「おい、いつもより明らかに二人多いんだが」
マルギッテとクロムが転入してきた翌日の島津寮の朝の食卓で健康的な不良、源忠勝がいつものメンバーに更に二人追加されていることを指摘した。
「気にせず食べなさい(納豆こねこね)」
「あ、俺らの事はどうぞ気にしないでくれ(モグモグ)」
「ふふん、マルさんクロ自分は納豆食べられるぞ」
マイペースな軍人コンビにクリスがいつものように空気を読めない発言をしながら胸を張った。
「・・・では、自分も食してみます。・・・もぐもぐ・・・これはまた趣深い味わいですね。面白い」
「そうだな。白米と納豆はかなり合うな。ご飯がよく進む」
「お~でも普通に食べられるみたいだね~」
この島津寮の管理人、島津麗子は納豆を普通に食べている二人の外人に感心した。
「むー、自分だけエライ訳ではなくなったな」
「何ナチュラルに溶け込んでんだお前ら」
「お嬢様のお世話をするためです」
「来客程度ってんなら、よくあることですが部外者にも食事出しちゃっていいんですか?」
「いいよ、いくらでも出しちまうよアタシは」
「・・・・買収したな」
「それは誤解だ大和。クロならともかくマルさんはそんな事はしない」
「おいおい、俺ならともかくって酷くねお嬢。ちゃんと誠意を持ってお願い下だぜ?そうですよねマダム」
「あらヤダ!マダム、だなんて!!照れるね~!」
爽やかに麗子に話しかけるクロムにマダムという響きが気に入ったのか麗子は大げさに照れていた。
「ムッそうだったのか・・・済まないなクロ」
「いや、もうちょっと人の言葉を疑おうよ」
そんな二人の様子に申し訳なさそうにクロムに謝るクリスとあっさり誤魔化されているクリスに大和はツッコミを入れた。
「麗子殿。生卵を四個所望する」
「はいよ。持って来たよ金づる・・・ごほんマルちゃん」
「呼び名はマルギッテでいい」
「・・・塩鮭もご飯に合うなぁ」
「コイツ肝心な所を聞いてないし・・・」
マルギッテは生卵を割り、次々とグラスに入れた。
「お前ここでもそれ飲むのかよ?モノ好きだね~(ズズ・・・)」
次々と生卵をグラスに入れるマルギッテを見ながらクロムは呆れながらみそ汁を啜った。
「余計なお世話です。・・・ごくん、ごく・・・ふぅ、やはり生卵は美味しい」
「む・・・この魚の骨の部分がまた・・・ややこしい」
「私に任せなさい。こうして・・・こう」
「ありがとうマルさん!魚の骨が無くなった!」
「っとそうだ。今の内に渡しとくわ」
魚の骨が取れて嬉しそうに喜ぶクリスを横目で見ながらクロムは足元にある紙袋からあるものを取り出した。
「ほい。この間の旅行のお詫びのしるしだ。お前らの仲良しグループで食ってくれ」
「あっどうも。・・・これはチョコレート?にしてはやけに高級そうな・・・」
「おい、それって・・・」
大和は手渡された箱のラベルを見てを確認していると忠勝が目を見開いて驚いていた。
「どうしたの源さん?」
「そいつはたしかドイツでも有名な高級チョコレートじゃねぇか。テレビでも取り扱ってたはずだ」
「マジでかっ!?って事はこれ結構高かったんじゃ・・・」
忠勝の言葉に大和は恐る恐ると言った感じでクロムの方ほ見るがクロムはなんてこともない様にシレッと、
「ん?そんな高くは無いぜ、精々300ユーロってところだな」
「さんびゃっ!?」
300ユーロと言う事は日本円で約4万円ということになる。そんな高級チョコを軽く出すクロムに大和達は驚きを隠せなかった。
「あ、あの~幾らなんでもこれは高すぎの様な」
「っていうか、そんな高級チョコを気軽にホイッと出すクロムのにーちゃんって何もんよ?」
恐る恐ると言った感じでクロムに話しかけてきたのはこの島津寮一年で剣聖の娘、黛由紀江と彼女の携帯ストラップ松風(本人は九十九神と言うがどう見たって腹話術)。
「ああ、気にすんなって。軍の経費はから差し引いたものだからなこっちの財布には何の影響もないさ」
「はぁ、それなら遠慮なく・・・。クッキーコレ基地で保管しといてくれないか?」
「うん。わかったよ大和」
クロムは由紀江に安心させる様にウインクし大和は貰ったチョコを卵型のロボット、クッキーに渡した。
「マルギッテは定期的に寮に寝泊まりするからね」
「仲良くしてあげてもいい。よろしくしなさい」
「マルギッテ、だからそう言う態度はよくねェって言ってんだろ?」
