キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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初共闘と焦るキュンキュン

走りながら逃げるマックランダーを追いかけるソウルとキュンキュンの二人。そして二人はある程度追いつくと声をかけた。

 

「待てーっ!」

 

「こんな朝早くから出てくるなよ!」

 

「ランダ?」

 

「出たなプリキュア!」

 

「ふふっ……待っていたわよ。クラクラ……ドレスチェンジ!」

 

ザックリーが声を上げ、スラッシューもローブを脱ぎつつ闇に包まれてその姿を戦闘用の物へと変化させる。

 

「マックランダーが何で二体分いるのかと思ってたけど、スラッシューも来てるのか」

 

「キュアソウル。あなたなら真っ先に来てくれると思っていたわ。さぁ、マックランダー。あの二人と踊ってあげなさい!」

 

「お前もやれ!」

 

ザックリーとスラッシューの二人が早速マックランダーへと攻撃を指示。するとマックランダーは巨大な脚を振り上げる。

 

「「はあっ!」」

 

二人は後ろでは無く斜め上に跳び上がって逃げると敢えてマックランダーとの距離を空けないようにして回避する。まだ初見のためにどの間合いが適切なのかを測っている形だ。

 

「マックランダー、連続攻撃!」

 

スラッシューがそう言うと双方のマックランダーは跳び回る二人へと素早く、リーチが比較的長めな足技を次々と繰り出してくる。

 

「マッ!クゥ……ランダ!ランダ!」

 

ただ、機動力に於いて完全にソウルとキュンキュンは優っておりマックランダーは激しい動きの影響か、多少疲れている様子だった。

 

「キュンキュン、大丈夫そうか?」

 

「はい。このくらいのスピードなら全然避けられます!」

 

「ああ。こんな奴らにはソウルメガホンを使うまでも無いな!」

 

そんな風に舐め切った二人の態度に苛立ったのか、ザックリーは声を荒げるとマックランダーへと指示する。

 

「ぐぅ……だったら、マックランダー!」

 

ザックリーのマックランダーは跳び上がると上空で回転しながら両脚による踵落としを繰り出そうとする。その瞬間がソウルにとっての狙い目だった。

 

「キュンキュン、今がチャンスだ!」

 

「ッ!はい!キュンキュンレーザー!」

 

その瞬間、キュンキュンがブローチをタッチするとレーザービームを発射。空中からの物理技を出すために身動きか取れないマックランダーを狙い撃ちしてしまう。

 

「ああっ!?」

 

「馬鹿ね。頭に血が登って単調な攻撃を仕掛けた挙句、それでやられるなんて……。彼らは強い。そんな動きでは勝てないわよ」

 

スラッシューは冷静なのか、その配下のマックランダーも平然と構えたままだ。

 

「むぐぐ……すばしっこい上にキュアソウルが厄介過ぎるぜ。だったら、マックランダー!」

 

ザックリーがマックランダーに指示を出すとマックランダーが構えを取った直後にいきなりソウル、キュンキュンの二人に背を向けて逃げ出した。

 

「マック……ランダー!」

 

「ええっ!?どこに行くの!」

 

「ふーん。だったらあなたのそれに乗ってあげるわ」

 

スラッシューも指を鳴らすとこちらも背を向けて逃げるように走り始める。そして、敵が逃げてしまえば素体の人間を助けられない。そのためキュンキュンは慌てて追いかけた。

 

「待てーっ!」

 

「キュンキュン、お前が待て!落ち着け!」

 

ソウルはすぐに逃げる敵を見ても追いかけない。ただ、キュンキュンは全速力で追いかけてるためにそのまま追いかけっこへと入ってしまう。

 

両者の走るスピードが互角なのか、キュンキュンは中々二体揃って並走するマックランダーに追いつけない。

 

「ええっ!?速すぎ!待ってってば!」

 

