とある日のレッスン後、私――葛城リーリヤはセンパイから話があると言われて事務所に来ていた。
いったい何の話だろうか?…まさかまたレッスンのことで何か?さ、最近は黙ってレッスンしたりしてないからきっと違うよね…?
そんなことを考えること数分、事務所にセンパイがやって来た。
「すみません、少々お待たせしました。」
「いいえ、大丈夫ですよ。それで、話って言うのは?」
「そうですね。早速本題ですが、葛城さんに仕事のオファーが来ています。」
「あぁ、仕事のオファーだったんですね。良かったぁ…」
「…?
さて、その仕事の内容ですが、簡単に言えば一日店員です。と言ってもあくまでもメインは接客なので裏方の仕事までやるというわけではありませんが。」
「なるほど…その私が一日店員になるのはどこのお店なんですか?」
「アニ〇イトです。」
「なるほど、アニ〇イト…アニ〇イト?」
「はい。」
「アニ〇イトって…あのアニ〇イトですか?」
「はい。あのアニ〇イトです。」
「…えっ、えぇぇぇぇっ!?」
~~~
「うぅっ、いざこの制服を着るとなると緊張します…」
「いいですね、似合ってますよ。」
「そ、そうですか…?」
「はい、いい感じです。」
「それなら良かったです…
にしても、まさかヒーローショーのお姉さん役をしていたのを店長さんが見ていたなんて…」
「『彼女から何か感じた』と言っていましたが、葛城さんがアニメが好きなのを察知したんでしょうか?
ともかく、どこに縁があるかは分からないものですね。
…さて、そろそろ時間のようです。一応俺も一般客に紛れて様子を伺っていますので頑張ってきてください。」
「は、はい…!」
~~~
「い、いらっしゃいませ…!」
「わっ、ホントにリーリヤちゃんがいる!凄い!
ファンです!めちゃめちゃ応援してます!」
「あっ、ありがとうございます!」
「いや~来てよかったアニ〇イト!
実は私、こういうお店って初めて来たんですけど、ここってどんなところなんですか?」
「えっと、アニ〇イトはいろんなアニメやゲームのグッズが沢山売られてるお店なんです。
何か好きな作品があればそのコーナーまで案内しますよ?」
「う~ん、私あんまりアニメとか見ないからなぁ~。
そうだっ!リーリヤちゃんおススメの作品とかってありますか!?」
「わっ、私のですか?
そ、そうですね…ふわっとブレザーつむじちゃん、とか…?」
「あっ!それ私も見てました!
いや~可愛いですよねつむじちゃん!」
「そうなんです!その上カッコいいところもあって、8話のあのシーンでは――――」
~数分後~
「それからそれから――って私、話しすぎちゃった…!」
「いやぁ、凄い熱量でしたね~。」
「うぅっ、やっちゃった…」
「でもでも、それだけつむじちゃんが大好きってことですもんね?
いいじゃないですか!私もまた改めて見返すことにしますね!」
「すみません、なんだか励まして貰っちゃって…」
「いえいえ!むしろまだ見ぬリーリヤちゃんの一面を見れてラッキーって感じです!
っと、そろそろ私は行きますね!私だけがリーリヤちゃんを独占するわけにもいきませんし!
というわけでさようなら!また今度ライブ見に行きますね~!」
「あっ、ありがとうございました!」
~~~
「葛城さん、お疲れさまでした。」
「センパイ…私、やっちゃいました…」
「そう悲観することはありませんよ。ファンの子の反応もかなり好印象でしたし。」
「そうですね…うん、マイナスばかり考えてちゃダメですね!」
「その通りです。どうでしたか?いつもとはまた少々異なった交流ができたかと思いますが。」
「緊張もしましたけど、やっぱり一番は凄く楽しかったです!」
「それなら何よりです。途中からは慣れてきて対応もスムーズになっていましたし、笑顔がしっかりと出ていたのが良かったと思いますよ。」
「えへへ…そうですか?」
「はい。今回の経験はこれからいろいろな場面で活用できそうですね。
さて、それでは帰りましょうか。ぜひ今回の仕事でどんなことを感じたかを聞かせてください。」
「はいっ!」
こうして私とセンパイはたくさん感想を語り合いながら帰路に就くのであった。
来年のエイプリルフール企画で『ふわっとブレザーつむじちゃん』のアニメ化待ってます。