「逃げたか……まあいい。ん?なんだお前」
花が咲き乱れ、美しいがどこか荒廃した景色の中で、ジョーカーを逃したディケイドの前にはプニっとしたマゼンタ色の小さい生き物が座っていた。
「助けてくれてありがとうトラ!」
ディケイドは変身を解除して黒いサンシャツを整える。
「動物が喋っただと…?まあいい。とりあえずお前の名前を聞くか」
その動物が喋る事に驚く士だが冷静に名前を聞く。
「トラルンの名前はトラルンっていうトラ!君の名前は?」
「俺は門矢士だ。ところでトラルン。ここはどこなんだ?さっき、俺が戦った奴はなんなんだ?」
士も自己紹介をして質問を投げかける。
「ここは『光の園』っていう妖精の住んでる世界でさっきのは……たぶん悪い奴なんだトラ!」
「光の園…なるほどな。だいたい分かった。」
士とトラルンが話していると突如として後ろから大きな声が聞こえた。
「久しぶりだなぁ!!ディケイド!!」
「お前は……?!」
花びらが空中を舞う中、士が後ろを振り返るとチューリップハットにコート、眼鏡をかけた中年風の男がいた。
「もしかして知り合いトラ?」
「…ああ。アイツは鳴滝ってヤツだ。おい、鳴滝!どういう風の吹き回しだ!目的はなんだ!」
鳴滝は少し笑みを浮かべながら張った声で士の質問に答える。
「ディケイドよ。生憎、私は用があって忙しくてな。悠長に話してる時間はない……が、一つだけ教えてやろう!お前がこれから巡っていく世界を守っている戦士は仮面ライダーではない!」
「仮面ライダーではないだと?どういうことだ!」
「フフッ…ディケイドよ、期待しているぞ。」
「おい!待て!」
士は問い詰めようとしたが鳴滝はそう言い残し、背後に出現したオーロラカーテンの中へと消えていった。
「またいなくなったか。なんかいつもより気分良さそうだったな…いや、そんなことはどうでもいい。トラルンはこの世界の戦士を知ってたりするか?」
士は鳴滝がいつもと違う様子に疑問を呈したがそんなことよりももしや、と思いトラルンにプリキュアのことについて聞いた。
「たぶん…鳴滝が言っていたのは伝説の戦士、『プリキュア』のことだと思うトラ。」
「……プリキュア?それはどういう奴らなんだ?」
「プリキュアはこういうお姉さんたちトラ!!」
トラルンがそういうとどこからともなくプリキュア達が写されたカードを取り出した。
「色褪せているな…」
士がプリキュアのカードを手に取り観察しているとそれらは自分の持つライダーカードに似ていることに気がつき、ディケイドのカードを取り出して見比べる。色褪せているところを見ると恐らくブランクカードなのだろう。
「それは何のカードトラ?」
「これか?これは仮面ライダーのカードだ。」
トラルンにカードを尋ねられた士は平成ライダー20人のカメンライドのカードを見せる。
「いっぱいトラ〜!」
「そうだな。ところでトラルン、俺はこれからこの世界…プリキュアの世界を巡ろうと思う。お前もついて来るか?」
プリキュアの世界にヒーローとして来たのがなぜ自分なのか。士は理解できなかったがプリキュアの世界を巡ればその理由も分かる気がした。
「トラルンも行きたいトラ〜!!」
トラルンがそう言うと、高く飛び跳ねて士の肩に乗った。
「じゃあ、行くぞ。」
「分かったトラ!」
こうして1人と1匹はオーロラカーテンの中へと消えていった。
次回は3月中に投稿したいです。
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