キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
アイドルプリキュアの前に出現したダークランダー。まずはキッスの力でハートガーデンの中に移動すると早速チョッキリーヌがプリキュアを認識する。
「ダークランダー!」
「ふん、来たね。アイドルプリキュア!」
「ッ……」
プリキュアとダークランダーが睨み合う中、アイドルはどうにか苦手なジャック・オ・ランタンと向き合おうとする。
「ダーク……」
「うぅ……」
「ダーク」
「ッ……ジャック・オ・ランタン……やっぱりダメかも!?」
やはりアイドルはジャック・オ・ランタンを相手にするのは難しいらしく……どうしても無理そうな感じであった。
「ダーク……ランダー!」
「なっ、何アレ!?」
するとダークランダーが跳び上がるとその口から大量のジャック・オ・ランタン型の弾丸を射出。それがプリキュア達へと雨のように降り注ぐ。勿論アイドルはジャック・オ・ランタン型の弾丸なんて見れば恐怖が勝ってしまうわけで。
「嫌あっ!?」
「いっ!?」
アイドルはまさかの敵を目の前にして顔を覆ってしまうというやらかしをしてしまった。
「ったく!」
ソウルビートはすかさずアイドルを抱える形で後ろに跳ぶと他の4人も同じように後ろに跳んで回避。ただ、やはりアイドルはジャック・オ・ランタンを見るだけで拒絶反応が出てしまう程に苦手だった。
「アイドル、大丈夫か……ってそんなわけないか」
ソウルビートは未だにジャック・オ・ランタンへの恐怖が抜けていないアイドルを見る中、ウインクが声をかける。
「アイドル、落ち着い……」
「嫌ぁああっ!」
しかし、アイドルはとうとう我慢できなくなってその場から逃げ出してしまう。
「くっ……やはり今回のダークランダーをアイドルにやらせるのは難しいか……」
「だけど、よりにもよってアイドルの苦手な物をダークランダーにするなんて」
こうなるともうアイドルが戦うのは難しい。他の5人がどうにかカバーするしか無さそうだった。
「アイドル、どこに……ッ!?」
「ダークランダー!」
キュンキュンはアイドルを気にするが、今はそれよりも目の前のダークランダーを気にしなければならない。何しろダークランダーの攻撃力は侮っていられる程弱い物じゃないのだから。
「無理無理無理!ジャック・オ・ランタンは無理!!」
アイドルはお手上げとばかりに両腕を上げながら猛ダッシュで逃げ回る。このままでは戦いにすらならない。そして、ダークランダーはそんなアイドルを見ると他の5人への攻撃は継続しつつアイドルの方への攻撃量を増やす。
「ダークランダー!」
「うわぁあああああっ!?ッ、ああっ!?」
アイドルは逃げ回る内に足をもつれさせて尻もちをついてしまう。そこにダークランダーがすかさずジャック・オ・ランタンの弾丸を放った。
「ンダァアアッ!」
「こうなったら!」
アイドルはこのままでは攻撃を避けられない。すると、ダークランダーとまともに戦えないアイドルを助けるべくソウルビートがすかさずカバーに入るとダイヤルを合わせた。
「キュンキュンの力、ソウルビートレーザー!」
ソウルビートがレーザーを放つとそれらがジャック・オ・ランタンの弾丸を全て撃墜。消滅させる。
「キッス!」
「わかったわ」
ソウルビートの言葉にキッスが頷くとすかさず手に化粧コンパクトを取り出しつつそこにあるリップを塗って技を使う。
「チュッ、キッスショック!」
「ンダァアアッ!?」
ダークランダーはその攻撃が命中すると電撃でダメージを負う。そこにすかさずズキューンが合わせる形でアイカラーを塗り、同じく技を発動させる。
「ズキューンバズーカー!」
「ダーク……ラン!!」
だが、ズキューンバズーカーの方はダークランダーに命中したものの……ダークランダーを完全に吹き飛ばす事はできず。逆にズキューンバズーカーを打ち破ってしまう。
「ッ、マジか。アレに耐えてきた」
それでも流石にキッスショック込みのためノーダメージとは行かず。ダークランダーの動きは鈍っていた。ひとまずその間にアイドルのフォローをするべくズキューンとキッスはアイドルの元に駆け寄る。
「アイドル!」
「アイドル、大丈夫?」
「ッ、大丈夫……でも……」
アイドルはやはりやりづらそうな顔つきを見せる。苦手なジャック・オ・ランタンに攻撃されるのがかなり精神的に効いているらしい。対してダークランダーの方もこの間にキッスショックのダメージと痺れを完全に吹き飛ばしてしまう。
