キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

424 / 446
力尽きる影から託された応援

とうとう迎えた選挙当日。しかし、こころの快進撃に不安を抱いた甲斐を狙ってチョッキリーヌがダークランダーを召喚してしまう。

 

「そんな、ちよ先輩が」

 

「チョッキリーヌ、またお前か!」

 

「私も良い加減お前達に勝たないと立場が危ないからね。こっちも本気でやらせてもらうよ!」

 

チョッキリーヌは今度こそアイドルプリキュアを仕留めるつもりであり、そのやる気は十分だった。だが、だからと言って影人達がダークランダーにされた甲斐を見捨てて良い理由にならない。

 

「レイ君、皆をお願い」

 

「ああ、俺は皆が逃げるのをサポートしてくる。頼んだぞ」

 

選挙のために体育館に集まった生徒達は慌てて逃げ出すとその生徒達のサポートのためにレイは体育館を離脱。同時に影人達はそれぞれの変身アイテムを手にする。

 

「ちよ先輩を助けなきゃ!」

 

「行こう!」

 

こうして六人は甲斐を助けるべくプリキュアへと変身。その姿を変えていった。当然ながら、今回もまたプリルンとメロロンは人間態から変身開始するパターンである。

 

「「「「「「プリキュア!ライトアップ!」」」」」」

 

「「「キラキラ!ドレスチェンジ!」」」

 

「「キラキラ!ショータイム!」」

 

「キラキラ!ソウルリンク!」

 

「「「「「「YEAH♪」」」」」」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

「ハートをプリッとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」

 

「ハートをメロっとひとりじめ!キミと口づけ、キュアキッス!」

 

「キミと輝く、ハートの鼓動!繋がる魂、キュアソウルビート!」

 

「「「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」」」

 

こうして、アイドルプリキュアの六人は変身を完了。最後にチーム名を名乗り終わって降り立つと同時にキッスが早速投げキッスを使用。

 

「お願い、チュッ!ハートガーデン!」

 

これによりハートガーデンを展開するとダークランダーごと自分達をその中に移動させる事になるのだった。

 

「大事な、大事な所だったんですよっ!!」

 

「っと、キュンキュン。いきなり張り切ってるな」

 

「当然です!ふんっ!」

 

突如として怒りを露わにしたキュンキュンが叫ぶとそれに驚くソウルビート。このキュンキュンの言葉も当然だろう。何しろ、折角の自分の演説を邪魔されてしまったのだ。怒らないわけが無い。

 

「ふん。私には知った事無いね!ダークランダー!」

 

「ダークランダー!」

 

早速ダークランダーはプリキュアを倒すために跳び上がると上から襲い掛かろうとする。

 

「来るぞ!」

 

「ダークラン……ダー!」

 

ダークランダーは跳び上がってから降りてくる勢いを利用して両腕による強力な鉄槌を繰り出すとアイドルプリキュアの6人はそれを同じくジャンプしながら散る事で回避する。

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

 

すると回避こそできたものの、その威力は地面を抉って衝撃波を発生させる程には重く。プリキュア達はこのダークランダーの強さを思い知る事になる。

 

「コイツ、強い……!」

 

「手柄を挙げな!私がダークイーネ様に認めてもらうためにね!」

 

「悪いけど、私達はあなたの手柄のためにやられるつもりは無いよ!」

 

チョッキリーヌは今回の戦いでプリキュアに勝てばダークイーネがその手腕を認めてくれると信じていた。そのため、彼女としても負けるわけにはいかない。

 

「ふん。ダークランダー、纏めて潰してしまうんだよ!」

 

「ダークランダー!」

 

すると、チョッキリーヌはダークランダーの一撃で6人が空中にいる一瞬の隙を利用すると体の両側に武装したミサイルの発射口から合計8本の鉛筆型ミサイル弾を射出する。

 

「そんな物、私が止めてみせます!キュンキュンレーザー!」

 

キュンキュンはミサイルによる多数の飛び道具相手なら自分の力が有効だとばかりにブローチをタッチしてレーザーを放つ。

 

「はっ、そんな細いレーザー如きに止められる程ヤワじゃ無いんだよ!」

 

「えっ!?」

 

だが、レーザーとミサイルがぶつかった瞬間。ミサイルはキュンキュンが対抗して放っていたレーザーを粉砕しながら飛んでいくと完全にレーザーに打ち勝ってしまう。

 

「ッ!?そんな!?」

 

「キュンキュン、危ない!ウインクバリア!」

 

レーザーを破られたキュンキュンが動揺しているとその間にミサイルはキュンキュンへと迫っていく。そのため、すかさずウインクがカバーに入るとバリアを使って完全防御。2人がかりで止める事に成功する。

 

「ウインク、ありがとうございます」

 

「うん!」

 

「はっ、安心してる場合かい?」

 

その瞬間、ダークランダーが飛び出すと今度はウインクごとキュンキュンを倒すためにバリアを破壊しようとダークランダーが迫ってくる。

 

