キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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七不思議の秘密? 心労で擦り減る影人

ななの奇行によって影人が相当苦労する事になった今回の勉強会。それも終わって一応この日は解散する流れとなった。

 

「それじゃあ帰るね」

 

「うん!まったねー!」

 

ななは勉強が終わったという事で鞄を肩から下げたまま帰ろうとする。ただ、その際に影人とこころの二人は帰ろうとしない事に違和感を抱いた。

 

「……あれ?影人君とこころちゃんは?」

 

「え、えっと……ここのクリームソーダをカゲ先輩と二人でいただいてから帰ります!」

 

そんな風に誤魔化すこころ。ちなみに普段なら真っ先にそういう補足をしそうな影人は奇行に走りまくる暴走列車ことななを止めるブレーキとして頑張った影響で疲れ切っていたものの、何とか平静を保っている様子であった。

 

「蒼風さん、今日はありがと。またな」

 

「そっか。じゃあまた学校でね」

 

影人は普段よりもかなり疲れたような声色でそう返すとななもそんな影人を少し心配しつつ三人と別れて帰路へと着く事に。そして、なながいなくなった後。うたとこころの二人はウッキウキでコッソリとななを後を付ける事に。

 

「「……と見せかけて!」」

 

「……もう止めようぜ?これ以上は本当に……」

 

「もう、影人君ってば今良い所なんだから!」

 

「七不思議完成まであと二つなんです!こんな重要な事を見逃すなんてできまさん!」

 

「プリ!」

 

この期に及んで未だに元気がある二人とプリルンは歩いていくななをコッソリと尾行。影人もそんな二人に半ば連れて行かれる形だったが、着いていく事になった。

 

「「コソリ、コソリ……」」

 

三人はななへと足音でバレると困るために物陰を使いながらゆっくりと移動するとプリルンもその後をフワフワと浮かびつつ着いていく。そんな中、こころはある事が気になったのか口を開いた。

 

「ただ、あと二つの不思議の中身って何なのでしょうか」

 

「うーん。足の指でピアノを弾き出すとか!?それでいきなり路上ライブ……とか!?」

 

「……おいおい、○神戦隊○ーオンジャーVS○拳戦隊○キレンジャーであったあの○拳を鍛えるための修行じゃないんだからさ。脚でピアノを弾くなんて幾らなんでも使えないからな?」

 

「影人君、何言ってるの?」

 

「……例えがだいぶ古いですよ?確かそれ、16年前の映画なのでまだ私達生まれてすら……」

 

「それ以上言うな!文句ならうちの作者に言え!」

 

影人のメタ発言に二人は呆れたような顔つきになる。影人はこんな所でまで酷使されて本当にご愁傷様と言う他ない。

 

「あ、でも先程から話されているピアノに関連してですけど、もしかすると七不思議の行動は全てピアノの特訓なのでは!?」

 

「ピアノ!?」

 

「ピアノの特訓か……。それはそれで気になる考えだけど……具体的にはどんな感じなんだ?」

 

「そうですね。まずは白線の上を歩くですが、集中力を鍛えるため、ラップはリズム感を鍛えるため、怪獣ごっこはイメージ力を鍛えるためです!」

 

こころは先程から連発しているななの奇行を次々にピアノの特訓として結びつけていくとうたは感嘆の顔つきになっていく。確かにそういう考えであれば納得する事はできるからだ。

 

「まぁ、そういう風に見る事もできるな。……レイの意見とはだいぶ違う着眼点だし、それもそれで新鮮かも」

 

「はい、ピアノってその曲のイメージを膨らませるのが大事って聞きますし!」

 

「なるほど!あ、でもツインテと謎の英語は?」

 

「俺はその二つに関してはもしピアノの特訓説に従うのであればツインテはファッションを鍛えるため、英語は海外での活動を視野に入れた事前学習って形になると思う。蒼風さんのお母さんは世界的なピアニストなんだろ?そうなれば英語は必須になるし、ファッションに関しても不特定多数の人の前で演奏するんだから綺麗に見せる工夫はするはず」

 

影人の予想を聞いて二人は納得の顔つきとなる。確かに彼の意見通りならピアノに直接関係無いこの二つの不思議に関しても間接的にはなるがピアノ関係のトレーニングとして取ることができるからだ。

 

それはさておき、ななが向かった先にあるのはとある街中で子供達に風船を配るはなみぃちゃんの所だった。そこには小さな子供達や子供連れの家族等で人だかりができている状態である。

 

「綺麗な街づくりに皆さんご協力をお願いします!」

 

そんな風にはなみぃちゃんの隣で活動をする役所の役員の声がする中、影人達はそこに近づくななの姿を確認する。

 

