キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
アイドル達が陽動としてダークイーネが召喚していたダークランダーを浄化する事に成功。これにより、アイドル達3人は少しだけ休憩を挟みつつ影人達のいる場所に向けて走り出す。対して、その影人達の方ではダークランダーやスラッシューとの戦いの中でウインクやキュンキュンと合流する。
「受けてみなさい!」
スラッシューが両手を前に翳すと火炎の力が込められたエネルギー弾が連射される。
「よっ!」
「そんなのに当たらないよ!」
対してソウルビート達はその攻撃を回避しつつ、まずは誰が誰を担当するかの話になる。
「2人共、今回はスラッシューを任せても良いか?」
「えっ?」
「良いですけど……どうしたんですか?」
すると、珍しく自分からダークランダーの方を担当しに行こうとしているソウルビートの話にウインクやキュンキュンはキョトンとした顔を見せる。そして、その話を持ち出したソウルビートには考えがあった。
「……今回のダークランダー。その召喚の引き金になったのは俺の行動が原因だ」
「「えっ?」」
ソウルビートは今回のダークランダーの素体である白石が深い闇を抱えてしまったのには自分に原因があると言い、その後始末をするつもりだった。
「事情はわからないけど今回のダークランダーは影人君と関わった人なんだね?」
「ああ。プリルンに見てもらったわけじゃないから確証は無いけどその可能性が高い」
ソウルビートはそう言いつつ責任を感じているような顔つきを見せるとその意見に2人は賛成した。
「それなら、今回はソウルビートにお任せします」
「ダークランダーにされちゃった人をお願い!」
「ああ、任せてくれ!」
3人はやり取りを終えると先程から攻撃を仕掛けていたスラッシューはプリキュアの動きの変化に気がつく。
「へぇ、そう分かれてくるのね」
「はい、あなたの相手は……」
「私達がするよ!」
スラッシューはソウルビートがダークランダーの方に移動し、自分の相手としてウインクとキュンキュンが来た事で今回のプリキュアの動き方を察知した。
「ふーん。でも2人とはいえソウルビートよりも力が劣るあなた達がどうにかできるのかしら?」
「そういうスラッシューこそ、油断したら痛い目を見ますよ!」
「確かにそうね。それじゃ、早速始めるわ!」
スラッシューが手に炎の剣を生成するとウインク、キュンキュンの2人と交戦する事に。対してソウルビートとダークランダーも向かい合う。
「白石、白石なんだろ?」
「クラ……」
するとソウルビートの問いに対してダークランダーはまるで頷くような仕草を見せる。
「はぁ……。お前さ、何でそんなにプライドだけ異常に高くなったんだ」
「ダークランダー!」
ソウルビートはあれだけ自分が主役だと息巻いておきながら自分にやられた瞬間に体裁を気にしてその場から逃げ出してしまった事についてを咎める。
ただ、ダークランダーはあくまでソウルビートを潰す気満々なのか……。手にした剣を振り下ろす。
「っと!」
「ダーク……ラララッ!」
するとダークランダーは手にした剣から斬撃波を放ってくるとソウルビートはそれをあっさりと見切って最小限の動きだけで回避する。
「そんなに俺に負けるのが怖いのか?自分の立ち位置を失うのが怖いのか?」
「ダークランダー!」
ダークランダーは自分に問いかけながら迫ってくるソウルビートに苛立ちを見せているのか、ムキになった様子で更に斬撃波を飛ばす。しかし、やはりソウルビートはそれらを全てステップワークと体を逸らす動きのみだけで回避した。
「はっきり言って情けないぞ、白石!!」
ソウルビートはダークランダーに近づくと跳び上がりつつ右脚での回し蹴りを叩き込む。
「クラアッ……」
ダークランダーはどうにか手にした剣でガードするものの、あまりの蹴りの威力の重さに後ろに押し戻される。
「なぁ、白石。余計なプライドなんて捨てろよ!お前にはもう何も残ってないんだからさ!!」
ソウルビートは更に接近すると拳による連打でダークランダーの防御を打ち崩すべく攻め立てる。ダークランダーはどうにか剣で受け止めたものの、ソウルビートの拳の重さにバランスを崩す。
「ンダアッ!?」
「悔しいんだろ?他人に追い抜かれるのも、誰からも認めてもらえないのも……。だったら、せめて努力しろよ。お前に足りないのは謙虚さと目標に向かって努力する事。後は、周りにリスペクトを持つ事だ!」
