孤独かもしれないシスター   作:うにうにうにう。

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ランキング巡回してたら自分の作品があって横転しました。孤独のグルメの人気の強さをひしひしと感じます。
ひしひしと言えばひな祭りの菱餅が思い浮かびますが、アレ食べた記憶がありません。覚えてないだけかな。


トリニティ総合学園 建築部とのたたかい

今日は、勝負の日だ。心を強く保ち、冷静に。大丈夫、朝ごはんはしっかり食べてきた。サクラコさんのように堂々と、マリーさんのように心優しく、ヒナタのように力強く……最後のは要らないか。

 

「私はシスター私はシスター私はシスター…」

 

一度深呼吸して、戸を叩く。反応が無いのを確認して中に入る。

校内の会議室の一室、約束の時間の30分前。

下座側に着席して渡す予定の資料を確認し、お茶とお茶請けの準備をする。

……あとは待つだけだ。

自分用に水筒に入れてきたコーヒーを口に含む。先日訪れたカフェを再び訪れた時に買ったコーヒー豆で淹れたものだ。うーん、美味しいけど…やはり、あの味は真似できない。

そもそも使ってる器具が違うのか?ドリップの器具一つとってもいろんな形があるし、素材によって味も変わると聞く。

これを機にささやかな趣味として始めてみるのも一興か…?

そうして待っていると、コンコンとノックが聞こえた。

立ち上がり迎えようとしたところで再びノックが、今度はドンドン!と激しく叩きつけるようなノックがされた。

 

「ヴァルろ!開けキューレ警察だ!!」

 

官名詐称でしょっ引かれてしまえコイツら。というか鍵かかってないんだから、勝手に開けてくれ。

ここで怒っても仕方ないので、大人しく私が扉を開ける。

 

「お待ちしておりました、どうぞ中へ。お茶をご用意しますので、掛けてお待ちください」

 

ゾロゾロと部員が5人ほど部屋に入ってくる。

聞いていた話では部長と副部長のみという話だったが、なにか外せない用事でもあったのだろうか。

淹れておいた紅茶をカップに注ぎ、テーブルへと運ぶ。

私含めて少し多めに3人分しか用意していなかったので、私の分は無い。

 

「アイスブレイク等は特に必要ないかと思われますので、本題に入らせていただきますね」

 

「とんでもねぇ、待ってたんだ」

 

「では、以前お話しさせていただいた第3教会の老朽化による対応なのですが、こちらとしましては改築ではなく修繕を、という方向で纏まりました。予算としましてはこの程度を想定していますが、仕様書を提出いただいた後に再びご相談できればと思います」

 

契約書を鞄から取り出し、中央に座る部員へと差し出す。

部員はそれを手に取り一通り目を通すと、隣の部員へソレを渡した。

 

「面白いやつだな、気に入った」

 

「引き受けてくださるということで相違なければ、部長の代理の方はこちらにサインを。ちなみに、扉を自動開閉にする必要もなければ、カーペットを動く歩道のようにする必要もありませんし、主祭壇の下に隠し通路および隠し部屋を作る必要もなければ、チャーチチェアにリクライニング機能をつける必要もありませんからね?十字架を1680万色に発光させるなどもってのほかです」

 

「まぁ落ち着いて、銃を突き付けられてはビビって話もできやしねぇ」

 

「突き付けていませんけど」

 

「教会は無事だシスター、少なくとも今のところはな。この先どうなるかはあんた次第だ。無事取り戻したければ、私たちに協力しろ、OK?」

 

なんで教会が人質みたいになってるんだ。コイツらの頭の中はどうなってるんだ。

 

「……何に、ご協力すれば?」

 

「10万ドルポンとくれたぜ」

 

「…予算にご不満がある、ということでしょうか」

 

「だけどなシスター、好き勝手していいと言われたらタダでも喜んでやるぜ」

 

「……もう少し予算を増やせないか掛け合ってみますので、普通にお願いします」

 

ため息を飲み込み、軽く頭を下げてお願いした瞬間に、蹴破られたのかと思うような勢いで部屋の扉が豪快に開けられた。

驚いて視線を向ければ、そこには銃を肩に担いだ建築部の部長の姿があった。

 

「部長!会議に行ったんじゃ!?」

 

「残念だったな、トリックだよ」

 

そう言うと建築部部長は一番手前の一番騒がしかった部員に銃を向けて発砲した。銃弾ではなく注射のような物が刺さった部員は一瞬にして静かになる。…………大丈夫なの、それ?

