キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜 作:BURNING
メロロンがこの世界に来て影人と出会ってから約数時間程。ここまでだけでも色々とあったが、メロロンはようやくプリルンと合流。メロロンは念願のねえたまに会えたという事で早速取った行動は……。
「ねえたま、ねえたま〜」
「ナイススリスリプリ」
「ねえたま、ねえたま〜」
今現在、影人達五人はプリルンとメロロンを公園内の休憩所へと移動するとテーブルの一つを囲んで座っていた。そこでメロロンはプリルンへと愛情表現の一環なのか、ご機嫌な顔つきで頬擦りしている。
それと、木登りのために影人は隠した荷物をしっかりと忘れる事無く回収。それから汚れた体を可能な限り洗った。
「キラッキランラン〜!だね!」
「プリルン、頬擦りで若干押し込まれてるし……」
尚、メロロンの頬擦りはかなり強めなのかプリルンはそこそこ押されてしまっている。
「それにしても、凄くプリルンに懐いていますね。ねえたまって事は、プリルンの妹?」
それを聞いた途端、メロロンは失礼なことを聞かれて不機嫌になるとジト目に近いような感覚でななの方を見て反論する。
「……妹メロ?そんなのじゃないメロ」
「あ、違うんだ」
「色々あってお姉さん的立場になってるんだと」
影人はメロロンの性格から考えて、うた達へと自分から話せるようになっってからメロロンの口からそういう話はした方が良い。そう考えた影人は敢えて先程の話を少しぼかして伝える。
「影人、ねえたま、この人達は誰なのメロ?」
「プリ!うた、なな、こころ、そして影人。伝説の救世主、アイドルプリキュアプリ!」
「メロ!?」
「まぁ、変身前はこうやって普通の人間として生活している。だからイメージは湧きにくいかもしれないな」
メロロンは二人からの説明を聞いて驚いたような顔つきだった。どうやら、キラキランドで別れたプリルンは宣言通りアイドルプリキュアを見つける事に成功。無事にプリルンがメロロンよりも先行してこちらに来た目的は果たされている事になる。
「あ、そうだ!メロロンもプリルンと一緒にうちに来たらどう?」
「メロロン……も?」
うたはプリルンが自分と一緒に暮らしているためにメロロンも一緒に暮らすべきだと彼女を誘う。だが、メロロンにとっては何か気に入らないのか僅かに不機嫌そうな声を出す。
「プリルンはうたのお家で暮らしてるプリ!」
「毎日一緒に寝てるんだよ!」
「毎日……一緒メロ?」
メロロンはうたからの話を聞き、プリルンも同意していることからそれが嘘では無いと断定。耳が逆立ち、金色のオーラが出るくらいのうたへの嫉妬の炎を燃やす。
「メラメラメロ!」
「おお、影人なりに言うなら心メラメラしてるな」
「いや、俺とは使う時の意味が違うからな?」
「メロロンが燃えてるね」
「これは、嫉妬の炎ですかね?」
「だね」
「プリ?」
そんな風に話す中、メロロンは影人の方を向くとある事を影人へと聞き始めた。
「それと、ねえたまは影人の家では暮らしてないのメロ?」
「影人君の家?」
「影人の家には行ってないプリ」
「……折角一緒なら影人の家で暮らしたいのメロ」
メロロンがそう言ってねだるとその場が少しだけ静かになるとその意味を飲み込んだうた、なな、こころが声を上げる。
「「「ええっ!?」」」
「影人君!?いつの間にメロロンと仲良くなってるの!?」
「しかもさっきからカゲ先輩だけ名前呼びされてますし……」
「影人、まさかと思うけど……」
「色々勘違いして騒ぐ前に言うけど違うからな?」
なな、こころ、レイが次々と話す中で影人はメロロンに浮気した疑惑がかけられそうだったのでひとまず否定の言葉を入れておいた。すると“グゥ〜ッ”という音が鳴るとメロロンはお腹を抑える。どうやらこっちに来てから飲まず食わずだったせいでお腹が空いてしまったらしい。
「メロ!?」
「お腹減ってるの?」