「ダークランダー、アンタはジョギみたいに腑抜けてないみたいだね。それで良いわ」
「ダークランダー!」
「来るぞ!」
するとダークランダーは足を曲げて深く沈み込むと一気に跳び上がる。そのままアイドルの真上に来るように跳んだ。
「ダークラン……ンダ!ダーク!!」
そして、ダークランダーは特徴的なジャック・オ・ランタンとしての大口をパカリと開けるとアイドルプリキュアへと噛み付くべく突っ込んできた。
「ウインクバリア!」
「ンダ?」
突撃してきたダークランダーに対してウインクバリアで迎え撃つウインク。だが、流石にダークランダーのパワーを前にしてはどうしても押されてしまう。
「クラァ……」
「くううっ……」
このままでは押し切られると判断したソウルビートがフォローしようとするが、そのタイミングで何かに気がつく。
「ッ……ウインク」
それは、ウインクから感じられる気迫がいつも以上に強かった事だ。そしてそのおかげなのか、ウインクバリアの強度が上がっているのが感じられる。
「クラァ……」
「はぁあああっ!」
「クラァァアアッ!?」
そのままウインクはダークランダーを押し返す事に成功。ウインクバリアごと押し返される形でダークランダーは吹き飛ばされるとそこにキュンキュンも合流した。
「アイドル、嫌なのはわかりますけど相手はダークランダーです!よく見てください!」
「そんなの無理……怖くて見れないよ!」
「ダーク!ダダダダ!」
アイドルはキュンキュンに促されてもどうしても無理なようで。また顔を手で覆ってしまう。するとその間にダークランダーは先程の吹き飛ばされから復帰。プリキュアに攻撃を仕掛けるために拳を構えて走ってくる。
「くっ……これ以上近づかないでください!キュンキュンレーザー!」
「ダーク!ダーク!」
キュンキュンがダークランダーの接近を止めるためにキュンキュンレーザーを放つとダークランダーはその攻撃をジグザグに走る事で避けながら接近。それを見たソウルビートが飛び出すとダークランダーの拳に対して蹴りを繰り出す。
「だぁああっ!」
「ダーク!」
二つの攻撃がぶつかると押し合い、そのパワーは互角だったのか双方後ろに押し戻される形だった。
「ッ、肉弾戦しても普通に強いな……」
「でしたら、私達の手数で勝負するわ」
「うん!一気に行くよ!」
こうしてソウルビート、キュンキュン、ズキューン、キッスの4人がダークランダーに対応。その時、1人ジャック・オ・ランタンが苦手という事で戦いに参加できないアイドルの元にウインクが話しかける。
「アイドル、動ける?」
「……ごめん、ウインク。私、皆の足を引っ張って……」
アイドルが申し訳なさそうにするとウインクはニッコリと笑顔を見せつつ首を横に振り、アイドルを安心させるように話しかける。
「全然そんな事無い。……私もここに、一緒にいるよ」
ウインクがそう言ってアイドルに手を重ねた。それを受けてアイドルは驚いたような顔を見せる。
「えっ……」
「怖くても大丈夫。今度は、私が勇気をあげる番。アイドルは目を瞑ってて。私が合図するから」
ウインクはかつて、プリキュアになる前に自分がブローチを手にした際にうたに励まされた。あの時、アイドルに励まされて無ければきっと自分はプリキュアになれなかったと考えている。
そして、ウインクはアイドルを引っ張る形で立たせると前に自分を励ましてくれたあの時のお返しとばかりに今度はウインクがアイドルを支えようと決意。今回の提案をしたのだ。
「えっ!?」
「大丈夫、アイドルならできるよ!」
「うん!」
ウインクはアイドルに向かって片目を閉じつつウインクをするとアイドルはそれを受けて胸に勇気が湧き上がり、彼女の提案を信じる事に。
「「「「はぁあああっ!」」」」
そのタイミングでソウルビート達4人は跳び上がると同時キックを浴びせる。ただし、それはダークランダーに腕で防御されてしまう。
「クラ!?」
「まだだ!せーのっ!」
しかし、プリキュア側としても今のはあくまで決まればラッキー程度の攻撃。ダークランダーの腕を使わせるのが目的だった。そして、狙い通り両腕で防御したダークランダーは腕を痺れさせてしまう。
「「「「はあっ!!」」」」
「クラァ!?」
そこに本命の4人同時キックが直撃。ダークランダーは堪らず吹き飛ばされると後ろに押し戻される。
「ダークラァア!!」
ダークランダーはこれに対してやられっぱなしにはならないとばかりに口からジャック・オ・ランタン型の弾丸を放って対抗。4人はそれをジャンプで回避する。
