北欧少女は○○したいっ!   作:蒼野春

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HotWリーリヤ祈願


北欧少女は休ませたいっ!

とある日のレッスン後、私―葛城リーリヤは一人、事務所で考え事をしていた。

 

(最近、センパイの様子がおかしい…)

 

どうにも会話中にボーっとしていることが多かったり、窓の外を見つめていたり…ともかく、いつものセンパイとは何かが違うのだ。昨日のセンパイに関してはかなり、というか大分おかしかったし…

 

 

~~~

 

 

「葛城さん、おはようございます。」

 

「おはようございます、センパイ―

…え?」

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、その…

センパイ、メガネ逆さまじゃないですか…?」

 

「…あっ」サワサワ

 

「…」カチャカチャ

 

「…これに気が付くとは中々やりますね、葛城さん。」

 

「今センパイも気づいてませんでしたよね!?」

 

 

~~~

 

 

「よく見たら目の下に隈もあったような気がするし…多分あまり休めてないのかな?」

 

そうと分かれば話は早い。センパイが来たらどうにかして休んでもらうことにしよう。

そうして私はセンパイに休息を取ってもらうべく作戦を練るのだった。

 

 

~~~

 

 

「おや、葛城さん。来ていたんですね。」

 

「はい、最近忙しそうにしていたので何か手伝えないかなって思って。」

 

「そうでしたか…それではメールの整理を手伝ってもらえますか?」

 

「はいっ!」

 

「俺はコーヒーを淹れてきますね。

砂糖はいつも通り3つでいいですか?」

 

「はい、お願いします。」

 

私がセンパイのお仕事を手伝えばきっとセンパイは休めるようになるはずだ。

ここは頑張らないと…!

 

「お待たせしました。コーヒーです。」

 

「あっ、ありがとうございます。

いただきますね――っ!?」ゴホッゴホッ!

 

「ど、どうしましたか!?」

 

「セ、センパイ…

これ砂糖じゃないです…塩です…」

 

「んなっ…」ゴクッ

 

「…すみません、どうやら間違えてしまったようです。」

 

「塩と砂糖を間違える人って本当にいたんですね…」

 

「…ふむ、ですがこれ意外と行けますね…?」

 

「え…」

 

「コーヒーの苦みと塩のしょっぱさが良い具合にマッチして…」

 

「センパイ…正気ですか…?」

 

「えぇ、ぜひ葛城さんも飲んでみて…くだ…さ…」バタッ

 

「セ、センパイっ!?」

 

「…」

 

「き、気絶してる…

やっぱり不味かったんだ…」

 

な、何はともあれ今がチャンスだ。

センパイをソファまで運んで寝かせよう。

 

 

~~~

 

 

「うぅん…」

 

「あ、センパイ。目が覚めましたか?」

 

「葛城さん…?俺はいったい…」

 

「センパイはコーヒーを飲んで気絶しちゃったんですよ。」

 

「あぁ、そういえば…ところで、葛城さん。」

 

「なんですか?」

 

「どうして貴女の顔がこんなに近いんですか?」

 

「それは私がセンパイを膝枕しているからですよ。」

 

「んなっ!?

すみません、すぐにどきます。」ガバッ

 

「ダメです!」グッ

 

「な、なぜ…?」

 

「正直に言ってください。センパイ、最近あまり寝れていませんよね?」

 

「いえ、別にそんなことは―」

 

「じゃあ一日に何時間寝ていますか?」

 

「2時間ほど…」

 

「それは寝ているとは言いません!

全く…それじゃあ調子が悪くなってあたり前です!」

 

「ですが…葛城さんは今NIAで優勝したアイドルとして大きな注目を浴びている。

このタイミングで無理しなければいつ無理しろというんですか。」

 

「そもそもいつだって無理しちゃダメです!」

 

「しかし…」

 

「私が無理をした時はあんなに怒ったのに?」

 

「…それを言われると弱いですね。」

 

「センパイが私のために凄く頑張ってくれているのは知っていますし、とても感謝しています。

でも、それでセンパイが倒れたら、私はとっても悲しいです。」

 

「…」

 

「それとも、センパイは担当アイドルを悲しませてしまうような悪いプロデューサーなんですか?」

 

「…分かりました、これからは十分に休息をとります。」

 

「約束ですよ?」

 

「はい、もし嘘をついたら針を千本飲ませて貰っても構いません。」

 

「あ、それって指切りっていう物ですよね?」

 

「えぇ、やりますか?」

 

「はい!やってみたかったんです!」

 

「では…」

 

「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切ったっ。」」

 

「こ、これが指切り…!」

 

「それではそろそろ膝枕からは失礼して…」

 

「あっ、その…」

 

「どうかしましたか?」

 

「えっと…指切りのついてにもう一つやってみたいことがあって…」

 

「なるほど、なんでも言ってください。」

 

「その、耳かきをしてみたくって…」

 

「耳かき、ですか?」

 

「はい、膝枕で耳かきをするシーンをアニメで見て、いつかやってみたいなぁって思ってたんです。」

 

「おおよそ担当アイドルとプロデューサーの距離感とは思えませんが…」

 

「もう膝枕しちゃってますし…」

 

「えぇ、今更ですね。ただし、今回だけですよ?」

 

「はいっ!」

 

「いいお返事です。

ところで、耳かき棒はどうするんですか?事務所には置いてなかったと思いますが…」

 

「安心してください、私が常備しているものがあります。」

 

「どうして耳かき棒を常備しているんですか…?」

 

「アニメで出てきた子がそうしていたので…」

 

「なるほど…では、よろしくお願いしますね。」

 

「はい!任せてくださいっ!」

 

 

この後、葛城さんの耳かきによって熟睡し、溜まっていた疲れがすべて吹き飛んだのはまた別の話である。

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