キミとアイドルプリキュア♪〜輝けない少年と心の鼓動〜   作:BURNING

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女子バレーの決勝戦 受け取った想い

影人達の男子バスケの試合が終わり、そちらのコートでは次の試合へと移行していく。そんな中で少し時間を置いてからうた達女子バレーの決勝戦が始まる。

 

「只今より、2年A組対3年A組。女子バレーボールの決勝戦を始めます!」

 

双方のチームが試合開始前の挨拶として礼をすると会場は熱気に包まれる。そんな中で影人やレイも二階からこころ、プリルン、メロロンと共に応援する事になった。

 

「うた〜!なな〜!ほら、メロロンも応援するプリ!」

 

「メロ……影人以外を応援なんて……やっぱり気が進まないのメロ」

 

メロロンはやっぱり応援に対しては基本的に消極的らしいのか、あまりやりたそうな感じでは無いようで。それでも先程キラキライトを振っていたのは影人のためであったとの事だ。

 

「相手は三年生。手強そう」

 

「相手チームもここまで勝ってきてるから、実力もあるはず。厳しい戦いにはなるだろうな」

 

「でも、咲良さん達だってここまで勝ったからこそ今ここで戦っている。……絶対勝てるさ」

 

そんな中、早速三年チームからのサーブによって試合がスタート。まずはサーブが飛んでくる。

 

「うわっ!?」

 

「ッ!?」

 

うたとなながどうにかボールをレシーブからトスに繋げようとするが、相手のサーブは強く。上手く飛ばす先をコントロールできずにボールを落としてしまう。そのため、先制点は相手チームに入った。

 

「まだまだこれからです!」

 

「うた〜!なな〜!頑張れプリ〜!」

 

「2年A組、ファイト!」

 

「メロ……」

 

「ほら、メロロンも応援」

 

「メロ!?だから、メロロンは影人以外への応援は……」

 

影人とこころ、プリルンが応援をする中、レイはメロロンへと応援を促す。ただ、メロロンはレイからの言葉に反論していたが。そんなやり取りがある中でも試合は着々と進んでいく。

 

「はい!」

 

「わかば!」

 

「任せて!はあっ!」

 

今度こそうたやななによる繋ぎが成功し、わかばによるスパイクが決まると2年A組の得点となる。

 

「やった!」

 

「ナイススパイク!新橋さん!」

 

うた達がチーム内の六人で点を決めた喜びを分かち合う中、影人やこころも喜びの声を上げる事に。そんな中でプリルンが目をパチパチさせると体育館内の生徒達のキラキラがいつも以上に眩しくなっているのを感じ取った。

 

「プリ……さっきの影人達の試合の時から皆、いつも以上にキラキラしてるプリ!」

 

「メロ……」

 

メロロンはチームの応援をする影人や他の人達のキラキラに当てられているプリルンを見てこの空間に少しずつ居心地の良さを感じ始めていた。

 

「暗く、寒かったはずの場所が数多の光に温められて、今はどこにいても温かい。光に溢れた場所に変わる。……今日の朝まで何のキラキラも無かったはずのこの空間。でも今は充満するキラキラがどんどん増えて、どこもかしこも温かいのメロ……どうしてこんなにも皆、キラキラしてるのメロ」

 

メロロンがこの居心地の良さ疑問に思う中で、影人はメロロンの頭を優しく撫でながら彼女へと話しかける。

 

「皆がキラキラしている理由か。……メロロンもちゃんとわかってるはずだよ」

 

「メロロンも知ってる事なのメロ?」

 

「ああ。ちゃんと知ってるよ」

 

影人がメロロンへと話しかけると隣でこころが僅かに膨れたような顔になると影人へとジーッと目線を向けていた。

 

「……カゲ先輩。メロロンの事を気遣うのは良いですけど、程々にしてくださいね?私だってカゲ先輩に甘えたいの、我慢してるんですから」

 

「ごめんな、こころ。メロロンに対する距離感が近すぎるのは申し訳けど……ちゃんとこころの事はそれ以上に想ってるよ」

 

「それなら良いんですけど……」

 

こころは多少まだ言いたそうだったが、それは後にするべきと考えたのか応援へと戻る。影人もこころの気持ちもちゃんと考えるべきと感じたのか、後でちゃんと甘えさせようと考える事に。

 

今はうた達の応援をするべきと二人の気持ちが一致したのか、また声を出しながら応援を再開する。

 

「たあっ!」

 

「させない!」

 

