ハリーポッターと3人目の男の子   作:抹茶プリン

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ホグワーツ

 「セルス!起きろ、セルス!」

 

ドラコによって夢の世界から現実の世界に舞い戻ってきた。

 

「あぁ、おはよう」

 

「朝食を食べに行こう。制服に着替えておけ」

 

俺にそう言ったドラコは、ノットと一緒にクラッブを押してベッドから突き落とした。そんなに起きなかったのか。

ゴイルは既に起きていた。

 

俺が制服に着替えを確認した一同は、まだ眠そうなクラッブを押して大広間に向かった。

 

 

 大広間では生徒が点々と固まりを作りながら食事をとっていた。スリザリン以外の寮は同級生同士で固まっていた。スリザリンと違い事前に上級生と顔見知りだったりしないからだ。

 

俺たちはスリザリンのテーブルの人が少ない場所に座った。

座ると同時に、これぞ朝食!と言った内容の食べ物が現れる。

 

「今日は何の授業だったっけ?」

 

ノットがソーセージをフォークで転がしながら尋ねた。

 

「薬草学と変身術、それと魔法史だ」

 

カボチャジュースにしようかオレンジジュースにしようか、それともリンゴジュースにしようか迷いながら答えた。

 

「あ〜魔法史か。ゴーストが教えていてすごく眠くなる授業らしいな」

 

ドラコが物凄い勢いで朝食を食べる二人から目を離し喋った。

あ〜原作にもそんなことが書いてあったな。完全に忘れていた。その時間は内職の時間にしよう。あとで、図書館から本を借りておくか。

 

朝食を食べた俺たちは一回部屋に戻った。薬草学で必要な物を取りに行くためだ。『薬草ときのこ千種』と安全手袋を手に、スプラウト先生の待つ温室へと向かった。

 

 スプラウト先生は泥だらけの服を着た少し汚い魔女だった。しかし、授業は面白く、教科書に載っている植物を見せてくれたり、珍しい植物を触らせてくれた。スプラウト先生は見事に生徒達の心を掴んだ。

 

次の授業はマクゴナガルの授業だ。

彼女は厳格で聡明そのものであり、生徒がみんな着席するなり、説教を始めた。

 

「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険な物の一つです。いい加減な態度で授業を受ける者には出て行ってもらいますし、二度とこの教室には入れません。」

 

彼女は説教を終えると目の前の机に魔法をかけ豚に変えてみせた。生徒は感激し、自分も試したいと体をソワソワ揺らした。

しかし、彼女は呪文を唱えさせる前に複雑なノートを取らせた。変身術には理論が必要なようだ。

 

黒板に書き終え、説明を終えた彼女は、一人一人にマッチ棒を配り始めた。

このマッチ棒を針に変える練習から始めるようだ。

 

マクゴナガルから教わった呪文を何度も唱えるが何も変化しない。何がいけないのか考えていると、マクゴナガルが最初の方に変身術はイメージが大切と言っていたのを思い出した。

 

まずはマッチ棒をよく見て形と特徴を覚える。続いて頭の中で銀色の鋭い針を浮かべる。そして、マッチ棒が針に変わるのをイメージしながら呪文を唱えた。

マッチ棒は、所々木で出来ている針に変化した。

 

「惜しかったですね、セルス・マルフォイ。もう少し具体的な形を浮かべれば成功するでしょう」

 

いつの間にか側に立っていたマクゴナガルがにこやかな顔でアドバイスしてくれた。

 

この授業では完全な針には変わらなかったが、少しずつ理想の形に近づいていたので、次の授業で成功させられる気がした。

 

 

 「ん?どこ行くんだ?」

 

隣で昼食を食べていたドラコが立ち上がった俺に問いかけた。

 

「図書館に行って本を借りてこようと思ってな」

 

「あーそっか。流石、レイブンクローと迷われただけあるな。僕は談話室にいるよ。魔法史の授業には間に合うようにしろよ」

 

 

 ホグワーツの図書館は巨大だった。

書棚の高さは天井付近まであり、本がぎっしりと詰まっている。そして、その書棚が多数並んでいた。これだけの本を全て読むのは一生かけても無理だと確信した。

 