「あれは……はなみぃちゃんですね」

 

「そういえば、ななちゃんは小さい頃にはなみぃちゃんに風船を貰って嬉しかったみたいな事を言ってたけど……」

 

「……俺はまたなんかやりそうな気がするんだが」

 

するとなながはなみぃちゃんの隣で活動する役員へと声をかける形で呼び止める。

 

「すみません、ちょっと良いですか?」

 

「風船ですか?好きな色を選んでね」

 

「いえ、そうじゃないんです」

 

「……?」

 

ななが風船と違う目的だと聞いて役員はキョトンとする。そんな中、彼女はゴソゴソと鞄の中に手を入れると何かの丸めた紙を取り出すとそれを読み始めた。

 

「感謝状!はなみちタウンのイメージキャラクター、はなみぃちゃんはいつも明るくて私達を元気にしてくれます!その感謝の気持ちをここに表します!蒼風なな!」

 

感謝状を読み上げたななはそれをはなみぃちゃんへと賞状を渡すように手渡す。そんな様子をうたとこころ、プリルンは驚きの様子で見ており、影人は何が起きているか飲み込めずに再び唖然としていた。

 

そして、はなみぃちゃんは感謝状を受け取ると周囲からは拍手が起こるとななは若干の気恥ずかしさから赤くなっていたが、はなみぃちゃんへの感謝の気持ちを伝えられて嬉しそうだった。

 

「これは、七不思議の六つ目に間違いありません!」

 

「プリ!」

 

一連の様子を見ていた影人達三人。その中のこころは七不思議の六つ目を見られて嬉しそうである。更にプリルンは記念撮影とばかりにカメラで写真を撮っていた。

 

「“題して、いきなり!?はなみぃちゃんへの感謝状!”……です!」

 

「うんうん!……で、ピアノとどんな関係が?」

 

「……無いですね!」

 

「あれぇ……」

 

こころがいつものように題名を言う中、うたはピアノとの関連性を聞くが、こころにバッサリと無いと言い切られて流石に唖然とする。

 

「はぁ……。ま、一応ピアノをやる上で自分を支えてくれる周りの人々への感謝を忘れない気持ちという関連はできるな。……あとプリルン。そろそろ写真を撮るのはやめておけ。蒼風さんにとっては黒歴史化しかねないからな」

 

「……プリ?」

 

影人は呆れる動作をする事さえも疲れてしまった様子であった。影人は今のななを後で振り返った際にただただイタイ行動をしていると自覚したななが悶える時のダメージを減らすため。プリルンへの撮影を止めさせる事を促して彼女へのフォローをする事になる。

 

するとななが戻ってくるとそこに彼女を見かけたためか、レイが歩いてきた。

 

「お、蒼風さん」

 

「あれ?レイ君。なんでここに……。勉強会は用事で来れないはずじゃ」

 

「ああ。ついさっきまで用事で拘束されてたけど、今はフリータイムだ。まぁ、勉強会には参加できなくて申し訳ないと思ってる」

 

そんなレイの顔が悔しさに一瞬曇るのを見てななはレイへと心配の目つきを向けるがレイは一度深呼吸をして気持ちを戻すと取り繕った。

 

「レイ君?」

 

「いや、何でも無い。あ、そうだ。蒼風さん。ちょっと話があるんだけど」

 

「そっか。……じゃあ、ゆっくりできる場所に行こっか。私もそこでやりたい事あるし」

 

レイからの話にななは快く頷くと二人は揃ってまた移動を開始する。そんな様子を影人達は物陰から見ていたが、うたとななは興奮した顔つきになっていた。

 

「はわわ……。ななちゃんとレイ君ってまさかのそういう関係!?」

 

「これは新発見ですね……。お二人がまさかそんな風になってるとは」

 

「いや、多分あれ違うからな?」

 

影人がうたとこころの気持ちが恋愛脳になる前に止めようと二人をフォローする言葉をかけるが、その程度で止まる程この二人のかけるアクセルは弱く無い。

 

「何言ってるの影人君!二人きりになろうとしてるんだよ!?」

 

「そうですよ、何も無いって言う方が無理ですから!」

 

「……ダメだこりゃ。二人共すっかりその気だよ」

 

影人はブレーキ役が不在すぎてうた、なな、こころ、後今回は比較的大人しめなプリルンという暴走車四台のブレーキをどうにか担うために頑張り続けた結果、かなりライフポイントを削られている状態だった。

 

“止めて!昨日から続いている蒼風さんの七不思議のせいで影人君のライフポイントは削られ続けてる。このままじゃ、最後の七不思議を見る前に影人君の心は燃え尽きちゃうわ!お願い、死なないで影人君!アンタが今ここで倒れたらこの暴走車達を誰が止めるって言うの!?ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、七不思議は完成するんだから!次回、影人死す!デュエルスタンバ……”