するとそんな中で相手からのスパイクに対して反応が間に合わなかった坂上と新野。そこに何とか後ろから飛び込んで反応した新橋。

 

「ナイス、わかば!」

 

「ッ!うた!」

 

「へ?」

 

そんな新橋に声をかけたうただが、彼女が新橋に言われて前を向くとボールが眼前に迫ってきていた。どうやら、先程新橋が拾ったボールが相手コートに入りそうなのを受けて相手選手がブロックに入ったのだ。それによって弾かれたボールが少しだけ余所見をしていたうたの前に落ちてきたのである。

 

「へぶっ!?」

 

うたは慌てて両腕を出そうとするが、間に合うはずも無く顔面レシーブをする羽目に。その直後、新橋がうたの顔面レシーブで上に上がったボールを押し込む形で点を決める事になる。

 

「はぇえ……」

 

「うたちゃん、大丈夫?」

 

「うた、やったね!」

 

「ひれぇ……」

 

「おー、ナイス顔面レシーブ」

 

「咲良さん、一応原作では主人公なのに……」

 

「仕方ないよ。原作でもこの流れは変わらないから」

 

そんな風に影人とレイの二人が超メタ発言をする中で、目を回したうたを心配するななとうたへとハイタッチする新橋という状況が出来上がっていた。

 

そこからは白熱の展開が続き、点を取っては取られの状態だった。ある局面では新橋が打つと見せかけてななからのスパイクが刺さって点を取って点数は10対8に。しかし、相手も負けじとスパイクを叩き込み、ブロックしようとうたや坂上が必死に手を伸ばすものの間に合わず。今度は13対10となるような感じでなかなか点差は縮まらない。

 

「うた、わかば!」

 

「任せて!」

 

「このっ!」

 

相手からのスパイクが飛ぶとそれをうたや新橋が反応して飛び込むが、タッチの差で拾うことができずに相手の得点となってしまう。

 

「うう……上級生なだけあって手強いですね。うた先輩やなな先輩達も頑張っているんですけど……」

 

「でも、まだ試合は終わってない。諦めない限りチャンスはある。2年A組、ファイト!」

 

上から見ている影人やこころはこの苦しい状況でも応援を絶やさず続けた。レイも真剣な目で見続けている。そんな中で、コート内にいる六人も苦しい状況が続いている上にここまでの試合での体力消耗も大きかった。

 

「はぁ……はぁ……絶対、勝つ」

 

しかし、うたは友達である新橋が翔太先輩に告白できるようにするために何としてでも勝ちたいという気持ちを強く燃やす。すると笛が響く中、相手からのサーブが飛んでくる。

 

「はい!」

 

「みお!」

 

「うん!」

 

サーブに反応したのは東中、それを坂上が拾って最後に返したのは新野。ただ、新野の位置関係的にスパイクには持って行けず。相手もそれをレシーブで拾うとすぐにラリーを繋いでスパイクを放つ。

 

「させない!」

 

そこに新橋がブロックのために自陣の左側から飛び込む形でカバー。しかし、ボールが飛んだ先はブロックするために跳んだ新橋の腕の方向では無く彼女が元々いた場所に近いライン際だった。

 

「しまっ!」

 

幾らバレー部エースの新橋でも跳んでしまえばカバーなんてできない。また一点。取られてしまうと彼女は悔しそうな顔をする。

 

「はああっ!」

 

その直後。うたがどうにかしてそのボールを拾って繋ぐために飛び込むと右腕でボールを上に弾く事に成功する。

 

「うっ!?」

 

しかし、うたがボールを弾くタイミングで普段とは違う鈍い音が響くとうたが苦痛に顔を歪める。新橋は着地後にうたの方を向く……が、今はうたが繋いでくれたボールをどうにかしないといけない。

 

「わかばちゃん!」

 

うたが弾いたボールをなながしっかり繋ぐとそれに合わせて新橋が跳んで鋭いスパイクを叩き込む。新橋が放ったスパイクはしっかりと敵のコートに入ると2年A組に得点が入った。

 

「ナイスアタックです!」

 

「いや……これは不味いな」

 

「え?」

 

こころが喜ぶとその隣でレイがある一点を見て呟く。そこにはうたが左腕を庇うように手で抑える姿であった。

 

「ッ……」

 

「うたちゃん!」

 

しかし、一旦試合は中断となるとうたのチームメイトの五人が駆け寄っていく。

 

「うた、大丈夫プリ?」

 

