キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
ハートガーデンが破壊され、力を増したダークランダーに追い詰められたプリキュア達。しかし、そんな絶体絶命の窮地にかつての親友。取り戻したいという想いから響カイトはプリキュアとして覚醒。キュアコネクトへと変身を遂げる。
そして、彼の一撃によってジョギは浄化。燈夜カズマとしての姿に戻ると空中にいたコネクトはカズマの前に降り立った。するとコネクトはカズマへとそっと手を差し伸べると彼はその手を振り払ってしまう。
「親友の成功を喜べなかった。俺、嫌な奴なんだ」
カズマはコネクトの顔を見れないのか、俯いた状態のまま話すとコネクトはそんな彼を見ながら優しく話しかけた。
「……本当に嫌な奴は、そんな事思わないよ」
「ッ……!」
カズマはコネクトからかけられた言葉に救われたのか、顔を上げると瞳には涙が流れていた。それは、カズマがかつての親友であるカイトに受け入れた事に対する物だ。
カズマはジョギとして闇に呑まれて以降、数多くの人間を闇に堕とそうとしてきた。そして、今目の前にいるかつての親友であるカイトに対してもである。そのため、カズマはカイトに絶交を言い渡されても文句の言えない立場なのだ。
しかし、カイトはそんなカズマを許して元の親友に戻るために手を差し出した。それを受けてカズマは改めてコネクトの出した手を掴んだ。
「カイト……ごめん」
そして、コネクトが座り込んでいたカズマを立たせると2人が握った手と手の場所からネイチャー色の小さな光が無数に生まれた。それはまるで2人の中にあった絆が復活した事を示すように輝く。
「もう、離さないからな。カズマ」
「ああ……許してくれてありがとう、カイト」
こうして、カイトとカズマ。拗れてしまった2人は仲は戻った。勿論、カズマがジョギとして……チョッキリ団の一員として人々から光を奪ってきたのは事実。当然これからの人生ではそれと向き合わないといけないだろう。
それでもカズマはカイト共に新たな一歩を踏み出すと決めた。その光景を見てアイドルは微笑む事になる。
「……キラッキランラン♪」
「やれやれ、やっとこれでカズマさんが戻ったか。……後は」
「ダァク……」
ソウルビートがまだやるべき事が残ってるとばかりに会場の2階席の方を見る。するとコネクトに飛ばされていたダークランダーがかなりのダメージを負いつつも、プリキュアを倒すべく起きあがろうとする。
「ダークランダーを倒すだけですね!」
「ジョギもいなくなったし、ダークランダーだけならどうにか……」
プリキュア達は指揮者のいなくなったダークランダーが相手ならどうにか勝てると思っていた。実際、ダークランダーはコネクトからの攻撃でかなりのダメージを負っている。後は浄化技をぶつければ勝てるはずだった。
『……情けないな、ジョギ……いや。最早闇に染まり切れなかったただの出来損ないか』
「「「「「ッ!?」」」」」
「ダークイーネ……やはり介入してきたか」
そこに現れたのはダークランダーの影から出てきたダークイーネであり、彼女はカズマの方を向くと侮蔑の視線を彼に送る。
『あれだけスラッシューの事を言っておきながら簡単に光に戻るとは……。貴様には失望したぞ』
「ダークイーネ……」
「今度は何の用だ。カズマさんをもう一度闇に染めに来たと言うのなら……」
ソウルビートの言葉と共にプリキュア達は一斉に構えを取って警戒状態となる。しかし、ダークイーネの狙いはカズマでは無いようで。
『最早そのような奴に興味は無い。妾のお気に入りを侮辱しておきながら簡単に妾を裏切った奴など最早要らない』
「だったらどうするつもり?」
『この場で貴様等を始末するのだ。妾の力を使ったこのダークランダーの力でな』
その瞬間、ダークイーネが目を赤黒く発光させるとどこからともなく大量の闇が飛来してきた。これはライブ会場にいた人達とは別でダークイーネが自らの力で呼び出した物だろう。その闇を取り込んだダークランダーの傷は再生し、その体が更に一回り大きくなってしまった。
「ダァアアクランダーッ!!」
これにより、ダークランダーは強化されてしまうとプリキュア達はその凄まじい圧力に押されてしまう。
「ッ、コネクトはカズマさんをお願いします!」
「あ、ああ。でも君達は」
「大丈夫です。絶対にこの闇を打ち破ってみせますから!」
コネクトは他のプリキュアにこの場を任せるとカズマを連れて安全な場所に退避。他のプリキュア達も集合するとアイドルが声をかけた。
「絶対にこのライブを守るんだっ!」
「「「「はぁあああっ!」」」」
その瞬間、ウインク、キュンキュン、ズキューン、キッスの4人が前に見せたオーラを纏った覚醒状態へと移行。彼女達もアイドルと同じ強い想いを胸に抱く形でその力の限界の殻を破ったのだろう。
