キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

44 / 325
戦慄!?獄炎の歌姫の歌

夢乃を素体にして誕生したマックランダー。その誕生に連動してプリルンはその気配をキャッチする。

 

「ブルっと来たプリ!?」

 

「って事は!」

 

それからうたから連絡が飛んでなな、こころ、レイも現場へと向かう。ただ、レイは戦闘はできないのでプリルンを預かって安全な場所へと隠れる役割だ。

 

「いた!マックランダー!」

 

「マックランダー!」

 

「プリ!?あの中に夢乃が閉じ込められてるプリ!」

 

「そんな、夢乃ちゃんが……」

 

「カゲ先輩だけじゃなくて夢乃ちゃんまで……許せません!」

 

プリルンがレイの腕の中でそう叫ぶとうた、なな、こころがマックランダーと対峙する。そんな中、マックランダーは何故か破壊活動を行わずに大人しくしていた。ただし、周囲にいた人々は怪物が出た事で慌てて逃げているために人気は無い。

 

「あれ?いつもなら暴れるはずなのに」

 

「私がマックランダーが暴れるのを止めているからですよ」

 

するとスラッシューがフードを被った状態で降り立つ。そしてそれはブレイクも同じである。そして、スラッシューが素顔を見せない事に違和感を抱くうた達。

 

「スラッシュー、どうして素顔を見せないの?」

 

「そういえば、顔はわかっているのになんで……」

 

そんな中、スラッシューはその手に赤紫の宝石を黒い音符の装飾で覆ったようなアイテムを持つとそれを振る。それは“チリンチリン”とベルのように鳴り響くと同時にスラッシューは自ら着ていたフード付きのローブを投げ捨てた。

 

「踊りなさい。私の闇の炎達!」

 

それと同時に彼女はアイドルプリキュアと同じように変身のための口上を叫ぶ。

 

「暗闇シャドーアップ!クラクラ!ドレスチェンジ!」

 

するとスラッシューの服が黒みのかかった赤紫の変身用の服に覆われるとまずはその服が赤紫の炎に燃え立つドレスのような形状へと変化。そしてその炎が消えると同時に衣装を隠していたベールも消え、その姿が露わになる。それは赤紫の暗いカラーリングを基調としつつ、両肩は露出した状態であり黒いラインの入ったセパレートタイプの服である。その両腕の袖の色はメインの赤紫の他に黒よりの赤も混じっており、両腕の手首には黒い炎の装飾も付属している。

 

スカートの先は炎のような燃え盛る形をしつつも姫としての美しさは維持していると言わんばかりに形状は整っているそんなタイプである。また、赤紫を基調としているそれの先端には黒い縁取りも施されていた。

 

「燃えろ、全てを焦がすまで!」

 

更に彼女の背後から炎の流れ星のような物が降り注ぐとそれが次々と装飾として合わさっていく。まずはスカートの背後に黒い炎のマークが左右対称になったような腰のリボンが装着。更に前に移ると赤、紫、黒の宝石がお腹の上から縦に綺麗に並ぶように合わさるとそれから三本のラインが伸びて定着。そして首には赤紫の装飾が合わさる。

 

「震えなさい、私の漆黒の炎に!」

 

それと同時に両脚に黒い炎が出てくるとそれが黒いハイソックス、赤紫のヒール付きブーツへと変化。そのまま彼女はフラメンコのようなステップを踏むとそれによって発生した炎が腕に伝播。両腕の先端から暗い赤のアームカバーが装着。ただし、手は素手であり、カバーは中指で止められている形だ。

 

「光なんて要らない、全ては闇の炎の中へ!」

 

それと同時に彼女の髪が赤紫の炎で燃え盛ると同時に前に見せたようなお団子ツインテールヘアへと変化。そこに耳や髪の飾りが赤紫の炎と共に次々と現れる。そして、前に出ていた目元のベールは一瞬出てから炎で消え去るとそれが彼女の瞳を暗い赤へと変えた状態で露わにさせる。最後に最初に使ったベルがヘッドホンパーツに取り込まれるとそれがインカムとして展開される。

 

「獄炎の歌姫・スラッシュー。地獄の業火で死ぬまで踊りなさい」

 

