キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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コンテスト会場に集まる影人達

レイ達のチームは手鞠沢高校の学園祭を楽しむ中でアカペラ部の熊井弥子と合流。彼女と共に謎解き迷路に挑戦し、時間内に迷路を突破する事に成功した。

 

「ゴール」

 

「レイさんって凄く頭が良いんですね。こんなにもあっさりと……」

 

「別に、そんなに凄い事でも無いですよ」

 

レイが弥子からの褒め言葉に謙遜しているとそこに先に入っていたなな達3人も合流。レイ達2人は迷路の間、先に行っていた3人とすれ違う事は無かった。つまり、彼女達も時間内にゴールに成功したという事である。

 

「レイ君、お疲れ様」

 

「お、そっちも終わってたか」

 

「ええ」

 

「なな先輩の勘で道を進んでたら殆ど正解のルートを通れてたみたいで」

 

「その分謎解きはめろんと夢乃ちゃんに頼りっぱなしだったけどね」

 

どうやらこの3人は迷路突破担当と問題解答担当で上手い事クリアできたらしく。弥子はななの直感に苦笑いを浮かべた。

 

「蒼風さん、勘だけで正解ルートを当てるなんて……」

 

「ま、そういう勘も迷路では大事だからな」

 

するとレイのスマホが震える音がする。それからスマホを開くとそこには先程連絡した影人からのメッセージが届いていた。

 

「お、早速影人からの連絡……あはっ」

 

「どうしたの?レイ君」

 

「いや、弥子先輩。先輩の探し人、案外あっさり見つかったみたいです」

 

「えっ?」

 

弥子が困惑する中、レイは影人からの返信に思わず笑みを浮かべる。それは、影人達が弥子の探していた嬉歌と行動していたという物だった。

 

「って事は後は……」

 

「弥子先輩を合流地点まで連れて行けば良いんですね!」

 

「弥子先輩、今から合流場所に行きますけどその前に先輩の教室に寄りますか?」

 

「うん、スマホ……置きっぱなしだったし」

 

それからレイ達4人が移動を開始すると夢乃がレイへと問いかけた。それは向かっている合流地点についてである。

 

「あの、レイ先輩……」

 

「どうしたんだ?」

 

「えと……先にレイ先輩の行きたい場所で良いですからね?」

 

「それは無理そうかな」

 

「ッ……そんな、先輩に申し訳な……」

 

「夢乃ちゃんこそ先輩の事を立てすぎだ。影人がいても同じ事を言うと思うぞ」

 

レイからの言葉に夢乃は答えが返せずに黙り込んでしまう。どうやら、合流地点は夢乃の行きたい場所なようで。そうなるとつまり、これから行く場所というのは行きの電車で話していたあの場所だった。   

 

それから数分移動時間を挟んで合流地点に到着。そこは手鞠沢高校の校舎から少し離れた別館である。そしてそこにはそれなりに人が集まっており、ここで夢乃がパンフレットで見ていたコスプレファッションコーナーが行われていた。

 

「影人達の約束の場所はここだけど……」

 

「あ!いました!レイ先輩〜!」

 

するとレイ達に気がついたこころが声を上げており、そこには弥子が探していた相手である嬉歌がいた。

 

「ウタちゃん!」

 

「クマちゃん!」

 

嬉歌と弥子はお互いを認識すると微笑みを向けつつ小さく手を振り合う。同時に影人達8人が合流する事に。

 

「お待たせ、影人」

 

「別に言う程待ってはねーよ。それに、元々ここに来るつもりだった所にお前からの連絡があったからな」

 

実は影人達もここに来る前。フォトスポットに入って少ししたタイミングくらいでレイのメッセージが到着。ただ、愛莉や玲音との会話の影響で少しだけ気がつくのが遅くなっていた。

 

それでも2人との会話が終わったタイミングでレイからの連絡に気がつき、こころが行きたいと言っていたこの場所を待ち合わせ場所に指定したのである。

 

「それにしてもこころもコスプレファッションに興味があったなんて驚きだよ!」

 

「ふっふっふ〜っ。実はこの前のハロウィンの時に色々物足りないと思ってましたからね。折角コスプレを合法的にできる場所があるんですからそこを選ぶのは当然ですよ」

 

「それに、夢乃ちゃんもここに来たいって言ってたからね!」

 

どうやらこの調子だと嬉歌、弥子の2人が合流するのに合わせて影人達も8人全員でここに行くという流れになりそうだった。レイが先程の夢乃の言葉を拒否したのもそういう事情があるからだろう。

 

「嬉歌先輩と弥子先輩はどうします?」

 

「あはは、私達は遠慮しておくよ。元々私達にこういうコスプレファッションとかは向いてないし……」

 

「うん。それにいつまでも皆迷惑をかけるわけには行かないから」

 

「そうですか……」

 

