キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
スラッシュー、ダークランダーのコンビに苦戦していたソウルビート。ただ、そこに彼を助けに向かっていたウインクとキュンキュンが合流。3人で戦いを挑む事に。
一方でダークイーネの出した画家のダークランダーと戦っていたアイドル達はと言うと。
「ダーク……ラララララッ!」
ダークランダーが手にした筆を振るう事による飛沫弾がアイドル達へと襲いかかってくるとプリキュア達はどうにか回避する。
「これじゃあ近づけない……」
「ウインクがいないから防御できないって言うのもあるけど」
「クランダーッ!」
するとダークランダーは飛沫の発射を一時的に止めるとペイントでアイドル達の真上に大量の鍾乳石のような刺々しい岩を落としてくる。3人はそれを回避するとダークランダーは更に筆を直接ぶつけるためにプリキュアへと接近。薙ぎ払おうとする。
「ッ!?」
「うわっ、危ない!!」
「くっ……」
3人はもう一度距離を離すものの、ダークランダーは自身の周囲に幾つものミサイルを描くとそれを3人に向けて一斉発射。
「ダークランダー!」
「「「ッ!?うわぁああああ!?」」」
多数のミサイルはプリキュア達の近くに落下。爆発を発生させるとプリキュア達を確実に消耗させてしまう。
「く……ううっ」
「強い……」
「それでも、私達は負けられない!」
アイドルはどうにか立ち上がると走り出す。それに対してダークランダーは先程と同じように飛沫を飛ばす。
「クゥウウララララララ!」
「何の……これしき!」
アイドルは集中砲火を浴びる事を覚悟の上で敢えて自らダークランダーの放つ飛沫の中に突っ込んでいく。
「アイドル!?」
「まさか、自分から飛沫の中に……」
今現在、ウインクが抜けた事でチームの盾が存在せず。キュンキュンもいないので飛沫弾を撃ち落とす事さえできないのだ。
「くっ……弾幕は厄介だけど、耐えられない攻撃じゃない!」
アイドルは先程まで回避に専念していた先程までとは真逆の事を始める。その発想というのが……ダークランダーの攻撃が多すぎて単純に防げないのなら敢えて自分から突っ込めば良いのだと。
「ッ!?くうっ……」
ダークランダーは当然視界に入ったアイドルへの集中砲火を放つ。彼女は辛うじて攻撃を避けるが、長くは保たなさそうであった。つまり、このままではやられてしまいかねない。
「はぁあああっ!」
それでもアイドルは両腕をクロスさせつつ一番やられたらいけない顔面をカバーすると一気に突っ込んでいく。勿論ダークランダーに近づけば近づく程に攻撃は激しさを増し、その密度も上がる。
「ッ……もう少し!」
アイドルはクロスさせた腕に飛沫弾が当たると顔を歪めてしまう。それでも彼女は走り続けた。自らの伸ばす手が届く位置に行くために。
「あわわっ……このままじゃ、アイドルが」
「ッ、お姉様。私に考えがあります」
「えっ?」
キッスの言葉に焦っていたズキューンはキョトンとした顔を浮かべる。すると2人はその場から移動を開始。対してアイドルの方はどうにかしてダークランダーのすぐ近くにまで来ていた。
「クラ!?」
ダークランダーはアイドルが未だにやられていないのを見ると強い攻撃を繰り出すために自らの体にペイントをするとそのパワーを向上させる。
「ッ、攻撃が止まった!」
「ダーク!」
その間にアイドルは更に接近。ダークランダーの目の前にまで到達するとブローチをタッチした。
「ここまで近づけば!アイドルグータッチ!」
アイドルはピンクのエネルギーを纏わせた強烈な拳を突き出す。対してダークランダーはそれに対抗するべく手にした筆を振り抜く。
「ダークランダー!」
2つの攻撃がぶつかると押し合う。ただ、力を上乗せしているとはいえ、元の力がそこまで強くないこのダークランダーではアイドルを弾き飛ばす事まではできず。アイドルがやや不利な状態で拮抗した。
「ううっ……これじゃあ、折角近づけたのに!」
アイドルは自分1人では押し切れない事に悔しさを感じてしまう。ただ、ここまで踏ん張ればアイドルの元に心強い味方も助けに来る。
「だったら、私達の力も合わせるよ!」
「あなたの弱点、それは……2つ以上のバフを同時にかけられない事!」
「「はぁああっ!」」
ズキューンとキッスはアイドルにかかりきりで大きな隙を晒したダークランダーへと同時にパンチを繰り出すとアイドルがパンチをぶつけている場所のすぐ近くを殴る。