「嘘……変身……したの?」

 

「アイドルプリキュアみたい」

 

「アイドルプリキュア?……私の力はそんな平和ボケした安物じゃ無いのですわよ?」

 

そんな風にスラッシューは三人を挑発する。三人はそんなスラッシューから感じられる凄まじい力に押されるが、それでもやるしか無いとアイドルハートブローチを構えた。

 

「……先輩方、お願いがあります」

 

「「え?」」

 

それからこころが二人に軽く耳打ちをするとその間もスラッシュー達は律儀に待ち続けた。尚、マックランダーは先程から暴れるのに対して待てを喰らっているせいで今にも攻撃したそうだったがスラッシューには逆らえないのか我慢していた。

 

「オッケー、それがこころちゃん……ううん。こころのやりたい事だよね?」

 

「すみません、こんな急に……」

 

「ううん。むしろ、強い相手に立ち向かうための勇気を出す良いおまじないになりそうだよ!」

 

「それじゃあ、皆……行くよ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

それから三人は同時に変身をスタートするとアイドルハートブローチにプリキュアリボンを装填。それと同時に三人は掛け声を叫ぶ。

 

「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

そして、三人が変身を完了させると手を空へと掲げて重ね合わせてから三人で円陣を組み、気合い入れをやるように一度下に下ろしてから上に上げてチームとしての名乗りを行う。

 

「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」

 

三人がそれぞれの決めポーズを決めるとスラッシューの前に降り立つ。それを見てスラッシューはクスリと笑みを浮かべた。

 

「ふふっ。そのチーム名乗りは初めて聞いたけど……もしかして今の相談ってこれの話をしてたって所かな?」

 

「うん!あなた達に負けないようにするためのおまじないだよ!」

 

「絶対に影人君も夢乃ちゃんも助けてみせる!」

 

「そう。あなた達のそのやる気は買ってあげましょう。ならば、ブレイク。あなたも本気でやりなさい。その方があなたの元仲間との決別も容易いでしょう」

 

「……はい、スラッシュー様」

 

それからブレイクが影人からブレイクになる際に取り込んでいた黒い四芒星のブローチを体から分離したのか手にする。

 

「……暗闇シャドーアップ。クラクラ・ドレスチェンジ」

 

影人は無機質にそう言うと影人の胸から飛び出した漆黒のオーラを放つバイオレットのリボンが自動的にブローチに装填。それと同時にブローチの右上と左上にある押し込みの部分を押し込んだ。

 

するとブローチの下側にある四芒星型のミラーボールが回転。闇を解き放つ。それと同時にブレイクはフード付きローブを脱ぎ捨てると服が暗いバイオレットカラーの変身用服に変わっており、そのまま髪が黒髪の先端にバイオレットが入った色合いに変化。瞳を一度閉じるとそれが黒からバイオレットへと変わっている。

 

「影を纏い、闇は濃くなる」

 

ブレイクがブローチを再度押すとブレイクの体に服が現れていく。それら自身の影が自らを飲み込むような形で彼が闇に侵されるようなイメージを与えた。すると黒いタキシードのスーツが装着。更に下半身にもスーツの長ズボンが展開し、下から影に侵食されるように暗い紫のラインが入っていく。それと同時に腰からローブが展開すると内部が暗い紫、外側が黒いカラーにワインレッドのラインが入った禍々しいイメージの模様が浮かび上がる。

 

「堕ちろ、深き闇の奥底へ」

 

ブレイクが三度目の押し込みを行うと黒にバイオレットのラインが入ったブーツが装着。それと同時に手にバイオレットの手袋が装着されると両肩に貴族がよくしているような青紫のエポーレットが出現。それと同時にバイオレットの襷がタキシードの内側に右上から左下に向かって装着。それと同時に耳にバイオレットのピアスが出現。左胸にブローチが置かれるとこれも装着された。

 

そして、彼は降り立つと同時に影によって空間が支配されたように暗い紫に染まると自らの名乗りを行う。

 

「……光を葬る、無限の闇!消え去る希望、漆黒のブレイク!」

 

ブレイクは自らの姿を露わにするとアイドルプリキュアの三人の前に降り立つ。スラッシューとブレイク。それはある意味チョッキリ団側に於けるアイドルプリキュアのような物であった。

