キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
ダークランダーに苦戦を強いられていたアイドルプリキュア、しかし、そこに突如として現れたDancing☆Starプリキュアの助けによってダークランダーを崩す事に成功。そしてソウルビートからのアッパーも入り、とうとう戦いはクライマックスへ。
「行くよ、テラちゃん!」
そして、アイドルが自らの意思でプリキュアアイドルハートリボンが生成。アイドルはそのリボンを手にして力を解放させた。
「アイドルハートリボンスタイル!」
その力に包まれたアイドルは真っ赤なキュアアイドルことアイドルハートリボンスタイルへと変身。すかさず彼女は自らのライブ技を発動。領域を展開した。
「クライマックスは私!盛り上がって行くよー!」
アイドルはライブ空間内で耳にインカムを生成。それと同時にダークランダーは技の力によって問答無用で椅子に強制着席させられる。そのままイントロが終わり歌が始まった。
♪決め歌 笑顔のユニゾン Only you ver.♪
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!(ゼッタイ!)アイドル!(アイドル!)ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな〜サンキュー♪最高のステージで〜キミと歌を咲かそう♪……プリキュア!アイドルスマイリング・エコー!」
アイドルは真上に真っ赤なハートのエネルギーを生成。そのままダークランダーへとぶつけられるとその体が一気に浄化されていく。
「「キラッキラッタ〜」」
同時にダークランダーは浄化の際のお決まりの台詞を口にし、素体となった寸田を救出。その後生成されたキラルンリボンをライブをしたアイドルが手にする。
「ああもう!こんなに沢山プリキュアがいるなんて聞いて無いよ!!そもそも11人も同時に相手にして、誰が勝てるって言うんだい!!」
チョッキリーヌは半ばヤケクソと言わんばかりに叫ぶとその場から撤退。同時にハートガーデンも解除される事に。
「それにしてもDancing☆Starプリキュアですか……」
「何だかとってもキラッキランランだったね!」
キュンキュンやアイドルが興奮気味にそう言う中、そのDancing☆Starプリキュアはもう既にその場から姿を消していた。同時にソウルビートは何となくその正体が頭に浮かぶ。
「ああ。そういうキラキラした奴らが5人くらい、この大会にも参加してたよな」
「ソウルビートは何を言ってるの……?」
「何でもねぇよ。わからないならそれはそれで構わない」
ズキューンはソウルビートの言葉にキョトンとした様子を見せるが、ソウルビートはそれ以上ヒントをあげるつもりは無いのか。サラッと流す事にした。
それはさておき、アイドルプリキュアが変身解除してその場から立ち去ると少しして気絶していた寸田がようやく目を覚ますとその場で起き上がる。
「く……あれっ!?俺、どうして……」
寸田はダークランダーにされていた記憶はあまり無いようで。そんな彼は先程まで自分が倒れていたすぐ近くに探していたキャップが落ちているのを見つける。
「あっ、俺のキャップ……ここにあったのか」
寸田はホッとしたようなそれを被るとこれから始まるダンシングスターカップに向けて気合いを入れた。
「良し!回るぞ!」
それから少しして。ダークランダーの出現というアクシデントがあったものの、戦闘をハートガーデンで行った事で大会自体が中止になる事は無く。予定よりは少し遅れてしまったが、大会は続行する事ができた。
『それではエントリーNo25!ODORU・SUNDA!Ready!!』
「いよいよ寸田先輩の番ですね……」
「先輩、ファイトですよ」
そのダンシングスターカップの中学生部門が進行する中で次々と参加者のパフォーマンスが終わっていき、とうとう次は寸田の番となる。
それに合わせて寸田がステージ上に姿を現すと司会者の流暢な英語に続く形で早速音楽が流れ始めた。その曲というのはGR∞VE_L∞Pと呼ばれる曲であり、こころが前にキュアキュンキュンとしてボーカルアルバム用の曲として歌っていた物だ。
その曲のインストがかかる中、早速寸田はその音楽に合わせてダンスを始める。彼のダンスは前までのようにただ速い速度で回るだけでは無い。回転する事によって自分を見てくれている全ての観客へと見てくれたお返しをするようにその笑顔を振り撒いていった。