ソウルビートはダークランダーの体が後ろ側に倒れ出した瞬間、地面に着地すると足払いをかけて完全にダークランダーの体を空中に浮かせる。
「クラ!?」
「良い加減目を覚ましやがれっ!!」
ソウルビートは更に跳び上がるとそのままダークランダーの真上に移動。すかさず上からドロップキックによるストンピングをぶつけるとダークランダーに良いダメージが入る事に。
「ンダァアアッ!?」
更にソウルビートはダイヤルを黒に合わせるとキッスの力を発動。自身の前に電撃を纏わせたハートを出現させる。
「キッスの力、ソウルビートショック!」
ソウルビートからのその攻撃はダークランダーに命中するとその体に凄まじい量の電撃を流し込む。
「ランダァアアァアア!?」
そのままソウルビートはダークランダーの近くに降り立つと改めてダークランダーへと話しかけた。
「……白石、初めて会った時さ。俺はお前が羨ましかった。その場の誰よりも輝きを持ってて、周りの人からも慕われて。お前にも輝きはちゃんとあったんだ。……お前はちゃんと努力すれば輝けるんだよ!」
「クウウァアアア!!」
するとダークランダーはまるで白石の心境を表すかのように怒りのオーラを纏うと立ち上がる。そこには哀れみの目を向けたソウルビートへの恨みも込もっていた。
そして、同時にダークランダーの体から前のちよのダークランダーのように凄まじい闇のオーラが溢れ出す。
「……覚醒か。ッ……」
ソウルビートは自分への恨みで覚醒の力を引き出したダークランダーを見て胸が締め付けられる思いが溢れてくる。
「もう俺から何を言ってもお前を怒らせる事にしかならないのか?」
「そんな事ありません!」
そんな時だった。スラッシューと交戦していたキュンキュンがソウルビートへと声をかけてくる。
ソウルビートはそれを聞いてその方を向く。そこには既にスラッシューからの攻撃とここまでのダメージで傷ついていたウインクとキュンキュンがスラッシューの攻撃をどうにか凌いでいた。
「ソウルビートはここまで何度私達を助けてくれたと思ってるんですか!ソウルビートの想いさえちゃんと届けられればきっとその人も救えるはずです!」
「うん!それに、ソウルビートに助けられたのは私達だけじゃない。闇に囚われた沢山の人達を、そして自分自身さえもキラキラにしてきたんだよ!だから、ソウルビートには誰かを助けられるだけの力がある!」
「「だから、気持ちを伝えるのを(諦めちゃダメ)(諦めないでください)!」」
ウインクとキュンキュンはそう言って少しでもソウルビートが前を向けるように声をかける。そして2人の言う通り、ソウルビートはここまでで数え切れない人達のキラキラを取り戻してきた。
最初は自分の輝きを信じられなくて枯れ果てていた己のキラキラもその戦いの中で取り戻したのである。その積み重ねがあるから、今のソウルビートはここにいるわけで。
ウインクやキュンキュンだけじゃない。ここにいないアイドル達3人も、そしてアイドルプリキュアの活動を支えてきてくれた全ての人も。ソウルビートの中に湧き出した輝きが人々を救えるだけの力になる事を知っている。
「小賢しいわね。そもそもあなた達の相手はこの私でしょう!」
その瞬間、スラッシューが両手に炎の剣を生成するとソウルビートに気を取られつつあるウインクとキュンキュンを纏めて潰すために切り裂こうとする。
「「しまっ!?」」
「私の邪魔をする雑魚は消えなさい!!」
「ッ!ソウルビートアトラクト!」
その瞬間、スラッシューからの一撃に対してソウルビートはソウルビートアトラクトで能力をブーストさせるとそれを真正面から受け止める。
「な!?」
「「ソウルビート!」」
「悪い……今ので目、覚めたわ」
「ッ……!?」
するとスラッシューはソウルビートの変化を感じ取ると慌てて振るっていた剣を引っ込めつつ距離を取る。同時に彼女は額に冷や汗が流れた。
「今までずっとそうだったよな。どんなに暗い闇の底にいる奴がいたとしても、諦めずに最善の努力を続ければ最後には救ってきた。それは、どんな奴にも例外は無い。白石、それにKotoneさん。あなたもだ!」
「ッ……くどいわね。またあなたは懲りずに」
「懲りるつもりは無いよ。だって懲りたら諦めるのと同じだし」
その瞬間、ソウルビートアトラクトによって纏われていた輝きにスパークが更に走ると僅かに髪が逆立つように広がる。
「ッ……」
「俺にだって譲れない信念とか、想いとか沢山ある。少なくとも、俺はKotoneさん、あなたを助けたい想いは変わらないし……白石。お前ともう一度切磋琢磨したい気持ちだってある」
