キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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影人達の学園祭 パート1

玲音の招待で学園祭を開催中の手鞠沢高校に到着した影人達。彼等は8人で行動するのは非効率という事で4人ずつに分かれて行動する事にしていた。そんなわけで影人達はチーム分けを決定し、それぞれが分かれて移動する事になる。

 

「ふんふふふ〜ん♪」

 

「咲良さん、ご機嫌だな」

 

「そりゃあご機嫌だよ!」

 

初っ端からご機嫌そうに鼻歌を歌ううたに影人が問いかけると彼女は嬉しそうに返す。そして、そんなうたに便乗するようにぷりんも興奮しつつ声を上げる。

 

「だってこんなに楽しそうな学園祭だよ〜?楽しまないと損だよね、うた!」

 

「勿論!」

 

「「イェーイ!!」

 

そんな風にハイタッチをするうたとぷりん。2人の元気さの前に早速疲れが見えつつあるのはこの暴走列車2人を制御しないといけない影人だ。

 

「まさか2人揃って同じチームになっちゃったか……頼むからフラフラどっかに行かないでくれよ?」

 

「あはは、カゲ先輩はいつも通り苦労が絶えませんね……」

 

そんな影人の隣で苦笑いしつつ彼を見ているのはこころである。つまり、Aチームのメンバーは影人、うた、こころ、ぷりんの4人という事だ。

 

「咲良さん、ぷりん。あんまりチョロチョロすんなよ?あくまでどこか行く時は4人で固まって……」

 

「あ、あそことか面白そう!」

 

「良いね、行こ行こ!」

 

「ちょっ、お前らなぁ……」

 

影人はどうにかうたとぷりんというちょっと目を離したら何かしらやらかしそうなトラブルメーカー2人を制御しようとするが、やはりこういう楽しい場所で我慢できないのがこの2人なのである。そのため、影人はこころへとさりげなく手を伸ばして繋ぐとさっさと行ってしまった2人を追いかける事にした。

 

「か、カゲ先輩!?」

 

「急だったのはすまん。だけど、人が多いし手を繋いでいた方がこういう時に迷子にならないからな」

 

「それはそうですけど……うぅ……」

 

こころは影人から急に手を繋がれた事に驚き、気持ちを整理する前にやられた事もあって恥ずかしさでほんのり赤い顔になってしまう。また、仕掛けた側の影人も顔が赤くなっていた。

 

一応恋人になってからそれなりに時間が経つ2人だが、この調子だとまだこういう時の咄嗟の行為に対する恥ずかしさは抜けきってないようである。

 

それはさておき、うたとぷりんは自分達の興味が示すままにどんどんと先に行く。そのため、影人とこころが少し遅れ気味になりつつあった。

 

「影人!早く早く〜!」

 

「ちょっ、お前ら待てって。俺達を置いていく気か!」

 

「あそこに楽しそうな教室があるんだもん!早く行かなくちゃ!」

 

「教室は動かないので少し遅くなっても大丈夫ですよ!」

 

ただ、影人とこころが遅れ気味でも構わず進んでしまううたとぷりん。ただ、教室の方と後ろにいる影人達。両方を気にしていると前方へと注意が散漫になってしまうのはお約束と言うべきか……。

 

「影人達遅いって!早く遊びたいよ〜!」

 

「ぷりん、頼むからこっちに合わせてくれ。というか、あんまり俺達の方を気にしてたら……ッ!?2人共、前!」

 

「「えっ?」」

 

影人は先程からどうにかこころと手を繋いだままを維持し、人が多い影響で通りづらい廊下を進みつつうたやぷりんの進む先をしっかり見ていた。そのため、自分達の方に注意が割かれているうたやぷりんの目の前に人が来た事にいち早く気がついたのである。

 

……だが、残念ながら当の2人がそれに反応できるかは別問題。2人が気がついた時にはもう目の前にその人は迫ってきており……そのままその人がうたとぷりんの2人と正面衝突してしまう。

 

「「「うわあっ!?」」」

 

「あちゃあ……」

 

「先輩達大丈夫ですか!?」

 

影人達はうたとぷりんが完全にぶつかってしまったと判断すると急いで彼女達の元へと向かう。そして、その場所に到着するとうたとぷりんは2人でぶつかったためか割と平気であった。ただ、その2人の間に突っ込む形で正面衝突した子は完全に押し負けて尻餅をついており……慌ててうたが話しかける。

 

「うぅ……」

 

「あ、あの……大丈……」

 

その瞬間だった。うたとぷりんにぶつかって倒れてしまった相手はいきなり立ち上がると2人へと深々と頭を下げつつ慌てたように謝罪する。

 

「ああっ!?ごめんなさい!すみません!!私実はまだクラスの店番じゃ無いので学園祭を回ろうと思ってたのですが1人じゃ寂しいと思って学校のどこかに友達を探しててついそれに夢中になってて……」

