キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
ダークランダーにされた白石を助けるべくキュアソウルビートはそのダークランダーと交戦。しかし、そこにスラッシューが加わって二対一となったソウルビート。
「あははっ!流石のあなたも二対一では苦戦するのね!」
「ダークランダー!」
ダークランダーが手にした剣を振るうとソウルビートは敢えて自分からは打ち込まずに守り徹する。具体的にはソウルリンクライトをレーザーサーベルとして扱いつつダークランダーからの攻撃を弾き、受け流しつつ消耗を抑える手に出ていた。
「ラン!ラン!ラン!ラン!」
「ッ!?くっ……」
とはいえダークランダーからの攻撃は思った以上に鋭く、重い。それこそソウルビートでも捌くのに苦労する程だ。しかも、ソウルビートにとって不利なのは更にそこにスラッシューからの援護も入る事である。
「クラァッ!」
「ぐっ……」
「これでどうかしら!」
ソウルビートがダークランダーの攻撃の範囲外にどうにか退避するために後ろに跳ぶと着地した瞬間を狙ってスラッシューが手を翳しつつ火炎弾を連射。
「そのくらい!」
「へぇ、よく捌いたわね。……でも!」
ソウルビートは連射される火炎弾をソウルリンクライトを使って全て弾き飛ばす。それらは周囲の地面に着弾して爆発した。しかし、その間にダークランダーが詰めてきてソウルビートへと攻撃を再開。ソウルビートはそれの対処をするが、ソウルビートは先程以上にダークランダーから距離を取りにくくなってしまう。
「コイツら、上手い事隙をカバーして俺を休ませないようにしてる……」
「ふふっ、当然でしょう?現状ここにいるのはあなた1人だけ。しかも他のメンバーはダークイーネ様が出したダークランダーが足止め中。じっくりとあなた1人だけを倒しにかかれるわけよ」
そして、この状況を作り出したのは他ならないスラッシューだ。ダークイーネに再度洗脳された後、記憶の封印を敢えて最小限に留めた状態でより強い闇の力で侵食された彼女はダークイーネへとアイドルプリキュアを倒す策を進言。
しかもそのおかげでソウルビートを単体で引っ張り出す事に成功したのだ。このチャンスを最大限に活かそうとするのは当然の選択と言える。
「ダーク……ラン!」
「ぐあっ!?」
するとダークランダーはソウルビートへと渾身の一閃を横薙ぎで放つとソウルビートはどうにかその太刀を防御。……しかし、あまりの威力に止めきれずに吹っ飛ばされてしまう。
「ンダァアアッ!」
そして、ソウルビートが空中に浮いた隙をダークランダーは見逃さない。すかさず太刀をエネルギーで拡張し、闇の力を込めた長い刀身がソウルビートを切り裂くために振るわれる。
「まだだ!ウインクの力、ソウルビートバリア!」
ソウルビートは咄嗟にバリアを展開するとダークランダーから振り下ろされる太刀を防御。ただ、その斬撃の鋭さにバリアにはヒビが入ってしまう。
「そんな防御で止められるとでも?」
「いいや、だからこそ生じる一瞬の隙!」
しかし、ソウルビートはバリアを破壊される事前提で動いていたらしく。すかさずバリアの両サイドにあるキラキラマークの尖った部分の内、右側の方を彼は掴む。
「む、何をするつもり?」
「こうするんだよ!」
そのままソウルビートは体を振って勢いを付けるとそのまま盾の上側に移動。更にそのまま手にしたソウルリンクライトのダイヤルを紫に合わせつつ先端を後ろに向ける。
「キュンキュンの力、ソウルビートレーザー!」
ソウルビートはレーザーの出力で前に出ると一気にダークランダーへと接近。
「うおらあっ!」
そのまま渾身のタックルを命中させるとダークランダーはダメージに顔を歪める。
「クラァッ!?」
「更にアイドルの力、ソウルビートグータッチ!」
続けてソウルビートは強力な拳の一撃をぶつける。それを受けてダークランダーは堪らずバランスを崩すと後ろに倒れ込んだ。
「ンダァアアッ!?」
「良し、ダークランダーを一気に……」
「できるなんて思ってないでしょうね?」
するとソウルビートが着地した瞬間にスラッシューが地面に手を置くと少し離れたソウルビートの真下が僅かに振動する。
「ッ!?ウインクの力、ソウルビートバリア!」
ソウルビートは咄嗟に自分の足元にバリアを展開。するとソウルビートの足元からいきなり炎が噴き出す事に。
「ッ!?」
ソウルビートは炎によって自ら展開したバリアごと下から押し上げられるとそのままウインクバリアの上から跳び上がる。
「スラッシュー!」