とりあえず一年生用の本がそろえられている書棚に向かう。

『基礎から学べる呪文集』『あなたもこれから魔法使い』『呪いの書=一年生編』...その他色々。

『呪いの書』は一年生編から七年生編まだあるようで分かりやすそうだったし、『あなたもこれから魔法使い』には魔法を成功させるこつが書かれていた。

 

二つの本を抱えて難しい本が置かれている書棚に向かう。

閉心術と開心術について書かれている本を探しているのだが、なかなか見つからない。悪手かもしれないが司書に聞くしかない。

 

 

 司書のいる貸し出し返却口にきた。司書は気難しそうな顔で生徒の様子を監視していた。

 

「すみません。閉心術と開心術について書かれた本の場所を教えてくれませんか?」

 

司書は俺の顔と制服をじろじろ見た。

 

「一年生が読むような本ではないと思いますがねぇ〜。しかし、初日から図書館に訪ねたのを評価しましょう。精神・心・耐性・魔法の棚にあります。十三番目の三番目です」

 

生徒をまるで敵であるかのように見たり、人を評価するようなところは嫌いだが、彼女が優秀な司書であるのは確かなようだ。置いてある本の場所をすぐに言える人なんて普通いないだろう。それもこんな巨大な図書館で。

もしかしたら、彼女はここにある本を全て読み終わっているかもしれない。

 

彼女に言われた場所で探していると『開心術とその対抗法』という本が見つかった。きっと分厚い本であると思っていたが、かなり薄い本だった。

それを持って本棚に囲まれたところにある席に向かう。先程本を探していた時に見つけた場所だ。

少し薄暗くて本を読む環境には向いていない。だが、落ち着いて本を読む場所には向いている。人がほぼ来ないからだ。

 

椅子に座り、机に『あなたもこれから魔法使い』を広げる。

『閉心術とその対抗法』も気になるが、これは魔法史のときに読もう。

 

 

 

 魔法とは、杖の動きとイメージ、それと適量の魔力を杖に注ぎ込むことによって発動するらしい。呪文名はあくまでイメージを補助する為のものだとか。

マクゴナガルも言っていたがイメージが大切なのか。

無言呪文は呪文名がなくてもちゃんとしたイメージが浮かべられると成功させることができるみたいだ。でも、呪文名を唱えないよりイメージは落ちてしまうらしく、無言呪文で唱えた魔法と呪文名を言って唱えた魔法では、呪文名を言った魔法の方が強力になると書いてある。

 

予想以上にためになる本だ。低学年ように書かれているだけあって分かりやすかったし。

 

少し休もうとしたとき、斜め後ろに誰かの気配があることに気がついた。

振り向いて確認するとハーマイオ二ーが大量の本を抱えて立っていた。

 

「どうした、グレンジャー?何か用か?」

 

「用があるというか...たまたまあなたの姿を見つけたから。座ってもいいかしら?」

 

ハーマイオニーは俺の返事を聞く前に、俺と一個席をあけた椅子に座り、大量の本を間に置いた。

 

「...ふぅ。よく座る気になったな。俺はスリザリンでお前はグリフィンドールだろ?」

 

「確かにあなたはスリザリンだけど、私の組み分けのときに拍手してくれたじゃない。だから、スリザリンらしくないというか...よくわからなくて。なんであの時拍手してくれたの?」

 

しまった!やはり、あの時拍手するべきではなかった!気になるものは追究するハーマイオニーのことを気にしていなかった。マルフォイ家の人間がグリフィンドールに選ばれたことを祝福するなんて変だ。

 

「なんというか...汽車で知り合った仲だろ?一応祝っておこうと思ったんだ」

 

「でもあなた、ネビルのときには拍手していなかったじゃない」

 

そこまで見ていたのか...探究心が強いというか目敏いというか、なんとも邪魔な物を持っている。

 

「えーとだな。彼とはあまり話さなかったからだ。それに君は優秀そうだ。何かしらつながりがあった方がいいと思ったんだ」

 

「あなたもそう思ってたのね!実は私もあなたと勉強したいと思ってたの!だって汽車でも魔法を成功させてたし、初日の日から図書館に来るなんて優秀なんだと思うわ!今度からここで勉強会をしましょう!あっ、ハーマイオニーよ。改めてよろしく。あなたはセルスだったわよね?そう呼ばせてもらうわ!」

 

ハーマイオニーは息継ぎをせず、この長い台詞を言い切った。そのやり方について是非聞いてみたいが、今はそんなことどうでもいい。

 

どうしてこうなった?