 

「え、えっと……」

 

何とその少女……服装からしてこの学校の生徒なのだろうが、彼女は高校生なのにも関わらず、歳下のうたやぷりん相手に弱気になって平謝りをしてしまっていた。そしてこれでは流石にコミュ力が高いうたでもどうする事もできず……。困惑した顔を浮かべてしまう。

 

「これは……どういう事でしょうか、カゲ先輩」

 

「ああ、咲良さん。ぷりん。一応確認だけどこの先輩の事脅した?」

 

「いやいや、そんな事しないよ!?」

 

「そうだよ影人、流石に失礼だって!」

 

「だよな……疑ってすまん……」

 

影人達は目の前の女子高校生が歳下である自分達相手に完全に下手に出ているのを見て唖然としてしまう。流石にこんな展開を誰が予想できただろうか……。

 

「……あれ、この人……どこかで」

 

「あ、そういえば……確かに見たことある気がする」

 

するとこころが何かに気がつくと目の前の少女に既視感を感じる。まるで何処かで見た事あるようなそんな感じだった。そして、うたも似たような感覚を覚えたのか同じように考える。

 

4人はその少女を改めて見ると髪は明るめの茶髪であり、瞳も明るめな赤茶色のような色合いをしていた。また、髪の方は両サイドで目立たない程度に小さく結っていたが基本的にはボブヘアに近い髪の長さである。

 

「え?そうかな?うーん……」

 

「あ、あの……」

 

ただ、ぷりんはやはりその既視感に気づくことができず。加えて先程まで謝りまくっていた少女の方も下げていた頭を上げる。ただ、そうしてうた達を視界に入れると彼女達は自分の事を見て考え込んでいた。そのため、少女はその姿にオドオドしつつも様子を伺うように話しかける。

 

「さ、先程から私の方を見てどうされたんですか……?はっ、もしかして先程の私がぶつかった件で……」

 

「ちょっ、ちょっと待って!それについては大丈夫だから!むしろ、私達の方こそごめんなさい!」

 

「えっ?」

 

するとうたがその少女に謝ったのを受けて少女側も謝られるとは思っていなかったのか……。面食らってしまう。そして、ぷりんもうたに倣う形で謝る姿勢を見せた。

 

「招待してもらった学園祭に来れたのがとても嬉しくてついはしゃいじゃった……。ごめんなさい」

 

「ッ……そんな、私なんかに……」

 

少女がまた慌てたような様子で謙遜した態度を見せる。そんな中で影人は先程からうたやこころが感じていた何かの正体に気がついたのか……。少女へとある事を問いかけた。

 

「……あの、もしかして小牧嬉歌さんだったりします?」

 

「……えっ……えっ!?ど、ど、どうして私の名前を……あっ、もしかして私の個人情報がどこからか筒抜けなんじゃ……」

 

影人からの問いに少女……小牧嬉歌は慌て始めると自分の名前という個人情報が流出してしまっている事を考え始める。

 

「凄いネガティブな考え方……やっぱりレイレイ先輩の言う通りだ」

 

「そっか、じゃああなたが……レイレイ先輩の……」

 

「ッ!思い出しました!この方、あの時の動画に映ってましたよ!リードの方です!」

 

嬉歌は影人達が次々と自分の事を言い出したのを受けてどんどん頭の中が混乱していく。そしてそれは影人達に丸わかりなくらいに態度として出ていた。どうやら、この調子だと全部当たりらしい。

 

「えっ?えっ?何で動画の事を……いや、動画投稿アプリの閏ちゃんのチャンネルを見てたらわかるか……でもその前にレイレイ先輩って名前が……じゃあもしかして……」

 

嬉歌が1人でブツブツと喋り終わると恐る恐る影人達の方へと質問を投げかけてきた。

 

「え、えと……もしかしてこの学校のアカペラ部に所属してるレイレイ先輩のお知り合いだったりします?」

 

「はい!レイレイ先輩にはアカペラの事を沢山教えてもらってますよ!」

 

「とは言っても偶に指導してもらう程度なのでそこまで深い仲ってわけじゃないですけどね……」

 

「えっ、あ、あ……そうなんですね……」

 

嬉歌は影人達が自分の部活の先輩である玲音と知り合いだという事を聞いて余計に恐縮してしまったのか……。顔つきがまた固くなってしまう。そんな彼女へとうたが話しかけた。

 

「自己紹介が遅れました。私、咲良うたって言います!」

 

「紫雨こころです」

 

「プリル……」

 

「ぷりん?」

 

うたやこころが自己紹介をして次にぷりんの番……という時に彼女は危うくプリルンと名乗ろうとしたために影人がすかさず釘を刺す。そのため、ぷりんは慌てて訂正した。

 

「っと、田中ぷりんだよ!」

 

「黒霧影人です。嬉歌先輩、初めまして」

 