 

「止めろぉおおっ!幾ら俺が疲弊してるからってそのアニメのネタは色々アウトだから!というかこんな茶番を空耳として聞こえさせるくらいならもっと真面目な話にしろやボケェ!?」

 

「カゲ先輩、何言ってるんですか?」

 

「きっと、疲れてるんだよ。さ、二人の後を追うよ!」

 

「(誰のせいだ、誰の……)」

 

影人はそんな風に頭に手を置きつつ色々とアウトになるであろう空耳と自分がこうなってる元凶の三人への文句を心の中で募らせながらななとレイを追いかける二人に着いていくのであった。

 

同時刻。チョッキリ団アジトでは……最早恒例行事と言える程にまで浸透したカッティーのアイドルプリキュアの動画視聴をしていた。その隣にはザックリーもいる。

 

「「ゼッタイ!アイド……」」

 

「アンタ達」

 

「「うわあっ!?」」

 

キュアアイドルの動画を視聴中にいきなり現れたチョッキリーヌ。そのせいでザックリーもカッティーも驚いてしまう。その様子にチョッキリーヌは訝しげな目を浮かべた。

 

「なんだい、そんなに驚いて」

 

「ザックリ言って、何でも無いっす」

 

「ふーん。……それで、今回はどっちが行くんだい?」

 

チョッキリーヌからの問いにカッティーは慌てて咳き込むような仕草を見せると体調不良を装う。

 

「ギクッ……ゲホッ、ゲホッ……。どうやら自分、今日は風邪気味みたいで……」

 

「ジーッ……ほんと自分カッティーな奴。俺が行ってくる」

 

ザックリーはそんなカッティーのサボりを見て呆れ果てると結果的に自分が行く事になった。

 

「ダークイーネ様のため、世界を真っ暗闇にするんだよ」

 

「「イェス、ボス」」

 

「……それはそうと。スラッシュー。アンタ、前回は出撃してマックランダー出しただけで自分から行かなかったらしいじゃないか。どういう事なんだい?」

 

チョッキリーヌがスラッシューを呼びつけると暗闇からスラッシューが出てくる。そんな彼女は一人澄まし顔をしていた。

 

「別に。……私は私のタイミングで動くだけよ。前回は出撃の義理を果たしただけに過ぎないわ。その証拠にマックランダーを出して交戦させたでしょう?」

 

「つまり、前回のあの体たらくはわざとというわけ?」

 

「……だから言ったでしょう?勝てたら手柄はザックリーで独り占めして良いと。つまりはそういう事ですわ」

 

そんな投げやりな態度にチョッキリーヌは鋭い眼光をスラッシューへと向ける。それは主人であるダークイーネへの裏切りとして見ているからだ。

 

「ダークイーネ様がそんな手抜きのような仕事を許すと思っているわけ?」

 

「……はぁ。本当に何もわかってない人の言葉って軽いわね」

 

「何だと!?」

 

一触即発の空気を見せるスラッシューとチョッキリーヌ。するとそんな二人のやり取りを見て黙っていられなかったのか、ダークイーネが影から声をかけた。

 

『見苦しい争いはそこまでにしろ』

 

「「ダークイーネ様」」

 

『……スラッシューがやっていたこの前の戦いの件。妾は許そう』

 

「何故ですか!?あのような戦い、本来なら許されないはずで……」

 

『口を慎め。妾は許すと言っている』

 

「……申し訳ございません」

 

ダークイーネが許すという判断を下したという事実を受け入れられないチョッキリーヌは異議申し立てするが、ダークイーネに強めに戒められて黙り込むチョッキリーヌ。そしてダークイーネは事情を端的に説明した。

 

『スラッシューのあの件は妾は最初から話を聞き、了承した上での行動だ。スラッシューはそれ相応の考えを持っている。今はそんなつまらない事で争うよりも世界を真っ暗闇に染める事。それだけを目的として行動せよ』

 

「「ははっ……」」

 

その言葉に跪いて了承する二人。ただ、やはりチョッキリーヌは納得がいかない様子である。スラッシューとチョッキリーヌは名目上は同じ立ち位置。つまり、会社で言えば同僚なのだ。それなのにスラッシューばかりが持ち上げられている現状を良しとしないのは当然だろう。そのため、チョッキリーヌはかなり不憫な思いをする有様であった。

 

「おのれ……スラッシュー。こうなれば、私達も手を打たなければ」

 

チョッキリーヌはそう言いつつスラッシューへの対抗心の炎を燃やす事になる。




また次回もお楽しみに。
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