これに対してはソウルビートがすかさずライトのダイヤルを捻ってピンクに調整。すかさず技を放つ。

 

「アイドルの力、ソウルビートグータッチ!」

 

「クラ!」

 

ソウルビートからの強力な拳とダークランダーからの拳がぶつかり合うとその力を比べるように押し合う。

 

「くうっ……」

 

「ダーク……!」

 

「ッ、ソウルビート?」

 

するとキュンキュンはソウルビートの違和感に気がつく。普段ならダークランダーとまともに拳をぶつけ合った際にここまで力が互角になる事は少ない。むしろ、今回のダークランダーの力なら確実に押し勝てると思っていた。

 

だが、今回のソウルビートは何故かダークランダーと競り合ってしまっており。力が互角のように見えてしまう。

 

「ッ……負けるかぁっ!」

 

ソウルビート自身も何かの違和感を感じるものの、気合いでダークランダーを押し切って返り討ちにする。

 

「クラァ!?」

 

「だったら、これで終わらせる!ソウルビートアトラクト!」

 

ソウルビートは自らの力を数倍に増幅させる切り札。ソウルビートアトラクトを使うと踏み込んで一気にダークランダーへの接近を試みる。

 

「ダークランダー、アイツを近づけさせるんじゃないよ!」

 

「ダークランダー!」

 

するとダークランダーは両側に存在するミサイルから再度8本の鉛筆ミサイルを放つ。

 

「そんなミサイル、当たらなければどうという事ねーよ!」

 

ソウルビートは凄まじいスピードを利用してダークランダーからのミサイルを悉く回避。一気に接近していく。そんな彼を見たキッスも何かを感じた。

 

「ッ、どういう事?」

 

「キッスどうしたの?」

 

「いえ、今一瞬……ソウルビートの力が落ちたような」

 

キッスの感じた違和感。それはソウルビートアトラクトによって上昇しているはずのソウルビートの能力が低下している事だった。そして、その感覚はソウルビート本人がよくわかっているようで。

 

「(ッ、やっぱり……体に力が出ない)」

 

ソウルビートは一瞬顔を歪めるとそれでも構わずにダークランダーに突っ込む。

 

「ダークランダー、何やってるんだい!早く倒すんだよ!」

 

「ダーク……ラン!ラン!ラン!」

 

すると三連続でミサイルを放ったダークランダー。合計24本の鉛筆型ミサイルの雨をソウルビートに向けて降り注がせるとソウルビートは必死に回避をしながらダークランダーの目の前に来る。

 

「これでも……」

 

「しまっ!?」

 

「クラ!?」

 

「喰らえ!」

 

ソウルビートがいきなり目の前に現れたダークランダーは思わず動揺してしまうと彼の前で完全に隙を晒してしまう。勿論ソウルビートはそんな隙を逃さない。ライトのダイヤルを白に合わせると白いエネルギー砲を構える。

 

「ズキューンの力、ソウルビート……」

 

そのままダークランダーへとゼロ距離で攻撃を放とうと構えた。しかし、技を使う直前に突如としてソウルビートの体から一気に力が抜けてエネルギーは消失。同時にソウルビートアトラクトも強制解除されてしまった。

 

「バズ……えっ!?」

 

「クラ?」

 

「へ?」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

まさかの事態にソウルビート本人のみならず、アイドル達他の5人やチョッキリーヌ。挙げ句の果てにダークランダーさえもこのソウルビートの変化に困惑する。

 

「ッ……力が出ない……」

 

「何にせよ今がチャンスだよ!ダークランダー!」

 

「ダークランダー!」

 

ソウルビートは自分の力が出なくなってしまった事に動揺。この影響で攻守は再度逆転。完全に無防備な姿を晒したソウルビートへと至近距離から容赦無くミサイル弾が射出される。

 

「ッ!?ぐあああああ!?」

 

「そんな、ソウルビート!?」

 

ソウルビートはまともに受けてしまったミサイル弾を受けて地面を転がると変身解除こそしなかったものの、かなりのダメージとその影響での苦痛に顔を歪めていた。

 

「ぐ……うぅ」

 

「何でいきなりソウルビートの力が。ダークランダーは何もしてないよね!?」

 

「はぁ……はぁ……はぁ……悪い、ダークランダーじゃなくて問題は俺にある」

 

アイドルが動揺したように声を上げているとソウルビートはそれを受けて申し訳なさそうな声で補足説明を入れる。そして、その様子に心当たりがあるキュンキュンはソウルビートに問いかけた。

 

「ッ、まさかソウルビート……体力切れですか?」

 

「体力切れ……」

 

「そっか、ソウルビート。高熱を出して寝込んだ後、起きてすぐに選挙活動を手伝ってたから……」

 

ソウルビートは自分に問いかけてきたキュンキュンに頷くとその予想が正しい事を伝える。どうやら、ソウルビートは高熱の際の体力低下が完全に戻る前にキュンキュンの選挙活動を手伝ってしまったせいでこの段階でも体力が戻り切っておらず。

 

その上でソウルビートアトラクトという無理矢理力を引き出す技を使った事でとうとう限界を迎えてしまったらしい。

 