「ダークランダー、今はそいつらを無視しな!狙いは……キュアアイドルだよ!」
「クラァ!」
ダークランダーはチョッキリーヌからの指示を受け、4人のプリキュアがジャック・オ・ランタンの弾丸が起こした煙に気を取られている時間を使ってキュアアイドルを狙いに行く。
「ッ!?マジか!」
「ダークランダーが!」
「アイドル!ウインク!」
ソウルビート達も自分達を無視してダークランダーがアイドル達の方に行った事を伝える。それを受けてアイドルは慌てて目を閉じた。
「うわぁああっ!?ううっ……」
「大丈夫!」
アイドルがジャック・オ・ランタンへの恐怖心で肩に力が入ってしまうとそんなアイドルを励ますようにウインクがアイドルの手を握りつつ安心させるように話す。そのタイミングでダークランダーがアイドルへと攻撃をするために跳び上がった。
「今!ジャンプして正面!」
「うん!」
ウインクはダークランダーが絶対に回避できないタイミングを狙って握っていた手を離すと同時にアイドルがジャンプ。ブローチをタッチすると技を発動させた。
勿論目は閉じたままである。ダークランダーはいきなり出てきたアイドルに少し驚いたものの、構わず拳を繰り出してきた。
「ダークラン!」
「アイドルグータッチ!」
「ンダァアア!?」
しかし、アイドルは相手が見えないからか……それとも先程までやられた鬱憤を晴らすためか……無意識のうちに普段以上の全力を出すと拳をぶつけられたダークランダーはあっさり押し負けて吹き飛ばされる。
「ダク!?」
「えっ……」
ダークランダーがアイドルに負けて背中から叩きつけられるとアイドルはようやく目を開けてそれを確認。自分の力でジャック・オ・ランタンを吹き飛ばしたアイドルは嬉しそうな顔になる。
「やったぁ!私、ジャック・オ・ランタンなんて怖くない……!お化けなんて怖くない!!」
「やりましたね!」
「お化け嫌い、治ったんだ!」
「ちゃんと克服できて良かったわ」
アイドルがお化けを克服した喜びを感じ、キュンキュン達3人も喜ぶ中でソウルビートがこの力業による克服がどこか腑に落ちない様子だった。
「おいおい、そんなノリと勢いで解決できたのか……?まぁ解決したんだからこれ以上は言わないけどさ……」
恐らくだが、アイドルの心理として自分に恐怖を与えてきた相手を自分の力……アイドルグータッチでぶっ飛ばした事が自分の力で恐ろしい存在に勝てるという気持ちに繋がり、今回の克服に至ったのだろう。
「アイドル……!行ける?」
「うん!」
そして、もうこうなってしまえばアイドルは止まらない。ダークランダーを一気に倒すべく胸に手を当てるとアイアイ島にいるテラへと話しかけるように声を上げた。
「テラちゃん、今回も行くよ!」
アイドルがそう言うとその気持ちに応えるかのように彼女の前にプリキュアアイドルハートリボンが生成。アイドルはリボンを手にして力を解放させた。
「アイドルハートリボンスタイル!」
その力に包まれたアイドルは真っ赤なキュアアイドルことアイドルハートリボンスタイルへと変身。
「ッ、何だい!?あの姿……」
チョッキリーヌがキュアアイドルのまさかの変化に困惑。どうやら、またいつもの如くジョギがチョッキリーヌには大事な事を伝達していなかったらしい。そのため、チョッキリーヌは初見の変化に対応が遅れるとアイドルがその隙を使ってすかさずライブ技を発動。領域を展開した。
「クライマックスは私!盛り上がって行くよー!」
アイドルはライブ空間内で耳にインカムを生成。それと同時にダークランダーは技の力によって問答無用で椅子に強制着席させられる。そのままイントロが終わり歌が始まった。
♪決め歌 笑顔のユニゾン Only you ver.♪
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!(ゼッタイ!)アイドル!(アイドル!)ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな〜サンキュー♪最高のステージで〜キミと歌を咲かそう♪……プリキュア!アイドルスマイリング・エコー!」
アイドルは真上に真っ赤なハートのエネルギーを生成。そのままダークランダーへとぶつけられるとその体が一気に浄化されていく。
「「キラッキラッタ〜」」
同時にダークランダーは浄化の際のお決まりの台詞を口にし、素体となった男性を救出。その後生成されたキラルンリボンをアイドルが手にするとハートガーデンが解除されるのだった。
また次回もお楽しみに。