キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
影人達がハロウィンに向けて準備を進める中、とうとうそのハロウィンの当日となる。
この日のグリッターにははもりやそのクラスメイトの小学生達と思われる5人が仮装をしつつ、お菓子を入れるための籠を持って訪れた。
ちなみに今年のはもりは赤ずきんの仮装をしており、同じく魔法使いの仮装をしたきゅーたろうを連れている。恐らく、きゅーたろうにも仮装をしてほしいといううたやはもり。更にその両親が彼にも着せたのだろう。
「せーのっ!」
「「「「「トリック・オア・トリート!!」」」」」
「ワン!」
小学生5人組が早速ハロウィンの合言葉をグリッターの扉を開けて言う。するとそれを待っていたと言わんばかりに早速グリッターで働いていた田中と姫野が出迎えた。
勿論2人も仮装しており、田中は狼男。姫野は猫又と思われる猫の仮装だったが、明らかにモチーフはゲゲゲの○太郎の猫○なのは間違いないだろう。
「いらっしゃいませ」
「よく来てくれましたね」
「「それでは、お菓子をどうぞ」」
それはさておき、2人が子供達のためにお菓子を出すと彼女達は大喜びでお菓子を受け取る。
「やったぁ!占いグミだ!」
「イェーイ!」
「次行こうぜ!」
占いグミと言うのは以前、メロロンが初めてこの街に来た時に最初に貰ったお菓子である。また、プリルンが記憶喪失になった時もこのグミの出番があった。
「じゃあね、田中さん!姫野さん!」
そして、子供達はお菓子を貰ったために次の場所へとお菓子を貰いに行く。それを見送る形で田中、姫野の2人は手を振りつつ子供達を見送る。ただ、はもりが連れていたきゅーたろうは田中と姫野が預かる形でその場に残る事に。
「「ハッピーハロウィン」」
「ワン!」
そして、そんなはもり達を見送った中で姫野は幸せ気分に浸っていた。何しろ、普段は見られない田中の仮装姿を見ているのである。正直な所、今すぐにでも褒めちぎりたいが……それをやるとキャラ崩壊しかねないのでどうにか留めている状態だった。
「(うぅ、田中さんの狼男の仮装……良い……。眼鏡をしてて真面目な田中さんが満月の日にだけ荒々しい気性を曝け出すという狼男を選択するなんて……ああ、これがギャップ萌えってやつですね!?)」
「姫野さん?どうされました?」
すると、田中の仮装姿に興奮して顔が緩みまくってたのか……その姿を田中に咎められてしまう。そのため姫野は慌てていつものように取り繕った。
「へ?あっ、す、すみません!!ちょっと気持ちが緩んでしまって……」
姫野はどうにかいつも通りの顔つきに戻すものの、やはりこんな時になっても仕事モードな田中へとモヤモヤとして気持ちを募らせてしまう。
「(もう……折角楽しめるイベントのハロウィンのはずなのに田中さんは……。やっぱり私と一緒だと仕事人としての顔ばかりで……)」
それから姫野はグリッターでのバイトをしつつ上手いこと田中を連れ出してハロウィンを楽しむ機会を伺うのだった。
その頃、咲良家のうたの部屋ではハロウィンだと言う事で丁度プリルンとメロロンが人間態になる所である。
「メロロン、行くプリ!」
「メロ!」
2人がキラキライトを出すとそれがキラッキランリボンバトンへと変化。早速チョーカーや髪留めから外した自らのリボンを装填する。
「プリ!」
「メロ!」
その後、バトンを振る事で人間態であるぷりん、めろんへ変身。勿論わざわざ人間態になったのには理由がある。
「お姉様、お着替えを」
「うん!」
2人が人間態になった理由。それはハロウィンの仮装をする事であった。そして、その仮装を作ったこころもこの日までにしっかりと仕上げたために準備万端だ。
「準備できてるよ〜!!」
こころは2人へと笑顔でそう言うと2人の分の仮装を差し出す。ちなみにこころ自身は紫色を基調とした魔女の仮装をしていた。
「そういえばレイ君のその衣装は……」
「ああ。これはとあるサッカー漫画のキャラでな。青い監獄の中で世界一のストライカーを目指して日々死闘を繰り広げている1人のストライカー。で、その中でもサッカーを始めたばかりなのにボールトラップが得意な天才……その名も○誠士ろ……」
「ストーップ!レイお前それ以上言ったらアウトだからな?というか、改めてだけど何でそんな物をオーダーしてるんだよ!!」
レイが着ている服というのは青を基調とした体のラインピッタリとも言えるトレーニングスーツにその上から黒いビブスを着用。そして番号は11番と描かれていた。何ならキャラに合わせた白い髪のカツラもある。
「別に良いじゃねーか。あの天才トラッパーっぽくてカッコ良いだろ?……というか、これを作ったのはお前らだろ」