「・・・・学校編入も含めてクリスの為か。・・・あれクロムさんは?」
「俺か?俺は流石にここには泊まれねェからな。川神マンションの一室を借りてそこをセーフハウスにするつもりだ」
「それで大丈夫なんですか?」
「問題無いぜ。ここからセーフハウスまでの距離だったら問題無く“視えるし”」
「はっ?」
川神マンションと島津寮ではかなりの距離がそれこそ五キロ以上離れて場所にあるのに問題無く見える?クロムの発言にさすがに冗談かと思ってしまう。
「どうせなら同じクラスになれば良いのに」
「そこまで甘くないって父親が言ってたぜ」
「なにより特進クラスは私達に相応しい」
「俺は別に特進じゃなくてもいいんだが(ドゴッ!)うがっ!?」
余計なことを言ったクロムの脇腹に容赦なくマルギッテの拳が入った。
「特進に編入できるマルさんとクロが羨ましい・・・とにかく、自分の姉同然のマルさんをよろしく!・・・あと、クロも(ボソッ)」
「おーいお嬢、何そのついでみたいな言い方?おにーさんは悲しいぜ?」
「む・・・クロはいつも意地悪するからだろ」
「んな事は無いんだがな~」
ジト目で睨んでくるクリスにクロムはおどけた態度で惚けた。
「ほら、デザートのヨーグルトだ甘くて美味しいよ」
そう言って麗子は善人にヨーグルトを配った。
「あ、本当だ。これ凄く美味しいですね」
「うん、美味しいヨーグルト・・・」
「ほう美味なのか。では私も」
「本当だ!甘くて美味しいな~」
「・・・お嬢様、私の分のヨーグルトをどうぞ」
幸せそうにヨーグルトを食べるクリスにマルギッテは自身の分のヨーグルトをあげた。
「本当か!ありがとうマルさん!」
「いいお姉ちゃんだな~」
「甘やかし過ぎの様な気もするけど・・・」
「・・・ったく。ほらマルギッテ」
そんな様子を眺めていたクロムはマルギッテに自身のヨーグルトをあげた。
「バレッティア?何を・・・・?」
「俺もう腹一杯だしヨーグルトはあんま好きじゃねぇんだ。勿体ないから俺の分代わりに食っておいてくれ」
そう言うとクロムは返事を待たずにさっさと席を立った。
「ごちそうさまマダム。悪いが先にお暇させてもらうぜ」
「ああ。また何時でもいらっしゃい!」
「なんと、ゲンさんに続いてツンデレ属性があったとは・・・」
「何言ってんだお前は?」
「クロの奴、ヨーグルトが苦手だったのか?」
「いやいや、違うでしょ」
周りが何やら騒いでいる中、マルギッテは一口も手をつけていないクロムのヨーグルトをスプーンで掬い口に入れた。そして、消え入りそうな声でただ一言、こう言った。
「・・・・美味しい」
~朝・登校中~
「ねぇ、クリス」
「ん~・・・ん?なんだ京」
「あの二人って付き合ってるの?」
「あの二人・・・?」
「うん。マルギッテとクロムのこと」
朝の登校中京は唐突にそんな事を聞いてきた。
「何、マルさんとクロが?」
「うん。というかアレで付き合ってないとかないでしょ。ね、まゆっち」
「は、はい・・・。その、なんというか・・・」
「アレで恋人同士じゃないっていうなら世のカップルは皆他人ってレベルだぜ~」
「う~ん・・・」
京達の言い分にクリスは顎に指を当てて少し考え、
「いや、マルさんとクロはそんな関係じゃないぞ?」
「そうなの?」
「と、とてもそうには見えませんでしたけど・・・・」
「まあ、そう見えるのは仕方ないかもな。あの二人は訓練校の時からチームを組んでいるし、同じ隊の隊長と副隊長で『赤の双璧』なんて呼ばれているからな!」
「『赤の双璧』・・・ですか?」
「ああ、マルさんとクロが組めば向かうところ敵なしと呼ばれるほどだ!」
「モモ先輩よりも?」
「う・・・う~ん。どうだろうか・・・だが、タッグマッチなんてものがあったら二人は最強だ!」
京のモモ先輩発言に一瞬考えるが、それでも二人が組めば強いとクリスはいう。
「近接戦闘のエキスパートのマルさんに遠距離狙撃の得意なクロ、この二人が組んで出来なかった作戦は今までに一度もないからな!」
自信満々に言うクリスに京はこの場に百代がいなくてよかったと思った。いたら確実に二人に喧嘩を売りにいくだろうと断言できる。
(まぁどうでもいいけど・・・)
京は由紀江に二人の凄い所を語っているクリスを見ながら内心でため息を吐いた。
更新遅れて申し訳ない。
リアルが忙しかったのと第二次スパロボOGに夢中で更新が遅れてしまいました。
それではみなさんよいお年を・・・。