キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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今回からうたミルの話と再度交わる回となります。

うたミル側の時系列はアニメ9話で描かれた手鞠沢高校の学園祭の回がそれに当たりますのでよろしくお願いします。

それではどうぞ!


手鞠沢高校に向けた影人達のお出かけ

はなみちタウンでのハロウィンイベントから二日が経過した。今日は11月3日の祝日である。

 

そのハロウィンイベントだが、実際のハロウィンから一日遅れで行われたイベントだったものの……仮装コンテストも含めて大盛り上がりだったという事でイベント自体は大成功と言えるだろう。そして、この日は待ちに待ったあの日である。

 

「おはようございます!先輩方!」

 

「おはよう、こころちゃん」

 

「時間もバッチリ。流石はこころだな」

 

「おはようございます!」

 

今現在、影人達ははなみちタウンにある駅に来ていた。理由は当然影人達でお出かけをするためだ。メンバーは影人、うた、なな、こころ、プリルン、メロロン、レイ、夢乃の8人。

 

「良し、こころも来たしこれで後は……」

 

「咲良さんだけだな。……まぁ、アイツが最後なのはもう予想通りだけど」

 

こころの到着でこの場にいないのはうたと彼女の家に一緒に住んでいるプリルン、メロロンの3人だけとなる。やはりこういう待ち合わせ系の約束をすると集合場所に一番最後に来るのがうたなのは何となく想像通りだった。

 

「でも今回は宿題忘れとかは無いんだよね?」

 

「ああ、何しろ昨日そういうのはしっかり確認取って全部片付けたからな」

 

「あはは……そういえばそうだったよね……」

 

実はこの前日。日曜日だったのを利用して今回のお出かけの障害になりそうな宿題等のやるべき事はしっかりと全て片付けてきている。

 

何しろ前には玲音からの折角のお誘いをうたとプリメロコンビは宿題忘れというしょうもない理由でキャンセルせざるを得ない状況に追い込まれている。そのため、今回は同じ轍を踏まないように前日の時点で絶対に終わらせないといけない宿題等を終わらせておいたのだ。

 

尚、この時姫野にもスパルタ教師役手伝って貰ったのだが……それはさておくとして。そういう事情もあって今回のお出かけでは宿題忘れ等のしょうもない理由での休みの可能性は消えた。後は集合時間に全員が揃うだけ……なのだが。

 

「ホント、咲良さんのマイペースというか朝に対する耐性の無さには困った物だよ……」

 

「まぁまぁ、まだ集合時間まであと10分ありますし慌てなくても……」

 

「いーや、あと5分は来ないな。この調子だと」

 

「目的の電車が来るまであと20分くらいあるとはいえ集合時間を過ぎるとちょっと厳しいんだよな……」

 

この日の影人達のお出かけは街の外にまで出るために集合時間を過ぎると電車の時間まで10分を切る。まだ駅のホーム内に入ってないこの状況でその時間を過ぎるのはかなり危険だ。

 

焦って乗り違える危険もあるし、そもそも本命の電車に乗れない危険もある。そうなると出かけ先の目的地で遊べる時間も減ってしまう。

 

「あれ、そういえば夢乃ちゃん。今日いつも以上にオシャレしてない?」

 

「ッ……わ、わかりますか?」

 

するとななは夢乃が普段よりもオシャレをして可愛い姿になっているのに気がつくとそっと話しかけた。

 

「ふふっ、夢乃ちゃんことドリーム・アイは私の推しでもあるんだよ?推しの変化にファンとして気が付かないわけないよ」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「あー、なな先輩ズルイです!私も夢乃ちゃんがオシャレしてるってわかったのに〜!」

 

ななからの褒めを受けて嬉しそうにしている夢乃を見て同じく夢乃がオシャレをしている事に気がついたこころが頬を膨らませつつ横槍を入れる。

 

「えっ、こころ先輩もわかってたんですか?」

 

「はい!だって私もカゲ先輩とお付き合いして自分が可愛くなれる研究とかするようになったんですよ。今の夢乃ちゃんからは私と同じ感じがしますから」

 

「ッ……」

 

ななやこころは今年度に入り、彼氏を作って以降……彼氏の2人に自分を可愛く見てもらいたいという気持ちが強くなっていた。そのため、他人だとしてもそういう変化に敏感になっているという事だろう。

 

「ああもう!やっぱ5分前になっても来ない!」

 

「参ったな……流石に咲良さんを置いて行くわけには……」

 

影人達がそう話す中、時刻はとうとう集合予定時間まで5分を切ってしまっていた。このままうたが来ないとかなり不味いのだが……。

 

「うわぁああああっ!不味い不味い不味いぃいいっ!」

 

すると集合時間まで残り3分と言ったタイミングで影人達の待つ駅前に駆け込んでくる1人の少女がいた。それは勿論この場に来ていなかった今日のお出かけの参加者……咲良うたである。