「くそっ……こんな時にまた……」

 

「あははっ!何だかよくわからないけどツイてるね!キュアソウルビート無しのアイドルプリキュアなど、大した事無い!」

 

「ダークランダー!」

 

するとチョッキリーヌはソウルビートがよくわからないうちに自爆したと考えて喜び、ダークランダーも今がチャンスとばかりに再度ミサイルを放つ。

 

「っ!ソウルビート!」

 

キッスは慌ててソウルビートを抱えると他の4人と共に攻撃を回避。しかし、ダークランダーは容赦無くミサイルを連発。

 

「そんなのには当たらないよ!」

 

「うん!幾ら強いミサイルだって当たらなければ……」

 

プリキュア達はミサイル攻撃に対して回避をし続ける。このままダークランダーが疲れ果てれば今度は自分達のチャンスにできるため、どうにか避け続けようとしたのだ。

 

「はっ、そんな単純だと思ったかい?お生憎様。そこのガス欠男と違ってこっちはただ我武者羅に撃ってるだけじゃないんだよ!」

 

「ダークラン!」

 

その瞬間、ダークランダーの瞳が赤く発光すると放っていた多数のミサイルは突如として向きを変えるとプリキュア達の方を追尾し始める。

 

「嘘!?」

 

「追尾式!?」

 

「不味いですよ、これじゃあ……」

 

プリキュア達がどんなに避けてもミサイルが追尾してくるとなると、回避は殆ど意味を為さない。しかも、ミサイルは後から後からどんどん追加される。これでは逃げても逃げても数が増えて迫り来るという事だ。

 

「ッ!ソウルビートごめんなさい!」

 

「「「「うわぁああああ!?」」」」

 

ソウルビートを抱えていたキッスは回避が間に合わないと感じると咄嗟にソウルビートをミサイルが無い方向に投げ捨てる形で逃すとアイドル、ウインク、ズキューンも含めてミサイルが命中。

 

そのまま4人が傷だらけで倒れてしまう。その光景を見せつけられたキュンキュンは顔を青ざめさせる。

 

「皆さん!?そんな……」

 

「はっ、他人の心配なんてしている場合かい?」

 

そして、残されたキュンキュンの元にも容赦無くミサイルは迫っていく。そのためキュンキュンは自慢のスピードで必死に回避するものの、ミサイルの数が増えている以上は被弾するのも時間の問題である。

 

「くっ!?しまっ……」

 

そして、キュンキュンもとうとう回避の限界に達するとミサイルがすぐ前に迫ってしまう。

 

「ッ……ウインクの力……はぁ、はぁ……ソウルビートバリア!」

 

そんな時だった。キュンキュンの前に体力切れが間近に迫ったソウルビートが庇うように割って入るとキラキラマーク型のバリアを展開。しかし、バリアの耐久性以上にソウルビートが消耗していたのもあってバリアを維持できず。

 

バリアが突破されるとキュンキュンが受けるはずだった集中砲火をソウルビートが受けてしまう。

 

「がああああ!?あ……ううっ」

 

ソウルビートはとうとうオーバーダメージを受けた影響で変身解除。そのままキュンキュンの方に倒れ込む形でやられてしまう。

 

「「「「ソウルビート!?」」」」

 

「そんな……どうして私を……」

 

「悪い……キュンキュンがやられそうなのを見てて、つい……な」

 

キュンキュンは本来なら自分達でカバーすべき立場のソウルビートに守られた事に悔しさが滲むと拳を握り締める。

 

そして、チョッキリーヌはアイドルプリキュアの中でも最大の強敵。ソウルビートを初めて変身解除に追い込んだ事で浮かれていた。

 

「あははははっ!やった、やったよ!これでアイドルプリキュアは最大の戦力を失った。これなら残ってる5人もすぐに倒せるね!」

 

チョッキリーヌの喜びも当然だ。何しろ今までずっと苦戦させられてきた相手を体力切れという弱味に付け込んだとはいえ撃破したのだ。喜ぶなという方が無理だろう。

 

「……カゲ君」

 

「キュンキュン……。キュンキュンなら勝てるよ。俺は信じてるさ。だって応援は素敵で、心キュンキュン……なんだろ?」

 

「ッ!……はい!」

 

一方の影人はキュンキュンへと彼女が選挙活動前に甲斐へと伝えた言葉を口にして手には紫のキラキライトを取り出す。それは影人からのキュンキュンを応援であり、キュンキュンはその応援に応えるために立ち上がる。

 

「はっ、今更立ち上がった所で勝てるわけが……」

 

「いいえ、私は負けません。大好きな彼氏からの応援ですよ?……そんなの、心キュンキュンするに決まってるじゃないですかーっ!」

 

その瞬間、キュンキュンの体から凄まじい紫のオーラが湧き上がるとそれが天高く昇る。この力は正に、前にウインク、ズキューン、キッスが見せた物と同じ。つまり、キュアキュンキュンも影人の応援をキッカケに覚醒したのだった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。