 

「ッ……本当に闇に飲まれてるんですね。カゲ先輩」

 

「……カゲ先輩?何だその名前」

 

「えっ……」

 

「俺はブレイク。お前のような後輩を持った覚えは無い」

 

キュンキュンはブレイクこと影人に自分の事をまた忘れ去られてしまったという事実を突きつけられて心に深い傷が入るが、それでもキュンキュンは折れない。ここで折れたら影人を助けられないと唇を噛み締めて踏み留まる。

 

「……カゲ先輩は私が一人で助けます」

 

「ッ!?そんな、無茶だよ。相手はマックランダー含めて三人いるのに」

 

「だからこそです。……カゲ先輩だけに気を取られていたらスラッシューやマックランダーが何をするかわかりません。お願いします、やらせてください」

 

キュンキュンの目はいつに無く真剣だった。アイドルとウインクは後輩のキュンキュンに一人で戦わせることに躊躇が出てくるが、それでもキュンキュンの言ったことが間違ってないのもまた事実。影人のみに二人以上を割くわけにはいかなかった。

 

「……アイドル、ウインク、キュンキュンを信じてあげてくれ」

 

そこに声をかけたのはレイだ。彼はキュンキュンのメンタルを見て一人で戦わせても大丈夫だと判断して二人に彼女の考えを押すように促したのである。

 

「……わかった。影人君の事はお願い」

 

「はい!」

 

「カゲ先輩……いいえ、ブレイクあなたは私が相手します!」

 

そう言ってキュンキュンが二人から離れる中、ブレイクはそれに着いていくか迷っているとスラッシューが声をかけた。

 

「ブレイク、あの子はあなたに任せますよ。あなたの闇で彼女が発現させた光を全て奪いなさい」

 

「……はっ」

 

ブレイクはキュンキュンを追いかけて飛び去るとその場にスラッシューとマックランダー、アイドルとウインクが残った。

 

「さて、始めましょう。マックランダー、まずはキュアアイドルをやりなさい」

 

「マックランダー!」

 

マックランダーはスラッシューの指示に従ってアイドルへと襲いかかると拳を叩きつける。

 

「ッ!?」

 

「アイドル!」

 

「私の事は大丈夫!ウインクはスラッシューを!」

 

「うん!」

 

そのままアイドルが押し込まれる形で後ろに下がるとアイドルとマックランダーが交戦。そして、残されたスラッシューはウインクをターゲットに定める。

 

「キュアウインク、まずはあなたの輝きから消してあげます」

 

その瞬間、いきなりイントロの音楽が鳴り響くとウインクは驚く。何しろ今まで戦闘中に堂々と音楽を流す敵などいなかった。そのため、彼女の意図を理解しようとする。

 

「早速だけれども、私が何故歌姫だと自分で名乗っているのか……教えて差し上げましょう」

 

その瞬間、彼女の雰囲気が変わるのを感じたウインク。するとスラッシューは手にエネルギーを高めると同時に口を開いた。

 

〜挿入歌 DARK FLARE THR WORLD〜

 

「さぁ漆黒の世界で♪心燃やしていく♪希望、照らす光さえ♪消えていくのだから♪!」

 

「ッ!?」

 

それは間違いなく歌であった。そして、彼女は歌いながら手に高めた熱線による斬撃波を飛ばしてきたのだ。

 

「ウインクバリア!」

 

ウインクは咄嗟にウインクバリアを展開するが、熱線がそれに命中した瞬間に盾を焼き尽くすと一瞬にして真っ二つにしてしまう。

 

「嘘!?」

 

ウインクは慌てて防御姿勢を取ると攻撃に耐えるが、スラッシューは更に距離を詰めてくる。

 

「私の心が叫んでく♪この、鼓動見失わずに〜♪(Blaze up in my soul)」

 

ウインクはスラッシューへと回し蹴りを放つものの、それはしゃがんで回避されるとガラ空きの体を晒してしまう。

 

「ッ、早過ぎる……」

 

「(これが脚技主体のあなたの弱点よ。手を傷つけるのを躊躇っているんでしょうけど……甘過ぎるわ)」

 