ソウルビートはスラッシューへとキックを繰り出すと彼女もまた脚に炎を纏わせつつ蹴りで対応。二つの攻撃はぶつかり合うとお互いに相殺されて後ろに下がる。
「スラッシュー、思い出してくれ!Utakoさんとの日々を!」
「Utako、ねぇ。今の私にそんな小賢しい説得は通用しないわ!」
ソウルビートはどうにかUtakoの話題を出す事で正気を取り戻そうとするが、彼女の話題を出されても通用していないのか。全くもって動揺する素振りさえ無くなってしまう。
「くっ……ダークイーネの洗脳が入ったせいで全く聞く耳を持たない」
「さ、続きを楽しみましょう!」
スラッシューが手にした剣を構えると自身の周囲に多数のエネルギーの剣を生成。それらがソウルビート目掛けて一斉に放たれる。
「ッ!?やべっ!ソウルビートアトラクト!」
ソウルビートは自身の体にブーストをかけると一気に接近するため駆け出す。それを受けてスラッシューも笑みを浮かべるとソウルビートと似た闇のオーラを生み出すと同じく加速。そのままソウルビートとスラッシューは高速の世界で殴り合う。
「ダダダダダダッ!」
「あははははっ!」
だが、スラッシューは笑いながら戦っていることからソウルビートと比べて余裕があるようで。ソウルビートは少しずつ押されるとスラッシューの一撃が腹に命中してしまう。
「はあっ!」
「あがあっ!?」
更にスラッシューは右脚での蹴りがソウルビートに命中して彼は吹き飛ばされて地面に激突。同時にソウルビートアトラクトも解除されてしまった。
「そんな物かしら?あなたの全力ってやつは」
「ッ、この野郎……俺の全力で相手してるのに」
ソウルビートだって決して手を抜いているわけでは無い。実態はむしろ逆。彼はかなり本気でスラッシューに対応していた。しかし、それを嘲笑うようにスラッシューの能力は完全にソウルビートを超えてしまっていたのだ。
「これで全力ねぇ、ま……今のあなただとこんな物かしら?」
「コイツ、まだ余裕あるのか」
ソウルビートはこの短時間の殴り合いだけでも自分ではスラッシュー相手に勝てない事を思い知ってしまう。そして、スラッシューはそんなソウルビートに話しかけた。
「あなたも本当に惜しいわね。闇の力を手放してさえいなければチョッキリ団の幹部として迎え入れる事もできただろうに」
「煩せぇ……そんな簡単に闇堕ちなんてしねぇよ」
「ふふっ、でしょうね?」
ソウルビートはスラッシューからの誘いを完全に拒否。スラッシュー側もその答えが何となくわかっていたのか。それ以上聞いてくることは無く、更に手に炎を宿すとエネルギー弾として連射。ソウルビートはそれをどうにか転がって回避する。
「ッ、クソッ」
「あら?必死になってる所申し訳ないのだけど、私はまだまだ全然余裕よ。ま、聡明なあなたならよくわかってるだろうけど!」
スラッシューは更に炎の剣を作り出すとソウルビートに迫る。彼はそれを見てどうにかソウルリンクライトのレーザーサーベルで受け止めるものの……パワーの差は歴然。そのため、あっという間に押し負けると吹っ飛ばされてしまう。
「ぐうっ……」
「ダークゥラン!」
そこにダークランダーが巨大な剣を振り下ろすとソウルビートはどうにか受け太刀する。しかし、ダークランダーに吹っ飛ばされている事もあって明らかに押されており……このままでは太刀をまともに受けてしまう。
「く、クソッ……」
「良い加減諦めたらどう?あなたの仲間は来ないし、私の説得もできない。……あなたが闇に来るというのなら私がダークイーネ様を説得してあげても良いわ。その代わり、対価は高くつく覚悟はしてもらうけど」
スラッシューはソウルビートが降伏するなら許すという事も言い出した。ただ、ソウルビート側はそんな事を言われた所で呑むはずが無い。
「お断りするよ……スラッシューだって俺が断る事くらいわかるだろ?」
「ふふっ、それもそうね?ダークランダー」
「ダークランダー!」
「ぐうっ……」
ソウルビートはダークランダーに更に力を込められると押し切られる予感を感じてしまう。ただ、今自分が押し切られてしまうわけには行かないと考えてどうにか踏み留まろうと必死に耐える。
「ソウルビート……アトラクト!」
「クラ!?ンダァアアッ!!」
ソウルビートは自らの強化する技を使用。ダークランダーを押し返すとすかさず超スピードで接近して拳を叩き込む。
「無駄な足掻きね。はあっ!」
スラッシューはそんな事をした所で先程の繰り返しだと考えると自らの力をブースト。ソウルビートへと迫ると先程と同じように高速の世界でのぶつかり合いとなる。
「あなたでも私は超えられないわ。あなたならわかるでしょう?この世界、超えられない存在なんて幾らでもいるってね!」
