ダーウィンズストーリー   作:R,n

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第六話 アサシン

例のお宝探しの一件が終わってから、俺は何故かレインに付きっきりで生活をすることになっている……

何故ってそりゃ、利き腕じゃないにしても腕折れてるしね……

そんなわけで今日はレインの付き添いで【病院】へ来ていた

 

「……ねー、レインちゃんさー、俺帰って良い?」

「ダメですよ、カナメさんに頼まれている事、忘れましたか?」

「……まーそりゃそーですね……はいはい、すみませんでした……」

 

結局あの後、シギルについて根掘り葉掘り聞かれたけれど、答えぬ姿勢を貫けば彼女はあっさり諦めてくれた、

恐らくはラプラスで、いくら聞いても答えてくれないと想定して諦めたのだろうけど……

しっかしサンセットレーベンズは大変そうだねぇ……これはシブヤイベントがらみではあるけど、

レインちゃんの自己満か、そんなふうに考えていれば……

 

「帰ってください!」

 

その様な少女の声を聞き、カネヒラが戸を開け出てくる

 

「それでは失礼致します、スズネ様もご自愛くださいませ」

「追い返されたみたいですが?」

 

レインが毒付くようにカネヒラにそう言う、カネヒラ自身は何ともなさげに貼り付けた笑みを浮かべ

 

「ちゃんと小切手は置いてきましたよ?まぁ受け取りのサインは頂けませんでしたが」

「まぁ良いでしょう……私がヒイラギさんに頼まれていたのは保険金が支払われていたかの確認ですから」

「カネヒラ保険組合は信用第一ですよ」

 

そう言うカネヒラの笑顔は相変わらず嘘くさい、こう言うのが嫌なんだよねぇ

 

「そうそうレインさん、良ければスドウカナメ氏とツクヨミ氏をご紹介頂けませんか?」

「私別に2人のマネージャーってわけでもないんですが……と言うかツクヨミさんなら本人がそばに居るじゃないですか」

「ツクヨミ氏にはレインさんのお付き添いで来て頂きたく……カナメ氏につきましては、もう既にクランを設立なさるとお噂になってますよ」

 

まぁ、俺だったら紹介されても即逃げるから、レインちゃんに連れてってもらえれば良いってのは真っ当な思考だな……どうせ行かないけど

 

「何とも耳が早いですね…」

「あなたほどではありませんが…」

「将来有望なクランとは友好的にお付き合いしたいものです、それでは失礼します」

 

カネヒラはそう軽く頭を下げて摩利支天(ハレーションゴースト)を消す……種がわかれば何ともまぁって感じだよなぁ……

それはそうと、無警戒に病室へ近づこうとするレインの肩を掴む……すると

 

「保険屋さん!待ってくださいっ!」

 

そう言って飛び出してくる少女に彼女が軽くぶつかった所で2人を優しく支えて

 

「あーらら、2人とも大丈夫?」

「 あいてて……支えられたので大丈夫です」

「い、いえ私は大丈夫ですが……私ったらとんでも無いことを……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「へぇ、レインちゃんって言うんですか、何だか外国の人みたいで格好いいですね!」

「えぇ、まぁ……」

 

面倒なことになりました……彼女と接触するつもりは無かったんですが……ツクヨミさんは屋上に連れてくるだけ連れてきて陰で缶コーヒー飲んでますし……後でコーヒーに塩混ぜてやりましょうかね

 

「この名前漢字を読み間違えられるので面倒なんですけどね……鈴の音と書いてレインと読みます」

「わっ!凄い!私も同じ!私は鈴の音と書いてスズネです!よろしくね!レインちゃん!」

 

そう可愛らしく微笑む彼女は、一呼吸おいてまた話を始める

 

「でも本当、さっきはごめんなさい、腕大丈夫ですか?」

「えぇ、もう殆ど治っていますし、彼に支えてもらいましたので」

 

そう言って能天気にコーヒーを啜る彼を指差せば、彼は戯けるように親指を立てて見せる、何がサムズアップですか!あのおとぼけ秘密主義が!………ふぅ、少し暑くなってしまいましたね、冷静冷静……

 

「それで、さっき知らない人が病室に来て変な小切手を置いて行って……それで慌てて返さなきゃって……」

 

そう言って彼女は小切手を差し出す……カネヒラ保険組合の小切手……キチンと渡していたんですね……

 

「多分イタズラだと思うんですけど、レインちゃんはこの小切手……本物だと思います…?あの人保険屋さんとか言ってたけどすっごく怪しかったし!」

「一応銀行で確認ぐらいしてみたら如何でしょう?本物だったら勿体無いですよ?」

 

