テイマー学。
スライムから始まり、小動物にステップアップし、二年次からは希望する猛獣と交流をする事となった。ここから、魔物との契約をしていくのか、魔族との契約をしていくのか、選択をしていくのだという。
授業料がちょっとした貴族でないと払うのが難しくなってきた。
まあ猛獣の餌代を用意できると示す為だからな。仕方ないな。
夏休みまでは自分の希望する猛獣の生態を学び、夏休みに猛獣と契約。
サマーキャンプをして交流を深め、その結果を三年時の参考にするという。
ただ、三年時の契約も頭に入れて契約しなさいとの事だった。
確かに、俺はもうスライムのアクアとクリーン、小鳥のウィンがいるしな。
そんなわけで、配られるリストを見る。
そんなリストにドラゴンがいた。
もう一度言おう。そんなリストにドラゴンがいた。
どうやら、竜には魔物枠と魔族枠があり、魔物枠のドラゴン、その中でもワイバーンという最下級のドラゴンらしい。
あと、狼の群れとか。群れってなんだ。
そういうのが怖い人向けには、動物とのコミュニケーションの取り方講座もやるらしい。
侯爵令嬢がドラゴン希望してるんだが大丈夫だろうか。
当然、一瞬の油断が死につながる為、みんな真剣だ。
俺は流石にドラゴンは怖いので、どうしようかな。
グリフィンはどうだろうか。
噂を聞いた貴族が授業にねじ込みたがっていたが、それを許したら生徒数が恐ろしい事になるので次世代に期待して欲しい。
「信頼関係の崩壊イコール死だと思ってほしい。下手な魔族より大変だから、一瞬たりとも油断しない。敬意を忘れた奴から死ぬ。いいね?」
「わかりましたわ!」
そうして、侯爵令嬢は勇ましくワイバーンを乗り回した。
「セレス先生! 決めましたわ、私は竜騎士になります!」
「竜騎士はエリートだから厳しいよ?」
「覚悟の上ですわ! 勝手ができるのは学生のうちだけですもの」
「じゃあ、知ってることを教えるね」
侯爵令嬢の活躍に、婚約者の伯爵家の長男は震える。
「夫婦喧嘩したら竜の餌とかないよね?」
「ありそう」
とんだ女傑である。
こうして、御伽話の世界だった竜騎士が爆誕した。
より正確にいうならば、魔獣騎士団だ。
団長は殿下で、これまた竜。
夏休みの間だけ、俺達は盗賊狩りの前線に投入された。
盗賊たちが可哀想。
盗賊団を空から強襲するのは楽しかったけれども。
王都周辺の盗賊団はあらかた魔獣の腹の中に収まった。
思ったのだが、魔物のポテンシャルは凄すぎる。
これで負けたとか、魔国は敵にすら可哀想という心を持っていたに違いない。
猛獣をどこかに返したあと、三年時の魔族のお迎えに備え、僕達は魔法のもう特訓をした。
魔族には夏休みの間、僕達に魔力を貸す代わりにその魔力の使い方を教えてもらうという、臨時の家庭教師の関係なのだ。
結果が良ければ、より高位の魔物や魔族を紹介してもらえる。
魔物を使役するか、魔族とパートナーになるか。
契約は以前ほどは魔族優位ではなく、ちゃんと責任持って生涯面倒を見るならば、部下契約も可能らしい。
慎重に選ばないと。
結果、大体男子は魔獣、女子は魔族契約に落ち着いた。
おもてなしや子育てはやはり女子が強かろうという判断である。
万全の体制を準備して。
ついに三年生の夏がやってきた。