「俺もこんな所でへばってられるか、体保ってくれよ!ソウルビートアトラクト!」
同時にソウルビートも自らの身体能力強化を発動。そして最後にアイドルもアイドルハートリボンスタイルを使う事による力の質が上がった事での赤いオーラを纏い、全員が強化状態となる。
「皆、行くよ!」
「(うん)(はい)(えぇ)(ああ)!」
先程の時点で自分達6人が束になって勝てなかったのだから今のダークランダー相手にどうにかするにはもう覚醒状態しか無い。そして、この力は時限式であるために時間経過するだけで力が解除されてゲームオーバーだ。
「ダークラン!」
ダークランダーは自身の武器であったタオルも先程のコネクトの蹴りで粉砕されたため、手には武器を持っていない。なので拳でプリキュアを打ち破ろうとする。
「ウインクバリア・レインボー!」
ダークランダーからの拳に対してウインクが虹色に輝くバリアでダークランダーの拳をしっかりと防御。
「せーのっ!」
「クラ!?」
そのままダークランダーを押し返して下がらせるとそこにキュンキュンが跳び上がりつつ技を発動させた。
「キュンキュンレーザー・エターナル!」
キュンキュンは無数とも呼べる程のレーザーの雨を放出。それがダークランダーの上から降り注いだ。
「ダークランダー!」
その瞬間、推し活用グッズとして持っていたのか。自身の周囲にペンライトのような物がファンネルのように出てくるとそこからレーザーが射出。キュンキュンのレーザーを迎え撃つ。
「カイ友の皆さんがカイトさんのライブを楽しみに待ってるんです!あなたもその1人だとしたら……こんな事辞めてください!」
その瞬間、キュンキュンのレーザーの威力が上がるとダークランダーのレーザーを破ってその体にダメージを与えていく。
「ンダァアアッ!?」
「はあっ!」
ダークランダーがレーザー攻撃で怯むとそのタイミングでソウルビートが飛び出し、ダークランダーに接近。高速での拳の連打を叩きつける。
「ダダダダダダッ!」
「クラ!?クラ!?クラ!?クラ!?」
ダークランダーはソウルビートからのラッシュにタコ殴りにされてしまうが、流石にそのままでは終われないとばかりにお返しの拳を放つ。
「ランダーッ!」
「当たるかよ、そんな物!」
しかし、ソウルビートは空中で体勢を変えてその拳を回避。更に拳の上を足場にする形で跳躍。そのままダークランダーの真上から強烈な踵落としを放つ。
「だりゃあっ!」
「ンダァアアッ!?」
ソウルビートからの踵落としを頭に受けたダークランダーはショックで一瞬意識を飛ばすが、そこはダークイーネのパワーアップを受けた者としての意地なのか。ギリギリで意識を復活させるとすぐに持ち直す。
「ぐっ……」
しかもタイミングの悪い事にソウルビートは自らの能力強化の負担で顔を歪めると動きが一瞬止まってしまう。そこを狙う形でダークランダーは今までの分のお返しとばかりに両腕を頭の上で合わせつつダブルスレッジハンマーの構えを見せる。
「ダークラン!」
「しまっ……」
このままではダークランダーからの一撃を受けてしまう。ソウルビートは反応が遅れたのもあって思わず防御姿勢を取ろうとする。
そんな時、すかさずズキューンがソウルビートを助けるために化粧コンパクトでアイカラーを塗ると自身の真上に凄まじい輝きを放つ強力なエネルギー砲を生成した。
「ズキューンバズーカー・フォルテッシモ!」
ズキューンが放った強力なエネルギー砲はダブルスレッジハンマーを振り下ろそうとしたダークランダーに命中。その体に大きなダメージを与える。
「クラァ!?」
「ズキューン、サンキュー」
「うん!」
ソウルビートは助けてもらった礼をズキューンに言うと彼女は誇らしげに頷いた。そして、ダークランダーはどうにかズキューンの攻撃に持ち堪えると良い加減反撃するとばかりに力を高めようとする。
「ダァアアアク……」
「いいえ、このまま倒れて貰うわ。チュッ!」
するとダークランダーが反撃を開始しようと意気込んだタイミングを逃す事無くキッスが自身の腰に着けている化粧コンパクトを使用。
キッスが口にリップを塗ると投げキッス。それによって生み出されたハート型のエネルギー弾は凄まじい量の電撃を帯びていた。
「キッスショック・ピアニッシモ!」
キッスからの投げキッスはダークランダーに向かって飛んでいくと見事に命中。その体へと凄まじい量の電流を流し込んだ。
「ンダァアアッ!?」
幾らダークイーネの力によって強化が入っているダークランダーと言えども、ここまでプリキュア達から多数の攻撃を受けるとダメージも大きく。キッスショックの電撃も入って足元がフラフラとしていた。