「わかってるさ。でも、せめて最後まで抗わせてもらう!」
「ふふっ、健気な子ね。でもその努力は無駄だって否定してあげるわ!」
スラッシューはソウルビートからの蹴りを屈むことで回避すると隙を作ったソウルビートの腹をアッパーカットで殴り込む。
「ふん!」
「が……ああ……」
「終わりね?」
「勝手に……」
「うん?」
「決めるな!!」
スラッシューは完全にソウルビートに重い一撃を入れたと考えるが、彼は気合いでそれを耐え切るとスラッシューの腕を捕まえつつそのまま彼女をブンブンと振り回す。
「な、何!?」
「ああああっ!」
そのままソウルビートは掛け声で気合いを入れて投げ飛ばす。更にダイヤルを白に合わせた。
「ズキューンの力、ソウルビートバズーカー!」
「ッ、甘いわ!」
ソウルビートがエネルギー砲を放つとスラッシューはそれに対してすかさず対応。強力な火炎弾を生成。ソウルビートへと放つ。2つの高火力の攻撃はぶつかると爆発。
「はぁ……はぁ……うぐっ」
その直後、ソウルビートの体に遅延で痛みが走ると顔を歪めてソウルビートアトラクトが解除される。
「や、やっぱりここ最近はこの力も万能って言えなくなってるな。特に受けに回ると弱い」
ソウルビートはソウルビートアトラクトは長所と短所が顕著な能力だと考える。ソウルビートに覚醒したての頃はソウルビートアトラクトで圧倒できる場面が多かった。
しかし、ここ最近の敵はソウルビートアトラクトでも押し切れずに粘られる場面も増えてきている。何ならソウルビートアトラクトは肉体を無理にブーストしている影響で負担も大きく、敵の攻撃が苛烈になっている事もあって無理に受けられなくなっていた。
「ダークランダー、ソウルビートは弱りつつあるわ。早くアイツを潰しなさい」
「ッ……まだだ」
ソウルビートは立ち上がるものの、ここまでの戦いを二対一という数的不利を背負わされたせいで消耗も大きい。更に言えばソウルビートアトラクトによる負担もあるので長期戦は明らかに不利だった。
「ダークランダー!」
「くっ……」
ダークランダーはスラッシューの指示を待つ事なく手にした剣を振り抜く。それをソウルビートは回避するものの、ダークランダーはすかさず踏み込んでソウルビートが逃げた先に移動。剣を振り下ろす。
「な!?」
「ラン!」
「あがああああ!?」
ソウルビートは地上に叩きつけられるとダークランダーは彼の目の前に来て手にした剣を突きつける。
「く……まさか、コイツの動きがこんなに早かったなんて」
ソウルビートは油断したつもりは無かったが、先程までこのダークランダーのスピードは並のダークランダーとそんなに変わらなかった。そのため、いきなり加速されて余計に驚いたのである。
「さぁ、ダークランダー!これでトドメよ」
「ダークラン!」
スラッシューはそう言いつつダークランダーにトドメを指示。ソウルビートは最早ここまでかと考えてしまう。そんな時だった。
「「そうは(させないよ)(させません)!」」
いきなりソウルビートのハートガーデン内に声が響き渡るとそこにウインクとキュンキュンが走り込んできて同時に跳び上がる。
「「はぁあああっ!」」
「クラ!?ンダァアアッ!!」
そのまま繰り出されたダブルキックはダークランダーに命中するとその体を吹き飛ばす。それを見たスラッシューは面倒そうに僅かに目を細めた。
「……良い時に邪魔をする」
「ソウルビート、大丈夫ですか?」
「お待たせしちゃってごめんね」
「……ウインク、キュンキュン……」
ソウルビートは痛む体をどうにか動かすと立ち上がる。そして、自分の事を助けるべくこの場に来てくれた2人の存在に安心感を抱いた。
「チッ、どうやら来てしまったようね。しかも、2人だけの所を見るとダークイーネ様が出したダークランダーは……」
「ええ、アイドル達に任せて来ましたよ!」
「ソウルビートが孤立して危ないって事、私達も気づいたから」
スラッシューは自分の策が見抜かれた事に多少動揺するが、その直後に彼女は小さく笑みを浮かべる。
「ふふっ、確かにあなた達はよく対応したわ。……だけど、だからって私に勝てるなんて思ってないでしょうね?それに、幾ら二手に分かれた所でフルメンバーが揃わないのも同じ事よ」
「それでもあなたの良いようにやられるよりマシです!」
「絶対にダークランダーにされた人をキラキラに戻すよ!」
「ならやってみなさい」
こうして、ソウルビートの方にウインクとキュンキュンが合流。スラッシューやダークランダーと対峙するのだった。
また次回もお楽しみに。