その寸田の笑顔に会場にいる客や審査員達の気持ちも上がり、曲が進むごとに連れて会場は一体化したような熱狂に包まれてく事に。
「(寸田先輩、ダンスを楽しんでますね……。前までだったら回転する事ばかりに気が行って周りの事を見る余裕も無かったはず)」
やはり寸田の祖父の周の教えは正しかった。ダンスにおいて重要なのは笑顔。自分も楽しみ、相手も楽しませる。それによって心を一つにする事でその場は笑顔溢れる楽しい場所に早替わりだ。
「(そう考えると、ステージの上で笑顔やキラキラを振りまくアイドルとやってる事はそんなに変わらないんだよな……)」
今の寸田は観客からの注目を集めるアイドルのような存在。そう言えるくらいにその目を釘付けにしていた。
「イェーイ!」
『ワァーッ!!』
こうして、寸田は最後に決めポーズをしっかりと決めると普段以上の最高の出来でパフォーマンスを終えた。それと同時に会場から寸田への賞賛の声が上がる。
「こころ……」
「はい?」
「ダンスって、こんなにも皆が一体で楽しめる物なんだな」
「ッ……!はい!」
影人は今回の寸田のダンスを観る内にかつての自分に今の寸田のような事ができなかった事に悔しさを感じつつあった。ただ、それは寸田への嫉妬では無く。
ダンスは世界を救うという寸田の言葉がまるで本当の事として思えてきた事に対しての言葉だという事はここで押さえておこう。
それからダンシングスターカップの中学生部門の残りの参加者達のダンスが一通り消化され、とうとう待ち侘びた運命の瞬間……結果発表の時間となる。
『それでは!ダンシングスターカップ・中学生部門!最終結果を発表します!』
「ッ……」
するとこころが祈るようにして両手を合わせると目を閉じてしまう。寸田が今回の大会のために賭けた想いや彼の努力を知っているがために余計に神様にも縋りたい気持ちだったのだ。そのため、どうしても結果を見るのが怖くなってしまう。すると、それを見た影人はそっと彼女の手に自分の手を重ねた。
「ッ!?」
「こころ。祈るのも良いけど、結果はちゃんと見届けよう」
「影人君の言う通り、私達で一緒にね」
「ッ……はい」
こころは影人やななに促されて祈りは継続しつつも、どんな結果だったとしてもちゃんと見届ける必要があると感じてちゃんと目を開けてモニターの方を見る事に。
そして、その数秒後にステージのモニターに順位が記された画面が浮かぶ。そこにあったのは今大会の中学生部門の順位は以下の通りだった。
1位……三羽出 桧葉太郎
2位……寸田躍
3位……JONNY
『優勝は……
そして、同時に司会者が優勝した者の名を読み上げる。……ただ、表にもある通り寸田の記録は準優勝止まり。ダンシングスターカップで優勝する夢は破れてしまうのだった。
「ッ、そんな……」
こころが落ち込んだような顔を見せる中、会場の方は新しいダンシングスターの誕生を祝う形で拍手が鳴り響く。今年のダンシングスターに選ばれた男……三羽出桧葉太郎が出てくる。彼はその名前の通りサンバの服装を着て麦わら帽子を被り、両手にはマラカスを持っていた。
すると桧葉太郎は審査員の女性から優勝のメダルをかけられ、その様子を見届けた寸田を含めた他の参加者や観客達による拍手が贈られる事に。
それから時間が経ち、この日の夕方。大会が終わった後に影人達は会場の外で寸田を待っていた。一応、影人達は寸田からの意向として高校生の部の方も観たいというメッセージを受け取っていたために寸田とはバラバラだってものの高校生の部も観る事に。
そのため、夕日が沈みかけたこの時間になってようやく大会の会場の外で待ち合わせをしている所だった。
「ッ……」
「こころ、寸田先輩は精一杯頑張ったんだ。俺達が落ち込んでても仕方ないよ」
こころ、寸田が優勝できなくてしょんぼりしていたのか。未だに顔つきは暗いままだった。そんな彼女の事を影人は気遣うと自分達は寸田の事を明るく迎えるべきだと伝えようとする。
「それに、俺達がこんな気持ちじゃ寸田先輩も」
「……わかってますよ。もっと、笑顔で迎えないといけない事くらい。……でも、私は……」
こころは今回ばかりは彼氏である影人の頼みでもすぐには受け入れられないのか。優勝できなかった寸田にどう接すれば良いのかと悩んでいた。すると、このタイミングで寸田がやってくる。
