ダーウィンズストーリー   作:R,n

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第一話 ゲーム

カァカァとカラスの鳴き声を聞きながら、俺はとあるビルの中でアイスを頬張っていた、

冷えたアイスが口の中を湿らせ、心地よい冷たさを与えてくる、

しゃりしゃりとアイスを頬張りながら、俺は片手でスマホを弄っていた、

 

その画面にはアニメ調に描かれた蛇がデカデカと描かれている……

俺はそいつを眺め、ため息がちに電源を落としてスマホを仕舞う、そうしていれば……

対面の立駐の中に少年が駆け込んでいく姿が見える……

 

あぁそうか、もう【始まった】のか、そんな事を考えながら俺は席を立ちその場を後にしようとする

ビルを出ようとしたところで、つい先程仕舞ったばかりのスマホから電子音が鳴り響く、

スマホを取り出し内容を見てみれば【ランクバトル】が申し込まれてきていた。

 

「……はぁ、わざわざランク下げてんのにやってくんだな……初心者だと思ってんのか……?」

 

そう呟きながら俺はビルを後にし、直ぐそばにある廃ビルに入り込んだ、

金網を登り、埃を払ってビルの中にある物の少ない広場へと辿り着く、

スマホを片手に、広場の中心部で待っていれば、俺から少し離れた位置に白い四角形で人型が構成されていく、

 

その様子を眺めながら、俺は対戦相手を見つめていた……相手は【エイス】の奴か……

そんな風に待っていれば、人型が構成されると同時に白い四角形の人型が、少し幼い青年へと変わっていた

青年は周囲を見回したかと思えば、俺を見つければ睨みながら懐からドスを抜く

 

「ガチャでマシな武器引いたのか……殺意増し増しだな」

「う、うるせぇ!お前を殺して!ポイント奪って!少しでもランク上げてやるんだよ!」

 

そう言いながら青年はドスを片手に飛びかかってくる……攻撃系の異能(シギル)じゃねぇのか……?

そう考えつつ俺は片手でドスを掴んでいる腕を掴み胸に肘を叩き込む、

それと同時に俺の頭を頭へと叩きつければ、両目を閉じてドスをからりと手からこぼす

 

「っでぇ……!お前……!」

「ほら、さっさと来いよ」

 

空いている片手で顔を覆いながら睨みつける青年に、俺はそう言うと同時に腕を離し距離を取る、

距離を取る合間に、近くにあったドスを蹴り飛ばしスマホを仕舞う、青年は俺を暫く睨めば、ドスの方へと駆け出した

その隙を突いて俺は駆け出し……

 

「敵にわざわざ背中向けんなよ」

 

そう言って背中を蹴っ飛ばす、するとバランスを崩しドスの少し前で倒れ込んでしまう……

その姿を見ながら俺はそいつの背中を足で踏みつけて、また再びスマホを取り出して画面を眺める、

その様子を見て激昂した様に青年は叫び出す

 

「っくそ!舐めてんじゃねぇ!俺の本気はんなもんじゃねぇぞ!」

「はいはい、腕折られたくなかったら静かにしな」

 

そう言えば青年は静かになって……暫くして、2台のスマホから電子音が鳴り響く、

結果としては俺の勝利、ポイントが幾らかこちらに来るのを確認してから、俺は足を退け歩き出す

ふと、背後で空気が動く様な気配を感じ、咄嗟に体を捻って屈んでみれば、青年が立ち上がって拳を振るっていた、

 

「……って、テメ……」

「………おい、今この場で死にたく無いなら、これ以上は喧嘩売らない方がいいぞ?」

 

軽く睨みながらそう言えば、青年はびくりと体を震わせて、足早に走り去ってしまう……ったく、こう言うのでも転送すりゃ良いのにな

そう考えて立ち上がれば、スマホから通知音が鳴ってくる、ため息混じりにスマホを開き、

アプリのログにある名前をタップしてから、アイコンを叩き、電話マークを指で叩く、数回のコール音ののち、

低い男性の様な、変成器越しの声がスマホ越しに届いてくる

 

………こちらはテキストを送った筈ですが

「……あぁ〜?……まぁ良いじゃん、他に人なんて今いないし、聞かれる心配なんてないでしょ?」

………まぁ良いでしょう

 

その様な声が聞こえたかと思えば、ブツリと何かが切れる音が聞こえ、可愛らしい少女の声が聞こえてくる、

 

『それで、相変わらずシェルターは使わないんですね』

「あー、まぁそりゃショップ使えないしな、今俺D3だし」

『………貴方私があれほど言ってるのによく散財してますね……!』

 

ため息がちな少女の声に、軽く笑ってそう言えば、怒りか呆れか、様々な感情が混ざった様な声でそうため息を吐いている、

この声を聞けるだけでも、この世界に居るだけの価値があると思えてしまうのは、やはり俺が好きだからか……

けれど、死ぬ危険はやっぱり怖いんだけどな……

 

「で、どうしたんだよ、わざわざ連絡してきて」

『シュカさんからの伝言です……私は情報屋なんですがね……』

「で、ポイント積まれてしょうがなく話に来たと、内容は?」

 

……おかしいな、シュカとは俺は面識はない筈だが………あー、そういやあいつもこのタイミングで見ていただろうから……

 

『私の気に入った子だから手は出さないで、と』

「………俺今Dランクだぜ?」

『だからでは?……それに、今の高ランクプレイヤーはある程度貴方のことは知っていますしね』

「かーっ、めんどくさいなぁ……()()()ちゃんさー、そこら辺どうにか出来ない?」

『残念ながら、高ランクプレイヤー潰すのが手っ取り早いのでは?()()()()さん』

 

軽い相談の様にそう尋ねてみれば、あちらは生真面目にもお堅い返事で現実的な手段を返してくる、

実際そうでもしなきゃ風評は消えないだろうけど……でもなぁ……

 

「俺は誓って殺しはやってないって言うのに……」

『だからでしょう、殺さないと縛りを設けているプレイヤーが、実力自体はランキング上位勢にも劣らない、しかしポイント自体は好き勝手に散財するからランキング自体は低いまま………そんな人間、少し考えれば警戒しますよ』

「………はぁ、今日レインちゃん家行って良い?」

『良いですよと言うと思いますか?』

「でしょうね………じゃ、また今度ね」

『次はご依頼時にお話ししましょう』

 

そう言って、スマホを耳から離して通話を切る………しかしまぁ、シュカさんに警戒されてるとはやだねぇ、

ただの至って平凡を自負するのに………あぁいや、平凡では無いか……なんたって俺は………

転生者(テンセイシャ)なんだからな

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