そして、その言葉を言うたびにソウルビートから溢れ出る輝きは更にその強さを増していた。
「ッ、綺麗事を!」
「ああ、こんなの綺麗事だ。現実は甘くは無い。世界の闇の一面を見た俺ならわかる。だけど可能性を自分から潰すなんてつまらない事、俺はしたく無いからさ!」
その瞬間、ソウルビートのソウルビートアトラクトは強制解除。その代わりに彼の体を纏うオーラはスパークの入った白銀のオーラへと一新され、同時に髪が完全に逆立つとソウルビートの纏う力が強く激しく変わった。
「これってもしかして……」
「うん、きっとソウルビートの覚醒だと思う!」
「チッ……だから何だって言うのよ!」
スラッシューは体に黒い炎のようなオーラを纏うと先程と同様にソウルビートへと迫る。
「はぁあああっ!」
「ふっ!」
ソウルビートはそんなスラッシューの元に自ら飛び出すと先程までの比では無い程の加速力で一気に接近。スラッシューはそのスピードを見誤るとその拳を顔面にまともに喰らってしまう。
「が……ああっ!?」
「だあっ!」
更にソウルビートからの二撃目の拳がスラッシューの腹に命中。そのパワーが彼女の体を貫通するように突き抜ける。
「う……ぐうっ!?」
「うらああっ!」
更にソウルビートは体勢を変えつつオーバーヘッドキックに近い形でスラッシューを地面に叩きつけさせた。
「がああっ!?」
「ソウルビート強すぎ……」
「私達、もう動くまでも無いかもしれません」
ウインクとキュンキュンはソウルビートの無双っぷりに自分達の出番はもう必要ないと思ってしまう。それ程までに今のソウルビートを止めるのは至難の業と言えるのだ。
「ダークランダー!」
すると、その間に体勢を立て直したダークランダーは手にした剣を振おうとする。
「……遅い」
その瞬間、ソウルビートがソウルリンクライトを手元に召喚するとレーザーサーベルとして展開。
その次の瞬間、暗闇を切り裂く無数の斬撃のようなエフェクトが発生するとダークランダーが持っていた勇者の剣が細切れにされる。
「クラ!?」
「白石、俺はもう一度お前と正々堂々声優という世界の中で戦うつもりだ。……もしお前にまだ声優を目指すつもりがあるのなら、俺は受けて立つ!だからこんな力に頼ってるんじゃねぇ!!」
ソウルビートはそう言いつつ手にしたソウルリンクライトのダイヤルを一周させる。つまり、ピンク→青→紫→白→黒の順で動かすと最後に今までずっと使われていなかった銀のダイヤルに合わせる。
そのままソウルビートがソウルリンクライトを真上に掲げるとそれが銀色の巨大な両刃の剣として生成された。
「ソウルビート・シャイニングセイバー!」
それはソウルビートが覚醒状態の際に使える彼の新たなる技だ。そして、ソウルビートがダークランダーに向かって走り込むと跳び上がりつつ回転斬りを放つ。
「はぁあああっ!」
「クラァアアッ!?」
その瞬間、銀の閃光と共にダークランダーの体に凄まじい電撃が襲いかかる。直後に巨大な剣が砕け散ると技も終了。
「ダーク……」
「はぁあっ!」
「ラン!?」
ソウルビートはダメージで動くことができないダークランダーを真上に蹴り上げるとダークランダーは為す術無く吹き飛ばされる。これにより、ダークランダーは完全に無力化。
「これで終わりにする!」
そのままソウルビートはダークランダーを浄化するために技を発動。ライブの領域を展開すると銀のスポットライトを浴びる。
「クライマックスはこの俺!フィナーレ、決めるぜ!」
ソウルビートが笑顔を浮かべると左耳に銀のインカムを生成。それと同時に真上に吹き飛ばされていたダークランダーはそのまま問答無用で下に引き寄せられると用意されていた椅子に強制着席する。同時に観客達は銀のペンライトを振っており、ソウルビートが歌を歌い始めた。
♪決め歌 キミと繋ぐ閃光の光♪
「もう迷わない〜♪もう見失わない〜♪これが新たな自分の光♪!キミがくれたんだ〜♪その光を胸に、新たな世界へ飛び立つんだ♪!届けたいんだ、この光を〜♪キミと手を繋ぐために♪!……プリキュア!ソウルビートフィナーレ!」
ソウルビートが放った銀の光による一撃はダークランダーへと降り注ぎ、その体を呑み込むと一気に浄化。同時にダークランダーは浄化の際のお決まりの台詞を口にする。
「「キラッキラッタ〜」」
そして、その後生成されたキラルンリボンをソウルビートが手にする。これにより、白石は救い出されるとソウルビートは覚醒状態を維持したままスラッシューの方を向くのだった。
また次回もお楽しみに。