「いや、まぁそうだけれど……でも今それなのか!?もっと他の仮装は無かったのか!?」
「うーん。まぁ、タイミング的には俺も今これ?って思うよ?もう負けて退場しちゃったキャラだし。だけどなんか親近感感じるから俺は気に入ってるぜ」
元々レイの仮装は実家が声優の事務所であるために毎年毎年アニメキャラの仮装をしている。そのため、今年の仮装の枠としてこれがあてがわれたのだろう。*1
「出たよ、うちの作者お得意の中の人ネタってやつか」
「カゲ先輩、メタ発言はそのくらいに……」
それはさておき、改めてぷりんとめろんは着替えをする必要があるのだが、当然この場には男である影人やレイがいる。そのため早速彼らはそれを見ないように彼女達の手で目隠しをされた。
「あ、それとですけど2人のお着替え中は……」
「そうだね。男子2人は目隠ししないと」
「わざわざすまない」
「こうしないと色々問題だからな」
男である影人とレイは女の子の裸を見ないように目隠しをされるとその間にぷりんとめろんは着替えていく。当然ながら、何かの間違いで見てしまった場合……彼女達が何をしでかすかわからないために影人達は絶対に見ないように心がけていた。
「「着替え完了!」」
そうこうしている間に2人は着替えを終えると影人とレイの目を覆っていた彼女2人の手がようやく離れる。
そして、2人が目の前にいるぷりんやめろんの姿を見るとそこにはしっかりとハロウィンのコスプレをした美少女がいた。
「プリルンは天使、メロロンは悪魔の衣装だよ!」
「なるほど、2人はシンメトリーだしそういう決め方か」
「後はメンバーカラーも色合い的に似てるしな」
「お姉様素敵!お姉様最高!お姉様プリティーですぅうっ……!!」
影人とレイが2人の仮装のチョイスについて話しているとめろんの方はぷりんのトイカメラで天使の仮装をしたぷりんを連写。いつものぷりんLOVEな一面を見せていた。
「そういえばカゲ先輩にレイ先輩。流石に今回は見惚れませんでしたね」
「まぁ、2人の服装は俺も知ってたしな」
「それに、俺達が2人に目移りなんてしてたらヤバいだろ」
影人の方は仮装の制作を手伝ったというのもあって2人が服を着た際のイメージを最初から持っていたというわけで……前のように最初から2人の姿を凝視なんて事にはならず。
「(まぁ正直、俺達が変にプリルン、メロロンに気がある所なんて見せたらななやこころがどういう反応を示すか……もうとっくにわかりきってる話だしな)」
また、その際に変に2人をジロジロ見ていたらななとこころがどういう反応をするかわかったものではない。何なら一回どうなるかを見てしまっているので影人、レイの彼氏組は同じミスはやらかすまいと2人をジロジロ見ないように我慢したのである。
「ふふっ、メロロンも素敵だよ」
「ズッキューン……」
そんな中、めろんの方は自分の仮装をぷりんに褒められて嬉しさが限界突破。目がハートになると心臓をズキューンと射抜かれてしまう。
「おーいメロロン大丈夫かー?」
「影人、あなたも早く仮装して!写真に収めたいわ!」
めろんはぷりんだけで無く影人にも仮装してほしいとの事で。しかし、影人は仮装をコンテストの時と決めているので今の時点でめろんの頼みに応える事はできなかった。
「待て待て、まだ俺は仮装しないって」
「えーっ、影人も仮装するって言ってたよね?」
「俺はコンテストの時に披露するから。それで良いだろ?」
「わかりました。その時は撮らせてくださいね?」
「ああ」
影人に衣装をお預けにされて少し寂しそうなめろんだったが、ちゃんと後で撮らせてもらう約束をしたので今回は引き下がる事に。
「それにしてもプリルンもメロロンも可愛い衣装だね!」
「2人共素敵……」
そして、めろんが限界オタクのような反応を示しているとうたやななが2人の姿を褒める。ただ、実はこの2人のために用意した仮装はこれだけでは無い。
「でもこれは仮の姿」
「コンテストの仮装はまだ秘密だよ」
「秘密?」
「どういう事だ?」
そして、仮装の仕掛けを知らないうた達が疑問符を浮かべていると仮装制作係をしているこころが補足する。
「えっと、実はとっておきがありまして!」
「コンテストはインパクトが大事だから!」
「うんうん!」
「その姿でもインパクトは十分な気がするけど……まだこれ以上があるのか」
仮装コンテストでの評価基準ら面白さだけで無くインパクトという項目もある。そのため、ありふれたお題の天使と悪魔の仮装とは別でもう一着ずつ真打ちがあるとの事だ。
「凄い、ちゃんと作戦立ててるんだ……」
「まぁ、そのせいで制作するのがこころ1人だと多分間に合わなかったけどな?」