「ああ。咲良さんはきっと大丈夫。でも、もうこの試合に出るのは……」

 

影人はあそこまで強いスパイクを不完全な体勢で尚且つ片手で弾いたのだ。恐らく、最低でも捻挫はしてるだろう。ボールに触れる際にどうしても腕を使わないといけないバレーの試合において片腕の捻挫は致命傷となってしまう。

 

「皆、大丈夫だから……」

 

「無理しちゃダメだよ」

 

「うん……休んだ方が良いって」

 

「そんな……でも、それじゃあわかばが……」

 

うたとしてはもっとコートに立っていたかった。友達が告白のために沢山頑張っている所を見てきた彼女は、どうしても最後まで一緒に戦いたかったのである。

 

「うた、私の事を心配してくれてありがと。それとさっきの、ナイスレシーブだったよ!」

 

「後は任せて!絶対勝つから!」

 

そんな風に新橋が自分の心配は大丈夫という風に声をかけると、それに次ぐ形で坂上も自分達がうたの分まで戦うと言う。

 

「……うたちゃん。さっきのレシーブ、ありがとう。……うたちゃんの分まで、私達で頑張るから」

 

するとななはうたへと手を差し出す。彼女のその目に宿っていたのは、普段の彼女以上に熱く燃えている情熱だった。

 

「ななちゃん」

 

「……私、浅野君に告白されて……最初、すぐにお断りしようと思っちゃた。……でも、浅野君が練習に真剣な所を偶々帰り道で見て……自分がそんな真剣な相手に失礼な事をしようとしてるって感じたの。そして、それはわかばちゃんも同じ。告白のためにあんなに頑張ってるわかばちゃんを……今度は私が助けたい」

 

ななの言葉にうたは微笑むと怪我をしてない右手でななの手を取って立ち上がる。

 

「じゃあ、頑張れるようにおまじないしないとね!」

 

そんな風にうたはななへとウインクするとななも頷いてウインクで返す。それからうたは保健室へと移動。そして、上で見ていた影人とこころ。プリルン、メロロンがうたへと着いていく事に。

 

「レイは行かなくて良いのか?」

 

「俺は蒼風さん達の試合がどうなるか見ておく。俺達全員が行っちゃうのはダメだろうし」

 

「わかった。ありがと、レイ」

 

レイはその場に残って試合の様子を見守る事にした。そのまま試合が再開すると2年A組のサーブからだ。打つのは順番的に坂上である。

 

相手コートへと飛んだサーブを相手選手は拾うとトスで上げてスパイクを打ち込む。

 

「私が!」

 

それに見事反応したなながレシーブするとそこに東中がトスを上げて新橋がスパイクで返す。しかし、それに相手も反応するとブロックが間に合ってしまう。

 

「ッ!?」

 

このまま落下したら相手チームの得点。何としてでも拾わないといけない場面でボールへと迫る影があった。

 

「たあっ!」

 

それは、先程レシーブした場所から走り込んだななである。彼女はうたから託されたバトンを落とさないようにするために、そして自分の恋のために必死に頑張る新橋へと勝利を捧げるために。

 

浅野は自分に告白するためにあれだけ頑張っていた。そんな彼と新橋は同等かそれ以上に頑張っているのだから、その想いをななは繋ぎたかった。

 

そのボールをスパイクでは無くトンとワンタッチして浮かせるように押し込んだなな。そのため、相手はスパイク対策のために伸ばした腕を飛び越えるボールに触る事ができず。そのままボールは相手のブロックした選手の真後ろに落ちるように落下すると2年A組の得点となった。

 

「ありがとう、なな!」

 

「うん!」

 

その様子を見てレイはななの今のプレイが逆転の一歩になると信じて、応援を続ける事になる。

 

その少し後、保健室から戻ってきた影人達三人。プリルン、メロロンは影人の肩に乗る形であったが、プリルンは心配そうな声を上げる。

 

「うた、痛いプリ?」

 

「ううん。大丈夫!」

 

「良かったプリ……」

 

「良かったですね。保健の先生、あまり動かさなければ大丈夫だって」

 

うたとしてはこの程度で済んで幸運だったと言えるだろう。そんな中、体育館の方からの声が先程よりも大きい事に影人達は気がつく。

 

「あれ?さっきよりも熱気が凄いような……って、マジか!?」

 

そのタイミングで新橋がスパイクを打ち込むと得点が決まる。これによって点数が23対23の同点になっていた。

 