「えっ!?私が……先輩?あっ……もしかして中学生だったりします?」

 

嬉歌はいきなり先輩と言われて混乱するが、そう自分の事を呼ぶという事は影人達の方が歳下なのだとこのタイミングでようやく理解。更に影人が嬉歌の質問に肯定する。

 

「はい。俺達は全員他所の街からこの学園祭に遊びに来た中学生ですよ」

 

「ああ……そうなんですね……」

 

嬉歌は影人達が中学生だと知って少し肩の力が抜けたような感じはしたが、やはり初対面が相手だと緊張するのか。少しだけ声も上擦っているようにも聞こえた。

 

「……そうだ。折角だから一緒に回りませんか?」

 

「「へ?」」

 

すると、突如としてうたが嬉歌の事を一緒に学園祭を回るのに誘ったことに誘われた嬉歌はキョトンとすると影人もいきなり誘った事に唖然としてしまう。

 

「良いねそれ!ナイスアイデアだよ!」

 

「はい!折角なら人数は多い方が良いですし!」

 

「あわわ……ほ、本当に良いんですか?えっと……うたさん達の輪の中に私なんぞが勝手に飛び込むような事をして……」

 

そして、当然のようにうたの意見にこころやぷりんは賛成。一方の嬉歌は少し申し訳なさそうだった。そんな中で勿論うたにも誘う理由はあるわけで。

 

「うん!だって嬉歌さん、お友達を探してるんですよね。どこにいるかわからないのでしたら私達と一緒に楽しく回りながら探した方がキラッキランランも倍増しますよ!」

 

「えっと、キラッキランラン……?」

 

「楽しいとか嬉しいとかそういうポジティブな気持ちをひと纏めにしてキラッキランランって言うんです」

 

「へー……」

 

何にせよ、嬉歌は先程1人で回るのが寂しいからこの学校の友達を探してるという事で。それなら自分達と一緒に回りながら探した方が良いという考えだった。

 

「えっと、本当に良いんですか?影人君……?もこんな私が一緒で大丈夫です?

 

「ああ、俺も構わないですよ。嬉歌先輩はレイレイ先輩の部活での後輩さんですし、折角なら一緒に回った方が楽しいですから」

 

「じゃ、じゃあ……よろしくお願いします」

 

嬉歌は影人達が全員了承したという事や玲音の知り合いという事で安心感もあったのか……。影人達と一緒に学園祭を回る事を決定。そして、そうなった事に嬉しさを感じたのか……。うたは何の躊躇も無く嬉歌の手を取ると嬉しそうな声を上げる。

 

「やったぁ!ありがとう、嬉歌先輩!」

 

「うぇっ!?」

 

「すみません嬉歌先輩……それが咲良さんのデフォルトなんです」

 

「だ、大丈夫です。こういうノリは閏ちゃんである程度なら慣れてるので……」

 

こうして、影人達はこの学校の生徒で玲音の後輩である嬉歌と一緒に回る事になった。

 

「えっと、それじゃあどこに行きたいとかあります?」

 

「あっ!そうだった!すぐそこの教室でやってるアレをやりたいんだ!」

 

ぷりんが指差す先にあったのは一年生の教室でやっている射的やら輪投げやらのミニゲームができる場所だ。その辺のゲームに惹かれる辺り、何ともぷりんらしい考えである。

 

「なるほど……」

 

「それじゃあ、改めて行こうか。……ただ、嬉歌先輩も一緒なんだから今度は勝手に行こうとするなよ?2人共」

 

それから影人達は嬉歌を加えた5人でその教室へと向かう事になる、尚、嬉歌も加わったため先程のようにうたやぷりんが勝手に先行しないように釘を刺しておく。

 

「「はーい」」

 

「今から楽しみで心キュンキュンします!」

 

「………」

 

嬉歌はかなり楽しそうな様子のうた達を見てキョトンとしていた。何しろキラッキランランも心キュンキュンもあまり聞かない言葉であるし、ぷりんに至っては見た目と精神年齢やら喋り方のギャップが大きいために嬉歌も驚いているのだろう。

 

「まぁ、こんな変わった奴等だけど一緒に回ったら楽しいって事は保証しますよ。嬉歌先輩」

 

「う、うん……。私も頑張って受け入れられるようにする。それに……変わった人達の集まりなら私も慣れてるから」

 

「ッ……それは部活の人達がって事ですか?」

 

「うん……」

 

嬉歌が微笑みながらそう話すと影人はこれなら慣れるまでにそんなに時間はかからないだろうと感じ取り、改めてこの学園祭を楽しもうとするのだった。




今回から2チームに分かれての学園祭回ですが、一応影人達のチームとレイ達のチームごとで区切って描写します。そのためまずは影人達視点の話を一通りやりますのでよろしくお願いしますね。

それではまた次回も楽しみにしてください。
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