 

「2分前、ギリギリセーフ!!」

 

「本当にギリギリだけどな?」

 

うたがセーフだった事に安堵の顔を浮かべているが、影人はそんなうたにジト目を向ける。あと数分遅かったらそれだけで遅刻なのに何故ここまでギリギリで来るかがわからなかった。

 

「間に合って良かったプリ」

 

「本当なのメロ。メロロンが100tハンマーで叩き起こさなかったらどうなってたか……」

 

「100tハンマーって……随分と物騒な物使ったなぁ……」

 

ちなみに誤解の無いように補足しておくが、うたはこれでもアイドルプリキュアなので流石のメロロンもハンマーで直接うたを殴るなんて事はしていない。せいぜいうたが鼻提灯を出しつつ爆睡している間隣を殴る事でその衝撃波と凄まじい音で起こしただけだ。

 

「あはは、でもビックリしたよ。メロロンが起こしてくれた時には時間とかも結構ギリギリだったし……」

 

「もう、良い加減朝早く起きれるようになるのメロ」

 

「ほらほら、喋ってるのは良いけど続きは電車の中でしなよ。そろそろ出発時間来るし」

 

影人達がうたの遅刻ギリギリの理由を問いただす間も当然時間は進行している。そのため、もうそろそろホームに移動しないといけない時間だった。その事をレイが伝えると影人達もそれには納得。

 

まずは駅の改札を通ってから駅に到着した自分達が乗る予定の電車に乗る事になる。

 

「ふぅ、間に合って良かったぁあ……」

 

「本当にな……」

 

「まぁまぁ、カゲ先輩もその辺にしましょうよ」

 

今現在、影人達は電車の4人座席シートを二つ分使っており、丁度真ん中にある通路を挟んだ両側の座席が空いていたので影人達は3人ずつで別れて着席。プリルンとメロロンに関しては人形と同じくらいのサイズ感なのを利用して2人分の運賃を浮かせるために電車の中では人形になってもらっていた。

 

席の分かれ方は影人、こころ、メロロン、夢乃の4人とうた、なな、プリルン、レイの4人である。

 

「そういえば、今日田中さん達は……」

 

「残念ながら大人には大人の事情があるって事で……」

 

「要するに忙しくて来れなかったんだよな」

 

今回は田中や姫野達は仕事に追われている影響で来る事ができず。子供達だけでお出かけする事になっていた。

 

その時、夢乃が動画投稿サイトの方を見るとオススメにある二つの動画が挙がっているのを確認する。

 

「……あれ?お兄ちゃん、この動画って……」

 

「……んん?見間違いか?何々……“キュアアイドルの新曲、笑顔のユニゾン Only you ver.のライブ動画”あと“キュアソウルビートの曲、キミと繋ぐ閃光の光のライブ動画”……おーい?いつものお二人さん。これはどういう事かな?」

 

「プリ?折角キュアアイドルが新しいライブやってたからアップリしたプリ!」

 

「メロロンも影人の新曲がまだアップされて無かったからアップしたのメロ!」

 

それを聞いて影人は呆れた顔になってしまう。もうこれでこの2人が無断の違法アップロードをするのは何回目なのだろうか。最早この2人のアップロードに関しては半ば諦めつつあるため、突っ込むのも野暮かもしれないが……流石にこの前ルールについては説明があったばかりなのにそれでも無断でやらかす理由がわからなかった。

 

「あのなぁ、君達良い加減学習しな?俺達に一言言ってから挙げれば良いものを……勝手にアップなんてしてたら……」

 

影人が最後まで話を言い切る前。ピカリーネは2人からの自白を聞いたからかいつものお約束こと頭モッサモサの刑が執行された。

 

「プ〜リィ!?」

 

「メ〜ロォ!?」

 

「もうこの光景も見慣れてきちゃったよね」

 

「お前らこの半年で何回こういうのをやらかすんだよ……」

 

もうここまで来ると新曲披露→妖精2人の無断アップロード→モッサモサの刑までが一つのセットの流れになってしまっているのだろう。

 

「はぁ……もう良いや、今更アップロードした物を消せるわけでも無いし。俺達には何かデメリットがあるわけでも無いからな」

 

「私のもオッケーだよ!」

 

するとアップロードされた動画に映っている影人とうたの2人の双方が了承したために2人のモッサモサ刑は解除。元の髪型に戻った。

 

「やれやれ、さっきから色々別の話ばかりだしな。そろそろ今日の目的地について話しても良いんじゃないか?」

 

「そうですね!今日は手鞠沢高校に遊びに行くんですから!」

 

レイの一声でそろそろお出かけ先の方の話をする事にした。そのお出かけ先と言うのが、玲音の通っている高校……手鞠沢高校である。

 

「レイレイ先輩の学校の学園祭に招待してもらえるなんて……キラッキランラン〜♪!」

 

