キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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レイ達の学園祭 パート2

結との会話を終えたレイ達のチーム。彼等はひとまず元々自分達が入る予定であった1年2組のカード占いをやってもらうために順番に並ぶ。

 

「そういえば、カード占いって言うけど具体的には何をやるんだろ」

 

「一応占いでカードと言えばタロットカードっていうカードが有名だけど……」

 

ただ、タロットカードでの占いをやるとは言っても初心者がその中身を全て理解するのはかなり難しい。加えて、適当な占いをやってしまえば評判がガタ落ちになってしまうのは明らか……。

 

つまり、こういう学園祭でカード占いをやるのならある程度初心者がわかりやすいように簡略化した物を作る必要がある。勿論専門知識無しでもできるという条件付きでだ。

 

「そう考えると占いって学園祭でやるには結構難しい物にも思えるんだけど……」

 

「そうだな……。学園祭で占いというジャンルが難しい物に分類されるのは間違いないと思う。だけど、だからって全部の占いができないかと言えばそうでも無い。例えば……」

 

レイが指差した先にあったのはこの教室におけるカード占いのルールであった。

 

そこには予めシャッフルされた5枚のカードが裏向きで伏せて並んでおり、その中の1枚を客側が引く。その上で占い師側が同じようにカードをシャッフルしてその中の1枚を引き、その2枚のカードの組み合わせで占い結果が出るらしい。

 

「この結果だけど、俺達が望むなら結果一覧という用紙を占い師側は持ってるからそれを開示するという形でも良いんだと」

 

「要するに、適当な事を言われないようにする対策って事だね」

 

「確かにこれなら不正が入る余地は少ないかも」

 

加えて、客側はカードを持ち出さない事を条件に自分や占い師側が1枚引いた後に他の4枚のカードの中身を捲って確認する行為も許されている。

 

「カードのイカサマ対策も大丈夫そうね」

 

「こういうのは客側の信頼が無いと成立しないからな。ある意味当然の措置だけど……」

 

また、担当の占い師に関しては特に順番調整とかは無い。空いた場所から順番通りに案内されるため完全なランダム……と言うよりはその場の噛み合わせ次第である。

 

「次の方、どうぞ」

 

「あ、次は私だ」

 

そうこうしている間に4人の中で先頭に並んでいたななが呼ばれる事になり先に部屋へと入っていく。

 

「行ってらっしゃい、なな」

 

「うん!」

 

こうして、ななが部屋の中に入っていくと夢乃は心臓がバクバクとしつつ緊張し始めていた。

 

「うぅ……」

 

「大丈夫よ、別に占いだからって全部当たるわけじゃない。そんなに気負う必要は無いわ」

 

するとめろんが緊張している夢乃を安心させるようにそっと彼女の肩に手を置く。

 

「う、うん……」

 

「(夢乃ちゃん……のフォローは要らないかな)」

 

レイはめろんが夢乃のフォローをしっかりやってくれたのを見届けるとこれ以上自分が何かを言う必要は無いと判断。すると入り口とは反対側の出口から客の生徒が出てくると同時にレイの事が呼ばれる。

 

「次の方〜!」

 

「呼ばれたな。それじゃあ2人共、先に行くぞ」

 

「ええ」

 

「は、はい……」

 

それからレイが中に入っていくとそれを見届けて夢乃は深呼吸をした。そして、数分後には順番となり夢乃が1年2組の生徒から案内されて中に入っていく。そこは遮光性のカーテンで仕切られた暗い雰囲気の空間だった。夢乃は係の生徒に案内されるままに進むと5つ程あるへやの中の一つに案内される。

 

「し、失礼します」

 

「いらっしゃい」

 

そこにいたのは優しい空気感を見せる男子生徒だった。服装は占い師らしく紫のローブを纏っており、フードも付けている。勿論窓からの光はカーテンで遮断されているため照明は天井からの光だけだ。

 

その光もそんなに明るいとは言えないため、薄暗い空気感がこの場の雰囲気を引き立てていた。

 

「………」

 

「そんなに緊張しなくて大丈夫。別に取って食うとかしないから」

 

「は、はい。すみません……」

 

夢乃は先程めろんから緊張を解いてもらったにも関わらずまた緊張した様子であり、占い師役の男子から声をかけられて慌てて席に座る。

 

「それじゃあ占いを始めるけど、何について占いに来たとかって聞かせられそう?」

 

「えっ……あっ……実は、私……新しく始めたい事と言いますか。夢が見つかったと言いますか」

 

夢乃は男子生徒から占う対象の出来事からの質問を受けて少し驚きつつも彼の前で隠す事でも無いため少しぼかして話す。

 

「そっか。じゃあ良い結果が出ると良いですね」

 

男子から優しい声をかけられると夢乃は小さく頷いてから目の前に置かれている5枚のカードを見る。それから1枚を引くとそこにあったのはトランプのA(エース)であった。

 

「トランプ……?」

 