「減ってないメロ」
メロロンはそっぽを向きながら意地を張ってお腹が空いてないと言い張る。しかし、体は正直なのでもう一度お腹の音が鳴ってしまう。
「メロ……」
「やっぱりお腹空いてるじゃん」
「だから、大丈夫なのメロ!」
「……メロロン。こういう時は我慢したらダメ。お腹が空いてるならちゃんと言わないと」
影人が優しくメロロンへと指摘するとメロロンは彼に言われたからか、うた達へと正直に話した。
「メロ……やっぱり、お腹が空いたのメロ」
「……メロロン、影人の言った事は素直に聞いてるな。影人、お前完全にメロロンの心を掴んでるし」
影人からそうやって優しく言われると他の面々に向けていた先程までの塩対応が嘘のようにメロロンはちゃんと受け止めている。そう考えると、影人への信頼度がこの短時間でかなり上がっている事になるだろう。
「でしたら占いグミがありますよ。良かったらどうぞ!」
「メロ……ありがとうメロ」
こころが持っていた占いグミを渡すとメロロンはそれを両手で受け取る。それから彼女がグミの封を切ると中からグミを取り出した。
「あっ!仲良し運アップだ!」
そこにあったのは二つのハートが一本の線で繋がった形の黄色いグミである。メロロンはそれを見てポエムをまた口ずさんだ。
「繋がれた二つのハート……。それはきっと、あなたと私」
「「「ん?」」」
「食べないプリ?」
「なぁ、影人。メロロンって……」
「ああ。その場の心境に合わせたポエムを口ずさむのが好きなんだろうな」
「なるほど」
このタイミングでうた達もメロロンのポエムを初めて聞くために疑問符を抱く。ただ、影人は既に何度か聞いてるので平常運転だと考えた。
「メロロン、食べないプリ?」
「食べるメロ」
それからメロロンが可愛らしい一口で食べる様子を見て一同はその可愛さに癒される事になる。
その頃。そこから程近い公園内の上空ではザックリーが一人、その姿を現す。その手にはダークイーネの力でパワーアップした水晶が手にされていた。
「新しいこの力……早く試したいぜ!へへっ!」
どうやらザックリーはプリキュアに対抗するために進化した力を今にでも使いたそうな様子であった。そのため、早速素体の人間を探す。
そんな中。ザックリーの眼下。自販機の所にいる一人の男性がジュースを買う際に一緒に回す事ができるスロットを見ていた。そして、スロットの柄は三つの桃が揃ってアタリとなる。
「お、当たった!ラッキー!」
その喜びからか、男性からキラキラが出現。それをザックリーが見逃すはずがない。
「おーっ。目障りなキラキラを早速発見だぜ。丁度良い!」
ザックリーはタイミング良く現れたキラキラを発する人間をターゲットにするといつもの行動を取る。
「お前のキラキラ、オーエス!」
「うわぁああっ!」
「はぁい、ザックリ行くぜ!」
ザックリーがいつものようにリボンを真っ二つにすると水晶と閉じ込められた人間を一体化。地面へと叩きつけた。
「来い!クラヤミンダー!世界中をクラクラの真っ暗闇にしやがれ!」
すると出てきたのはマックランダー……では無い。マックランダーと比べて髪がアフロがかかったリーゼントヘア、鋏の形をしたサングラスが緑に変化したマックランダーが進化した姿。その名も……。
「クラヤミンダー!」
クラヤミンダーと自らを名乗った怪物。今回は自販機をモチーフとしており、降り立つ事になる。
そして、クラヤミンダーが召喚された場合もしっかりプリルンがそれを感知する訳で。
「ブルっと来たプリ!?」
「……メロ?何が来たのメロ?」
メロロンはこの現象を初めて見るので何の事だかわからない。ただ、空が暗くなっているので影人達は近くでチョッキリ団が来ているのを察した。
「ッ!皆、行こう!」
そんな中、クラヤミンダーは自販機の取り出し口からペットボトル型のミサイルを放って周囲をメチャクチャにしていく。
「クラヤミンダー!」
「今日こそ世界をクラックラの……真っ暗闇にしてやんよ!」