 

 

図書館以外ではあまり話しかけないでくれと念を押した後、司書のところに本を持って行き、貸し出しの許可をもらい、談話室へと向かった。

 

 

 

 俺は今、黒板にチョークを走らせる音と、小さいのに何故か教室の奥まで通り、生徒を夢の世界に誘い込むビンズ先生の声と、生徒達の寝息のみが聞こえる不思議な空間にいる。魔法史の授業だ。

初回だとあって生徒は一生懸命にノートを取っていたが、一人が沈没すると次々と沈んで行った。

 

周りの連中が眠るのを確認した俺は、『開心とその対抗法』を読み始める。

 

薄い本なのですぐに読み終わった。

簡単にまとめてしまうと、開心術は、相手の心の奥底にある記憶、心、今考えていること、そういったものを見たいという欲求を持って、相手と目を合わせ、目から相手の中に潜り込むことで成功する。一方、開心術に対抗する為の手段である閉心術は、自分の中のものを見せたくないと思うことで成功するらしい。

どちらとも実践することで実力をつけることが出来るが、その幅は才能に大きく影響される。

 

才能がなくても実践すればある程度使えるようになるのか。

本当なら対人の方がいいのだけど、俺の場合は原作という知識があるからその選択肢は不可能だ。だから実践は必要の部屋で行うことにする。

しかし不安だ。この学校には最低でも三人の開心術を使える人がいるし、そのうちの二人はエキスパートだ。

つまり、ある程度の実力では簡単に破壊されてしまい、心の中をのぞかれてしまうのだ。一般の生徒の心を覗いたりすることはないと思うし、闇の帝王がわざわざ少ないエネルギーを使ってまで俺の心を覗こうとはしないはずだ。多分...。

だが、用心するにこしたことはない。早速、今日から練習しに行こう。手に入れたい物もあるし。

 

授業終了のチャイムがなる。

魔法が解けたように、生徒達は眠りから覚めた。

 

 

 

 必要の部屋の正確な場所は分からなかったが、すぐに見つかった。八階にあるというのは覚えていたし、映画でT路になっている場所にあるのを見ていたからだ。

 

壁の前を、ホグワーツにいる者の場所がわかる地図が必要だと心の中で唱えながら三回往復する。

 

灰色だった石壁が徐々に黒色になり、最後には黒い扉になった。

 

扉を開くと小さな部屋で、部屋の中央には台座が設置されていた。

台座には一枚の紙が載っており、開いてみるとそれはホグワーツの地図で、ホグワーツにいる者の場所と動きを現在進行形で表示していた。

 

「よし!」

 

いたずら四人組が作れてホグワーツが作れない訳がないという予想は見事的中した。

これがあれば学校生活を有利に出来る。これは様々なところで利用出来るだろう。

 

地図を手に入れた俺は、閉心術が一人で学べる場所が必要だ、と頭で思い続けた。必要の部屋は必要な物が増えた時、食べ物以外の望みを叶えると知っていたからだ。

 

地図を載せていた台座が床に沈んで消え、小さかった部屋が縦に伸び、その先に杖を持った銀の鎧が現れた。

あの鎧が開心術をかけてくるのだろうか?警戒して鎧に近づく。

しかし、何も起きない。何か合図が必要なんだろうか。

試しに杖を取り出してみる。

次の瞬間、体の中に何かが潜り込んでくる。自分の記憶の中に誰かが立っている。気持ち悪くて必死に追い出そうとするが、それは変わらず俺の中にいる。

 

不意に現実に戻る。鎧が開心術が解いたようだ。

人ではないとはいえ、自分の中に何かがいるというのは本当に気持ち悪くて疲れるものだった。心の準備ができていなかったのも大きく影響した。

 

次こそは!と、気合いを入れて再び杖を上げる。

再び何者かが心の中に入ってくる。俺は必死にそれをはじき出そうとするが、心の中を覗かれる状況は変わらない。

また、不意に現実に戻される。俺は地面に倒れ込んでいた。

 

二回しかやっていないのにも関わらず、かなり疲れた……。今日はここまでにして帰ろう。

 

地図で外に人がいないのを確認し外に出た俺は、寮へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 




御都合主義な部分が結構ありましたね。すいませんorz
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