「うん。お客様が引いたのはAだね」

 

夢乃は何故トランプになっているかわからずに困惑しているが、よくよく考えれば変にわかりにくいカードにして占い師側、客側の双方の理解が追いつかないというのはあまり良くない事だと思い至る。

 

「次は僕が引く番だね……」

 

それから男子がカードを引くとそこにあったのはトランプのにおける切り札……J(ジョーカー)だった。

 

「じょ、ジョーカー?」

 

「うん、結果が出たね。お客様がA、占い師側がジョーカーであるならその物事が成功するか失敗するかはかなり際どい博打になってしまうかな」

 

「ッ……」

 

夢乃はそれを聞いて息を呑む。できれば確実に成功するパターンを引きたかったが、博打であるならばこれはあまり良い答えとは言えないだろう。

 

「……ただし、もし成功した場合はその人が思っている以上の大成功になる。逆に失敗した場合は大きな傷を受ける事になる」

 

「そう……ですか。あの、一応結果表を見せてもらっても良いですか?」

 

「はい、どうぞ」

 

夢乃はどうしても結果を受け入れたく無かったのか……ルールに記載があった結果一覧を見せてもらう事になったが、そこに書いてあった結果は今言われた通りの物だった。

 

「うぅ……」

 

「他に何か質問はあるかな?」

 

「いいえ……」

 

「あまり気にしなくても大丈夫だよ。あくまでこれは占いのプロがやってるわけじゃないただの運みたいな物だから」

 

「はい……ありがとうございます」

 

夢乃は慰めようとしてくれた男子生徒に頭を下げると自分の番が終わったために部屋から出ていく事になる。

 

少しだけ時間を遡り、めろん視点。めろんも自分の順番が来たために早速呼び出されると5つに仕切られた個室の中で夢乃とは違う部屋へと入っていく。

 

「失礼します」

 

「おっ、お客さん。いらっしゃい」

 

するとめろんの前に座っていたのは女子生徒だった。それからめろんがどんな人かを確認しようとして凍りついてしまう。

 

「あ……あれ……?」

 

そこにいたのは金髪のボブヘアに前髪を頭の上で紐で纏めており、瞳の色は髪の色と同じ金眼。そしてどこかで見た事あるノリの軽そうな女子であった。

 

「ん?どしたー?何か固まってるけど……」

 

そして金髪女子は凍りついてしまっためろんを心配するような声色を見せる。ただ、めろんの中では嫌な予感がしまくっていた。そのため恐る恐る確認する。

 

「ね、ねぇ。あなた……」

 

「ん?」

 

「宮崎閏って名前じゃないよね?」

 

「お、良く知ってるね。私、宮崎閏。動画投稿サイトでウルルンTVってチャンネルをやってるよ。何?もしかして私のファンだったりする」

 

「な……なぁ……」

 

閏はめろんが自分の動画投稿サイトのチャンネルを知っていそうな子だと認識して嬉しそうに話しかける。ただ、めろんからしたらたまった物ではない。

 

「(何でこの子が私の事を占う相手なのぉおおっ!?おかしくない!?一番当たりたくない相手に当たっちゃったぁああ!?)」

 

最早キャラ崩壊を起こすレベルで内心叫びまくるめろん。すると閏はそんなめろんの事などお構いなしに話しかける。

 

「ふふっ、私の動画の事を知ってるなんてファンだったりするんか?いやー参っちゃうなぁ。それに私と声がちょっと似てるし運命も感じちゃうね」

 

「(声が似てるのは偶々でしょ!?だからこの子と一緒になりたく無かったの!?覚えておきなさいよ作者ぁああっ!)」

 

めろんは今すぐにでもここを抜け出したかったが、先払いでお金が発生している以上はここで逃げたら損確定である。ちなみに学園祭での価格設定にはちゃんと上限がある上、100円〜500円を超える事は無いためそこまでぼったくりは発生しない。

 

「っと、雑談もこの辺にして。お客さんは何の事で占いに来た感じ?」

 

「……ッ、そうだったわね……。えっと……お姉様や影人との……未来」

 

それはかつてハートキラリロックで封印しようとした所、めろん自身の一番大切な物との乖離があった事で封印されなかった物だった。

 

「うえっ、姉弟との未来!?何で何で!?」

 

「何でって……暗闇に囚われていた私を助けてくれた二筋の光だから。私、お二人のためだったら何だって……」

 

「お、おう……。壮絶な過去があった事はわかったわ」

 

閏はめろんの姉弟LOVEな姿勢に少し引きつつも彼女にはそれ程までに2人を慕う理由があるのだと察する。

 

「良いなぁ……」

 

「えっ?」

 

「私、そこまで兄妹に対して一途な感情って持てないからちょっと羨ましいなって事。私の兄妹は皆成功してて。それなりに裕福な暮らしはできてるんだけどさ。ほら、私って見ての通りの性格じゃん?」

 