嬉歌と弥子の2人はこのコーナーに行くのを辞退。その答えに少し寂しそうな顔を見せるうた。ただ、彼女達の意思は尊重しないといけないために頷く事になる。

 

「ここまで付き合わせてごめんね……」

 

「それと、手伝ってくれてありがとう」

 

「いえいえ。むしろ、楽しかったですよ」

 

「うん!学園祭、2人も楽しんでね!」

 

ななとぷりんの言葉に2人は頷くとそのまま揃ってお辞儀をして笑顔を向けつつその場を去って行った。ここから嬉歌と弥子は2人の時間を楽しむだろう。

 

親しい友達と過ごす学園祭という特別な時間。それが彼女達にとって大切な時間になる事を影人達は願いつつ改めて目の前にあるコスプレファッションのコーナーを見た。

 

「それじゃあ早速レッツゴー!」

 

「「おおーっ!」」

 

うたの音頭に合わせてこころとぷりんが拳を突き上げて興奮した様子で入っていく中、ななとめろんは慌てて3人がさっさと行くのを宥めようとする。

 

「お姉様、あんまりはしゃいだら迷惑になりますよ!」

 

「うたちゃんとこころちゃんも待って!」

 

「ほんと、アイツらは相変わらずだなぁ……」

 

「ああ」

 

そんな5人を後ろから見届けつつレイが呆れたような顔つきでゆっくり歩いていくと影人が同意しつつ夢乃の方を向く。

 

「ッ……お兄ちゃん」

 

「夢乃、ここに行きたいんだろ?だからそんな顔はやめろ」

 

夢乃は何処か気不味そうな顔を見せていると影人が気にしてない様子で彼女に話しかける。

 

「で、でも……」

 

「はぁ……。あのな?夢乃、悩むなら悩んでも良い。どうせ俺に言いづらい事を隠してるんだろうけど、それを言うタイミングはお前の自由だ。だけどこれだけは言わせてくれ」

 

影人はそう言いつつ夢乃へと近づいていくとそっと彼女の両肩に手を置きつつ優しくある事を告げた。

 

「夢乃、俺がこうして話してくれるのを待ってるのはお前の気持ちを汲んでの事だ。だけど、それでうたやこころ達の楽しむ邪魔になるのだとしたら無理矢理にでも話を聞かないといけなくなる。……夢乃ならわかるよな?」

 

「……うん」

 

「わかってるのなら今はそんな顔を見せるのは禁止。次やったら無理にでも夢乃の隠してる事を聞き出すから」

 

「わかった……それと、隠しててごめんなさい」

 

「別に、俺だって話しづらい事を隠してたなんて幾らでもしてるしお互い様」

 

影人と夢乃の会話が終わると2人も中へと入っていく。そして、2人はファッションコンテストの施設内へと進んでいった。

 

同時刻、アジトから出撃してきた3人。チョッキリーヌ、ジョギ、スラッシューも会場へと到着して歩いていた。

 

「くっ、そこら中にキラキラが見えて目障りだね……」

 

「先輩、我慢してくださいよ?下手に派手に動いて面倒ごとになるのは勘弁ですから」

 

「それと、チョッキリーヌ。正体を晒すまでの間は千切(ちぎり)キリーヌって名前で過ごしなさい」

 

「ちょっ、何でそんな名前なんだい!?もっとあるだろう!」

 

「別に良いじゃないっすか。キリーヌだけ人間としての名前無いんですし、似合ってますよ……くくっ」

 

「カズマ、今笑ったね!?フォローしながらしれっと!!」

 

チョッキリーヌの今の服装は銀髪ギャル風の衣装であり、普段ポニーテールの髪はストレートに下ろしている。また、設定として日本人とモンゴル人のハーフという事だった。これならキリーヌという日本人らしからぬ名前も外国人とのハーフならあり得るだろうという読みである。

 

「はぁ、カズマ。その辺にしなさい。私達も今は天城切音、燈夜カズマとしてここに来ている事を忘れたらダメよ?」

 

「ええ、わかってますよ。そのためにわざわざしたくも無い昔の格好に寄せた格好をしてるんですから」

 

ジョギはダークイーネに拾われる前、燈夜カズマとしての格好に似せた物にしていた。流石に顔を見られたらバレてしまうが、遠目で見る分には誤魔化せるだろう。ただし、ずっとグリッターへの潜入のために近づいていた切音の方はそうも行かない。そのため、幾つか顔に変化を入れた。

 

「それにしても、切音はわざわざ特徴を色々変えて……ご苦労な事だね」

 

「こうでもしないとすぐにバレてしまうわ。2人とは違って私は目立つし、これまでにアイドルプリキュアと顔を合わせ過ぎている」

 

天城の容姿は整っており、周囲の人の目を惹きつけてしまう程に美しい。そのため、体つきもアイドルやモデルと張り合える程に綺麗である。これはスラッシューが闇堕ちする前、アイドルとして活動していたKotoneとしての容姿が濃く出ているのだろう。