 

「紅茶でも飲んでリラックスしな。教会の面倒は私がしっかり見ててやるよ」

 

部長はこちらにペットボトルの紅茶を投げ渡すと、倒れた部員が座っていた場所にドカっと座り、優雅に紅茶を飲み始めた。

 

「……ありがたくいただきます。あの、そちらの方は…無事なのですか?」

 

「麻酔弾だよ…本物の弾使いたかったぜぇ」

 

本物の弾の方が安全なんじゃないか。その言葉を飲み込んで、建築部部長の隣でピクピクと痙攣しながら泡を吹いてる部員を見る。

 

「…泡吹いてますけれど」

 

「…………これはマズイ、誰か救急車呼んで」

 

「救急車ャャァァァ!!!!!」

 

「誰がそんな原始的な呼び方しろっつった」

 

叫んだ部員の後頭部を引っ叩く部長。ショートコントのようなやり取りを続ける建築部達を尻目に、受け取ったペットボトルの紅茶を開けて一口飲む。普段飲む紅茶とは違った下品な甘さが、現実逃避を許さない。

 

「ケガをされた方はここですか!?」

 

本当に来ちゃったよ、救急車じゃなくて救護騎士団だけど。この機に乗じてもうさっさと逃げよう。もう相手してられん。私までおかしくなる。

 

「……あの、引き受けてくださるなら、サインを…」

 

「ふむ……一番気に入ってるのは、値段だ」

 

ざっと契約書に目を通した部長はサラッとサインを書きハンコを押して、契約書をこちらに手渡す。

それを受けとり、署名とハンコがキチンとされているかを確認し、さっと鞄にしまうと私はすぐに立ち上がった。

 

「ありがとうございます。では…本当に、よろしくお願いしますね」

 

「もちろんです、プロですから」

 

部長は自信ありげにそう答えるが、私としては不安しかない。

あまりにも騒がしすぎた会議室を後にする。

私が退出した後も、やいのやいのと中で騒ぎ続けているあたり本当に元気だ。

 

「つっっっっっかれた…………」

 

はぁ…………相変わらずクセが強い。クセが強いなんてもんじゃないくらいクセが強い。部長さんが来てくれなかったら本当に銃を突きつけていたかもしれない。

校舎から出たところで、深呼吸する。新鮮な空気が美味しい。

 

トリニティ建築部か……隆盛を極めた時期は、ティーパーティ、救護騎士団、シスターフッドに並ぶ人数を抱える一大勢力だったらしいが、今はそこそこ人数の多い部活程度に縮小している。まぁ、その隆盛を極めた時期というのもトリニティが総合学園として統合された時期だ。紛争やらなんやらでボロボロの町では、きっと建築業の需要が高かった。

だがトリニティは新しいものをより新しくではなく、歴史あるものを大切に、その姿を残そうという気風の場所だ。規模の縮小も、ある意味仕方なかったのかもしれない。

栄枯盛衰、諸行無常。

どれだけ栄えていても、流れ流されいずれは無くなってしまう。

あの人もそうだ。連邦生徒会長……なぜいなくなってしまったのか、どこへ行ってしまったのか。彼女の実力で死ぬなんてあり得ないが、ちゃんと生きてるんだろうか。こうなるなら、もう少し頻繁にちょっかい出しに行くべきだった。もう一度くらいは、一緒に……

 

「腹が減った」

 

………

……

 

…店を探そう。

まさか、空腹を忘れかけるとは。連邦生徒会長のことは知人以上友達以下程度に思っていたが、思いのほか私の中で大きな存在だったのかもしれない。まぁ、それもそうか。なんせ私を一方的に正面から撃ち倒した唯一の女なんだから。

 


 

シスターフッドの噂

・爪を剥がすなどの拷問を行なっている

・拉致監禁はお手のもの

・相手に要求を飲ませるために毒を盛る←New!

 

 

あんまり長くするのが好きじゃないので分割してます。

シスターコスのゴローちゃんが浮かぶ、JKなのにゴローちゃんになる。との声が多かったので描きました。CM代わりにどうぞ。

続きはもうちょい待ってください。

 

 

【挿絵表示】

 

 

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