「あっ、見てください!追いついてますよ!」

 

「本当だ……凄い、あと2点。先に取った方が勝ちだ!」

 

うたが抜けてから残されたメンバーが奮起して点差をみるみるうちに縮めたのだろう。そこにレイがやってくる。

 

「丁度良い所に戻ってきたな。……ほら、一番大事な場面だぞ」

 

そう言ってレイはある物を影人達に手渡す。それはこころが行く前に預かっていたキラキライトであった。プリルンもポシェットから自分の分を出すと四人がそれぞれキラキライトを持つ。

 

「「2年A組!頑張れー!」」

 

「ファイトです!」

 

「プリ〜!」

 

影人達が自分のクラスを応援する中で、体育館内にいる他の生徒達もキラキライトを振って選手達を応援。そのキラキラは最高潮を迎えていた。その様子をメロロンは夢中になって見ている。

 

「メロ……」

 

メロロンにはそのキラキラした光景がとても幻想的であり、自分は今までこんなキラキラした空間を見た事が無かったというのもあって完全に見入っていた。

 

そんな中、相変わらず空気の読めないチョッキリ団の一員であるカッティーがやってくるとその輝きに思わず驚きの声を上げる。

 

「む!?いきなりこんなにもキラキラが溢れてるのですぞ!?」

 

彼としては絶好の攻撃のチャンスであるために早速クラヤミンダーを出そうとするが、その直前に彼の胸に何かの違和感が出ていた。

 

「……何なのですぞ?この凄まじい光に当てられて……胸がムズムズするのですぞ」

 

そんな中で新野がレシーブしたボールをなながトス。そのままスパイクを叩き込む新橋。これによって2年A組の点数は24点。セットポイントであり、最後の一点を取れば優勝という場面になった。

 

「くっ……目障りなキラキラがあるのですぞ……」

 

カッティーは体育館内に溢れ出るキラキラの影響で違和感を感じつつも、自分の使命を全うすべきと結局クラヤミンダーを呼ぶ事になる。

 

「お主のキラキラ、オーエス!」

 

「きゃああっ!?」

 

「カッティーン!」

 

新橋がカッティーによってキラキラを抜かれて異常を訴える。影人達はそれに気がつくものの、そんなの知った事では無いとカッティーは容赦無くキラキラを切ってクラヤミンダーを呼んでしまう。

 

「出でよ!クラヤミンダー!世界中をクラクラの真っ暗闇にするのですぞ!」

 

「クラヤミンダー!」

 

今回のモチーフはバレーボールのクラヤミンダーらしい。そして、クラヤミンダー登場の影響で空は暗くなると体育館内にクラヤミンダーが降り立ってしまう。

 

「皆、外へ避難するんだ!」

 

富士見先生を含めた教師陣がその場からの避難を促す中、生徒達は一斉に避難を開始する。影人達はその混乱に紛れて一度ステージの物陰に移動すると体育館内から一般人がいなくなった事を確認した。

 

「クラヤミンダー!」

 

「良し、他に誰もいなくなったな」

 

「恋する女の子のキラキラを奪うなんて許せない!皆、行くよ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

そのまま四人はブローチにリボンを装填するとプリキュアへと変身するための光に包まれていく。

 

「「「「プリキュア!ライトアップ!キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」」」」

 

四人が同時に言うとブローチの両側のスイッチを押し込む。これにより四人は姿をプリキュアへと変えていった。

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

「キミと昂る、ハートの情熱。高鳴る魂、キュアソウル!」

 

「「「「We are!キミとアイドルプリキュア♪!」」」」

 

四人が変身して名乗るとその場に降り立つ。そんな中でソウルはある事を思い出す。

 

「そういえば、アイドルは手首大丈夫なのか?」

 

「そうだよ、あんまり無茶は……」

 

「大丈夫だってこのくらい……ッ!?」

 

しかし、体は正直なのかアイドルはやはり左の手首にダメージが残っている様子だった。

 

「あ、やっぱり痛い」

 

「無理しないでくださいね?」

 

「はぁ……やっぱこの感じは変わらないよなぁ……」

 

ひとまずうたに無理しないように言うとクラヤミンダーは早速攻撃を仕掛けようとその体を回転させて突っ込んでくる。

 

「アイドルは無茶しない程度にだけど……皆やるぞ!」

 

四人は新橋のキラキラを取り戻すために目の前にいるクラヤミンダー相手に交戦を開始する事になった。




また次回もお楽しみに。
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