「そうはさせない!」
ザックリーが意気込むと影人達五人は現場に到着。プリルンとメロロンはレイが預かる形で少し後ろにいる。
「来たなプリキュア!今日の俺は一味違うぜ!」
「クラヤミンダー!」
クラヤミンダーはそんなザックリーに便乗するように声を上げてその健在ぶりを示す。
「あれ!?なんかマックランダーとは鳴き声が違いません!?」
「本当だ……いつもと雰囲気も違う」
「へっ、コイツの名前はクラヤミンダー!お前達の手には負えないぜ!」
「メロ……」
ザックリーはクラヤミンダーを影人達に紹介すると影人はクラヤミンダーから感じる凄まじいパワーを受けると同時に心の中で何か違和感を感じた。
「(ッ……何だ……この感じ。確かにクラヤミンダーって奴は強そうではあるけど……。前までのマックランダーと比べてもそう大した脅威に思えない)」
「皆、行くよ!」
「(いや、ごちゃごちゃ考えるのは止めだ。あの時の咲良さんみたいに油断したら人の事言えない。全力で行く!)」
うたの号令に三人がブローチを構えると影人は初変身したばかりに油断したら結果、痛い目を見たうたのようにはならないと気を引き締める。
「影人、心配メロ……」
「大丈夫プリ!アイドルプリキュアがキラッキラにしてくれるプリ!」
四人は光に包まれると同時にブローチにリボンを装填し、その姿をプリキュアへと変えていく。
「「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」」
四人が同時に言うとブローチの両側のスイッチを押し込む。これにより四人は姿をプリキュアへと変えていった。
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」
「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」
「キミと昂る、ハートの情熱。高鳴る魂、キュアソウル!」
「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」
四人が変身を完了して名乗ってから降り立つと目の前にいるクラヤミンダーと対峙する。
「メロ……」
「頑張るプリー!」
ザックリーはそれを見て早速クラヤミンダーへと攻撃を指示。クラヤミンダーは走ってきた。
「行け!クラヤミンダー!プリキュアを倒すんだ!」
「クラヤミンダー!」
「皆、ここはいつも通りに……」
アイドルが声をかけたその瞬間、ソウルの体に以前以上のパワーが湧くと踏み込むと同時に前に飛び出す。
「えっ!?ソウル!?」
「ソウル、何やってるんですか!」
「連携しないと勝てな……」
アイドル達が勝手に前に出たソウルを見て慌てる中、クラヤミンダーが拳を繰り出すとソウルはそれに対抗する形で拳を繰り出す。
「はあっ!」
「クラヤミン……ダ!?」
二つの拳が激突した瞬間。すぐにクラヤミンダーはパワー負け。そのまま後ろに吹き飛ばされると地面に激突。この様子に全員が唖然とした。
「「「えっ……」」」
「ソウル……何で」
「はぁっ!?」
ソウルは降り立つとまだ自分がたった一撃でクラヤミンダーを吹き飛ばした事実が飲み込めずに手を握り締めたり開いたりしている。
「俺の体……どうなってるんだ」
ソウルはいきなり噴き出てきた前と比べて明らかに強い力に困惑。恐らく、先程クラヤミンダーの力に当てられてもまるで強いと思えなかった理由はこれだろう。……自分のスペックもマックランダーからクラヤミンダーになった時に上がった能力と同等以上のレベルアップをしてしまっていたのだから。
「ッ、勝手に行ってごめん。アイドル、ウインク、キュンキュン。……ここからは皆で行こう」
「えっ……あ、うん……」
ファーストコンタクトが済むとソウルは他の三人に呼びかけ、アイドル達も頷くとそれに合わせるように仕切り直す。それから改めて戦闘を開始するのであった。
また次回もお楽しみに。