「え、えぇ……」

 

めろんは閏が話し始めた優秀な兄弟と適当な性格の彼女自身の差の話を戸惑いながらも聞くことにした。

 

「適当で飽きっぽくて。何かに没頭できるって趣味が無かったのよね」

 

「無かった……今はあるって事?」

 

「ん〜?まぁ、あるちゃある。けどまだ完全には来てないって言えば良いのかな。この前もその事で部活動の同級生と喧嘩しちゃって」

 

めろんはその言葉に前に玲音から聞いた彼女の話を思い出す。彼女は部活動でガチ勢の子、結とアカペラとの向き合い方の差から険悪を通り越した最悪の仲になってしまっていた。

 

ただ、同時に今の彼女はその時の失敗を取り返すためのトレーニングをしていると思い出す。

 

「今日の部活動でのアカペラライブ。ここで凄い結果出せたらその子の事も見返してやれるって思ってるんだ。だからえっと……あ、でもお客さんは……」

 

「行くわ」

 

「え?」

 

すると閏がそこまで話した所でめろんがアカペラライブに来てくれるとは限らないと考えるとどうやって話をシメるべきか迷ってしまう。ただ、めろんは初めからアカペラライブを観に行く事は決まっていたために閏へとそれを伝える事に。

 

「そのアカペラライブ。私は観に行くつもり。だから楽しみにしてる」

 

「そっか!じゃあよろしく!」

 

そう言って笑みを浮かべる閏にめろんは目の前にいる閏は自分前に動画を観た際に思ってる程、彼女への嫌な印象は受けなかったという気持ちで満たされていた。

 

「ええ」

 

「そーゆうわけでそこに並んでるカードを引いてね」

 

「えっと……3ね」

 

「んで、こっちはK(キング)と」

 

それから閏は2枚のカードを受け取ると早速結果を読み上げようとする。……ただ、少しだけ顔つきが強張っていた。

 

「……どうしたの?」

 

「え、えっと……」

 

閏の顔つきは本当にこれを読み上げてしまって良いのかという物である。それはまるでめろんにとって最悪の結果と言わんばかりだった。

 

「何よ、占いをする場所でしょ?結果くらい教えてほしいんだけど」

 

「仕方ないか……。じゃあ言うね。あなたはその人達と近いうちに離れてしまうでしょう」

 

「……は?」

 

めろんは閏の言った事に耳を疑う。当然だろう、大好きなぷりんや影人と離れるなんて言われて疑問に思わないわけがない。

 

「それから暫く日の目を見ない日が続きます。しかし、絆は永遠に切れる事は無く。最後には必ず再会を果たし……うわあっ!?」

 

「メラメラメロ……」

 

閏は最後までどうにか読み切ろうとするが、その前にめろんの中に燃え盛る怒りの炎は表面化。久しぶりのメラメラ嫉妬モードが発動すると体から某超野菜人みたく金色のオーラが出てきていた。

 

「ちょっ、ちょっと落ち着いてって。別にこのままバッドエンドってわけじゃ……」

 

「もう結構よ!」

 

そう言ってめろんは最後まで聞く事無くさっさと行ってしまった。閏はこの結果に溜め息を吐いてしまう。

 

「嘘ぉ……さっき最後は仲良くなれるムードだったじゃん。何でこうなっちゃうかな……」

 

閏は占い結果を最後まで聞いていれば良いポジティブな意味で終わることができたのにと考える。尚、実際の文は“あなたはその人達と近いうちに離れてしまうでしょう。それから暫く日の目を見ない日が続きます。しかし、絆は永遠に切れる事は無く。最後には必ず再会を果たしてその仲は更に深まります”という物だった。

 

「でも本当の事言わないとルール上アウトだし仕方ないよね」

 

もし仮に閏がめろんの事を気にして嘘を吐いた場合、めろんにそれを見抜かれてしまうと色んな意味で信頼を失ってしまう。そのため、閏は占い結果表のそのままの通りに答えを言うしか無かったのだ。

 

めろんもその辺りの事情を理解してくれている……と思いつつ閏は気持ちを切り替える事になる。

 

「っと、そろそろ交代の時間か」

 

すると閏が一瞬だけスマホを見ると交代のために交代のための場所に移動。しかしそこには交代先のメンバーの人数が一人少ない事に気がついた。

 

「あれっ!?一人いなくない?」

 

「それが、繭森さんがまだ来てなくて……」

 

どうやら結は閏と同じクラスで次の店番の担当だったのだが、彼女が店番をサボるという行為をしたせいでややこしい事態になってしまう。

 

「オムスビってば、何してるんだよ……幾ら私が嫌いだからってクラスにまで迷惑かけたらダメでしょ」

 

閏達のチームは仕方なく結がいない分の交代要員はじゃんけんで負けた一人が残る形となり、他のメンバーは結を見つけ次第この教室に引き摺って連れていくという話に決定するのだった。




また次回もお楽しみに。
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