夏休みが終わった。
1分でテスト、1分でスライムのアピールをして、上位10名が発表されるらしい。
直、不合格のスライムはサクッと核を砕かれて素材にされてしまうらしい。
俺達は戦々恐々として並んだ。
それにしても、育て方によって本当に違うんだな。
1番大きいのは木箱ほどの大きさで、そのスライムの上にはふくよかな子が乗っかっている。1番小さいので、まだ瓶の中の子もいる。
1番多いのは、大人が手のひらを目一杯広げたぐらいの大きさだ。
俺もその大きさ。
1分でのテストでは、その時間内でスライムにいうことを効かせるという厳しいものだ。
これが出来ないと素材なので、緊張する。
なお、スライムの上に乗っている子は、1分のテストをせずとも合格だった。
当たり前だ。乗り物にしている時点で、自在に動かせると言うことなのだから。
俺の場合は、水魔法を使うということで合格だった。
上位10名には入れなかった。
あのでかいスライムと、教会の子が育てた治癒能力を持つスライム、空間魔法を習得したスライム、一緒に側溝を掃除して回っていたという浄化特化型スライム、あと、スライムではないが、スライムを分裂させる術を勝手に発見させてスライムを売り捌いていた子(厳重注意されてた)、テレパシーを習得したスライムの中でも1番口達者な子、空を飛ぶスライム、スライムレースで賭博をしてた子(厳重注意された)、単純に1番賢いスライム、お肌を綺麗にするスライムの10匹がノミネートされた。
2人ほど人間が混じっていたが、容赦なく全校生徒の前で紹介された。
みなさまコイツが問題児です。
番外として、セレスが美味しいスライムの育て方も教えてくれた。
みなさまコイツも問題児です。
浄化特化スライムは役立つのでかなり褒められていた。
俺のスライムも浄化を覚えることを勧められた。
飲料水の浄化は覚えさせて損はないらしい。スライムの育て方のいい参考になった。
あと、俺は順当に次の授業への参加チケットを得られた。
次の授業は鳥や犬や猫との意思疎通という事なので、喜んで参加する。
鳥と視界共有すると便利って一言で大体の子は参加を決めたのではなかろうか。
あと、希望者は追加のスライムをもらえるようだった。
レースしてた奴と売ってた奴が我先に群がってた。反省してないな。
俺はいいかな。新たな子も来るんだし、集中して育てたい。
「アクオス」
「はっ レオン殿下」
「私はスライム部を作る。よって、スライムを選ぶがいい」
強制参加ですか、殿下。
「とてもいいお考えです、殿下。私はスライムが信仰をするというのなら、敬虔なスライムを増やしたい」
「我が国は水不足でな。アクアスライム量産したい」
「我が国も、浄化用にアクアスライムを輸入したい。それにファイアスライムは燃料としてもいいと聞いたが……」
教会のトップの子と各国の王子が同意し、先生にお願いして大量のスライムをもらっていた。
スライムが社交の道具になった瞬間である。
何せ上層部が国益込みで趣味にするのだ。もはや末端にとってはスライムについて勉強をしておくことは義務に近い。
サバイバル学と、テイマー学。飛空術学。
俺はこの三つを学ぶ事に決めたのだった。
テイマー学では、小動物はどこにでもいそうな小鳥を選択した。
授業開始1日で、国の諜報部門に強制的に革命が起こされた。
目と耳を小動物と共有できる時点で無双すぎるのである。
慌てて対処方法をセレスに聞く事になった。
「なかなか難しいですよね」
「対処法がないということかね!?」
「セレス先生。女子が内緒事を隠す時とか、覗きから身を守る時はどうするんですか?」
「ああ、それはね」
国防より覗き対策が進んでいる国。魔国が滅んだわけである。