「ダーク……」
「アイドル!今だ!」
「うん、一気に行くよ!」
ソウルビートはダークランダーの受けたダメージが大きい事を見るとアイドルへと追撃を指示。彼女はそれを受けて飛び出すとすかさずブローチをタッチ。技を発動させる。
「アイドルグータッチ!」
「ダーク……ラン!」
アイドルだけは個人技の進化が無かったものの、元々姿がアイドルハートリボンスタイルへとパワーアップしているために強化されたダークランダー相手にも友好で。ダークランダーもどうにかやられまいと抵抗するように拳を合わせるものの、結局アイドルに打ち勝つ事ができずに吹っ飛ばされた。
「ンダァアアッ!?」
ダークランダーは再び壁に激突するとかなりダメージで動きが鈍る。今なら浄化技をかけられるだろう。ただ、ダークイーネによるパワーアップのせいでキラッキランフォーユーが通用しない可能性がある。
「よーし!このまま皆で……」
「待って、今のダークランダーだと6人がかりでも浄化できないかもしれない」
「ッ!?じゃあどうすれば……」
ソウルビートが6人でも倒せない可能性を示唆するとプリキュア達はどうすれば勝てるかを考えた。するとアイドルが声をかける。
「だったら、私がアイドルハートリボンスタイルのままキラッキランフォーユーをするのは?」
「確かにそれならアイドルが通常時からパワーアップしてる分、行けるかもしれません!」
通常のキラッキランフォーユーをする際、アイドルは強化形態であるアイドルハートリボンスタイルを使用していない。そういう事情からアイドルハートリボンスタイルを使っている分だけ通常時からパワーアップを見込む事ができる。
ただ、当然ながらそれはキラッキランフォーユーという技にとってはイレギュラー。ぶつけ本番で成功できるのかという問題もある。
「でも、失敗したら……」
「大丈夫よ。……私達ならきっとやれる」
「ッ……うん!」
ウインクが失敗を懸念する中、キッスはウインクへと優しく話しかけた。そして、一番失敗を懸念しそうなキッスがそう言うのならウインクも大丈夫だと信じられる。
「それじゃあ、皆!決めるよ!」
「「「「「うん!」」」」」
♪決め歌 キミとシンガリボン♪
アイドルの掛け声が入ると直後に六人は浄化のためのステージを発動。その領域を展開し、それぞれがインカム、マイクを生成。
「「「「「「感じてYou and I キズナリボン〜♪」」」」」」
そのまま六人はキラキライトを手にしつつステージの上で動くといういつも通りの動きをする。ただ、今回はいつもと違う場所があった。それは勿論、アイドルがアイドルハートリボンスタイルのため、アイドル本人もステージを見るファン達も赤いキラキライトを使っている点である。
「「「「「「クライマックスは私達!」」」」」」
そして、掛け声と共にキラキライトは光と共にキラッキランリボンバトンへと変化。その後、プリキュアステージリボンを装填。同時にダークランダーは技の効果で席へと強制着席。そのままイントロが終わり、六人は歌を歌う。
「「「「「「重なる想いの強さを歌に乗せて〜♪届けに来たよ Sing For You 照らしてみせる〜♪溢れる思いを残らず伝えるんだ〜♪どんなときでもYou and I 〜♪私とキミを結ぶキズナシンガリボン〜♪」」」」」」
六人の歌が終わると同時に技名を言い放ちつつ、自分達の頭上でバトンを振りつつ光のエネルギーを一つに集約。その際にアイドルはスタイルチェンジをしているため、それに伴ってピンクのハートから赤いハートとして変化。これにより、赤いハート・青の四芒星・紫の雫・白の音符・黒の二連符・銀の稲妻のマークが一つに合体したような状態となる。その際に普段とは違ってアイドルがスタイルチェンジした事で失われていたピンクの光が六人のシンボルマークが合体した物を更に外から包み込み、それがオーラとして技の威力上昇を際立てていた。
「「「「「「プリキュア!キラッキランフォーユー!」」」」」」
そのまま六人がバトンを振り下ろす形で束ねた凄まじい光のエネルギーを解放。それがより一層強化された虹のエネルギー波としてダークランダーへと向かって飛んでいく。敢えて名前を付けるのなら強化版キラッキランフォーユーという名称になるのだろう。
それはさておき、強化版キラッキランフォーユーはダークランダーに命中。その体を一気に浄化していく。同時に六人で決めポーズを取った。勿論その際のアイドルへのスポットライトは赤に変化している。
「「キラッキラッタ〜」」
これによりダークランダーは無事に浄化されると囚われていた青年が助け出され、同時にキラルンリボンも生成。今回はアイドルがアイドルハートリボンスタイルの状態でキラルンリボンを手にする事になる。
また次回もお楽しみに。