これにより、3人分の圧力へと増えたアイドルプリキュアのトリプルパンチはダークランダーを押し切って吹き飛ばす。
「ンダァアアッ!?」
「やった!」
「アイドル、あなたのおかげでダークランダーの弱点がわかったわ」
「えっ、私?」
キッスはアイドルへと感謝の気持ちを伝える中、アイドルは思わず唖然とした様子で返してしまう。どうやら先程の1人での突撃はダークランダーに囚われた人間を助けるために無我夢中で向かって行った結果のようだった。
「あのダークランダー、特殊能力は厄介だけどだからこそ力押しに弱い部分があるの。それと、同時に能力が発動できないからバリアしながら透明化とかは無理みたい」
「あっ、もしかして一本の筆には一色しか使えないのと一緒ってこと?」
「ええ、その可能性が高いわ」
何にせよ、ダークランダーの弱点がわかったのなら話は早い。アイドル、ズキューン、キッスはそれぞれの役目を決めると頷く。尚、その間のダークランダーは律儀に3人を待っていた。こういう所で追撃をかけて来ない辺りもこのダークランダーの弱点と言えるだろう。
「よーし、皆行くよ!」
「うん!」
「ええ!」
アイドルの言葉に2人は頷くとそれぞれの役割を果たすために分散する。するとダークランダーはまた飛沫を飛ばす形で対応してきた。
「さっきからそればかり……やっぱり同時に能力を沢山重ねがけはして来ないって事ね」
「でも、だとしたら3人だけでもチャンスはあるよ!」
ダークランダー側にもし能力の重ねがけができるのなら初手から能力をガンガン使ってくるはずだ。ただ、能力の重ねがけが不可能というのであれば無理には使わないだろう。
「はぁあああっ!」
すると、先程同様にアイドルが正面からダークランダーに向かっていく。その瞬間、ダークランダーは一番の脅威であるアイドルへの対処をするために彼女だけに飛沫を集中させる。そしてそれはズキューン達への意識を外す事に繋がるわけで。
「ッ、チャンス!ズキューンバズーカー!」
ズキューンは自分への攻撃が無くなった瞬間を利用してエネルギー砲を放つ。それがダークランダーに向かっていくとダークランダーは慌ててペイントでバリアを張る。
「クラ!?」
「ッ、防がれた……」
「ううん、でもこの間に近づける!」
ズキューンバズーカーは防がれたものの、まだアイドル達の攻撃は終わらない。バリア展開のためにアイドルへの飛沫が無くなったこの隙を使ってアイドルが最短ルートで接近してきたのだ。
「クラ!!」
するとダークランダーはバフをかけずに通常の筆による物理攻撃をアイドルへと繰り出す。
「よっ!」
しかし、アイドルはそれを冷静にジャンプするとダークランダーの肩に飛び乗って足場にしつつ反対側に着地。
「ダーク!」
「当たらないよ!」
ダークランダーは一番近くにいるアイドルに気を取られると彼女は兎に角ダークランダーの視線を引きつける。そして、ダークランダーがアイドルに気を取られて彼女が移動した場所……つまり、先程までとは反対側を向いた。そここそがダークランダーへと攻撃を仕掛ける上での突破点となる。
「キッス!」
「ええ!」
アイドルの方に視線が釘付けになったダークランダーは死角からのキッスの接近に気づくことができずに裏を取られた。
「たあっ!」
「クラァ!?」
キッスがジャンプからの右脚でボレーキックを繰り出すとダークランダーは無防備な背中をやられる事に。
「追撃は任せて!」
「はあっ!」
ダークランダーの態勢が崩れた今がチャンスとばかりにアイドルとズキューンが接近。しかし、流石にこれ以上はやらせないとばかりにダークランダーはペイントでアイドルの目の前に大岩を出現させると物理的な壁によって動きを阻害。その上でズキューンを迎え撃つ。
「ッ!?私達の連携を絶った?」
「ダーク!」
「それでも行くよ!」
ズキューンはお構いなしでダークランダーと乱打戦に入る。するとそこにキッスも参加。ズキューンとキッスの黄金コンビによる連携は鋭く、ダークランダーはあっという間に押し込まれていく。
「クラ!?クラ!?クラ!?」
「「はぁあああっ!」」
ズキューンとキッスは片方がダークランダーに攻撃されてもそちらが引き付け、もう1人が攻撃。逆を狙われたら役割をスイッチするを細かく繰り返す事でダークランダーの有効打となる攻撃回数を減らしていく。
「このまま一気に押し込む!」
「ダークランダー!」
するとダークランダーはこれ以上は2人を相手できないとばかりに咄嗟にミサイル弾を二つ召喚。それをズキューンキッスへと飛ばす。
「「ッ!?はあっ!」」