私が現実的に、そう言って見せれば彼女は震えた声になって

 

「ほ、本物な訳ないですよ……だってそんな——お父さんの死亡保険金だなんて……」

 

そう言い、目に涙を溢れさせ小切手を抱える彼女をみて、私は私らしくない行動をしてしまった

 

「スズネさん、もし貴女がヒイラギイチロウさんについて真実を知る決心がついたら、こちらのメールアドレスに連絡をください」

 

そう言って情報屋としての名刺を渡し、歩き始める

 

「インフォメーションブローカー……?」

「お父さんの事何か知っているの?レインちゃんて何者なの!?」

 

そう聞く彼女に、私は一度だけ振り返って

落ち着いた調子でこう伝えた

 

「ただの情報屋です、解析屋、と呼ばれることもありますが」

 

そう言いながら、再び歩き出し、ツクヨミさんの脛を蹴って、共に病院を後にした……

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

闘技場にやってくれば、どうやらもう既にカナメとダンジョウはやってるようで柱の影に隠れるダンジョウを、スコーピオで連射していた

 

「ふむ…私達、なかなかいい所に来たようですね?」

「何だ、来たのかよレイン……に……あー、ツクヨミだったか、保険屋の件は終わったのか?」

「まぁ終わったと言えば終わったねぇ」

「それよりあの銃……スコーピオンですか?いつの間に手に入れたんです?」

 

レインがそう尋ねればリュージも立ち上がって最前列へと歩き

 

「銃に詳しいな解析屋……俺らのカナメ(ボス)の情報売ったりすんなよ?」

「身内の情報は売りませんよ……あなた私の事なんだと思ってるんですか?」

 

そう言いながら、レインは何故か俺の方へ目線を配る、いやー何ででしょうねぇー、お兄さんわかんないやー、そう思ってレインから目線を逸らせば、レインが軽いため息を吐いた気がする、多分気のせい気のせい

 

「まぁ俺だって怪我を治す間遊んでたわけじゃねぇ、あの銃やブレードは知り合いの武器屋から仕入れたのさ、戦力の増強にはこれが一番手っ取り早い」

「武器屋……まさか(リー)の店です?あの中国人はとんだぼったくりですよ?」

「今の会話だけでよくわかるな……お前だけは敵に回したくねぇわ……」

「あなたに旧共産圏国の武器を売りそうな相手は1人しか思いつきませんでしたから……今度もう少しマシなブローカーを紹介しますよ」

 

そういう最中に俺は席に座ってしゃりしゃりとアイスを頬張っていた、んーやっぱりアイスはバニラが至高だな、果実類としては梨が結構好きだけど、限定品だからなぁアレ、そう考えている最中もリュージとレインは話し続けている……レインがこっちを見てため息ついてる気がしないでもないが

 

「まぁ戦力増強効果はあったろ……カナメの奴、あのダンジョウさんを抑え込んでるぜ」

「確かに取り回しが良い短機関銃は格闘家相手には有効ですねうまく距離を離せましたし……ですが問題は——」

「今のところ一方的に手の内を暴かれていて、ダンジョウ氏のシギルを引き出せていない所でしょう、そこをクリアしなければ同盟の話もどう転ぶか分かりませんよ……?」

 

そうこう話しているうちに、焦れたカナメがグレネードを取り出し、その隙をついてダンジョウさんが走り出す、カナメも慌てて走りながら打ち続けるが、障害物の多い場所じゃ弾もなかなか当たらない……

 

そして、原作通り、ダンジョウさんが石の一つを持ち上げてから、カナメへと投げ飛ばし、その隙をついて自慢の筋肉で馬乗りとなって拘束をした……そろそろ奴さんも来るから構えとかなきゃな、そう考えて、食べ終えたアイスの棒を加えて、立ち上がってからレインの側に歩き

 

「……どうしました?クランの件で何かお話しでも?」

「………いや何、今日は誘拐されやすそうな日だなってね」

「何言ってるんですか貴方……」

 

と玲音がため息をついたあたりで……カナメとダンジョウの動きが止まる……俺も背筋に寒気がしてきた……いやはや久しぶりに見たよ……

まぁ何やら話し始めてカナメに近づいてから仮面を外す……

 

「……じゃ、お話ししに行こうか、レインちゃんにリュージ」

 

とほおけている2人に笑顔でそう言って、俺は棒を手に取りため息を付くのだった

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