「はい!今回は前とは違ってフルメンバー揃ってますからね!心キュンキュンも増してますよ!」

 

「プリルンも、凄く楽しみにしてたプリ!」

 

「元気だなぁ……」

 

影人がいつも通りの元気さを発揮するうた、こころ、プリルン辺りの様子を見つつ、玲音が所属する手鞠沢高校のアカペラ部の話を思い出す。

 

「手鞠沢高校……レイレイ先輩が通ってる学校で先輩が所属するアカペラ部もある。メンバーは先輩含めて6人いて、それぞれが個性的な一面を持ってる……と」

 

「でもメロロンはちょっと複雑メロ。……メロロンと声が似てるっていう……」

 

「あの金髪の子だよね?確か閏さん」

 

「できればあの子には絡まれたく無いメロ……」

 

メロロンが完全に拒絶反応を示してしまう中、影人はそんなメロロンに諦めるように促す。

 

「いや、多分無理だな。うちの作者なら絶対に絡ませる」

 

「えぇ……」

 

「カゲ先輩〜最近そういう発言多いですよ?」

 

影人のメタ発言もそろそろ見慣れてきた所で話をアカペラ部の話題に戻そう。

 

「私は嬉歌さんが気になるかな〜。同じ名前だし!」

 

「なるほど……親近感を感じるってやつですね」

 

「うん!」

 

一応玲音から閏の動画を観た際にどんな部員がいるか名前と軽い特徴の説明自体は受けている。とは言え、実際に会うまではどういう人達かはわからない。ただし、事前に動画を観ている閏だけは話が別だが。

 

「アカペラ部にいるレイレイ先輩の後輩……とは言ってもその皆さんは全員私達より歳上ですけど……。その皆さんと会うのが今から楽しみです!」

 

「そういえば、プリルンとメロロンは流石に今回は人間態で行くんだよな?」

 

「プリ!」

 

「メロロンもその方が良いと思ってるメロ」

 

何しろ、学園祭という事で外部の人間も沢山来ており普段以上に学校内に集まる人が多い。そんな中でプリルンとメロロンの妖精態が動く事に気が付かれてしまうのは色んなリスクが大き過ぎる。

 

「俺もそれには賛成。2人共が人間態でいてくれるなら苦労は少なくて済むと思う……ただ、変に目立たれたらお手上げだけど」

 

「プリ?プリルン達、そんなに目立つプリ?」

 

「目立つからそう言ってるんだよ!?良い加減気がつけ!!」

 

プリルンは首を傾げつつそう言うとボケを言われた芸人のように影人はツッコミを返す。勿論電車内なのである程度声量はセーブしているが。

 

「………」

 

そんな中、夢乃は手にしていた学園祭のパンフレットからある1ページを気にしている様子だった。するとそれをこころが覗き込むように話しかける。

 

「夢乃ちゃん、どうしたんですか?」

 

「うえっ!?え、えっと……」

 

夢乃はいきなり自分の方に話を振られると思っておらず、慌ててしまうとこころがその間に読んでいたページを確認する。

 

「もしかしてこのコスプレファッションのコーナーが気になってたりする?」

 

「ッ……は、はい……」

 

すると夢乃はハロウィン前に見せたようなバツの悪そうな申し訳なさそうな顔つきになりつつも頷く。

 

「へーっ、ここに予め用意されているウィッグやら服やら靴やらを自分で自在に組み合わせて自分に合ったコスプレをするんだ」

 

「それで。審査員達の中で最優秀賞になったら商品券がプレゼント。もしかして夢乃ちゃん、商品券で誰かにプレゼントをあげたいとか」

 

「ふぇ?あ、はい……そうなんです。あはは……」

 

夢乃が愛想笑いを浮かべるとそれを一瞬で見抜いた影人は夢乃の先程の顔をした理由は別に存在すると察した。ただ、ここで無理に詰める必要が無い点。そしてある程度夢乃が何を考えていたか予測し切ったため、影人はそれ以上夢乃へと質問はしない事に。

 

「(なるほど、この前の件も絡んできたか。まぁ、だけどここで言っても空気を壊すし……黙っておくか。どうせ俺は夢乃から言いに来るの待ちだから)」

 

「そう考えると色々気になるコーナーがあるよね。ほら、お化け屋敷喫茶とかあるし」

 

「ッ……大丈夫。私はもうお化けなんて怖く無いから!」

 

うたはななからお化け屋敷という単語が飛んできて一瞬ビビるが、つい数日前にジャック・オ・ランタンごとお化けを克服したばかり。そのためうたはその怖さを一発で振り切った。

 

「これは何人かのチームで回ってみるのも良いかもな。学園祭だし探したら色々コーナーとかあるだろ」

 

「賛成プリ!」

 

「そうですね!」

 

こうして、影人達は思い思いに玲音から招待された手鞠沢高校の学園祭を楽しむ事を決め、現地へと向かっていく事になる。




また次回もお楽しみに。
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