「ッ!!キュンキュン、走力勝負に乗るな!一旦止まれ!」

 

ソウルは何かに気がついてキュンキュンに走るのをやめさせようとするが、キュンキュンは走るのに必死でソウルの言葉が耳に届かずにまるで止まってくれない。

 

「待ってってば!」

 

「ランダ、ランダ!」

 

そのまま追いかけっこが続くとキュンキュンのスピードが落ち始めているのか、少しずつ差が開き出した。

 

「やっぱそれが狙いか!だったら!」

 

ソウルはキュンキュンのスピードを見切ると彼女の進路上に飛び出す。キュンキュンはいきなり目の前に来たソウルを見て慌てて止まろうとする。

 

「えっ!?ソウル!」

 

キュンキュンは全速力を出しているせいで急には止まれない。ソウルはそんなキュンキュンを抱き止める形でそのまま倒れ込むとキュンキュンにダメージが入らないように自分がクッションとして彼女へのダメージを軽減した。

 

「ソウル!しっかりしてください!ソウル!」

 

「ああ、平気だ。キュンキュンが軽いおかげでダメージはあんまり無いから安心しろ」

 

ソウルはそう言うが、体はしっかりダメージを負ったのか所々傷がある上に脚が若干震えていた。

 

「ッ……はぁ……はぁ……」

 

「キュンキュン、まだスタミナは残ってるか?」

 

ソウルは自分の事なんてどうでも良いとばかりにキュンキュンの心配をするとキュンキュンの方もかなりスタミナを使ってしまったのか、こちらは脚がガクガクと震えており立つのもやっとという有様だった。

 

「平気……です、まだ動け……ううっ」

 

やはりそこまで消耗すれば上手く立てないのは当然であり、キュンキュンはスタミナ切れで崩れ落ちてしまう。

 

「……強がるなよ、俺はこの状況を打開する作戦とかを考える時にそうやって強がられると考えが狂う。作戦を立てる時とかの現状報告は正直に言ってくれ」

 

ソウルとしてはキュンキュンの体力がそれなりにあるのともう殆ど空とでは考えられる作戦に大きな差が出ると考えており、キュンキュンがそこを強がってしまうと立てた作戦が上手くいかない危険が出てしまう。

 

「でも、ソウルの前でカッコ悪い所なんて見せられません……」

 

キュンキュンは震える脚で踏ん張ると立ち上がる。息も荒れており、視界も疲れからか僅かにボヤけている中でキュンキュンは必死にソウルの役に立てると言わんばかりの顔つきだった。

 

「へっ、持久力じゃこっちが上だぜ」

 

「やりなさい。マックランダー!」

 

キュンキュンがスタミナ切れして戦力にならない今なら二対一でマックランダーにとって格上のソウル相手にも勝てると踏んだのか、二体が同時に飛び出すと跳び上がってキックを繰り出す。

 

「させるか!」

 

ソウルはキュンキュンを庇うように前に出るとダブルキックを片手ずつで受け止める。だが、流石に片手だけではパワー不足なのか押し返すには至らない。それだけで無く、どんどんパワー負けしてるのか押し込まれる始末だ。

 

「ソウル……無茶です、私も手伝いま……」

 

キュンキュンは体力の殆どない状態でもソウルを手伝おうとするが、歩くたびに脚が今にも力尽きそうなのかガクリと崩れてしまう。

 

「嫌……私、ソウルの前なのに……こんな姿なんて」

 

キュンキュンはアイドルプリキュアとしてソウルの前で情けない姿を見せたくなかった。それなのに現状を見れば自分はスタミナ切れで足手纏いになってる。こんな姿を見たらソウルは失望してしまうと必死に見栄を張っていた。

 

「キュン……キュン」

 

「ッ……」

 

キュンキュンはソウルに顔向けできないと俯く中、ソウルは全力でマックランダー二体からの押し潰し攻撃に耐える中で声をかける。

 

