
「「「「うわぁあああっ!?」」」」
そして、4人がそれによって更に大きな隙を見せたのでダークランダーは続けて痛バッグに付いている缶バッジを全て分離すると空中に少しだけフワフワと浮かばせた。
「さぁダークランダー!さっきまでのお返しだよ!」
「ダーク……ラララララッ!」
今度は缶バッジをアイドルプリキュアの所に雨のように降らせるとそれらが爆発。プリキュアの4人はひとたまりもなくダメージを受けてしまう。
「「「「きゃああああっ!?」」」」
その煙が晴れると4人はそのまま倒れてしまい、消耗した様子だった。しかも、ライブとの同時並行のために彼女達の負担は更に大きく。既に疲労感が出始めてしまう。
「ううっ……まだ……だよ」
「へぇ?」
「私達の事を待ってくれてるキミ達がいる……。ダークランダーにされた人も、こんな事をしたくてやってるわけじゃない」
「だったらどうするって言うんだい?」
ジョギはアイドルプリキュアへと笑みを浮かべつつ話す。そして、それに対してアイドル達は答えを返した。
「私達が絶対に助ける!」
「結局いつもの綺麗事か。ま、それで勝てるなら苦労なんてしないけどね!ダークランダー。終わらせちゃって」
「ダーク……ラン!」
ダークランダーはジョギの言葉に合わせて再度先程使ってきたレーザービーム一斉掃射の構えを見せる。対してアイドルプリキュアだって黙ってやられるわけにはいかないと動こうとしていた。そんな時である。
「キュンキュンレーザー!」
「「「「ッ!?」」」」
そのタイミングでダークランダーが生成したレーザーを全て撃ち抜くかのように放出されたレーザー。そこにはライブで自分の持ち歌を終えたキュンキュンが立っていた。
「キュンキュン!」
「お待たせしてしまってすみません!私のステージも無事に終わりましたよ!」
ステージは今の時点でキュンキュンの物まで終了。今はソウルビートが歌っている。ソウルビートの次はプリキュアシンガーズの“いざ!アイドル”であるために無理に伝える必要は無いと判断したソウルビートが戦いに集中してもらうべく敢えて黙っていたのだ。
「次から次へとどんどん出てくるね。だけど、結果は何も変わらないよ」
ジョギもこの入れ替わり立ち替わりで対応してくるプリキュア達の動きに鬱陶しさを感じつつあった。
「ダークランダー!」
すると今度は手にしたビームサーベルを構えるとアイドルプリキュアへと直接攻撃を仕掛けるために走ってくる。
「だぁああっ!」
すると、さっきまでとは一転。アイドルが前に出るとレーザーサーベルへと対抗するように拳をぶつけた。
「ンダ!?」
「はぁあああっ!」
ダークランダーからの連続斬撃に対し、アイドルはそれに合わせる形で何度も拳を繰り出して対応。ダークランダーが思わず驚いたような反応を示すとそのタイミングでウインクキュンキュンが跳び上がる。
「「たぁあああっ!」」
「ダーク!?」
このタイミングでダークランダーの視界は上を向く。そしてそれはつまり、正面に対しての隙ができる事も意味していた。
「今だよ!」
「ええ!」
するとズキューン、キッスも飛び出して一気に接近。これによりダークランダーはアイドルとこの場にいないソウルビートを除く4人による同時攻撃を受ける事になってしまう。
「「「「はぁあああっ!」」」」
「ンダァアアアッ!?」
アイドルプリキュア4人による攻撃を受けたダークランダーがひっくり返ってしまうとアイドルが一気に勝負をかけるために声を上げる。
「皆、私達のライブをあの人に届けよう!」
「でも私達だけでどうにかなりますかね?」
「一回でダメなら届くまでやるだけだよ!」
「アイドルらしい意見だね!」
アイドルの提案。それはクラヤミンダー以上の耐久力を持つダークランダーを相手に自分達の合体技を連続でぶつけるという物だった。
つまり、アイドル達3人のハイエモーション。そしてズキューンキッスのズキューンキッスディスティニー。その二つを連続でぶつける事で闇に囚われた人へと自分達の歌を届ける算段だ。
「ふふっ、確かにそれなら幾らダークランダーと言えども負けちゃうかもね。……だけどさ、現実はそう簡単には運ばないよ?」
「えっ……」
そんな時だった。ダークランダーが先程以上に凄まじい闇をオーラを放つと起き上がってしまう。
「嘘!?なんで……」