ウインクの変身者であるななはピアニスト。彼女はピアノをするために心のどこかでに手が傷つくのを避けている節があるとスラッシューは読んだ。そして、ここまで距離を詰めてしまえばもうウインクからの攻撃の手は無い。

 

「絶望の果てにある♪深淵の炎掴んでくの♪!」

 

スラッシューが手に瞬時に召喚した炎の剣が煌めくとウインクはダメージに顔を歪めて吹き飛ばされる。

 

「ああっ!?」

 

ウインクが吹き飛んだ瞬間にスラッシューは距離を敢えて詰めずに剣を天へと掲げると空に幾つもの炎の刃が生成された。

 

「今、握りしめた力……♪天を闇に染めて♪熱く燃え立つ♪!」

 

「く……うっ」

 

ウインクが立ち上がるとスラッシューを見る中、彼女が何故止まっているのかを疑問符に思う。

 

「ウインク、上だ!」

 

「えっ!?」

 

レイの叫びにウインクが上を向くがもう既に遅い。スラッシューが剣を振り下ろすと剣が一瞬紫の炎に燃え盛ると同時にゆっくりとウインクをターゲットとして動き始めていた。

 

「絶対染めてみせる♪絶望の闇♪届かないHope♪胸踊る我が焔♪誰にも邪魔させない♪!」

 

スラッシューが“誰にも邪魔させない”の部分を強く言い放つと剣は黒い闇と共に一気に加速。ウインクはどうにか耐えるために腕を交差させて踏ん張るが一瞬にして大量のエネルギーの剣にその身を焼かれると彼女は再び悲鳴と共に爆発に巻き込まれる。

 

「きゃああああああっ!?」

 

千刃落焔(せんじんらくほむら)

 

爆発と同時に発生した技のカットインが終わるとウインクは既に息も荒く、倒れ伏していた。それは彼女の技の凄まじい火力の高さを示す物でもある。

 

「生み出される♪地獄への獄炎だから♪あなたの希望、燃やす♪歌うの誰かのため?違う、私自身のために♪」

 

そして彼女が歌い切ると音楽はアウトロが流れて終了し、彼女が纏っていたオーラは一旦収まった。だが、オーラが出ていた僅かな間だけでウインクは凄まじいダメージを受けて倒れておりタンク役の彼女でさえも容易に耐えられる物では無いのだという彼女の力を示す事になる。

 

「……こんな物なの?あなたの光というのは」

 

するとウインクは僅かにピクリと動くと立ちあがろうとする。ただ、傷のせいで上手く動けないのか動きはぎこちなかった。

 

「あなたもそんな素敵な美しい歌を歌えるのに……どうしてこんな風に使うの?」

 

ウインクは絞り出すような声色でそう問いかける。その言葉にスラッシューは僅かに苛立つのか顔を歪めるが、その苛立ちを収めると静かに答えた。

 

「……私の苦しみを何も知らないくせに。こんな私の歌に何の意味も価値も無い。私の歌は輝く光をただ闇に落として全て消し去るだけの物。あなたが聴いた歌詞を見ても明らかでしょう?」

 

「……くうっ」

 

ウインクはフラついた足取りで立ち上がると構えを取る。しかし、スラッシューは彼女の体の隙が先程よりも更に増えている事に気がついていた。

 

「もうあなたの光は私の炎に焼かれてボロボロで消えかけ。なのに何で戦えるの?」

 

「約束……したから。私達で絶対に影人君を、夢乃ちゃんを助けるって!」

 

「……そう。なら、もうここからは私の歌を使うまでも無いわ。本当の意味であなたの光を焼き消して闇に沈めてあげましょう」

 

スラッシューは手にした炎の剣を消すとそのままウインクと再度交戦をする事になる。




今回、スラッシューの初戦闘を描きましたが彼女の戦い方の元ネタがわかる人はわかると思います。(と言うよりかなりあからさま)

ちなみにイントロというより曲調は完全に彼女のイメージCVの中の人がプリキュアの30分後に出ている番組のあのキャラのバトルソングと一致します。

今回描かなかった他の二人の局面はまた次回以降に描きますのでまたその時を楽しみにしてください。それでは次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。