「何自分のミスを気にしてるんだよ……まだ終わってないだろうが!そういう反省をしたいなら後でしてくれ……。今は力を合わせないとどうしようも無いだろ……俺一人じゃコイツらを止めるので手一杯なんだ。キュンキュン、もしまだ動けるって話なら一緒に戦ってくれ……」

 

キュンキュンはソウルからそう言われて目を覚ましたのか“ハッ”とする。それから彼女は頬を二回叩いて気を持ち直した。

 

「そうですよね……クヨクヨなんてできません!」

 

ソウルはそんな中、一人でマックランダー二体の攻撃に耐えるのは限界だった。そのためにどんどん押し込まれつつある。

 

「くっ……流石にキツすぎだろこれ!」

 

ここまで動けないキュンキュンへの攻撃を止めるために必死に耐えていたが、それでももうこれ以上は耐えられない。そう思った瞬間に左側からの圧力が激減した。

 

「ッ!?」

 

「すみません、ソウル……遅くなりました」

 

ソウルが左側を見るとそこにはキュンキュンがマックランダーからの蹴りを支えていたのだ。

 

「……キュンキュン、片方を任せるぞ!」

 

「はい!」

 

ソウルは左手をマックランダーの足裏から話すと両腕で一体相手に集中。これによりマックランダーは攻撃を押し込めなくなった。

 

「「マック!?」」

 

「キュアキュンキュン、キュアソウル!頑張るプリー!」

 

そこにプリルンからの声援がかかると二人は息を合わせて後ろに外側の脚を下げてから外側の腕を振りかぶる。

 

「「1、2の……3!」」

 

二人からのダブルパンチがマックランダーの脚に直撃するとマックランダーはその威力を止めきれずに後ろへと吹き飛ばされた。

 

「「マックランダー!?」」

 

「キュンキュン、助けてくれてありがと」

 

「い、いえ……その……むしろお礼を言うのは私です。私の目を覚させてくれてありがとうございました」

 

キュンキュンがペコリと頭を下げる中、ソウルはキュンキュンの頬を触るとキュンキュンはいきなりされた事に驚く。

 

「なっ!?ソウル、こんな急に……」

 

「あっ、ごめん……」

 

「もう……」

 

そんな風に戦闘中にイチャつく二人を見たザックリーは頭に来たのか声を荒げる。

 

「あー、もう!おいマックランダー!あんな奴らさっさと……」

 

「「はあっ!」」

 

その瞬間、二体のマックランダーの横から二人分のキックが命中するとマックランダーは纏めて吹き飛ばされた。

 

「……へ?」

 

「キュンキュン、ソウル!お待たせ!」

 

そこに咲良家から出てプリキュアに変身した状態で到着したキュアアイドル、キュアウインクである。

 

「アイドル、ウインク……」

 

「これで全員揃ったな」

 

「ああもう!向こうも朝早くの攻撃ならバラバラだと思ったのに……ザックリ言って最悪なんだぜ」

 

「……そう来なくっちゃ面白く無いわ」

 

スラッシューはプリキュアが増えたこの状況も楽しんでいる形だった。するとザックリーはスラッシューへとある事を問いかける。

 

「そういえば、スラッシュー様は今日は戦わないんですかね?」

 

「ん?……今日は気分じゃ無いわ。マックランダーだけで何とかしなさい」

 

「えっ!?」

 

スラッシューに直接戦闘を拒否されたザックリーはあんぐりと口を開けた。そんな中、ソウルはこのやり取りを聞いて未だに参戦してこないスラッシューが気になっている様子である。

 

「……アイツ、前の時は躊躇なく戦闘参加してたのに何で……」

 

だが、参戦していない今ならマックランダー相手に勝利しやすいのも事実。今は目の前にいるマックランダーをどうにかするべきと気持ちを持ち直すと戦いに集中するのであった。




また次回もお楽しみに。
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