「ッ!」
そして、こころは寸田が来たのに気がつくと思わず彼女は駆け出して声をかけた。
「寸田先輩!……私、心キュンキュンしてます!」
「ッ……!ありがとう」
こころは寸田に会うとまずは彼のダンスが素晴らしかったという事をこころなりの言い方で伝える。それに対して寸田は素直にお礼を言った。
「紫雨さんは本当に優しいね。……俺、今日はスピンが本当に楽しくて……。その気持ちは……確かに皆に伝える事ができたって思えたんだ」
それに対して寸田は震えるような声になりながらも自分を応援してくれたこころのためにもあくまで平然とした様子で話そうとする。
だが、やはり優勝を目指して今まで練習を重ねてきただけあってか……優勝できなかったという結果は彼の心に重くのしかかっていた。そのため、首から下げられた準優勝の証である銀メダルを手で掴むと悔しそうに強く握り締める。
「……だから、優勝できなくて悔しいよ……」
寸田の細い目の端からポロポロと悔し涙が流れるとその辛い気持ちを溢れさせていく。
「ごめんな、皆……あんなに力を貸してくれたのに……」
「違います!!」
それから寸田は自分の練習を手伝ってくれたこころや影人達への申し訳ない気持ちを伝えようとする。ただ、それに対してこころが強く反論した。
「私は寸田先輩のダンスを見て、寸田先輩がどれだけダンスが好きなのか。どれだけダンスが楽しいかが伝わってきたから心キュンキュンしたんです!」
するとこころは寸田が優勝できなかったという事実がまるで自分の事のように思えているのか。とても悔しそうな声色だった。そして同時に、同じくらいのこころにとって寸田のダンスはとても胸に響く物だったわけで。
こころは寸田へと確認を取るかのようにある事を質問する。それは、寸田がダンシングスターカップを目指す際に影人達へと言った言葉だった。
「……カゲ君も言ってましたけど、これですよね?“ダンスは世界を救う!”寸田先輩、カッコ良かったです!」
こころはそう言いつつ泣きたいのを我慢しながら寸田へと笑顔を向ける。そして、寸田はそんなこころからの言葉に励まされたのか。嬉しそうに微笑む。
「紫雨さん……ありがとう!」
「俺達もこころと同じ気持ちですよ、寸田先輩」
するとこころを追ってきた影人達もその場に到着。こころに続く形で話すと寸田は3人にもお礼を言う。
「影人君……。皆も応援してくれてありがとう」
「ふふっ、どういたしまして!」
寸田は改めて影人達へとお礼を言うと早速彼は気を取り直したのかクルクルと回り始める。
「ダンスは世界を救う〜!」
「って、回りながら行ったらまた迷惑をかけますよ!!」
そのまま影人達の前から回転しながら移動する形でいなくなった寸田に影人は慌ててツッコミを入れるが、その寸田はそんな事をお構い無しに行ってしまう。ただ、こうやって帰る辺りはもう彼の事を心配する必要は無さそうだった。
そのため、こころはそんな寸田を見て安心したのか。早速影人達の方を振り向くとある提案をする事に。
「良し、先輩方!今日は皆でダンスの練習をしませんか?」
「……へ?」
「ふふっ、良いね!」
「私も賛成」
まさかのこころからのダンス練習の提案に影人が唖然とする中、うたやななはすっかり乗り気になってしまうと同じように2人の足元にいたプリルンやメロロンもやる気は十分だった。
「メロロンもねえたまと、2人で華麗なワルツを……」
「躍るプリ〜!!」
「メロ!」
そのままの流れでプリメロコンビはワルツを踊ろうとする。そして、うたは思い至ったが吉日とばかりに早速全員で移動する事にした。
「じゃあ行こっか!」
「よろしく、こころ先生!」
「はい!」
「って、ちょい待て!?ガチでダンス練習を今からやるのか!?」
尚、今現在の時刻は17時過ぎ。これだけなら別に問題は無いが今の影人達はダンス大会の会場……つまりダンスをするための場所にいるわけじゃない。
そのため、移動だけでそれなりに遅い時間になるのにそこからダンス練習なんてやってたら日が完全に沈んで夜中になってしまうという予感が影人にはあった。しかし、それでもうた達は駆け出してしまったために影人も慌ててその跡を追う事になる。
「ああもう!こうなったらやるしか無い!!」
結局、この日ははなみちタウンの出張所を借りてダンスの練習をする事になるのだったが……この話は読者の皆様の想像にお任せするとしよう。
また次回もお楽しみに。