「あははっ、君達が思う以上にそいつの闇が深いってだけだよ」
「そんな……」
「このままじゃ、技を使ってもきっと……」
ダークランダーの想像以上の固さに5人は迷ってしまう。今のままライブ技を使っても通じないのでは無いのか……と。そしてそれはアイドルプリキュアに隙を作る事になってしまう。
「ダーク……ラァアアン!!」
「「「「「ッ!?」」」」」
ダークランダーが目を赤く発光させると再度痛バッグからの缶バッジ爆弾攻撃を放った。
「「「「「うわぁあああっ!?」」」」」
プリキュア達はこの爆撃攻撃に再度被弾してしまうと倒れ込む。これで完全に攻守が逆転してしまうとジョギが話しかける。
「あのさぁ、良い加減諦めたらどう?ソウルビートがいない以上、このダークランダーには勝てないんだって」
「ッ……」
それを聞いてアイドル以外の4人の中に不安な気持ちが浮かんでしまう。ソウルビート無しの自分達ではこの困難に勝てないのではないのか……と。しかし、アイドルは違った。
「勝てるよ……。私はどんな時でも目の前のキミ達をキラッキランランにしてきたんだから……。だからこんな所で……諦めたくない!」
アイドルはまだ諦めていなかったのだ。そして、同時に5人のインカムやマイクからソウルビートの声が響く。
『今俺の曲が終わった。今からすぐに向かう。……けど、曲順的に次は3人抜ける。ズキューン、キッス。できる限り早く着けるようにするから頑張って耐えてくれ!!』
「「「「「ソウルビート!」」」」」
もう少しでソウルビートが戻ってくる。その言葉が聞こえてきただけで彼女達の中にまた少しずつ希望の炎が燃え始めていた。そして、彼の声が聞こえるまでチームのリーダーとして。精神的支柱として4人を支えたアイドルの頑張りの意味が大きくなった。
「あらら、もう戻ってきちゃうのか。じゃあ戻ってくる前に致命傷を与えるしか無さそうかな」
「ダーク……ラン……」
するとダークランダーはジョギの言葉を受けてレーザーサーベルの刀身を黒く光らせると強力な突きを放つべく構える。それに対してすかさずズキューンが立ち上がるとアイカラーを塗って技を放つ。
「ズキューンバズーカー!」
「ダーッ!!」
二つの技が激突して押し合いが発生するとズキューンがアイドル達へと声を上げた。
「ありがとうアイドル!」
「えっ?」
「アイドルが頑張るって言ってくれなかったらきっと私達は折れてた。でも、アイドルの一言があったから……私達はまだ頑張れるって思えたんだよ!だから……絶対にキラキラに輝くライブ。最後まで皆に届けよう!」
「ズキューン……うん!」
アイドルはその言葉に頷くとウインク達3人も完全に息を吹き返しており、アイドルと共に立ち上がる。
「アイドルとズキューンの言う通り、私達の事を待ってくれる皆がいる」
「はい!それに、ソウルビートも私達のために声をかけてくれました!こんな所で終われませんね!」
「そうね。だからこそ、ここは私とお姉様で何とかします!」
キッスはそう言うとズキューンバズーカーが押されかけてしまっているズキューンを後ろから支えるように手を置くと2人分の力でダークランダーの突きを押し返した。
「「はぁあああっ!」」
「ダーク!?」
「ズキューン、キッス……。2人共、ここはお願いね!」
アイドルはそろそろ待機時間が差し迫っているため、2人にこの場所を頼む形でウインク、キュンキュンと共にハートガーデンを離脱。ズキューンとキッスが3人を見届けると目の前に立ちはだかるダークランダーと対峙した。
「ちぇっ。4人も離脱を許しちゃったか。ただ……今の時間は君達2人だけ。しかもその感じだともうかなり疲れてるんじゃない?そんな状況でライブなんて出れるの?」
ジョギがそう言って残された2人を見ると2人は戦闘開始からずっと戦い続けている影響でそれなりに消耗しており、更にここからソウルビートが来るまで繋がないといけないという大役を任されている。
それだけで2人にはかなりの負担だと言えるだろう。だが、それでも2人に諦めるなんて選択肢は無い。
「それでも私達にやれる事をやるわ」
「ようやく開催できるようになった私達のライブだもん!両方共最後までやり切るよ!」
こうしてズキューンとキッスはソウルビートが来るまでの間、2人だけでジョギの指揮するダークランダーを相手に戦う覚悟を決めるのだった。
また次回もお楽しみに。