2人はそれを反射的に蹴り上げると爆散させる。そして、ミサイルを出せるという事はアイドルの方は完全に岩を破壊してフリーになっていたというわけで。
「2人共引きつけてくれてありがとう!」
「ダークランダー!」
ズキューンとキッスが稼いでくれた時間の間にアイドルがダークランダーの懐にまで接近。ダークランダーはどうにか対抗するために筆を突き出すが、アイドルはその瞬間輝きに包まれる。
「テラちゃん、力を貸して!」
「クラ!?」
次の瞬間、アイドルの姿が赤い輝きと共にアイドルハートリボンスタイルに強化変身。
「アイドルハートリボンスタイル!」
アイドルは突き出された筆をまた足場にするとそこで踏み込みつつブローチをタッチ。ダークランダーの顔面に拳を叩き込む。
「アイドルグータッチ!」
「ンダァアアッ!?」
ダークランダーは吹っ飛ばされると地面に叩きつけられる。ただ、ダークランダーは今のでも倒し切れてないのか。動きが鈍りつつも筆を使って色を混ぜ、バフ能力を使おうとする。
「クラ……」
「ッ、また絵の具で強化するつもり!?」
「いいえ、もうそんな事はさせない!」
するとダークランダーが絵の具を混ぜ合わせるという大きな隙を晒す瞬間を狙ってキッスが化粧コンパクトでリップを塗り、投げキッスを使用する。
「チュッ!キッスショック!」
その一撃は完全に無防備だったダークランダーへと命中。電撃と共に凄まじいダメージをダークランダーに与える。
「ンダァアアッ!?」
「アイドル、決めて!」
ダークランダーは電撃によって完全に動きが停止。そして、この状況に追い込んでさえしまえば後はダークランダーに技が通用するアイドルが決めるだけだ。
「オッケー、任せて!」
キッスに促される形でアイドルは男性を救い出すため、自らのライブ技を発動。その場に領域を展開した。
「クライマックスは私!盛り上がって行くよー!」
アイドルは同時にライブ空間内で耳にインカムを生成。すかさずダークランダーは技の力によって問答無用で椅子に強制着席させられる。そのままイントロが終わり歌が始まった。
♪決め歌 笑顔のユニゾン Only you ver.♪
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!(ゼッタイ!)アイドル!(アイドル!)ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな〜サンキュー♪最高のステージで〜キミと歌を咲かそう♪……プリキュア!アイドルスマイリング・エコー!」
アイドルは真上に真っ赤なハートのエネルギーを生成。そのままハートがダークランダーへとぶつけられるとその体が一気に浄化されていく。
「「キラッキラッタ〜」」
同時にダークランダーは浄化の際のお決まりの台詞を口にし、素体となった男性を救出。その後生成されたキラルンリボンをライブをしたアイドルが手にするのだった。
「やった!」
「でも、これでやっとダークイーネのダークランダーを倒しただけって」
アイドルやズキューンはダークランダーに対して勝った事を喜ぶが、キッスはダークランダー一体にかなり時間と体力を消耗させられた事を懸念する。
「言われてみたら確かに体が重いかも……」
「私も……ッ」
その瞬間、アイドルは強化形態であるアイドルハートリボンスタイルが解除される。
「あ、あれ?」
「多分だけど、テラがアイドルの体力が危険な事を諭して敢えて状態を戻してくれたんじゃない?」
「確かに今の姿の方が体力の減りは遅いかも……テラちゃん、ありがとね」
アイドルは遠くに離れていても心を通わせてくれるテラの存在に嬉しそうな様子を見せる。
「っと、まずはこの人を寝かせて……」
ズキューンはダークランダーから助け出した男性を安全な所で寝かせつつ、彼が描いていた絵はその近くに立てておいた。
「良し、じゃあこのままソウルビート達を……」
「その前に少しだけ休憩しましょう。私達、多分自分達で思ってる以上に消耗してる気がするわ」
アイドルがすぐにソウルビート達の元に行こうと考える。しかし、キッスは焦りは禁物とばかりにすぐに移動をするよりもまずは体力を戻すべきと提案。
「わかった。じゃあ、5分だけ休憩してから皆の元に行こう。プリキュアならそれだけでもだいぶ違うと思う」
そんな話し合いもあってアイドル達3人は一旦小休憩を取る事に。こうして、彼女達はダークランダー戦で消耗した体力を少しでも回復させる手を選ぶのだった。
また次回もお楽しみに。