 

兎に角、そのアイドルとしての容姿のせいで天城は目立ってしまう。そのため、彼女は髪の色を変化。赤寄りの茶髪に髪を後ろで結ってハーフアップに。瞳の色もカラーコンタクトで薄い赤に変えていた。

 

「何あれ、可愛い……」

 

「綺麗だ……」

 

そのため、周りの天城が美しさのせいでどれだけ周りの視線を集めても一目見ただけで彼女と特定するのは不可能になっていたのだ。

 

「なるほどねぇ」

 

「あーあ、切音さんのせいで俺達の存在が浮いて見えるんですけど?」

 

「そう?まぁ私は別に良いけど」

 

「私らは良くないから言ってるんだけどね?」

 

天城は自分だけ目立ってるこの状況を特に何とも思ってないのか平然としているのに対し、キリーヌは不満そうだった。尚、カズマは複雑な所である。

 

「はぁ、それならここからは別行動にしましょう」

 

「そうですね。俺達の目的はこの学園祭を壊す事と迎撃に来たプリキュアの始末。三体分のダークランダーを作れるのならそれが一番だと思いますよ」

 

「これだけ人がいれば使える闇も多いからね」

 

「ふふっ、そういう事」

 

天城の提案で3人は別行動をする事に決定。勿論3人がそれぞれダークランダーのための闇を持つ人間を探すためだ。ダークランダーを一度呼んでしまうとその瞬間からプリキュアを呼び寄せるリスクを生むのに加えて闇を生み出す可能性を秘めた人々は逃げようとする。

 

最悪闇から闇が連鎖するので追加投入できる可能性はあるが、その場合どうしてもダークランダーの糧となる闇の質は落ちてしまう。つまり、ダークランダーを3体出しても1体1体が弱ければ出す意味が無い。できる事なら最初から上質な力を持つダークランダーを呼んでおきたかった。

 

「そろそろ散るわよ。……ただ、無いとは思うけどもし会場内でアイドルプリキュアの変身者を見た場合はその場では戦わずに闇を探す事に専念する事」

 

「そうですね。会場内にアイドルプリキュアが存在している時に呼んだらすぐに来ちゃいますし」

 

「わかったわ。殲滅するにはそうした方が都合が良いものね」

 

こうして、3人は会議を済ませると早速バラバラに別れて行動を開始。それぞれがダークランダーを呼ぶために必要な上質な闇を探す事になる。

 

場面が戻り、コスプレファッションコンテストの会場内。まずは受付のある部屋の中に入る。

 

「ここが受付ですね」

 

「えっと、改めてルールを確認するよ」

 

コスプレファッションコンテストのルールはまず最初に今回のファッションのコンセプトを決定する。そして、それに従う形でこの建物内に存在する様々な服等を使ってファッションをしていく。

 

尚、建物の中には幾つも部屋があるがその中に置かれている物であれば何でも使用可能。ただし、自分が元々身につけている服を使う事や人から物を借りるのは禁止。

 

最後に審査室で5人の審査員に見てもらい、1人当たり20点満点の合計100点満点の点の中でより高い点数を得た人が優勝となる。その際審査員とは別で審査室にいる人から点数を書いた紙を渡されるため、参加者はファッションコンテストで使った服装を全て消毒。元の場所に綺麗に戻した上で受付に渡す。

 

ちなみに受付には暫定の上位10名まで名前の書かれた紙が貼り出される。これまで50人程が挑戦し、今の最高点は93点だ。

 

「評価点は見栄え、ユニークさ、カッコ良さ/可愛らしさ、面白さ等、様々に渡る。審査員は4人がこの学校の学生で1人はプロの女性ファッションモデル」

 

「プロの人かぁ。意外と本格的かも……」

 

「それに、評価点も色々あるよね」

 

「でも、折角なら一番取りたいですよ!」

 

ななやめろんが審査の多彩さに少し考え込むものの、こころはやる気十分である。

 

「俺達全員でやれば誰かしらは上位10人の中に行けるかもよ?」

 

「私早くやりたい!」

 

「私も!キラッキランランな格好をするぞ〜!」

 

レイ、ぷりん、うたもやる気十分。そして、少し遅れてやってきた黒霧兄妹もこの概要を見て理解した。

 

「夢乃、大丈夫そうか?」

 

「うん。折角だから頑張ってみる!」

 

「ああ、まずは楽しめよ。それが無いと学園祭に来てる意味が無いからな」

 

夢乃の様子を見た影人はその様子からもう大丈夫だと判断。そして、影人もここまで来たら自分もこの波に乗る事に決めていた。

 

「よ〜し!それじゃあ皆、一番目指して頑張るぞ!」

 

『おお!!』

 

こうして、影人達はそれぞれのコスプレファッションをするために受付を済ませると建物内にある服を探し始める事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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