「あはは、すみません……。それは正直そう思ってます……」
こころは前々から言及している通り、当初は1人で仮装を作る時つもりだった。しかし、結果的には放課後の時間を紫雨家での衣装制作の方に全力で当てた上で尚且つ影人と夢乃が手伝って昨日の夜ギリギリに完成。
どうにかハロウィンイベントの当日に間に合わせたのである。尚、厳密にはハロウィンは前日であるためにハロウィン自体には間に合ってないのだが……それはもう言うだけ野暮というやつだろう。
「うたとななは?」
「ふふっ。私達もコンテストまで内緒!」
「うん!」
それはさておき、未だに仮装をしていないうたやななを見たぷりんは2人の仮装が気になったようで質問する。ただ、この2人も本命の仮装は本番までは内緒のようであった。
「わぁ……楽しみ〜ッ!!」
「どんな格好で来ようとも、仮装コンテストはお姉様が絶対優勝!」
「いや、そこは2人でじゃないんだな……」
気合いが入っているうたやななに対してめろんは負けないという意思を示すと勿論うた達もやる気を更にあげるわけで。
「よーし!!受けて立ーつ!」
「立ーつ!」
ちなみに、影人や夢乃もコンテスト自体には出るようで。その時にお披露目するべくまだ仮装はしていない。
3人は早速コンテストに向けて気持ちを上げていく事になる。その一方で、先程からずっと部屋の中にいたのに一言も発さず空気化していた夢乃の方に影人が話しかけた。
「夢乃、折角のハロウィンなんだしお前も学校の友達とかと楽しんできなよ」
「うん……」
しかし、やはり浮かない顔をする夢乃。そのため影人は改めて夢乃へと話しかけた。
「夢乃、別に色々悩むのは良いんだけどさ。そんな風に楽しい時にあからさまに悩んでる顔を見せるのはやめてほしいかな」
「ッ……で、でも……」
「今日くらいそういう悩みを忘れて楽しんできなよ。折角こころと一緒に仮装も作ったんだしさ」
影人にそう言われた夢乃は少しだけ迷ったような顔を見せたものの、影人の言っている事が正しいという答えにまで至ると小さく頷く。
「あの!」
すると夢乃はうた達へと声をかけると少し言いづらかったが、自分もハロウィンを楽しみたい気持ちは同じだったために気持ちを伝えた。
「私も……はもりちゃんや学校の友達の所に行っても良いですか……?」
「勿論だよ!」
「むしろ、夢乃ちゃんを私達がずっと連れ回して楽しめるのかなと思ってた所ですし!」
「うん、夢乃にもお友達がいるんだから楽しんできて!」
夢乃の頼みにうた達は快くそれを受け入れる。それを聞いて夢乃は先輩達のありがたい言葉に頭を下げると感謝した。
「ありがとうございます!……それじゃあ、また仮装コンテストの時にお願いします!」
そう言って夢乃は咲良家から飛び出すと自分の学校での友達の元に向かう事になる。そして、そんな夢乃を見届けた所でこころがふとある事を提案した。
「そうだ、コンテストまで時間があるので……トリック・オア・トリートしに行きますか?」
「うっ……そうだね……」
こころが言い出したのはそろそろ外に出て街中での活動をする事である。ただ、それを聞いたうたは凍りついてしまう。街に出るという事はハロウィンの飾り付けを直接見る事になってしまうからだ。勿論中にはジャック・オ・ランタンもあるだろう。
「どこ行く?どこ行く?」
「えっ……」
「うたちゃん、行けそう?」
そして、その話になってお菓子が貰えると興奮気味なテンションのぷりん。一方でうたはジャック・オ・ランタンがある事からまだ気乗りしておらず。そんな彼女をななが心配して優しく話しかけた。
「う、うん。よーし!」
ただ、ななと一緒なら大丈夫という事をこの前示したばかり。それにいつまでも家にいたのでは弱点克服などできないという事でうたは覚悟を決めて家から出る事にした。
「こうなったら楽しむしか無い!行っくよー!!」
「ちょっ、咲良さん!?」
うたが勢いに任せれば行けると言わんばかりにすかさず家から1人で飛び出すと街中に出ようとする。
「トリック・オア・トリー……」
しかし、改めてだが今日はハロウィンイベント当日……厳密には土曜日なのでハロウィンの一日後であるが街中にはその影響でハロウィンの飾り付けがあちこちにされていた。当然その中にはうたの大の苦手とするジャック・オ・ランタンも至る所にあるわけで。
「うぎゃあああっ!?やっぱダメーッ!?」
「だろうなぁ……」
うたは家から出て早々に目の前に入ったジャック・オ・ランタンに早速叫び声を上げてしまうのだった。そして、1人飛び出しては半ば自爆するような状況を作ったうたへと影人は呆れてしまう事になる。
また次回もお楽しみに。